side藍
「くくく!あはははは!!」
私たちと対峙した煌炉は周囲を爆破しながら私たちと距離を詰めていく...
紫様が奴に光弾を放つが奴はそれに被弾するも怯まずに突き進みながら尾を薙ぎ払い攻撃をしかけるが紫様は傘を開きそれを防ぐ...
「ほらほら!!火力が足りないよ!!」
「っ!...」
「貴様!紫様から離れろ!!」
私が奴に攻撃を仕掛けると奴は尾で私の攻撃を防ぐ...
奴の戦闘スタイルは特殊だ...
爆炎をまきちらしながら自身の体術で攻撃を仕掛ける遠近万能型...
正直手出しがし辛いが守りが手薄なうえ奴自身も相当なダメージを受けているため先ほどより少しだが動きが鈍い...
「藍!彼女と距離を取るわよ!」
紫様の指示で私たちはスキマに入り奴と距離を取る...
「ふん...その空間移動も厄介だな!!」
煌炉は私たちと距離を詰め尾を薙ぎ払い攻撃を仕掛けるが私はそれを弾き奴にカウンターの拳を頬に放つ...
「!?」
「まだ!終わらんぞ!」
私は更に奴に連撃を浴びせ奴を撃退する...
「ちっ!なら!」
煌炉は私に向けて手を向ける...奴の手に妖力が集まる...
まずい爆炎か?
「させないわ!」
紫様が光弾を放ちその光弾は煌炉の片手を弾く...
もちろん彼女の攻撃は逸れて背後の空間が大爆発を起こし奴はその爆風を受けて僅かに体勢を崩す
...奴はこれでがら空きだ!!
「しまった!」
「はぁぁぁ!!」
私は奴の傷口めがけて手刀を放つ...
攻撃は見事奴の傷を捕え奴は私を突き放して後退する...
「げほっ!!...中々だ!」
奴は傷口を片手で押さえながら立ち上がる...
少し攻撃が浅かったか...
奴は私たちに向けて手を向けるが紫様は笑う
「ふふふ...当たるかしら?」
「あ?」
煌炉は少しイラついたような顔をする...
「ふふ...余裕がなくなって来たのかしらね...」
「あ?まだあるよ!!」
煌炉は紫様の方に手を向けて妖力を放つが爆発は紫様から遠くはなれた空間が爆発する...
「ちっ!!」
「...やはりね...貴女の能力は安定性がないわ...めちゃくちゃに撃たないと当たらないみたいね...」
紫様は煌炉に向けて光弾を放ち奴はそれを避けて私たちから距離を取る...
「...この体では少し厳しいか」
「あら?逃げる気かしら?させないわよ!弾幕結界!」
煌炉の周りを弾幕が結界のように囲み奴は辺りを見回す
「...なるほど光弾の結界か」
「それだけじゃないわ!」
紫様が念じると周りの弾幕が狭まり全方向から煌炉のほうへ向かう!
「何!?」
「私を甘く見たわね?あなたの対策は打ってあるわ!」
光弾は嵐のように煌炉の体を撃ち尽くしていく
「かはっ!!ごほぁ!!」
「す...すごい...」
大神家の一員である彼女を紫様がここまで押しているとは...
「全員ここで燃やし尽くしてやる!!」
奴は近接戦闘に持ち込もうと私たちと距離を詰める...
まさか奴はまた自爆する気か?
「まずい!」
「任せなさい」
紫様がスキマを開くと煌炉の両足に矢が放たれる
「っ!!」
奴はそのまま無様に倒れ足を押さえている...
これで奴の機動力は封じたか...
「これで私たちに軍配が上がったわ!」
紫様が喜ぶが奴は紫様に手を向ける
「まさか...イーブンだ」
ドン!
紫様の前の空間が爆発し紫様が吹き飛ばされる!
「かはっ!?」
「紫様!!」
私は吹き飛ばされた紫様を受け止める...
見た限り外傷はあまり見られない...
爆風の衝撃を受けただけか...
「...いまいち...狙いがつかないな」
煌炉は自分の手を開いたり閉じたりを繰り返す...
さもどうでも良いかと言うように!!
「貴様!!」
「けほ...大丈夫よ...藍」
紫様は起き上がり奴に光弾を放ち奴を吹き飛ばす...
