by大神華楠
side華楠
「はぁ~」
とある昼下がり9尾の母を持つ私こと大神華楠は田んぼの近くの切り株に座り大きなため息をつく
…人の体になって早半月
…まだ完全に人型になることができないので狐耳・尾が生えている私の姿…
これのせいですごい目立っている…前の子狐の姿は目立たなかったのに…
それに…
「カプ…カプ…ガブ…」
「ねえ…私の尾噛まないでよ…」
…現在私の尾に私の妹こと黄色の子狐がカプついている
理由は分からない…
只昔から私が母さんの膝の上に乗っかったりすると尾を噛まれる…
嫉妬なの?人の体になってから毎日のようにこんな感じ…
「もう!」
私の尾からこの子を離して抱く…これなら噛まれないもん!
社へ帰ろうかな?
社の方へ帰ろうと田んぼの横を歩いているとおじさんが米の苗を困ったように調べている
「…どうしたの?おじさん?」
「ん?ああ!あの狐様の娘っ子か…実はの米の元気がないんじゃ…雨はこの前降ったし…なぜだろうか?」
私は米の苗の一つに手を当てる…
…しなっとしている…単純に栄養不足か…私の能力でも植物と会話ができるわけではないがある程度の知識はある
「多分…土に栄養がないからかも…」
「養分?」
「うん…おじさん沢山の苗を植えているでしょ?その分土の栄養を吸い付くしているの…弱いの間引けばなんとかなるかも」
「植えすぎか…ありがとな!娘っ子!やってみるよ」
おじさんと別れて私は社への一本道を進む…
「へぇ~!貴女凄いね!」
「っ!誰?」
辺りには誰もいない…誰もいないないのに声だけが聞こえてくる
「上よ…う・え!」
「上?」
声の方向を見ると木が一本ありそう上を見ると人がいた…
私と同じ緑色の髪に白い巫女のような服装をしている女の子…
年は私と同じくらいだろうか?
「気づいた気づいた!よっと!」
その子は木の上から飛び降り私の前に着地する
「貴女…洩矢様のところの狐様の娘でしょ?」
「えーと…貴女は?」
私が尋ねると彼女は思い出したかのような顔をする
「自己紹介がまだだったね!私の名前は東風谷鈴音っていうんだよろしくね!」
「そ…そう?私は大神華楠っていうの…よろしくね」
何だろう?家族と洩矢様以外に話した事がないから何だか緊張してしまう…
鈴音は私の反応を見てニコッとする
「はは!驚かしてしまったかな?ごめんごめん!…ふーん」
彼女は私が抱いている妹を見る…
「もしかして…その子貴女の家族?」
「うん…そうだよ…私の妹になるんだって…」
「へー…じゃあ!そのうち貴女みたいになるんだ~?」
鈴音は私の耳と尾を見る…
(ジ~)
「…触る?」
「え?いいの?やったあ!では早速!「鈴音様~!」…チッ」
声の方向を見ると村の神社の神主様がこっちへと走ってくる…
「やば…華楠ごめんね!今度触らして!」
鈴音は田んぼの方面へ走る…
「待ってくだされ…鈴音様~!」
神主様はヨロヨロと鈴音を追いかける…ああ…大変そうだ
「…ん?」
そういえば鈴音って誰かと雰囲気そっくりなんだよね…誰だっけ?
社の方へ歩きながら考えていると木の後ろに隠れていた洩矢様を発見する
「そこで何しているの?洩矢様?」
「!!うええ~!?何でもないよ!は…早く社へ戻ろうか!暦も待っているよ!」
「母さんが?はい!」
洩矢様に手を引かれ社へ戻る…
その時の私はさっきまで思っていたことを頭の中から消していた…
鈴音は誰かの先祖です(ネタバレ)
ではこれにて