満月が上る妖怪の山にて大神境奈は一人自室で諜報作業と日々の作業を分担して行っていた...
彼女は妖怪の賢者こと八雲紫に関する活動についての報告書をまとめ外にいる土狐の口の中に入れる...
「...これを神社までお願いね」
机の書類を全て片付け終わり境奈は伸びをし机に突っ伏す...もうすでに日が変わる前であり彼女にも疲れが見え始めている...
白い顔は青白く目が虚ろで彼女は残された書類を持って執務室に向かうために外へ出る
「...ふぅ...これを出して本日は終了だっての...」
彼女はフラフラしながら壁に手をついて前に進もうとするが力が入らずその場に崩れ落ちる...
「...あ...あれ?何で?体がだるいな...」
彼女は立ち上がろうとするがそのまま気を失う
side文
「...や...やっと終わりました...」
「お疲れ様です...文様」
溜まりに溜まった書類整理が終わり私は机に突っ伏し椛が書類をまとめている...
長かった...昼から始めてもう日が変わっている...早く提出して早く休みましょう
「文様...これで完了です...では私はこれで...」
椛は欠伸をして私の部屋を出る...
「私も...早く休みましょう」
私は書類提出場所である執務室に向かう...
「はぁ...」
今日も作業が長引きましたね...
天狗・鬼による人間の誘拐が多発しているみたいですしそれの鎮静による書類が多いのなんの...
結局天狗は押さえられても鬼は無理ですし私が残業しても意味がない気がしてきました...
「早く提出して寝ましょう...明日も早いですし!あや!?」
ドデーン!!
何かに滑り私は大きな尻餅をつく...すごいお尻が痛い!!
「~!痛~い!!なんです!!?」
滑った原因を探すと何かの書類が廊下に落ちていた...内容は...大神家の消息について?
確かこの担当は境奈だったはず...全くあの子は大事な書類を廊下に落としたのですか?
他にも疎らに書類が散らばっている
「うう...他にも落ちていますし...一体なんですか?...あれ?」
廊下の奥の方を見ると誰かが倒れているのが見える...あれは...まさか境奈!
「境奈!大丈夫ですか!!」
私は彼女を助け起こす...
彼女はグデッとしており完全に気を失っている...
どうしたのでしょう!!過労で倒れたのでしょうか!!
「大変です!!」
私は彼女を抱えて自分の部屋へ向かう
部屋についた私は彼女を布団に寝せて冷たい水を含んだ布を彼女の額に置く...
「はぁ...はぁ...」
頬が紅潮し呼吸が荒いし苦しそうだ...
「...早く元気になってくださいね...境奈」
私は彼女の頭を撫でてその晩を過ごす...
side境奈
「...ん」
日差しが目に照らしこみアタシは目を覚まして身を起こす...
昨日は書類提出する以降の記憶がない...妙な脱力感が体に合ったのは覚えているが...
「...昨日ほどではないかな...しかしアタシ廊下で倒れていたはず...あ」
「すー...すー」
辺りを見回すとアタシの隣に文先輩が寝息を立てているのを発見する...
そうか...この人がアタシを...
「...」
着物の中の通信機が鳴る...何だろ?こんな時間に...
アタシは文先輩に毛布を掛け外へ出る...
「はい...もしもし...」
「境奈か?私だ」
この声華楠か...何の用だろ?すごい疲れてそうな感じがするけど?
「何?こんな時間に?」
「いや...ちょっとお前に聞きたいことがあったんだ...昨夜はちょっと無理だったからな...」
「...何?」
「最近お前おかしいところとかないよな?」
...おかしいところ?
...心あたりがありまくりだけど
「昨日ぶっ倒れて現在倦怠感がある感じだけど?何かあったの?」
私が返すと華楠は軽く咳こむ
「やはりお前もか...実はな私たち姉妹全員の様子がおかしい気がするんだ」
「は?詳しく話してよ」
「...最近になってお前の他にもそのような感じの症状が出始めていてな...あまり体調がよろしくないんだ...我々は母さんがいたから何とかなったがお前が心配になってな」
アタシ以外にも倦怠感が?
てっきり仕事の疲れかと思ってたけど姉妹全員にこれが出ているとなるとちょっとおかしいな...
「おかしくない?何でアタシらが全員揃って体調不良起こしているのよ...」
「現在調査中だ...私の方で何とかするがお前の方は大丈夫か?一度身を引いたらどうだ?」
「...アタシを誰と思ってんのよ...これでもタフだっての!!他の子は元気?」
「...私以外は全員寝ているよ...特に銖理の奴はヤバかった...どうも最近任務でやり過ぎなところがあると思い潤香と見張っていたんだがその体調不良で思考がオーバーヒートしてしまったらしい...屋敷に戻してから全員がばったりと倒れてしまってな...母さんが慌ててたよ...」
銖理の奴か...あの子は特に姉妹の中では扱い辛いところがある...疲れを知らないせいで体の限界が来ても戦うのを止めないだろうし息抜きぐらいはしないと...
「そう...出来る限り早く抜け出すよ...休んどきなよ!」
アタシは通信を切り部屋へと戻る...
正直楽な方に逃げたいが...状況が状況だ...
本気を出さないと...
文先輩の部屋に戻ると椛先輩が扉の前で待っていた...
「あれ?先輩?どうしました?」
「境奈?実は文先輩がいつまで立っても来なくて迎えに来たんだ...大丈夫?顔色悪いよ?」
「...別に平気です...文先輩はオーバーワークで今お休み中です...彼女の仕事なら私がやりますよ」
椛先輩は驚くように首を振る...
「ええ!!?でも今日の仕事は鬼...」
「いいですから!行きますよ!!」
アタシは先輩の手を引いて鬼の住処へと向かう...
先輩...ゆっくり休んでてね...
ありがとう...
次は惨劇ではこれにて