日ノ本の夜に満月が天高く上る日の頃...
日ノ本で一番大きな湖の畔では多数の妖怪が一斉に集まっていた...
どれも屈強そうな者が多く血の気にあふれているのが遠目でも分かる...
そんな妖怪たちの中心には八雲紫・八雲藍・魂魄妖忌がいた...
血の気の多い妖怪たちを纏めて八雲紫はある戦を立てようとしていた...
この先幻想郷で語り継がれる戦争...月面戦争を...
side紫
「...」
日ノ本で一番大きな湖の畔では私が集めた妖怪たちが無数に集まっている...
これで月の民への戦争を仕掛けることが出来る...
月の民の知能は脅威的だ...我々では考えもできない兵器などの開発を行ったりと様々なことをやってのける
以前とある屋敷で起こった謎の爆発...地上の者ではあのような大規模の爆発は起こせないだろう...
月の民が関与していたことは間違いない...その証拠にその屋敷では謎の部品が確認できた
そこに住んでいたという輝夜姫の所在は分かってはおらず、使用人の話によると少し前に退治屋に何かを依頼していたということを聞くことが出来た...
恐らくあの爆発は大神家の者もその場にいたのだろう...
「...大神家か」
...あの6人の力は脅威だ私の夢をかなえるには最大の障壁となっている
当主の大神暦を手に入れれば残りはついてくるだろうと謀ろうとしたが失敗に終わってしまった...
もう彼女たちの協力を得ることは難しいだろう...この先敵として現れることを覚悟しないといけない
「紫様...準備が出来ました」
藍が術式の準備を終え私の方へ来る...
これで月への進撃の準備は整った
「ご苦労さま...妖忌...準備はできたかしら?」
「ええ...お嬢の頼み故...この魂魄妖忌...修羅になろう」
妖忌は刀を構え私は妖怪たちに声を上げる
「これで月へと行く準備は整ったわ!!この先の未来を掴むのは我々よ!」
「おー!」
妖怪たちの威勢の良い声が響き私は水面に映る満月を見てスキマを広げると暗い大きな穴が出来る...
これで月へと行くことが出来る...
スキマの中に妖怪達は次々と入っていく
「妖怪と月の民の美しき聖戦...月面戦争が始まるわ...」
もう後には引けないわ...
スキマをくぐるとそこは地上と変わらない風景が広がっていた...
思っていたのと違う光景に私たちは戸惑うがすぐに気持ちを切り替えて先へ進む...
「砂浜?紫様...ここが本当に?」
「ええ...そうみたいね...それに見なさい...」
私は遠くを指さすと先導する妖怪たちの向こうには月の民が武装した状態で我々を待っていた...
「地上の穢れがとうとう来たか...」
司令官らしい人物が銃を構えて私たちへ向ける...
「ええ...すでに武装しているし準備が良いわね」
「貴様らの行動は全て筒抜けだ!我らが大将!綿月様達のお力故だ!」
...話の内容によると大将は複数人いるようだ
「そう...悪いけど我々の夢のために月の民には消えてもらうわよ」
「穢れが...生かして帰さんぞ!」
司令官が手を挙げると周りの兵が銃を構える...
ついに始まるわ...私の夢への第一歩が...
「ちょっといいかな?」
戦いが始まろうとする時冷え切った声が辺りに響き、私たちは動きを止める...
「?」
私たちが辺りを見回すと海の水面に1つの星形の術陣が現れる...
「ここが月の民の住処で間違いないよね」
術陣から長い金色の髪をなびかせ4本の大きな尾と白と黒の着物を身にまとった女性が現れる...
私には見覚えがあった...
忘れるわけがない...大神家をまとめる当主...大神暦の顔を...
「貴女...暦...何で?」
暦は私の問いかけを無視し司令官の方へと進む...
「聞こえなかった?私が確認しているんだけど?」
「何者だ!貴様!」
司令官は暦に銃を突きつけるが彼女は気にしない
「私?そうだねぇ...月の民に捨てられた者というべきかな?で?さっきの問いを答えてもらいたいんだけど」
銃との距離はもう30cmもない...
司令官は暦の異常な行動に畏怖でもしたのか...答え始める
「な...そうだが?」
「そう...それを聞けて良かったよ...」
暦は私たちの方へと戻り私と対峙する
「...お久しぶりね...八雲紫」
「貴様!大神の!よくも私を!」
藍が飛びかかるような勢いで叫ぶが私は制しする
「...何で貴女が?」
この前と比べ彼女の言葉に棘のようなものを感じる...
何か危なげな雰囲気を醸し出している
「只の憂さ晴らし...今回は利害が一致したからさぁ」
暦が指を鳴らすと5つの術陣が現れ、大神家の者5人が中から現れる...