奴は受け身を取り体勢を整えきょとんをした顔をする
「...ふふ...あはははは!!」
「!?」
奴は自分が不利にもかかわらずも笑っている...
胸の太刀傷に半壊した片手の爪・自身が受けた光弾による打撲・串刺しになった両足など...もはや重症というのに戦闘を止める感じは全く見せない!
「しぶといわね...」
「華楠姉さん程ではないが頑丈な方なのでな...ふふ!全く恐れ入るよ...直撃ではないとはいえ私の攻撃を受けて立ち上がり、この私をここまで追いつめたのは貴様が初めてだ...」
「あら?恐れ入るわ...もしかして降参かしら?」
奴は首を横に振る
「まさか!ここからが本番だ!貴様たちに特別に見せてやるよ...私の本当の姿をよぉ!!ああっ!...こんなに胸が高鳴るのは初めて♪」
奴の体に妖気が集まり始める...
まさか!この前見せようとした奴の完全態の姿か!?
まずい...大神の真の姿は能力は未知数だ!奴が変化する前に仕留めなくては!!
「紫様!」
「行きなさい!」
紫様の指示を受け私は奴の方へ走る...
今の奴は無防備だ!あの胸の傷をもう一度攻撃すれば!
私は奴に再度攻撃を仕掛ける
「邪魔はさせるわけないだろう?」
煌炉は妖気を溜めながら辺りに光り輝く粉をばらまく...
何だ?これは?奴は火を扱う能力者のはず...
「!!藍!そこから離れて!」
紫様の叫び声を聞き私は引き返そうとするがすでに遅かった...
目の前の奴の顔は邪悪と言うべきか勝ち誇った顔をしている
「かかった!!」
煌炉の体から火が飛び散り辺りの粉に引火し爆発し私たちは吹き飛ばされる
「くっ!」
「っ!藍大丈夫!?」
「すみません...っ!奴は?」
紫様が私を助け起こし私は前方を見る...
煌炉の奴がいた空間は煙に覆われており姿を確認することはできない...
だが...濃厚な妖気を煙の中から確認できる...
「この妖気はっ!?」
「ええ...私以上の妖気...どうやら彼女の本気の姿がお目にかかれるわね...」
煙が少しずつ晴れていく...
そして奴の声も聞こえ始める...
「ふふふ!貴様らが初めてだ...私を本気にさせたのは...本当にうれしくてたまらないよ!!」
煙が晴れ私たちの前に現れたのは赤い大きな九尾の狐...
体長は3メートル程で赤い毛並みは燃えており火が狐の形を作っていると表現すべきだろうか?
顔の部分には金色に光る眼が炎のように揺れている...
奴は燃える毛を振り私たちを見据える
「これが私の覚醒九尾だ...これからが私の本気だ...命の保証は約束しないぞ」
「火の九尾...やっと本気みたいね...でもさっきまでの傷がある以上本気になるのが遅すぎたわね」
紫様が言うが奴は笑みを浮かべるばかりだ
「傷?どこにそんなものがあるのかねぇ?」
奴は自身の体を見せる...
奴の胸の個所...私の式が傷つけた場所にはさっきまであった太刀傷がどこにも存在しない?
「なっ!?傷が消えた?」
何故あの傷が消えているんだ?
その他にも打撲痕や両足の傷・さっきまで半壊していたあの爪も元通りに生えそろっているし何が起きているんだ?
「それもそうだろう...私の細胞を妖気で異常活性化してこの姿になるんだ...さっきの姿でいくらダメージを受けようが問題は全くない...」
彼女はゆっくりと立ち上がり胸の傷があった個所を爪で軽くひっかく...
捨て身の攻撃をすると思えばそんな回復手段があったのか...
紫様の方を見ると何故か微笑んでいる
「ふふ...でもそれは一回限りよね?ならもう一回倒すまでよ」
「出来るものならな!!」
煌炉が吠えると奴の体毛は更に燃え上がり辺りの温度が上昇する...
「っ?更に妖気が?」
「これで貴様らの攻撃は私の業火によりかき消される...さぁ!私を殺すつもりでいかないと...本当に死ぬよ?」
奴は遠吠えし日が沈んでいく...
暗くなる辺りに映るのは...
燃える草原と不気味に燃えている巨大な赤い獣だけだ
煌炉の本気の姿
未来編と比べると過去の方が強い
ではこれにて