向かう先はハッピーエンドかバットエンドか?
白玉楼...
そこはとある厄介な能力に振り回されたとあるお姫様が住んでいる屋敷である...
そして白玉楼のとある一室にて妖怪の賢者である八雲紫と布団の中で顔に白い布をつけて静かに眠っている白玉楼の主こと西行寺幽々子の2名がいた...
紫は静かに永遠の眠りについている幽々子の傍で黙って彼女の姿を見ており、式である八雲藍は黙って廊下からその光景を見ていた...
side藍
「...」
私は部屋の中にいる紫様・幽々子様を眺めその場を後にする...
何故我々がここにいるかというとつい2日前に幽々子様が西行妖の前で自害し自らの命を絶ったからである...
理由は自らの能力に耐えられなくなったということ、彼女の能力は死を操る程度の能力...簡単にまとめると他人に死を与えるという恐ろしい能力だ...
しかしながら彼女はこれを制御できずに精神を病んでしまった故に今に至る...
まさに大神とのこともある今の時期に幽々子様が亡くなるとは紫様としても精神に来てしまうだろう...後のケアはしなくては...
「...全く」
今は大神の今後の動向に気をつけなくては...あいつらこの前の強襲があってから全く姿を見せなくなった...
やはり警戒されてしまったのかいくら式神を飛ばそうが奴らの痕跡は全くない...せいぜい戦い後の跡地が残っているぐらいだ...
「今後の奴らのことを他の妖怪たちと協力してもらって探すしかないな」
いくら奴らが過ちを犯そうが奴らは紫様の夢をかなえるために必要な欠片だ...何としてでも全員を集めなくては...
「っ!」
もっとも私はあいつらが嫌いだ...特に火行の大神煌炉!私の幸せを壊しやがって!
集める前にボコボコにしてやりたいくらいだ...
「ぐぐぐ!!フン!!」
私は精神を落ち着かせて式神を送る...
一方その頃の妖怪の山
射命丸文は自室にて姫海棠はたてが念写した掛け軸を見ながら大神家の今後の動向を確認していた...
彼女は大神家の5枚の掛け軸を見た後大神境奈の掛け軸を見る...
side文
「...あやや」
はたてが作成した大神家の念写はうまくいっていたがどうしても大神境奈の掛け軸だけは真っ黒なままだ...
はたてのミスではないはず...恐らく何らかの対策が打たれているのだろう...
しかしながらこの大神家の名前境奈って...私の可愛い後輩にそっくりじゃないですか...
全く!世の中の運命というのも妙な偶然を生み出してくれますね!
「駄目です!全く読めません!!」
「ふあああ!文先輩....どうかしましたか?」
部屋に境奈が入ってくる...眠そうに目をこすっており寝癖がついている
「おはよう!境奈!見てくださいな!大神家の掛け軸!ほとんどの者の動向が分かりかけているのですがこの大神家の動向が全く読めなくてですね...」
「へ~」
境奈は掛け軸を見るがどこか集中していない感じがする...
「あらあら...真っ黒ですね...はたてさんでもミスはするんですね」
「いいえ...はたてのミスではありません...何らかの対策が打たれていると私は考えます...この大神家の者は頭が回るみたいですよ...」
「ほう...それは厄介ですね...私の方も対策を考えましょう」
境奈は掛け軸を机に置き部屋を出る...
「待ちなさい...境奈...貴女昨夜どこにいってました?」
「はい?昨日は一晩中里で飲み歩いてましたね...もちろん非番ですし人の姿で...」
「...そうですかならいいですが気をつけなさい...大神家の動きが分からない以上いつ寝首を掻かれるかわかりません...」
「...分かってますよ」
境奈はそのまま部屋を出る...どこか彼女の様子がおかしいです...何かイライラしているような感じがする...
部屋を出た境奈はまっすぐ自室にこもりイライラと顔のメイクを外して一息つき懐から5つの紫色の宝玉を取り出し土狐の首に着ける...
「所定位置に置いておいて...」
それだけを言い残し土狐が消えた後彼女は布団に横になる...
「...あの掛け軸意外に厄介だな」
境奈が見る先には壁に貼り付けられた大神家の掛け軸...
それぞれの者がどこで何をしているか精巧に書かれた絵が映し出されており、境奈の絵ももちろんそこにあった...その映った姿は風雲境奈の姿だが...
「...全くぎりぎりだったよ~あの掛け軸をアタシが書いた偽物とすり替えるのは...」
彼女は掛け軸をびりびりに引き裂きゴミ箱の中に入れ布団に横になる...
「残りは...もしものためのアタシの術の準備をしないと...そして...」
彼女は独り言のようにつぶやき眠りにつく...
???
side暦
「ん?」
目を覚ますとどこかの白い空間に私はいた...いつもの銀髪の女性こと永琳の夢ではなく別の夢...
周りは本棚ばかりで私の目の前に置かれている机では何か黒いもやのようなものがせっせと羽ペンを書に走らせていた...
(あ!起きたみたいね!暦!)
「貴女は?」
私の問いかけに黒いモヤは頬を掻くしぐさをする...
(そうだねぇ...アタシ様は天の声とでも言ってもらおうかしらね?)
「天の声?」
モヤは頷きペンを回しながら椅子を回転させる...
(随分と迷っているみたいじゃん?怖いの?自分の記憶を思い出すのが?)
「随分と分かったようなことを言うのね...」
(きゃはは!)
黒いモヤは椅子からはじけ飛びアクロバティックな動きをしながら私の横に浮遊する...
(わかるよぉ...なんでも分かるさぁ...君たちのことは全てお見通しさね...)
黒いモヤの横に銀色の厚い書が現れページをぱらぱらとめくる...
「...君たち?」
(...なんでもないさぁこっちの話だよ...しかし我ながらうまくいったねぇ...うまく生き残ったじゃない...このままハッピーエンドを迎えてくれたら最高だねぇ)
「ハッピーエンド?」
(これもこっちの話...とりあえずシナリオならぁ...そろそろこのお話も佳境に来たって話しかぁ...残りはあと僅か...さぁ...頑張ってね♪)
何だろ...声からして女だろうが嫌な雰囲気しかしない...
私は鎖を出現させ戦闘態勢に映る...
(何?やるって話?)
「何か嫌な予感がする...私の勘だけど」
黒いモヤはクビを振る
(嫌だわ~せっかくのご対面だというのにねぇ...まぁ...夢の続きはまた今度ということで...それまで変な気は起こさないでね?シナリオ通りに進まないと...)
黒いモヤが光ると同時に私の体が透けて消える...
「はい?」
布団から飛び起き私は冷や汗を拭う...
何か変な夢を見た気がする!覚えてないけど!!
時間は...11時?随分と長く寝てた!
「っ!!」
そしていつもの頭痛...ある光景が頭をよぎる...
白衣姿の私に永琳の日常風景...場所はどこかの研究所?
...確か私が目覚めた時もどこかの研究所だったよね?
「少しずつ...思い出しているな...」
少しずつ真実が明らかになる...そろそろ私の過去も明らかになるか...
怖いな...現実を知るというのは...
途中の事はまだ気にしなくて問題ないです...
ではこれにて