東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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全ての水は私の思い通り


by大神潤香


不審火と恵みの雨

太子様もとい神子様の従者となり一月が経過する…

 

色々とやることが多いですが神子様のため誠心誠意で応えるのみです…

 

本日は神子様の民の悩み相談を都で行っている…

 

 

 

 

「…成る程最近日照りが続いているのですね」

 

「…その通りですじゃ…これでは作物が作れないので飢饉になってしまいます」

 

まずは雨が降らない悩みのようです…これは近いうちに私が雨を降らしておきましょう

 

「…天のことは私でも分かりかねますが信じなさい…信じていればそのうち良いことが起こりますよ…そうすれば今日中には大雨が降ってくるでしょう」

 

…フム…やっぱり今日中には降らしておきましょう…

 

ちなみに神子様に私の能力は言ってはいません…言う程でもありませんし万が一に備えて隠していたほうが私としても都合が良い…

 

「…さて次の方は?」

 

次に神子様の方に来たのは僧のような格好をした人だ…寺の人ですかね?

 

 

 

 

「…どうしました?」

 

「…太子様最近私の寺で不審火が出ているのです…寺の仏像は無傷で終わりましたが何者かの作為を感じます…私の寺を守っていただけませんか?」

 

…不審火…そう言えば最近それが多いですね…

 

「…わかりました私の従者を寺の警備につけましょう!潤香頼んだよ!」

 

「は…はい!」

 

まさかの太子様のご指名…これは私の責任が重大ですね…

 

「それは助かります!ではこちらに!」

 

寺の人に連れられ私は寺の警備にあたる…

 

 

 

 

 

 

 

 

午前2時寺の境内にて

 

「…ふぁぁ」

 

真夜中…私は寺の境内の木の上で大きな欠伸をする…とりあえずここなら寺の境内を見回せますが誰も怪しい者はいない…

 

「…今日来なかったら明日もですね…私の体力が続く限り見張り続けましょう…」

 

ふと境内の端を見ると怪しい人影があるのを発見する…

 

「…来ましたか」

 

私は木の上から寺の屋根へ飛び移りその方向へ向かう…

 

「…クククこれで仏像は全て焼却じゃ…」

 

成る程仏像狙いですか…だけどそれはさせません!誰です?こんなことをするのは?

 

私は屋根の上からその人物を見下ろす…

 

 

 

 

 

 

 

「…え?」

 

「…ククク…神子様には悪いがあの奇妙な物はあってはならぬものじゃ」

 

…その人物は見覚えがあった… というより朝もあった!

 

白い長い髪を後ろに結った少女こと物部布都がそこにいた…手には火のついていない松明に火打ち石…

 

状況が物語っている…100%彼女がこの不審火の犯人だ…

 

(まさかの身内ですか~!)

 

只の盗賊の類いなら私が捕らえて守衛に出すだけで充分でしたが…神子様の身内が犯人とかあってはならない!

 

神子様のこれまで積み上げたものが水泡になって消えてしまう!

 

何として阻止しなくては!言っても聞かなそうだし私が何とかするしかないですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side布都

 

「…さて仕舞いじゃ!」

 

不要な仏像は全て燃えてしまえ!

 

我は火打ち石を鳴らそうとするが何やら天候が危うい…

 

「…む?雨か?おかしいのうさっきまでそれらしい感じはしなかったのじゃが」

 

ボチャッ

 

屋根から何か液体のようなものが落ちる音がし我は振り替える

 

「な?」

 

「こぽ…こぽ…」

 

我の目の前には巨大な獣が一匹おった…

 

だが只の獣では無いことが分かる…獣らしいふさふさな毛皮ではなく全てが水!まるで水に形作られた獣としか言いようがない

 

「くっ…妖かじゃが我の手にかかれば!」

 

我は炎の護符を水の獣に投げつける…

 

「コポコポ」

 

ボジュウ~

 

「な?」

 

護符は水の獣に吸収され術を発動すらできない!

 

「…コポコポ」

 

「ひっ…」

 

不味い!非常に不味い!奴がよってくる!

 

 

 

 

「…やっぱり君だったか」

 

ザシュ!

 

水の獣の腕が飛び獣は後ろに下がる…

 

我の目の前には神子様がおり手には宝剣が握られていた…

 

「…神子様?」

 

「…潤香の様子を見て来ようと思ったら…このようなことになっているとは…布都…後でゆっくりと話を聞かせてもらう必要がありますね」

 

「…はい」

 

神子様は我見据えた後水の獣を見る…

 

奴の腕は元に戻りあまりダメージを与えていないようだ…

 

「…来るがいい獣よ…私の部下を手にかけようとしたこと…後悔させてやる」

 

「…コポ…コポ」

 

水の獣は踵を返し寺の外へ消えていく…

 

神子様の気迫に押されでもしたのだろうか?

 

神子様は宝剣を鞘に戻し我を立たせる…

 

「…帰ったら説教です…わかりましたね?」

 

「…なんなりと」

 

神子様は我を見た後辺りを見回す…

 

 

 

 

「…何か?」

 

「…いえ…潤香の姿が見えなくて」

 

潤香?そういえばあやつも寺にいたようじゃが姿が見えんな?

 

「…先に切り上げたのかな?雨も降ったし…帰りますよ布都…」

 

我は神子様に帰路につく…今後の処罰ことを考えながら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…けほ…けほ」

 

寺の境内の端…大神潤香は元の姿に戻り胸を押さえて蹲っていた…

 

怪我らしいものしていないが顔は青く冷や汗が大量に出ている

 

「…けほ…脱力感がすごいですね…華楠姉様の真似をしてみましたが…あまり宜しくないですね…」

 

潤香は仰向けになり降ってくる雨を見る…

 

「…神子様…かっこ良かったですね…敵意を向けられたのがショックですが…」

 

潤香は腕を顔につける…

 

「…今度から獣の姿はやめましょう…色々ときついものがありますね…」

 

 




というわけで放火魔は布都ちゃんでした

ではこれにて
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