東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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月面戦争まで後わずか...


妖怪の次への第一歩

ここは白玉楼...

 

ここの主こと西行寺幽々子が自決して主がいなくなった屋敷だが庭には死んだはずの西行寺幽々子が庭の桜を微笑みながら眺めており、その光景を八雲紫・魂魄妖忌の2人が見守っていた...

 

 

 

side紫

 

私の目の前には生前と変わらない幽々子がいた...

 

それもそのはず...幽々子の死体を西行妖に埋めて禁術を使ったのは私...これにより幽々子は亡霊となり、また私のところへ戻って来たのだ...

 

隣にいる妖忌は何とも言えないような顔をしている...

 

 

「どうしたのよ...妖忌」

 

「いえ...本当にこれで良かったのか...儂には分かりかねる...このまま悩みもなく眠らせて上げることもできたのでは?」

 

「...」

 

彼の言うことは確かにそうね...私は自身の能力に苦しんでいた彼女を蘇らせてしまったわ...

 

でも...

 

 

 

 

 

 

 

 

私は目の前の彼女を見る...

 

「うふふ...綺麗ねぇ」

 

屈託のない笑顔...生前に見られなかったものだ...これを見られただけ私の選択は間違っていないと思えてくるわ...7

 

「妖忌...例の件分かっているわよね?」

 

「儂はお嬢に仕えるのみじゃ...好きにせい...」

 

「そう...ではまた来るわ...」

 

私はスキマを開き屋敷へ帰る...

 

 

 

 

 

 

八雲家

 

 

「フンフ~ン♪」

 

八雲家の台所にスキマが開き藍が夕飯の準備をしているのが見える...好物の油揚げをつまみながら幸せそうに笑みを浮かべている...

 

「藍...失礼するわよ」

 

スキマから降り藍の後ろに着地すると彼女はびくりと震える...

 

「は...はい!なんですか!?」

 

藍は台所に置いてある油揚げを隠す...

 

「...近いうち例の戦争を起こすわよ...準備はできたかしら?」

 

「ええ...八割方の妖怪は集まりましたが...残念ながら天狗・鬼は協力してくれないようです...」

 

「...そう」

 

閉鎖社会の天狗に人間によって襲撃を受けた鬼...無理だと何となくわかってはいた...だけど予定の八割の妖怪が集まったなら予定通り動くことができるわ...

 

 

「...なら始める準備を開始なさい...現在時刻から72時間後...月へと向かうわよ」

 

「了解しました...しかしながらどの妖怪も秀でるような能力は持ってませんが?」

 

「数が入ればいいわ...私の計算上狂いはないわよ...」

 

私は藍に伝え自室へと向かう...

 

 

 

 

 

月に住んでいる者の存在...

 

あれは今後の計画において非常に厄介な者だ...何としてでも潰さなくては...

 

幽々子のため、私の夢のため...もう後には引けないわ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃妖怪の山の大天狗の執務室では大天狗の仕事を任されて残りの溜まりに溜まった書類を片付けている文と境奈がいた...

 

2人の目の下にはクマが出来ており集中力も欠け始めている...

 

文はソファーに持たれ天井を見上げる...

 

 

 

side文

 

「...転職したいです」

 

「はい?何でです?」

 

私の心からのつぶやきに境奈が素っ頓狂のような声を出す...

 

「いや~...私は元々荒事は向いていないと思ってましたし...この仕事は縦社会のルールが厳しいですからね...自由に縛られずに生きていきたいなぁ~と」

 

「...まぁ良いと思いますが天狗である以上...縦社会のルールには逆らえないと思いますが?」

 

境奈は眠そうに書類を見る...

 

まぁ...確かに...境奈の言うとおりですが私としても...自由が欲しい...

 

「椛もそうですが...境奈も真面目ですね~残業は出ませんよ?」

 

「...真面目に仕事しないといけないので大切な者を守るためにね」

 

「へぇ...」

 

大切な者ね...それは何かしら?

 

家族?友達?それとも組織?

 

私としては恋人ですかねぇ...

 

可愛い可愛い私の後輩たち...それが今の私の大切な者です

 

(あ...でも転職しちゃったら椛に境奈に会えなくなりますねぇ)

 

やっぱ!転職は無しの方向で...きつくても頑張りましょう!

 

 

 

 

私が決意すると境奈は机にある書類を手に取り目を凝らす...

 

「文先輩...これは?」

 

「ん?」

 

境奈の書類を見ると妖怪の賢者である八雲紫の月面戦争についての協力要請の書類のようだ...

 

 

「あやや...月面戦争の話は私たちは関係ないから廃棄しちゃっていいわ」

 

「月面戦争?」

 

境奈は興味を持ったのか食いついてくる...

 

 

「知りたいですか?私も詳しくは知りませんが...どうやら月には私たちとは別次元の生物がすんでいるみたいですよ?確か月の民でしたっけ?」

 

「月ですか...それに喧嘩を売るというわけですか?」

 

「ええ...正直分かりかねる理由ですよ...」

 

境奈の方を見ると何やら邪悪な笑みを浮かべている...この子こんな顔出来るんだ...

 

 

 

 

「どうしました?境奈?」

 

「いえ...月面戦争は3日後ですか...丁度私の有給と重なりますね」

 

「え?」

 

日付暦を見ると境奈の欄には有給が今から3日後に7連休ついている!!

 

「何時の間につけたんです?私とれてないのに...」

 

「新人ですからゆっくり休んでとのことです...ではお疲れ様です」

 

境奈は書類を持って部屋を出る...

 

「...寂しいです...椛に慰めてもらいましょ」

 

私は椛の部屋へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

境奈の部屋

 

 

部屋に戻った境奈は通信機を取り出しそれを耳に着ける...

 

「...華楠~?月面戦争の開始日が分かったよ...今から3日後だってさ」

 

境奈の通信機から華楠の声が漏れる

 

(ほう...それはご苦労だ...詳しい時間帯は分かるか?)

 

境奈は月面戦争の書類を見る

 

 

「それは満月の出る頃...日ノ本で一番大きな湖でやるってさ...ざっと羊の刻じゃない?」

 

(なら...銖理に見張らせておこうか...大きな湖と言ったらあの場所しかないからな...)

 

「頼むよ...母さんの願いだ...絶対に失敗はできないからね」

 

(...分かっている...娘として当然のことだ...境奈...お前も一度戻ってこい...色々と作戦を立てなくては...)

 

「...有給もらった...すぐに帰るよ...じゃあ報告宜しく」

 

境奈は通信機を切り書類を塵箱の中に入れる...

 

「ふぅ...そろそろ身の振り方考えないとね」

 

彼女はそう言い外の景色を眺める...

 

 

 

 

 

妖怪の山の周りには薄く紫色に光る発行体が山の周りを囲っている...

 

もちろんそれは術者である境奈自身しか見えないものだ...

 

「ふふふ...いざという時の保険は用意してあるっての」

 

 

彼女はほくそ笑みながら机にある一升瓶に口をつける...

 

 

 

 

 

 

 

 




次回波乱の展開が!

ではこれにて
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