東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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過去が全て明らかに...


偽りの記憶

記憶喪失...

 

それは対象者自身の過去の記憶を忘れてしまうという記憶障害の事である...

 

その度合は個人により、記憶を思い出せずに一生を終える人もいれば少しずつ思い出していくなど人それぞれである...

 

大神暦の場合は前者に近かったが長い寿命と自身の幸運があったのか少しずつ昔の記憶を思い出してきていた...

 

思い出す過去の記憶は全て真実であり嘘偽りはない...

 

しかしながらそれをどう捉えて、どう受け止めるのか彼女次第であり、これもまた彼女の今後の未来を変える分岐点であった...

 

 

 

 

 

 

side暦

 

目を開けると...そこは私が最初いた研究室のようなところ...

 

ああ...また記憶の続きかと思いながら私は辺りを確認する...

 

辺りは私が昔目を覚ました研究室のようだ...

 

しかしながらあの時よりは真新しく近くにあった生命維持装置を見ると中に入った液体の中で揺られているカラフルな子狐達の姿があった...

 

「華楠達?っということはこれは私が?」

 

しばらく生命維持装置を眺めていると研究室の扉が開きとある人物が入ってきて私は口を半開きする...

 

 

「わ...私?」

 

研究室に入って来たのは私自身だった...

 

それもそうだよね...私の過去の記憶だし...

 

過去の私は生命維持装置を確認しながら手に持った書類にペンを走らせている...

 

 

 

「今日も良い調子ね!このままいけば何とかなるね!」

 

書類に向かって独り言をしている私を見ていると扉が開き永琳が入ってくる...

 

 

 

「暦入るわよ...」

 

永琳は私の背後に立つが過去の私は書類を書くのに夢中だ...

 

「永琳どうしたの?」

 

「休憩ついでに来たのよ...貴女の研究を見にね...」

 

過去の私は照れ臭そうに生命維持装置に触れる...

 

「私の研究かぁ~!専門はクローン技術なのよね...私の細胞を使って私のクローンをつくる...一応私の子供になるのかな?絶対に成功させてみせるね!永琳の役に絶対たつからさ!」

 

クローン?

 

っということは...私の娘ってまさか!!

 

私がふらつき永琳の方を見ると彼女は注射器の中に中身を入れ過去の私の後ろに立つ...

 

何を!?

 

 

 

 

 

永琳は注射器を過去の私に刺す過去の私は怯み腕を押さえる。

 

「っ!!何?何なの!?」

 

過去の私は永琳を見つめてフラフラし始める...

 

「あれ?お...おかしいよ...何で?えいり...ん」

 

そのまま過去の私は床に倒れ更に私は混乱する...

 

 

何が起こっている?何で私が?私の娘が私のクローン?

 

受け入れがたい現実に気分が悪くなり私は部屋から出てトイレへ直行し個室に籠る...

 

 

 

「おえっ!げほ!ごほ!!」

 

口の中が酸っぱい...胃の中がごろごろする...

 

っというよりこれ本当に夢なの?リアリティあり過ぎる...

 

 

個室から出て私は窓の外を見る...

 

「?」

 

空には沢山の船が地上を離れて宇宙へと飛び立っていた...

 

船にはGO TO THE MOONと書かれた旗が見える...

 

 

そういえばおかしいことがある...

 

この研究所や周りの施設には人気が全くない...

 

まさかとは思うけど...人間全員ここから離れるということなの?

 

 

 

「...」

 

私はまたさっきの部屋へ戻る...

 

何となく私があそこにいた理由が分かった気がする...

 

そして部屋に戻るとそこには...

 

 

 

 

「...ああ...やっぱりか」

 

私の眼前に映る光景は生命維持装置の中で眠っている過去の私...

 

その光景を見てわかってしまった...

 

人のいない研究所・宇宙へ逃げる沢山の船・独りの私、それらが指す答えは一つ...

 

 

 

 

 

 

私が捨てられたということに...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う...うふふ...あははっ!あはははははははは!!!!」

 

滑稽だね!今まで頑張ってきたことが水泡に帰した!!!

 

 

永琳との楽しかった記憶などなかったんだね!

 

所詮私は独り!!捨てられたし...もうこれ以上頑張る必要はない...

 

視界が黒く染まり始め夢から現実へと戻り始める...

 

 

 

 

 

 

「...」

 

目を開け私は身を起こす...

 

これが私の過去の真実か...知りたくもない結果だったね...

 

「...ちっ!」

 

もう考えるのも面倒だわ...私に出来る事なぞ...

 

 

 

「いや...そういや...月って書いてあったよな...壊すか」

 

 

新たな目的発見だ...残りは有言実行あるのみだ...

 

 

自室から出ると華楠と鉢合わせする...

 

 

 

「母さんか...おはよう...どうした?そんな怖い顔をして」

 

 

「華楠...そのうちさ...大きな戦いを始めるからさ...娘全員に戦いの準備をしておくようにと言っておいてくれない?」

 

「戦い?いったい何を?」

 

「...いいから黙って行動してよ」

 

華楠は私の言葉に身を震わせるが平静を装う...

 

 

 

 

「わ...わかった」

 

華楠が消え廊下には私1人になる...

 

 

 

 

 

 




次回妖怪side

ではこれにて
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