私は信じます全てを
by大神潤香
信じる者と聖人君子
side潤香
…この地に移り住み早数十年
私達の屋敷も大きくなり立派な神社へと進化する…
流石にも数十年経過すると人の文化にも変化があるみたいですね
…現在私は神社の近くにある里に…いや都に来ている
「フム…これが人の文明ですか…昔と比べて随分と進歩しましたね」
私は都の中で辺りにある建物を見回している…
昔と比べて作り方・規模が大きくなっている…私達の神社もこれを真似ているが次々と新しい物が出てくるとなると私たちでも追い付きませんね…
そして人の中には身分というものがあり位というものが出来たようです…
私達は関係ありませんが少々面倒です…
世の中変化見るのは楽しいですが現実というものは辛いものがありますね…
「はぁ…皆も来ればいいのに」
…数十年経過しても家族の中で人に関わろうとしているのは私かお母様ぐらいようです
他のお姉様達は人に関わるのをやめ交流を絶っている状態がずっと続いている…理由はそれぞれですがお母様もその様子を見て心を痛めています…
「…人でも妖怪でもあるとはいえ…厳しいものがありますね…」
都の中を歩いていると何やら人の集まりが見えてくる…
その方向に向かうと住人が一人の少年に頭を下げていた…
「ありがとうごぜえます!太子様」
「いえ!民の悩みを聞くもの私の役目ですから!」
…ミミズクのように逆立った髪をした少年はニコリと笑う…
服装からして…身分は一番上の豪族にあたいする人でしょうか?私はすぐ近くにいる人に尋ねる…
「…すみませんあのお方は?」
「…おやまぁ…お姉ちゃん知らんのかえ?あの方は聖徳太子さまじゃ…仏教を崇拝してわしら民の悩みを聞いてくださる優しい方じゃ…」
「…そうですか」
見た限りまだ子供ね…只これだけの人の支持を得ているとなると中々の人物のようですね…
彼をしばらく観察していると目が合う…彼は笑った後で驚いたような表情する?
「…?」
彼は不思議そうに首を傾げている…私の顔に何かついているのでしょうか?
とりあえず私は笑顔で笑い返す…
「…そこの貴女…少し良いですか?」
太子様は私に向かい手招きをし周りの人の視線が私には集まる…
「え?あの…」
周りの視線が痛い…こんな人数に注目されるなんて…あまり慣れていないですし…何でしょう?変な汗が…
私がまごついていると太子様は私の近くに来る…
「は…はい?…何か用でしょうか?」
「…やっぱり聞こえない…貴女少しここに残ってもらえますか?」
それだけを言い太子様は元の場所に戻る…
聞こえない?一体何でしょう?
私は大人しく邪魔にならない端に移動する…
side?
(あの女の人は私の支持通り待ってくれていますね…)
私は残りの民の悩みを聞きながら彼女の方を見る…
そして彼女の方に耳を傾け欲を聞こうとするが全く欲望が聞こえてこない…
こんなこと生まれて初めてだ…
生きているものは多かれ少なかれ欲を持っているのが当たり前だが欲を全く感じさせない者がいるとは驚きね…
(…欲を感じさせない人間がいるとは)
この世は欲望にまみれている…権力・自己の利益などの力を持つものは黒い欲を持っている者ばかりだ…
子供の時からそう…今までの私の世話係も私個人を見ておらず自己の保身のみを求めていた…
そして他の者も大王である私の父・子である私に嫉妬のような感情を向けたりした…それが辛かった
でも欲を感じさせないあの女の人を見ていると何故か心が安らぐ…
とても眩しく神々しく見えてしまう…民を導く指導者といえど私は人の子…誰かに支えてもらいたいときがある…
(…もしかして…彼女なら私を…)
心の中でそう感じながら残りの民の話を聞く…
太子様章ですね
ではこれにて