by大神銖理
side銖理
「...輝夜姫?」
「そう~輝夜姫~!行ってくれるかな?」
早朝...居間にて朝食をとっている時に母さんに依頼について知らされて私は聞き返す...久しぶりに帝の依頼ではない気がする...少しだけ気が楽になった...
「別にいいけど...」
「おはよ...銖理に母さん...」
書類片手に味噌汁を啜っていると居間に目の下にクマをつくった煌炉姉がどんよりとした表情で入ってくる...
「煌炉姉?どうしたの...そのクマ...」
「とある人の見張りだよ...全く尻尾を出さなくてさ...すでに3徹なんだ」
煌炉姉は机に顔をうずめて母さんが溜息をつく...
「今日は寝たら?見張りくらいなら私がやっておくからさ...」
「いや...今日も行くよ...今日辺り尻尾を出すはず!」
煌炉姉は血走った目をしながら母さんに言う...何というか怖い...
「まぁ...無理はしないでね煌炉姉...じゃあ私は先に行くから...」
食器を片づけた後戦闘の準備をし私は依頼場所である。輝夜姫の屋敷へ向かう...
「ここかな...」
私の目の前には都にある大きな屋敷...書類の内容通りならここで間違いないはず...
私は門の前にいる防人に書状を見せる...
「大神家の者です...輝夜姫からの依頼を受けに参りました...」
「大神家?どうぞこちらに...」
防人に通され中へ進む...屋敷内は中々の広さのようだ...流石というべきか...あまり輝夜姫のことは知らないが都の中で絶世の美女と呼ばれているようだし...それも当然といえば当然か...
うわさだと何人もの貴族が求婚を申し出て全員が撃沈したらしい...それも普通では考えられない試練だったとか...
(何か嫌な予感がするな...)
防人の後についていくととある部屋へ通される...
「姫様?大神家の者が参られました...」
「...入って」
...中から若い女の声が聞こえ私は部屋に通される
中に入ると目の前には十二単を身に着けた長い黒髪の少女がいた...
「ようこそ...大神家の方...私は蓬莱山輝夜...貴女に依頼を出したものよ」
輝夜姫は私に軽く会釈をする...
「...大神家四女...大神銖理です」
「へ~四女ね...まぁいいわ座りなさい」
彼女に言われ私は目の前にある座布団に座る...
「...」
「...そういえば当主様は来ないのかしら?」
「母さんは他の用事があって手が離せません...荒事は私たちの役目です」
そう...今はそれどころではない...
境奈姉が持ってきた情報では大神家が妖怪たちにマークされているとのこと...他の妖怪と共同戦線をはっているなどと対応がおかれている...
退治屋だから当然と言えば当然だが...やり場のない怒りがこみあげてくる...
家族に手を出してみろ...それをしたら私は!
「どうしたのかしら?怖い顔してるわよ?」
「いえ...何でも...で?私たちへの依頼とは?」
輝夜姫は私の顔をジッと見ている...
「月の民から私を守ってもらいたい...それが依頼よ...」
月の民?...何だそれ?
「月の民とは?」
「月の民というのは月に住んでいる者のことを言うわ...それが私を連れ戻そうとして今度の満月に来るっていうわけ...信じてもらえないと思うけど信じてもらうわ...」
月に住んでいる者か...まぁ...神がいる世の中だしそれも存在しているかもしれないな...
満月か...確か今月は2日後だったはず...
「つまり...2日後の夜に貴女を連れ戻しに来る月の民を滅せばいいの?」
「...ええ...話が早くて助かるわ...でも協力者が向こうにいるから気を付けて...彼女は...」
「...必要ない...敵意があるか無いかぐらいの判別はつくから...説明は要りません...では2日後の夜にまた...」
私はそれを言い席を立ち部屋を出る...得体のしれない月の民の存在か...当日の装備は充実させておかないとね...
side輝夜
大神家の者は要件だけを聞いてそのまま帰ってしまった...あの銖理って子少し無愛想ね...当主が出てきていなかったのは少し残念だったけどあの子でも問題はなさそうね...
戦い慣れしているみたいだし殺気も中々のものだった...
2日後に奴らに紛れてやってくる永琳は私に協力いてくれるだろうしあの子との共闘も見ものかもしれないわね...
でもあの子少し気になるわ...あの巫女のような装束...うっすらだけど硝煙のような臭いがした...月の化学がないこの時代にそんな香のする者なんているのかしら?
「面白そうね...満月の日が楽しみだわ」
輝夜でした!
次回月の民との戦いです!
ではこれにて