東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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日常と新たな火種...


妖怪の山の情報戦

銖理が敗北し2週間という年月が経過する...

 

白玉楼の客間には新たに銖理の布団が追加され、彼女は姉である煌炉の横で幸せそうな寝顔を浮かべて眠りについている...

 

そしてその光景を見ている藍は不愉快そうな表情・幽々子は微笑ましそうな表情を浮かべ、それぞれ違った表情をしながら彼女たちの寝顔を観察していた...

 

 

 

 

side藍

 

「...」

 

「煌炉姉~」

 

「すぴ~...」

 

私の目の前には、私たちの敵である大神家の一員である煌炉・銖理が幸せそうに寝息を立てている光景が広がっている...

 

煌炉に続いてこいつの妹まで!何で!こうなるんだ!!紫様も幽々子様も何でこいつらを生かしているんだ!!

 

私が心の中を煮え繰り返していると幽々子様は微笑みながら銖理の頬をつつく...

 

「ふふ...こんな笑顔が出来るじゃない!幸せそうね~!」

 

「...はぁ」

 

私の溜息が聞こえたのか幽々子様は私の方を振り向く

 

 

「あら?藍?随分とご機嫌ななめのようね?」

 

「...それはそうですよ...私が大神家が嫌いなの知っていますよね?」

 

「ええ...確か大神の所為で都を追われたんだったわね?」

 

そう...実在あいつらは関係ないが騒動の原因を作ったからな...

 

おかげで私は!

 

 

 

幽々子様は溜息をつく

 

「気持ちは分かるけど...いつかは仲良くしないと駄目よ?銖理はともかく煌炉は紫の式神になるんだから!」

 

...よりにもよって一番嫌いな奴が式神とは...神なんていなかったんだな...

 

「...分かっています」

 

「ふぅ!...さあ!貴女には役目があるでしょ!怪我人の紫が天狗たちに今の状況を説明してるんだから!貴女も行かないと!」

 

そういえばそうだった...

 

あれから2週経過し紫様の傷も大分癒えたらしく、現在妖怪の山で経過報告を行っているらしい...

 

私が来なくても大丈夫と本人は言っていたが...

 

 

「...ええ...では私も失礼します」

 

私はその場から離れて妖怪の山へ向かう...

 

残りの大神家は後3人...これからが本番か...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方妖怪の山・天狗の里にて...

 

天狗の里で一番大きな屋敷の中の大部屋には天狗の幹部・八雲紫がそれぞれ経過報告を行っていた...

 

主な話の内容は現存する大神家の残りのメンバー・敗北し捕えられた者の情報が主であり、八雲紫はそれを天狗たちに伝えるために煌炉との戦闘の傷がまだ癒えていないというのに尽力をつくしていた

 

 

 

 

 

 

 

side文

 

 

「あやや...事態が急展開をしているみたいですね...」

 

「何て事でしょう...」

 

私は椛と共に上司と紫の話を端で聞きながら、やり取りを眺めている...

 

話しの内容は大神家の火行と金行の2人を八雲紫が倒したということだ...

 

まさか...大神家の者を2人を倒すとはにわかに信じられませんが、話に信憑性がある以上私たちもそれを鵜呑みにするしかありませんね...

 

まさかの形勢逆転...

 

最強と言われた大神家が半壊するとは...

 

スキマ妖怪の話を聞いて私の上司が八雲紫に詰め寄る

 

「ふふふ...忌々しい大神が早くも半壊か...これで大神が消えるのも時間の問題じゃな!」

 

その言葉に紫は反論する

 

「いえ...あくまで私が倒したのは大神家の下の部類の者...当主である暦が不在とはいえ幹部クラスが2人・同等の力を持っている者が1人とまだ油断はできませんわ」

 

紫はスキマから紙を3枚取り出す...

 

彼女の手書きだろうか?

 

緑色の長い髪の女性・黄色の長い髪の女性・黒い長い髪の女性の姿が映っている...

 

残りの大神家だろうか?幹部クラスが2人に同等が1人か...大神家が半壊しているとしてもまだ厳しいですね...

