東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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運命は全て良いものとは限らない

by大神暦


時の流れと新たな危機

…戦争が終わり20年という年月が経つ

 

時の流れとは早いものだ…娘達は人間でいう成人となり私にに似て美人となった…

 

この国も神奈子と諏訪子がいるため安定した平和な国へなっている…

 

 

諏訪子の子である鈴音もとある男性と所帯を持ち子供を授かった …

 

諏訪子はまだ自分が鈴音の母親であることを明かしていないが孫が産まれたことを密かに喜んでいた…

 

中々良い日々だが私の方は気が晴れないままだった…

 

 

 

 

 

 

 

side暦

 

「…ん」

 

目を覚まして私は身を起こす…

 

最近になってあの銀髪の女性の夢ばかりを見る…今日の内容は悲しそうな銀髪の女性が只私を見つめているだけの夢…

 

「…フ~…いい加減にしんどいな」

 

…昔の記憶が夢として出ているだけかもしれないがそんなに大事な記憶だったのだろうか?

 

ここまで来ると知りたい気持ちが強いがこの村を出るのも気が引ける…

 

外に出たところで手がかりは無い…何よりも私達の存在は外の人間から見たら異質だろう…

 

現在は妖怪が人を食べて人間は妖怪を退治するという世の中だ…

 

私は神のなりかけ・娘達は人での妖怪でもある存在だ…それにより我々は人どころか妖怪にも相容れない存在なのだ…最近娘達も気にしているのか人間の姿でいることが多い…

 

「…そろそろ考えないとね」

 

身を整え私は社の外へ出る…

 

 

 

 

 

「フン!ハッ!!ハァ!!」

 

社の外では煌炉がいつもと同じように格闘の練習をしている

 

「朝から精が出るね煌炉…」

 

「母さんおはよう…こうでもしてないと暇だからさ…」

 

煌炉は格闘をやめて木に寄りかかる…

 

「…そう…日々の鍛練は大切よ頑張って」

 

「…はいはい」

 

私は煌炉と別れて村の門へ向かう…

 

 

 

 

 

門の近くに行くとダーン!ダーン!と2発の銃声がが聞こえてくる…

 

この村の住民はこの音に慣れている…もう日常茶飯事となっているし

 

門のところへ向かうと銖理がライフルを構えていた…

 

「…今日も来たの?妖怪?」

 

銖理は黙って頷き遠くを指差す…

 

その方向には大きな獣型の妖怪が2体倒れているのが見える…ここ数年妖怪が増えはじめている…

 

人への被害が報告されており村丸ごとやられたところもあるらしい…そのためこうやって戦える私たちが着手しているが変化らしいものはない…

 

「…引き続き頼むよ銖理」

 

「暦~!」

 

声の方向を見ると諏訪子がこちらに向かい走ってくる…

 

「…どうしたの?諏訪子?」

 

「どうしよう!どうしよう!」

 

諏訪子は泣き崩れておりいつもの彼女と違い落ち着きがない…

 

「…何があったの!?」

 

「っ~!鈴音がっ!鈴音が突然っ!血を吐いたの!」

 

「!?血を吐いた?今はどうしてる?」

 

「今は神奈子と華楠が様子を見ている!只華楠の能力を使っても全く良くならなくてっ!私はどうしたら!」

 

「…貴女は鈴音の母親でしょ!行くよ!!」

 

諏訪子の手を引き鈴音がいる神社へ向かう…

 

 

 

 

 

 

 

神社では布団の中で苦しそうにしている鈴音を囲んで神奈子・華楠・鈴音の夫が暗い表情をして座っていた…

 

諏訪子は鈴音の方へ向かう…

 

「…鈴音っ!!」

 

「…大丈夫です何とか一命はとりとめました」

 

華楠は神妙な面持ちで話す

 

「…だが華楠の力で何とかなったが…いつまでもつか」

 

神奈子は言葉を詰まらせる

 

「そんなっ!」

 

