水蜜により巨大な津波に巻き込まれた白蓮と潤香は暗い海の底へと沈んでいく...
白蓮の方は津波を直接叩き込まれたので気絶しており、船に乗っていた潤香は沈みながら溜息をもらす...
side潤香
(あらあら...大変なことになってしまいましたね...私の事なぞほっておいてもよかったのに...)
元々私は水行妖狐...能力を封じられていても水の中で息をするのは造作もないことです...白蓮様...私をかばってあの津波を受けるなんて...
(本当に優しい方のようですね...)
私は気絶した白蓮様の所まで泳ぎ私の中の酸素を彼女に口移しで体内に送り辺りを確認する...
辺りは渦がこれでもか!というぐらいに発生しており逃げ場なぞ存在しない...下手に飛び込めば命はありませんね...
長時間水中にいることは私は大丈夫ですが白蓮様はそうもいかない...この水圧の中いくら鍛えていてもいつかは体に深刻なダメージを与えてしまう...
(...こぽ)
能力を発動しようにも封じられているのでどうすることもできない...完全に消耗戦になっている...
私は腕についている数珠をはずそうとするが結局のところ徒労で終わる...
(背に腹は代えられませんか...)
この姿は見せたくはありませんがもう仕方ありません...手段は択ばない...この状況を打破するためには!
私は体に妖力をため込む...
いくら白蓮様の法力とはいえ私の完全態の余りある妖力に耐えられるはずもない...
side水蜜
「...ははは!!さいこー!」
私は水面を突っつきながら大笑いをする!
久々に獲物を沈められたんだ!大笑いをして当然!!久々に楽しむことができた!!
「今頃渦に巻き込まれてバラバラになってるだろうな♪あ~あ!ぬえの奴も色々と各地で暴れているみたいだし私も他の場所に移動するかな?」
ごぼぼ...
「あ?」
大きな泡音を聞き私は水面を見つめる...
さっき船が沈んだところに泡が発生している?
「ん?一体どうしたんだ?」
私はその地点に歩き始める...
バシャ!
「ごほ!?」
急に水面から水の手のようなものが私の首に巻きつく!?
「何だ!?これは!!離れない!」
(こぽぽ...これで捕まえました...)
辺りに透き通った声が鳴り響く?この声...さっき船に乗っていた妖怪の声?
水の手の下の水面を見ると水面の下に暗く光る2つの金色の光が見える...
「能力者だったのか!」
(...ええ...もっとも先ほどまでは使えませんでしたがね...さてどうします?こちらとしては手は出したくはありません...おとなしく渦を引いてくれると助かるのですが?)
「誰が言う事聞くかってんだ!!」
私は柄杓で水の手を掻っ切り拘束から抜け出す...
「はぁ...はぁ...」
(...残念です...手を出さないと白蓮様と約束したのですが...)
「...出てこいよ...私が相手したげるからさ」
さっきの妖怪は嫌がるように水面から出てこない...
「あ?」
(...醜い姿は晒せませんね)
「へぇ...醜い姿なんだ...さっきの姿は仮の姿ってわけ?」
(そんな感じです)
本体は水面下か意地でも出てこないというわけは空気の心配がないということさっきの手を見た限り相当大きいようだ...
「じゃあ!見せてもらおうか!その姿をね!」
私は水面を操り先ほどの妖怪の周りの水を一気に空へと押し出す!
(!?)
妖怪は押し出され水面から空へと打ち上げられる...しまったな...水の量が多かったから隠れて姿が見えない...
「まぁ良い!お姿ご対面!」
(...チッ!)
軽い舌打ちが聞こえたと思うと同時に辺りに霧が立ち込め始める...
打ち上げた水が元に戻り辺りを見回すが彼女の姿が無い!
「なっ!?どこへいった?」
(...面倒な...世の中知らなくて良いこともあるのですよ?)
声が響き霧を確認すると濃霧の向こうに2つの金色の光がぼんやりと光っている...そして霧が集まり手の形になったと思いきやさっきの僧がその霧の掌で眠っていた...
「...霧に隠れやがったか」
「...危ない危ない...もう少しで私の本体が丸見えでした...まぁこれで私と白蓮様は水面から解放されましたし一応計画通りということで」
金色の光は嬉しそうに光っている...
「...!?」
一瞬だが奴の本体が見えた気がする...あいつ...本当に只の妖怪か?いくらなんでもアレは...
「...視ましたか?」
「ぐっ!?」
霧が集まり私の体を締め付ける...この霧全てが奴の...
「...本来なら見たものは殺すに限るのですが...約束ですので二度と思い出さないようにしておきましょうか...」
「ひぐっ!?」
私の体にまとわりついていた霧が氷始める!?何で!?
「やめっ!寒いっ!」
「...しばらく自分のしてきたことを氷の中で反省しなさいな...私が言えたことではありませんが...」
...全てが凍り私の頭の中が真っ白になる...
side白蓮
「...う?」
目を開けると誰かが沖から陸へと私を運んでいる...そして隣を見ると氷漬けになった水蜜の姿...後で教えを解く必要がありますね...そして私達を運んでいる者をこっそりと見ると彼女は私が目覚めたことに気づいていないようだ...
「...潤香の本当の姿ですか」
...別に醜い姿ではないじゃないですか神々しくも感じます自分に自信をつけて欲しいですね...
陸に到着し彼女は元の人間の姿に戻り砂浜に膝をつき息を整える...
「はぁ...はぁ...やはり昔より姿形は変わりつつありますか」
...姿形が変わっている?一体どういうことでしょう?
ピピッ!ピピッ!
潤香の懐から何やら音がし彼女は懐から箱を取り出し耳につける...
「...境奈お姉様ですか...ええ...もう問題はありませんね...すぐに戻ります」
潤香はそれだけを言い箱を懐にしまい私の方を向き微笑む...
「...ありがとう...白蓮様」
潤香はそれを言い体を霧状にして消える...
「...ありがとうですか...私も楽しかったですし...また来てくださいね...潤香」
私は氷漬けになった水蜜を引きづりながらその場を後にする...
潤香の完全態は第3章と違くなり姿形がかなり変わっています...
彼女の完全態が日の目に映るのはいつになるやら...
ではこれにて