 

「...下の部類の者か...前途多難だな」

 

「...ええ...まだ幹部クラスの者の能力が分かっていませんし危険よ...どこにいるかは相変わらず分からないし...」

 

「それに関しては我らが対策を打っている...現在姫海棠に念写を行ってもらっている...奴らに能力が効かなくともどこにいるかは検討がつくじゃろ?」

 

「そこのところは任せるわ...大神家の処断は私が責任を持つわ...私に任せてもらえるかしら?」

 

「責任か...その大神家の者はどうする?話を聞いた限り死んでいないようじゃが...」

 

「...一人は私の式にする予定ですわ...少なくとも大神家は屈服させるだけで殺しはしませんわよ?」

 

「!?」

 

まさかの紫の一言にここにいる全員が反応する...

 

屈服させるだけで殺さない?一体何を考えているの?

 

 

「スキマ妖怪...貴様!何を考えている?大神は我ら妖怪の天敵!生かしておいて得なぞ存在せんわ!」

 

「...確かにそうね大神は妖怪の天敵...でもね彼女たちも話が通じない相手ではないわ...仲間に引き込んだら色々と便利よ?」

 

「仲間に引き込むだと!本気で言っているのか!」

 

「ええ...私の夢である幻想郷を作るために彼女たちは必要不可欠よ...彼女たちの能力は新しい世界を作るの適しているわ...そうしたら貴女たちも困らないと思うけど?知っているわよ?また人間にやられたんですってね?」

 

紫の言葉に天狗一同口を紡ぐ...

 

確かに私たち天狗も色々と人間に退治されている...昔とは立場が逆転してしまいました...

 

しかしながら最近の人間は本当に強くなった...私も興味が出てきたところです

 

「ぐぐぐ!!」

 

「古い考えではこの先大変よ...人間は強くなり妖怪は衰退していく...そのためには大神の力が必要...わかるわよね?痛っ!」

 

スキマ妖怪はお腹を押さえる?

 

そしてそれと同時に八雲紫の式神である八雲藍が現れる...

 

「紫様!まだ傷が癒えていないというのに!」

 

「...大丈夫よ...後数日で元通りよ」

 

八雲紫は傷が癒えていない?

 

それもそうか...大神を相手にしたんだもの無傷で済むわけないわよね...

 

 

「あやや...」

 

「...」

 

私と椛は返答に困っていると上司が重々しく口を開く

 

 

 

 

 

「...仕方あるまい...主の言うことはもっともだ...我ら天狗も窮地に立たされている...従うしかあるまい」

 

...まさかの白旗ですか

 

まあ私はどうでもいいです...

 

可愛い後輩が入れば何も要りませんからね!

 

 

 

「...あや?そういえば境奈は何処?」

 

辺りを見回しても境奈がいない!

 

あれ?今日は有給を取っていましたっけ?

 

「おかしいですね...今朝見かけたのですが?」

 

椛は口を開き辺りをキョロキョロする...

 

「椛~!どこで見たのよ!」

 

「天狗の里をフラフラしていましたよ?何かボーっとしていましたが...」

 

「...あの子今日これがあるってこと忘れているわね」

 

「多分そうかと...」

 

私たちがコソコソ話しているといつの間にか話がまとまり始めてきた...

 

 

 

 

「っと...いうわけで大神に処遇に関しては私に任せる...これでいいわね?」

 

「ああ...構わん...」

 

「話が纏まって嬉しいわ」

 

「ふん...不本意だがな」

 

上司と紫の話は何とか成立したようだ...

 

意外に早く終わりましたね...

 

まぁ...今は時間が惜しいのも事実です

 

大神家は後3人いるんですからね...

 

 

 

紫は書類をまとめて椅子から立ち上がる...

 

「さて...この話は終わりね...私も早く帰って傷を癒さないと」

 

紫はスキマを開こうとする...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...?」

 

ところがいくら経ってもスキマが開く気配がない...

 

紫は疑問のような表情を浮かべ藍が彼女に近づく...

 

 

「紫様?どうしました?」

 

「能力が...使えないわ...」

 

!?

 

能力が使えない?

 

試しに私も軽く風を起こしてみるが何も起きない...

 

他の天狗もそれと同様らしい

 

「あや?私の能力も使えません」

 

「どういうことだ!一体何が起きている!?」

 

上司が叫ぶと部屋の中で笑い声が響き始める

 

 

 

 

 

 

 

 

(きゃはははは!そ・れ・は!アタシの術にかかったからだよ~!)