諏訪子はその場に崩れ神奈子が彼女を助け起こす…

 

私は華楠を手招きし神社の外へ出る…

 

 

 

 

 

 

神社の外へ出て華楠は額を押さえて木に寄りかかりそのままズルズルと座る…

 

「…こんなことが来るなんて…いくらなんでもこんなのっ!」

 

「…彼女の容態は?」

 

「…少しずつ衰弱しているっ!今朝中庭で子供を抱えて倒れていたのを彼女の旦那が見つけたの…あんなに元気だったのに…急にっ!」

 

確かに原因は不明ね…昨日までは普通に生活していたし急激に体調が悪化するのはいくらなんでもおかしい…

 

「…ん?華楠?子供を抱えて倒れてたの?」

 

「…うん…赤ん坊の方は以上はなかったよ」

 

…何故かここが引っかかる鈴音は中庭で赤ん坊と何をしていたの?

 

「…華楠…少し彼女の体を調べても良いかしら?」

 

「ヒックっ!…何で?そんなことを?」

 

「いいから!貴女の見逃しがあるかもしれないでしょ!」

 

私は神社へ戻り鈴音の部屋へ向かう…

 

 

 

「…どうした?暦」

 

神奈子が声をあげるが私は鈴音の布団へ向かい彼女の体を調べる…

 

「暦?」

 

「…ん?」

 

鈴音の腕見ると小さな噛まれたような傷を発見する…皮膚の色が変色しはじめているのが分かる…

 

…何か小動物に噛まれでもしたのだろうか?何だか胸騒ぎがする…何かよからぬ事が起きる…そんな気がする…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…キキ!!気づいたか」

 

村から離れた木の上で何者かが赤い目をギラギラさせながら村の方を見る

 

「…まぁいい!神の子ごと全て葬りさってやる…いけ!」

 

その者の合図と共に森の奥から大量の何かが村の方向へと走る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

村の入り口近くには暦の娘である境奈・煌炉・銖理・潤香が談笑していた…この4人はまだ起こりつつある異変に気づいていない…

 

「…全くめでたいことよね!あの鈴音が男と所帯を持つなんてさ♪」

 

境奈は笑いながらジトーっと外を監視している銖理の髪をいじくりながら話を進める…

 

「…鈴音の子供可愛かったですねぇ~」

 

潤香は微笑ましそうに思いだし笑いをする…

 

「…相手は他のところから来た旅人!…諏訪子様と同じか…フフ…親子だな…」

 

煌炉はククッと笑い境奈が反応する…

 

「男ねぇ~お姉ちゃんとしては華楠と妹達の相手が気になるなぁ♪」

 

「いや…私達より姉さん達は早く見つけたほうがいいのでは?行き遅れるよ」

 

「酷!私達そんなに年離れて無いじゃない!」

 

「まぁ…私達は長い寿命が約束されています…たとえ百年・千年生きようが若いままです…行き遅れようが問題無いでしょう」

 

しれっとしている潤香に境奈はショックを受ける…

 

「う…う…あまり危機感は無いみたいね…うえーん!銖理~!」

 

境奈は銖理に抱きつくが銖理は外をジッっと見たまま反応を示さない…

 

 

 

 

 

 

 

 

「銖理?」

 

何も反応を示さない銖理に疑問を思ったのか境奈は銖理に声をかける…

 

その言葉に彼女は第一声を発する…

 

「…境奈姉…何…アレ?」

 

銖理が指差す方向には黒い何かの大群がこちらに来ようとしているものだった…

 

「ヒッ…来る…何か来るっ!」

 

パニックになる境奈を煌炉は押し退ける…

 

「…何だあれは!銖理!ライフルのスコープで分からない?」

 

銖理はスコープを恐る恐る覗く…

 

「…うぷ…あれは…ねずみの…大群?」

 

銖理の言葉に全員が大群を二度見する…

 

「ねずみの大群!?ま…まずいぞこっちに来る!潤香!母さんに知らせろ!」

 

