東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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私に唯一恵まれなかったもの...それは...

by大神境奈


天狗のお仕事 休息

side境奈

 

鬼の宴会は翌日の朝まで続きアタシたちは重い体を引きづりながら何とかして洞窟を出る...文先輩たちもひどい目にあったようだが私も酔ったあの鬼の話を延々と聞いていたので眠れていないし正直体が凄いだるい...

 

(あの鬼華扇とか言ったっけ?やはり鬼だけはあるね...お酒相当強いわ)

 

「うう...境奈~!よくも逃げましたね~!」

 

「...うぷ」

 

文先輩と椛先輩は青い顔をしながらアタシを恨めしそうな表情で見つめる...

 

正直アタシも楽できなかったっての!そんな顔をされるいわれはない!

 

「ははは...私もきつかったです...入り口付近で鬼の人と飲んでいましたから...」

 

「...まだそれはいいでしょう...でも私達は鬼の四天王の相手ですよ!!何度吐きかけたか!!」

 

「...文様...気持ち悪いです...」

 

椛先輩が地面にうずくまる...

 

「椛!!吐くなら向こうの草むらで吐きなさい!!」

 

「あい!」

 

椛先輩は口を押えて草むらの中へと消える...

 

 

 

「頭が痛いし気分も最悪ですが...幸い今日は私たちは休日です...ゆっくり体を休めて明日に備えましょう...境奈....先に帰っててください...私は椛を落ち着かせた後に戻りますから...」

 

「はい!先輩!」

 

アタシは笑顔で文先輩に会釈をし妖怪の山の方面とは逆の方へ向かい人気のないとある森の中でメイクを落とし通信機のスイッチを入れる...

 

 

 

「こちら境奈~!華楠~!そっちはどう?」

 

「...境奈か...微妙なところだ...我々大神家が不要になる日もそう遠くではないな」

 

通信機から漏れる華楠の声は張りがなく疲れているように聞こえる...

 

「クビまであと僅かって感じ?煌炉の獲物はどうよ?」

 

「...それは時間の問題だな...人間にも優秀な奴がいるらしいしな...安倍の何とか?」

 

安倍清明だよ!...とりあえずアタシとしては何か都の奴らにはぎゃふんと言わせたい欲求がある...アタシらをなめてかかるとどうなるか思い知らせてやる...

 

「フ~ン!なるほどね...アタシの方も何とか天狗の里に溶け込むことができたところ~!色々と楽しんでいるよ~!」

 

「...そうか?何か元気がないように聞こえるが?」

 

「...」

 

アタシより利口じゃないのにアタシの心情を音だけで分かるとは...流石姉と言ったところか...

 

「別に~!?そうだ!華楠!今度良い匂いのする香水を作ってよ!アタシとしても使っているお香では物足りないというか~!」

 

「分かった出来たらまた通信機で呼ぶ...では私も仕事があるのでこれで失礼する...」

 

通信が切れアタシは空を見上げる...最近何か心の中が満たされているのが分かる...

 

何が原因か分からないが...

 

それと同時にもう1つ恨めしい感じも私の心にあった...

 

 

 

 

 

 

一方その頃宮廷で見張りをしている煌炉は欠伸をしながら庭でキセルをふかしながらボーっと空を見る...見ている限り今の彼女は退屈そうであまり見張りの方に集中力が回っていないようだ...

 

 

side煌炉

 

「...ぐぐぐ!」

 

私は都の宮廷の中でいつも通り帝の妻の行動を見張っている...

 

母さん曰く私の尽きることのない退屈を紛らわせることが出来るらしい...

 

確かにお腹が減っている分その後のご飯がうまくなるという理論と同じように飢えている私の心を満たしてくれるかもしれない...

 

大神の力を持つがゆえに私と張り合うことが出来るのは母さんか姉妹だけだ...できることなら楽しい戦いをしたい!わくわくするような目の覚める戦いを...

 

「くく...くくく!!」

 

私は笑いをこらえてこの後の楽しみをどうするか考える...

 

 

 

side銖理

 

「ぎゃああ!!」

 

私のブレードによる一閃で妖怪は血しぶきをあげながら倒れ本日の仕事は終了する...

 

「...思ったより血がついちゃったな」

 

私は腕のブレード・袖についた血をふき取り遠くの空を見る...

 

私の心はあのような感じに晴れてはいない...いつも曇った中の見えない空っぽの心だ...

 

私は只家族のために頑張るだけ...大神家を使い捨てにさせてたまるものか!

 

私どころか家族まで侮辱する気か...

 

「ぐぐぐぐぐ!!」

 

私は近くにあった木をブレードで切倒し怒る心を押さえながらその場を後にする...

 

 

 

 

side潤香

 

「...」

 

私は大人しく大神家の居間にてお茶をすする...

 

正直この後私はどのような行動をすれば宜しいのでしょうか?

 

聖様の教えを優先するべきか・大神家の事を優先するか...現在それについて悩んでいる...

 

 

「私はどうすれば...」

 

答えが出ぬまま...私は天井を見つめる...

 

泣きたくても泣けない...涙がかれてしまっているから...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side華楠

 

「...」

 

辺りにはリストに載っているものたちの死骸が散乱している...

 

大神家もそろそろ危ないか...

 

人間・妖怪にも目をつけられてあまり立ち位置としても宜しくはない...

 

それと同時に妹たちの精神が心配だ...それぞれ色々と抱えているみたいだし姉であるこの私が何とかしないといけないな...

 

まぁ...姉として頼られているのは喜ばしいがその分プレッシャーがのしかかるな...これに負けぬように今後のことを立ち回らないと...

 

 

 

 

 

 

side暦

 

「...大神もそろそろ限界ね」

 

私は自室にて書類の整理をする...

 

いつ京の陰陽師を首になっても良いようにあらかじめ準備をしておかないと...

 

 

それに夢のあの人の情報は全くなし...私の力を持っていたといても叶わないものはあるようだ...少しショックかも...

 

「...そして娘たちのことも考えないとね...色々と抱え込んでいるみたいだし...私たちをこそこそと嗅ぎまわっている者もいるみたいだし気を付けないとね!」

 

私は書類をしまい首になったときの対策を考える...

 

 

 

 

 




まだ陰陽師編は続く

ではこれにて
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