大神家の者たちはそれぞれ辺りを見回し砂浜に降りる
そして暦は私から司令官の所へ向かうが妖怪側の一人が暦に立ちふさがる...
「なんだぁ!?このちびは~?」
「どけ...塵が...私の邪魔をするな...消すぞ」
暦は冷え切った声で殺気を放つが妖怪はせせら笑う...
「このちびが...大人を甘く見ると痛い目にあうぞ!」
「ま...待ちなさい!」
私の言葉に耳を貸さず妖怪は暦に拳撃を仕掛ける...
「無粋ですね...」
刹那...暦の前に大神家の者が現れ水の盾を作成し拳撃を防ぐ...
水...この前の戦いの時銖理・煌炉を逃がした者のようだ...黒い長い髪に紫色の高価なリボンをつけている...
見た目からして大人しそうだ
「ご苦労さま...潤香」
暦は何もなかったように妖怪の横を通り過ぎる...
「このっ!俺様をなめんじゃねえ!」
妖怪は再度攻撃を仕掛けようとするがその腕は血しぶきをあげ宙を舞う...
「なっ?」
「母さんに触れるな...」
その妖怪の前には長い長刀を持ったこの前私が戦った大神家の者、銖理がいた...
銖理は刀を振り鞘に戻すと暦に攻撃した妖怪が十字に切られる...
「ぐああぁ...」
肉塊と化した妖怪に他の妖怪は銖理を畏怖するような目で見て、彼女はイライラしたように頭に手を当てる...
「っ!」
「銖理...我慢は良くないよ...今回は許可するわ...我々のジャマをする者は全て...」
「...地獄に送れ」
暦の言葉に銖理は九尾状態になる...
「暦!さっき協力するって!」
「協力?...私は利害が一致したって言っただけだよ...邪魔をするなら容赦はしないよ...」
暦はそのまま先へ進み、娘5人がそれぞれと動く
「あちゃ~!これは血が舞う戦になりそうだねぇ~」
「そうだな...境奈...私は母さんを追う...残りは任せたぞ」
緑色の髪をした女性が黄色の髪の女性に言い奥へと進む...
実際に見たことはないけど、大神家ナンバー2・3か...
確かあの緑色の髪の女性は風見幽香を倒すほどの実力を持っているようだ...
境奈と呼ばれた大神家の者は銖理に寄りかかる...
「銖理~?暴れようか!アタシがバックアップするからさぁ」
「ぐぐぐぐぐっ!」
彼女の言葉に吹っ切れたのか銖理の体に妖力が集まり変化が起きる...
体は大きくなり5m級の真っ白の九尾の姿へと進化する...
そして銖理が吠えると金属でアーマーが出現し彼女の体に装着され月の兵器と似た感じになる...
「何じゃ?これは...」
妖忌の言葉に境奈は銖理の上に座りせせら笑う
「皆さんこれを見るのは初めてかな?これが大神一族の切り札、覚醒九尾!滅多に見せないものだからさぁ...目に焼き付けたら?」
覚醒九尾...
もしかしてこの前に煌炉と戦ったときしようとしたのがこれなの?
見た限り凄まじい妖力...このレベルの者が当主合わせて後5人いるの?
「行け!こいつらを殺せ!」
妖怪たち・月の民が銖理の方へ向かうが彼女たちは気にも留めない
「銖理~」
「...殺す」
銖理の前足の肩の装甲が開き中から巨大な砲が現れ機械音を発しながら妖怪たちの方を向く...
「FIRE!」
砲から巨大な熱線が一直線に飛び、その方向を焼き尽くしていく...
その方向にいたものは断末魔も上げずに煤となる...
「ひゅ~♪爽快だねェ...煌炉~潤香~好きに動いていいよ~ここはアタシらがやる~」
境奈の言葉に煌炉と潤香と呼ばれた大神家の者が動く...
「分かった」
「ええ...」
彼女たちも月の民がいる方へと移動する...
「どうすれば...」
まさかの大神家の参戦...向こうの目的は月の民の殲滅のようだが、こちらとしては有利にことが運ぶが巻き込まれるのは確実...とんでもない爆弾を抱えてしまったわ...
月の民と妖怪の間にいる境奈&銖理を見ていると藍が飛び出す...
「紫様!私は煌炉を追います!」
藍は怒りに満ちた表情で煌炉を追う...
「待って!藍!」
...いけない!頭に血が上ってるわ、このままでは彼女が危ないわ
「妖忌!ここは任せたわ!」
私は境奈・銖理を妖忌・妖怪たちに任せ藍を追う...
どうか...深刻なことが起きないように願いながら...
この小説も佳境に入りました...
ゆっくりとまとめていきます
ではこれにて