by大神境奈
side神子
私達が屋敷に戻ると早々に玄関に現れた屠自古と布都がボロボロの潤香を見て困惑する…
そして屠自古の怒りの矛先は青娥の方へ向かうのであった…
「外で何があった!まさか神子様が危ない目にあったんじゃないでしょうね!?」
「お…落ち着いて下さい!屠自古さん~!」
あまりの屠自古の剣幕に流石の青娥もたじたじである…
「…太子様?ご無事で?」
布都の言葉に私は肩を貸している潤香を見る…
私の身代わりに彼女は胸に消えない大きな傷を作ってしまった…
「…私は大丈夫です…潤香を寝せてくるから…後は任せたよ…布都」
「…御意」
布都達と別れ私は潤香の部屋に行き彼女を布団の上に寝せる…
手当てしているとはいえ彼女が重症であることには変わりない…後で栄養のあるものを食べさせよう
「潤香…気分はどう?」
「…何とかです…ご迷惑をおかけします…神子様…」
私は潤香の額を撫でる…迷惑なんてそんなことはない…
潤香がいなかったら私はあの巨大な熊に切り裂かれていただろう…
それを思うと体が震え…冷や汗が止まらなくなる…
「…君のお陰で私は助かったんだ…迷惑なんて思っていないよ…逆に感謝している…君は私にとって最高の従者だよ」
「…恐れ多いです…私は役目を果たしただけですよ…」
潤香は眠そうに目を細める…
「…申し訳ございません…どうやら疲れが出てきたようです…先に休ませてもらって宜しいでしょうか?」
「…ああ…ゆっくり休んで」
私は彼女の部屋を出て遠くの夜空に浮かぶ月を眺める…
「…潤香のあの傷を何とかしたいな」
…明日青娥に聞いてこよう…
彼女の傷を直せる方法は知っているでしょう…
そんなことを思いながら私は彼女の部屋を後にする
side潤香
…どうやら私は無事に帰ってこれたようだ
神子様達のもとへは銖理お姉様が運んでくれたようだ…今度お礼を言わなくては…
…だが安心したのはつかの間…ある問題が発生してしまった…
「…あの大熊…やってくれますね」
私は布団から身を起こし胸の包帯を取る…
胸には3つの爪の傷があり傷をよく見るともう塞がり始めている…
人でも妖怪でもあるため傷の治癒力が人間より遥かに高い私の体…これが問題となっている…
神子様は私の傷を見てしまいましたし無かったことにはできない…だがこの傷が無くなってしまうと変な違和感を持たれ私の正体がばれる可能性がある…ここだけは何とかしないといけない!
「…自傷行為は私としても嫌ですが…仕方ないか…ぐっ…」
私は傷口に爪を立てて傷を抉る…
治りかけた傷は開いて血が溢れてくる…
「…っ…ふぅ…これでは定期的にやらないとね…」
私の正体がばれる訳にはいかない…
神子様が世を統べる光景を見るまで…ばれるわけには…
私は包帯を巻き直し布団に横になる…
一方大神神社にて
帰還した銖理が暦に状況報告を行っていた…
暦は話を聞き終えるとホッと胸を撫で下ろす…
「…命に別状はないのね…良かった~」
「…しかし…どうする?…潤香があの状況では…」
銖理の言葉に暦は座っている椅子をのけ反らせて天井を見る…
「…もしばれたとしても…信じようよ…潤香とあの主の絆というものをさ…」
暦は夢の中の女性を思い出しながら物思いにふける…
第4章は長くなりそうだ…話が詰め込まれる…
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ではこれにて