「は…はい!!」

 

潤香は暦がいる社のの方へ走る…

 

「姉さん!迎え撃つよ!」

 

「あばばばば!!」

 

「…」

 

煌炉・境奈・銖理は能力を発動する…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side暦

 

鈴音の体を調べて分かったことは何かに噛まれて何らかの異物が体内に入ったとのことまでは分かった…

 

皮膚が変色しているからそこは間違いないが…それを無くす改善策が思い付かない…

 

華楠の能力を使っても全く良くならないし八方塞がりだ…

 

「っ~!」

 

「…暦…これって鈴音の体に何が?」

 

「諏訪子落ち着け!暦が考えているだろう!」

 

二人はわめくがどちらにしろ私には思い付かない…

 

「…私に力がもっとあれば!」

 

華楠は鈴音を見つめる…

 

 

「どうすれば…」

 

「お母様!!」

 

社の中に潤香が入ってくる…

 

「…潤香…静かにして病人がいる…」

 

華楠がたしなめるが潤香が続ける

 

「ね…ねずみが…ねずみの大群が…この村に来ます!」

 

…ねずみの大群?

 

「ねずみが?どういうこと?」

 

「説明している時間はありません!只この村を目指して来ています!…現在は他のお姉様達が入り口で防いでいます!」

 

…潤香の慌てようは尋常ではないな

 

ねずみの大群・鈴音の不調・小動物に噛まれた傷…何だろう偶然ではないはず…何らか陰謀が出てきたな…

 

「村が危ない!」

 

諏訪子が外に行こうとするが私は止める

 

「鈴音のそばにいなよここは私が行くよ…二人共行くよ…」

 

「…うん」

 

「はい!」

 

私達は村の入り口へ向かう

 

 

 

 

 

「…これは」

 

入り口につくと門の外には巨大な土の壁が出現している…恐らく境奈が出現させたのだろう…

 

その壁の上には境奈・煌炉・銖理がいて能力を発動させている…

 

「っ!!!」

 

銖理は門の下に向けて銃を乱射しており

 

「…気持ち…悪い…うぷっ!」

 

境奈はえずいている

 

「キリがない!」

 

煌炉は火炎弾を下に落としている…

 

この状況少し不味いかもしれない…

 

私達は壁の上に行く…

 

「皆!!一体何が?…!!」

 

下を見ると地獄だった…

 

 

 

 

 

「キーキー!」

 

…下にはねずみの大群が上に上がろうと蠢いていた…境奈がえずいていたのも分かる気がする…

 

微力だけどねずみ一匹一匹に妖力のようなものが感じる…目も危なかっしそうな感じだし誰かがこのねずみの大群を操っている…

 

鈴音のあの傷も恐らくそのねずみによるもの…

 

 

 

 

 

「母さん…これは」

 

華楠は心配そうにねずみの大群を見る

 

「…多分誰かの仕業だよ…鈴音の傷も恐らくそいつが原因だと思うよ…でもこの状況は不味いかな…」

 

下にはねずみの大群がいるから外へは出れない…ねずみを操っている張本人はそうとう遠くでこの惨状を見ているだろう…

 

最も黒幕の居場所にすらたどり着けないとなるとこちらの防戦一方だ…このネズミ…次々わいているみたいだし…

 

「黒幕の居場所に行く方法はあるぞ…」

 

声の方向を見ると神奈子がいた

 

「…神奈子?何でここに?」

 

「…子と母の間に入るほど野暮ではない…さて…この騒動の黒幕への進撃だが私に良い案がある…」

 

「良い案?それは一体?」

 

 

 

 

 

 

 

神奈子は狼狽えている華楠とえずいている境奈を見る

 

「…華楠と境奈…この作戦は二人なら行ける!」

 

「華楠と境奈が?」

 

「え?」

 

「うぷ…」

 

私達は神奈子の作戦に耳を傾ける…

 

 




過去編2章佳境です!

ではこれにて
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