by大神暦
side暦
帝直属の陰陽師となり早1か月...私たちは帝からの依頼をこなしながら他の民の依頼を聞くという多忙な毎日を送っていた...
流石京の都の依頼だけあり私たちでも骨が折れるものがある...
華楠が致命傷を負うとは少し予想外だった...まぁ本人曰く大丈夫らしいが他の子は華楠のような生命力は持っていないからそういかない...
誰一人欠けることなくこの仕事は遂行するよう気をつけなくては...
「依頼のまとめはこんなところか...残りはあの子たちをそれぞれにあった所に派遣するだけね」
筆を置き伸びをすると部屋の戸を叩く音が聞こえる
「...どうぞ」
私が一声かけると戸が開き赤髪の女性こと煌炉が入ってくる...何かイライラしたような顔をしているが...
「失礼するよ...母さん」
「どうしたの?」
煌炉は私と机をはさんで向かいあわせになり机をドンと叩く...
「暇なんだけど!!もっとさ!面白い依頼とか無いわけ?」
「?依頼なら重点的に回してあげてるじゃない?」
私の言葉に煌炉は机を叩く...
「私が言いたいのは!歯ごたえのない戦いはもう沢山なの!もっとさ!強いのとかないの?」
困った...煌炉の悪い癖...昔から血の気は多いと思ってはいたけどここまで戦闘狂とは思わなかったな...境奈がサボった仕事を上げているのに彼女には物足りないようだ...
「特にそれっぽいのはないね~」
「華楠姉さんのやった奴も?...何であの時姉さんを行かせたのさ?私は境奈姉さんの補佐だったし!」
「いやいや...あれはあの子向けよ」
「ぐ...ぐぐ!」
煌炉はうなだれる...この子も華楠が娘の中で一番強いと分かっている...だがこれ以上のストレスは煌炉にとっても宜しくないのも事実...仕方ない...まだ確かな証拠は集まっていないけどアレの担当を任せてみようかな?
「じゃあさ!任せたいものがあるんだけどいいかな?」
「何!?」
煌炉は机に身を乗り出す...目はキラキラしておりいつの間にか半獣モード...大きな1本の尾が嬉しそうにブンブンと振っている...
「とある人をお願いできる?これは貴女向きかもしれないね~実は~!」
私は彼女に耳打ちをする...
「...っというわけ」
「その情報確かなの?」
「...残念だけど不確定情報なのよね...証拠は全くない!このことは貴女に任せるわ!」
煌炉は拳を鳴らす...その表情にも笑みが出ている...
「私に任せて!...フフ...面白くなってきた!」
煌炉はルンルンと部屋を後にする...あのことは彼女に任せよう...禍の芽は早めに摘んでおかないとね
「さて...あれは煌炉に任せてっと...境奈には例の件に向かってもらっているし...残りは...」
書類を見ると合計28件の依頼...他の子だけで回すのも骨が折れるか...私が行くしかないか
「...私も頑張らないとね!」
依頼書を持ち目的地へ向かう...
同時刻
日ノ本のとある場所にある大きな山...人呼んで妖怪山...そこは天狗達の住処となっており大きな組織としてなっている...
その山の中にあるとある屋敷で天狗装束に身を包んだ若い女性の天狗がいた
side?
「...何の話しかしら?」
本日の昼過ぎに私は私の上司こと長に呼び出される...おかしい何か悪いことでもしたかしら?椛に軽くセクハラしたことぐらいしか思いつかないわ...
「失礼します」
部屋に入ると長は部屋の机にて何かの書類を眺めているようだ...
「...来たか...すまんな...呼び出して」
「いえ...何かありましたか?私に何か落ち度でもありました?」
私の言葉に長は首を横に振る...
「いや...そうではない...これを見てくれ」
長は6つの巻物を私に見せる...恐る恐る中を確認するとやけにリアルな写し絵が描かれていた...全てが女の絵で心なしか全員顔が似ている...
「...随分と綺麗な絵ですねぇ...長?絵の趣味でもありましたか?」
「違う!これは姫海棠に頼んだ念写というやつだ...とある人物たちの人相書きを忠実に再現したものらしい...」
はたての能力か...まぁそこのところはどうでも良い...問題は何故私が呼ばれたかだ...
「誰です?この人たちは?」
長は重々しく口を開く...
「...この6人は退治屋・大神家の者たちじゃ...」
「はぁ!?大神家ってあの退治屋の?」
私は絵を手に取り食い入るように見る...最強の退治屋である大神家がこの6人の女性?てっきり男の集団かと思ってたわ!
長は人相書きを手に取る...
「意外だったか?まぁ...このことは我々でも上層部と一部の幹部候補の者しか知らせておらん...で...話を戻すが大神家が都の陰陽師となり勢力を拡大していると情報が入っての...危険者リストの中入った...しばらくは静観してようと思ったがいささかマズイことになっての...」
「マズイこと?」
「風見幽香が大神家の者に後れを取ったという情報が入ったのじゃ...」
「ハァ!?」
...風見って...あの最強と名高い大妖怪で知られるあの人ですか?馬鹿な...そんなことあるわけない!
「幸い...命には別条はないようだが...これで大神家の脅威が濃くなりよった...八雲紫からも協力要請が入っての...状況が状況じゃ...我々もこの問題に立ち向かわなくてはならなくなった...」
いつの間にかすごいことになっているとは...しかし
「あの?何故私が呼ばれたので?」
私が質問すると長は手を組む...
「お主は若いが烏天狗の中では一番の速さをもっている...この共同戦線にて共に大神家と戦ってもらいたい!」
「は?」
...一瞬長が何を言っているか私には分からなかった...私が大神家との戦いに参加ですって?
「ちょ...待ってください!私は一般天狗ですよ!?大神家の者に歯が立たないに決まっているじゃないですか!!」
「...そんなこと重々承知じゃ...他に参加する者にも同じことを儂は何回も言った...だが我々でもメンツというものがある...引き受けてくれ...すでに決まったことだ...」
「そ...そんな...」
実質死刑宣告...大神家の者と戦うとか...ありえない...
目の前が回り始めて私は部屋を出て窓を乗り越え近くの木に手をつく...
「...うぷ...気持ち悪い...ん?」
「きゅーん?」
私の目の前には小さな狐が一匹...その狐は首を傾げた後近くの草むらへと姿を消す...
「...もういいです...今日は椛に慰めてもらいましょう~あやや~♪」
自暴自棄になりながら私は椛のいる場所へ足を進めていく...
この精神状態では私は気づかなかった...すでに水面下で大神家の魔の手がこの妖怪山に伸びているということを...
天狗の里から30km離れた場所の木の上にて大神家の一人・境奈が枝の上に寝そべりながらククっと笑みを浮かべており彼女のいる木の周りには数十匹の狐が囲んでいた...
「フフ...ご苦労様っと」
境奈は木の上から降りて一匹の狐を抱く...
「...まさか天狗が私達に向けて戦闘準備をしているとはね~?母さんに報告かな...しかし~!八雲紫?誰かな?とりあえず情報を集めてみるか...」
装束についた埃を払い境奈は狐を離し里の方を一瞥する...
「...フン!妬けちゃうわね...土狐...後の見張りは任せたわよ」
境奈が合図すると数十匹の狐たちは砂煙と共に消えて彼女はそれを確認した後下山し神社へと戻る...
このことを母親である暦に伝えるために
投稿ペースが落ちているな...
ではこれにて