by大神暦
潤香が命蓮寺にやってきて1日という時間が経過する...
潤香もそろそろ家族に自分の安否を知らせようと思い懐から通信機を取り出す...
side潤香
「...流石にも連絡しないといけませんね」
私は部屋の隅に置かれている自分の荷物の中から通信機を取り出す...
良かった...特に損傷のようなものもないみたいです...
とりあえず連絡をしなくては...とりあえずお姉様に連絡しなくては...
「...ん?」
...音声が聞こえない
建物の中にいるせいでしょうか?これでは連絡のしようがない...
「...仕方ありません...外に出ますか」
私はそっと部屋を抜け出し庭の方面へ向かう...
「あ...」
「あら?」
私の目の前には黄色と黒の混じった髪をした女性がいた...
確か...白蓮の話だと寅丸星という人だったはず...
「おはようございます...では失礼...」
「んっ!!」
星は廊下を両手で塞ぐ...
「...はい?」
「だ...駄目ですよ!寝てないと!!」
「...大丈夫ですって」
私が彼女の横を通り過ぎようとするが彼女は必死にブロッキングをする...
「寝てないと!ダメです!!」
「私はそっちの方に用が...」
私が反論しようとすると彼女の表情が崩れ...ぽろぽろと涙を流す...
「ぐす...ぐす...安静に...死んでしまいますよ~!」
(...ああもう)
半泣きの彼女に連れられ私は大人しく自室に戻る...これはダメですね...庭に出ることすらままならないとは...
そして部屋に戻ると白蓮が部屋に戻っていた...
「おはようございます...どうしたのかしら?星?」
白蓮は半笑いで星に尋ねる...
「ぐす...彼女が外に出ようとしていたので」
このやり取りも疲れてきます...仕方ありませんね
「傷ならこの通りです」
私は着物をはだけさせ胸の包帯を彼女たちに見せる...
元からある古傷が露出していますが気にしない...気にしない
「あら?」
「傷などお陰様で完治いたしましたよ...ですから多少の行動は大丈夫です」
私は星の頭を軽くなで机に置いてあった饅頭を渡す...
「うっ...うっ...そうですかぁ!」
「ええ...ほら...お寺の仕事があるのでしょう?」
私は星を送り出す...
「...そのような笑い方ができるじゃありませんか」
「...はい?」
白蓮の言葉に私は聞き返す...
「...貴女は元々優しい人間...しかし私と戦った時の貴女は暗い目をしていた...一体何があったのです?」
「私の主との約束ですよ」
「約束ですか?」
「一方的な約束ですけどね...あの方は私を見ぬいて従者としてお傍においてくれました...まぁ最後まで仕えることはできませんでしたがね」
「その体のことがまさかその人に?」
私は白蓮の言葉に頷くことしかできなかった...
「はい!私の昔話はここまでです...少し失礼しますよ...家族に連絡をしてきたいので...」
私は部屋を出て庭の方へ向かう
「...ここならいけるか」
私は通信機の電源を入れ境奈お姉様の番号につなげる...
「はいはい~!アタシですが~?」
「境奈お姉様?私です...潤香です」
「あらあら~?潤香?どうしたのさ?神社に帰ってこないみたいだけど?」
「...任務失敗をしましてね...しばらくそちらの方へは戻れなくなりました」
「あ~知ってる~!今銖理・煌炉・華楠の奴があの妖怪を探しているところだよ...まぁもっとも人間に先を越されることは確定だと思うけどね」
...?あの3人のお姉様がいても人間に先を越される?
「あの?その意味とは?」
「...安倍清明~!都の最強の陰陽師を帝がさぁ...投入したわけ...アタシらでは力不足とか言ってさ~」
「あの?そちらの方で何が?」
「...アタシらの仕事があまり宜しくないとの帝の評価だよ...潤香の失敗に前の華楠の任務・風見幽香の生存がさ案外響いている...ってわけ...」
...私の失敗に華楠お姉様のあの依頼が失敗?
確かに華楠お姉様は風見幽香を退治はしませんでしたが...依頼書通りの仕事はしたはず...
「あの?華楠お姉様の依頼に関しては失敗ではない気がしますが?」
「さぁ?案外大神家を過大評価しすぎなのよ...まぁ気にしなくていいと母さんは言ってたよ」
ああ...私の失敗が大神家全体に響いている...
「も...申し訳ありません!何とお詫びすれば...」
私が謝るが通信機から聞こえる境奈お姉様の声は明るいままだ...
「ん~?別にいいじゃん?潤香が悪いわけではないし...アタシとしては無事で良かったよ...じゃあ戻るときは気を付けてね!」
通信が切れ私は懐に通信機をしまう...
...何というかショックです...折角頑張ったのに...
「っ~!」
私は無意識のうちに古傷を爪で抉る...血が滲み始めるが痛みこそ感じなくなりました...完全にクセになってしまいましたね...
「!!潤香さん!!やっぱり傷が開いているじゃないですか~!」
遠くから星が半泣きで来て私を部屋の方面へ連れて行く...
私は思考を停止したまま...部屋へ戻り眠りにつく...
side白蓮
月が出て辺りは真っ暗な夜...
私は自室こと...潤香が眠っている部屋を目指す...
何というか潤香の様子がおかしい...
家族に連絡してくると言った後に傷口が開いたと星に連れられた後ずっと寝室で眠っている...
やはり仕事の失敗を叱責でもされたのかしら?
その場合は私の責任ですね...
私が部屋に入るとすでに布団の中で寝息を立てている潤香が目に入る...
「...?」
「...すぅ...すぅ...スン...」
...泣いている?眠っているのに?
そっと彼女の傍に近づくと何やら寝言を言っているようだ...
「み...神子さ...ま...わ...私は...」
...神子?もしかして潤香の主だった人かしら?
私は彼女の頭の上に手を置き頭を撫でる...
「...辛いことは人生では沢山あるでしょう...でも諦めなければいつかは報われますよ...潤香...」
...そういつかは私の願いも叶うわよね?命蓮...
よし!
過去編が進み過ぎたかも...
しばらくは本編を考えますか
ではこれにて