by大神銖理
side永琳
私は少しずつ月の兵を仕留めていく...全身装甲に身を包んだ女性は銃を握る手ではないもう片方の手からブレードを出し兵を切りつける...あの強化装甲...色々な武器を仕込んでいるみたいね...銃の狙いも的確...顔に着けている暗視ゴーグルの所為か...
月の兵も少なくなってきたがまだ油断ができない...
「くそ!ガトリング持って来い!!」
兵が他の仲間に指示すると船の中からガトリング砲が出てくる...
「外すなよ!!八意よりもあの装甲の奴を狙え!!」
ガトリングは女性へと狙いを定める...マズイ!
「避けて!狙われているわ!」
私は彼女に叫ぶが彼女はガトリングを一瞥した後あろう事かガトリングに向かって走り始める...
「っ!何をして!?」
「馬鹿目!撃ち殺せ!!」
ガトリングが火を噴き弾が放たれる...が女性の身に着けている装甲が弾を弾きながら進んでいる
「こほー...弾丸の嵐か...もっとも私の装甲を貫通する威力はないみたいだ...」
女性はブレードをガトリングに突き刺しガトリングはショートし火を噴き始める...
「なっ!?月の化学が...」
「大神の最終兵器である私を相手するなら...倍の兵を持ってきなよ...次があったらだけど...」
女性がブレードを振りガトリングから離れると爆発し残りの兵は爆発に巻き込まれる...
そしてその誘爆により私たちが乗ってきた船はその爆発に巻き込まれて炎上する...
「これで終わったのね...」
燃える船を見た後、私は共闘していた女性の方へ向かう...
女性はブレードをひっこめて暗視ゴーグルとガスマスクを外す...
「...ふぅ...これで終わりか」
「!?」
その女性の姿を見て私は目を丸くする...彼女の顔は暦にそっくりだった...まさか何千年も経過しているのに?
(暦?いや...この人は...)
よく姿を確認すると違う個所がある...暦の髪は確かに長い白だったが彼女の目は赤のはず...目の前の女性の目の色とは違うようだ...
女性はハイライトの無い金色の目で私を見る...
「これで終わり?...輝夜姫の従者」
「ええ...これで全員よ...輝夜はどこ?」
「この都の東門の所にいる...ジャマだったからそこに行かせた...早く行ったほうがいいよ」
「分かったわ...その前に貴女いいかしら?」
「...何か?」
女性は私をハイライトの無い目でじっと見る...さっきのガトリングの弾が頬をかすめていたのか頬から血が流れている...
目の色・声・体型・話し方は暦とは全く違うけどそれ以外は彼女にそっくりだ...
「頬...血が流れているわよ...こっちに来なさい手当てしてあげるから...」
女性は外したガスマスクを見ている...
「...?耐久力がなかったか...傷は別に良い...すぐに何とかなる」
「駄目よ!女の子なんだから!顔に傷が残ったら大変だから!」
私は女性を止めて懐からガーゼと薬を取り出し彼女の頬に薬を塗る...
「っ!...別に私に関わらなくていいのに...」
「手当てのついでに貴女に聞きたいことがあったのよ...私の名は八意永琳...貴女は?」
「...銖理」
銖理か...やはり彼女は暦と別人のようだ...そうよね...彼女とは何千年前のあの時に別れたのだから...流石のあの子ももう...
「そう...銖理ね...貴女その装備はどうしたの?どこでそれを?」
「全て自作だよ...」
自作ねぇ...地上の人間にしては相当な知能を持っているようね...月の化学を独学で身に着けるなんて...
「独学ねぇ...はい...終わったわ」
銖理の頬にガーゼを張ると彼女はガーゼを指で触れる...
「ありがと...永琳」
(永琳~♪)
っ!暦!?...いや気の所為か...一瞬だけど銖理からは暦の面影を感じた...
「...やはり似ているわね」
「...誰に?」
銖理は私の言葉に反応し始める...
「...ずっと前に別れた私の初めての友達よ...もうこの世にいないけど...」
「友達ね...華楠姉と同じ苦しみを味わっているのか...少し話しすぎたか...じゃあこれで」
銖理は立ち上がり門の方へ向かう...
「...世話になったわ...銖理...お元気で」
私の言葉に銖理は立ち止まる...
「...一つだけ質問何だけど...貴女何者?」
「え?」
「...仕事の関係上相手の力はこのゴーグルでデータ化させるんだけど...貴女の生命力の欄が測定不能になっていた...私の姉以上だ...何か禁忌でも使ったの?」
...鋭い子ね...只の暗視ゴーグルと思っていたんだけど...色々なものが見えるみたいね...
「...ええ...私も輝夜も私が作った蓬莱の薬で不老不死となっているのよ」
「...本物の不老不死か...まぁいいか...貴女の姫様は東門にいる...忘れてないよね?」
「待って!」
「ん?」
私はとある小瓶を彼女に渡す
「これの処分もお願いできないかしら?」
「分かった…」
銖理はそれだけを言い残し消える...
あれはもし彼女が生きていたら飲ませるつもりだったけどもう必要ないわね…
暦に似た子か...仮にそれが残っていたとしてもあの子は私とは違う人間...寿命をまっとうしたに決まっている...死ねない私にとっては永遠に会えないでしょうね...
「...行きましょう...輝夜が待っているわ」
私は都の東門に急ぐ...
皆さんお気づきでしょうが
この時代の銖理は非常に感情の起伏がありません
彼女にあるのは金行の五情の怒りが非常に強くなっています
ではこれにて