 

部屋の中央の床が盛り上がり泥が噴水のように溢れ始め、その泥が形作られ子狐の形になる...

 

泥で出来た子狐に上司は叫ぶ

 

「何者だ?」

 

「見目からして分かるでしょ...大神家の者よ」

 

八雲紫の声に反応し子狐は声を発する

 

「ご名答!アタシは大神家ナンバー3...いや~せっかくの作戦会議のところ悪いねぇ...今日は八雲紫...アンタにちょっとした話が合ってきたのよね~」

 

子狐は口を開け閉めして声を発しているが生命のようなものは感じない...

 

 

「...話?」

 

「ええ~!その話よ~!は・な・し!何となく分かるでしょ?アタシの要求!」

 

随分と軽口な印象な受ける大神家の者だが言葉に棘を感じるわね...

 

「何となく分かるけど...念のため話してもらえるかしら?」

 

「ふん...分かっている癖に...面倒だけど言わせてもらうわよ...まぁ簡単に言うとアタシの妹2人を解放しろっというわけよ...」

 

大神の言葉に八雲紫は溜息をつく...彼女も何となく予想が出来ていたんでしょうね...

 

 

「全く...次から次へと...断るわよ!貴女たち大神家は幻想郷を作るために必要なのよ!」

 

紫の言葉に大神は笑う...

 

「ふふ...まぁ...分かっていた...でもさ!今のアンタたちに拒否できるわけないじゃん!...この状況を見てもね!アォォォン!!」

 

大神が吠えると辺りの空気が重くなり、外を見ると黒い霧が発生し空が紫色に変わり始める...

 

「何?」

 

「アタシの大神結界術...この山全域を対象にして封印を完了させた!これで結界の中にいるアンタらは能力を使えない!」

 

能力の封印?そうか!これの所為で私たちの能力が使えなかったというわけか!

 

「この山!全てを封印だと!?我ら天狗も巻き込む気か!」

 

上司の叫びに大神は溜息をつく

 

「悪いとは思っているけど...手段を選ぶことができないのよアタシらも...メンバーが半分になったし...さて土狐!狩りの時間だよ!」

 

辺りの床が盛り上がって泥が新たに吹き始め、土狐が新たに多数作成される!

 

「ふふふ...さ~て!ゆっくりゆっくり痛ぶってあげる♪」

 

「オオ―ン!」

 

「させるわけないだろう!大神家!!」

 

土狐が紫を襲うが藍がそれを弾いて消滅させ、土狐を指示していた土狐を掌底を当てて破壊する...

 

「あら?早いわね~」

 

首だけになった土狐はケラケラ笑いながら床に転がる...

 

「本体は別にいるみたいだな...」

 

「ええ!この封印された山のどこかにいるわよ?果たして見つかるかしら?もうすでにこの山の中には土狐が多数いるわ...無闇に探しても無駄ね♪」

 

 

「式神を使うみたいね...でもおかしいわ貴女は何で能力を使えるのよ?」

 

紫の言葉に大神は溜息をつく...

 

「確かにこの術はアタシにも効くわ...アタシもワケありで結界の中にいるしかないし...でもね対抗策くらいはあるってわけ!じゃあね!」

 

土狐が消え更に土狐が現れる!

 

「スキマ妖怪!来るぞ!」

 

「全く...こちらは怪我人だというのに...」

 

「あややや!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後...私たちはそれを何とか退けて屋敷の外へと脱出する...

 

「ふぅ!何とか外に出れたわね!」

 

「紫様ご無事で!」

 

 

「あやや...椛無事ですか?」

 

「何とか...」

 

私は椛の頭を撫でながら今度のことを考える...

 

能力が使えないというのは厄介です...更にどこかにいる本体も倒さないと数はこちらにあるにしてもこれではジリ貧です!

 

 

「...おのれ...大神家め...」

 

上司が歯噛みすると紫は上司の肩を叩く...

 

 

「焦ってはダメよ...それでは彼女の思う壺よ」

 

「分かっているわ!この山にいるなら姫海棠の念写で分かるじゃろ!儂はそちらへ行く!射命丸!犬走!お主らも行け!奴の本体を見つけろ!!」

 

「はい!」

 

 

上司はそのまま消え、辺りの天狗たちと椛はその命を受けると森の中に入り消える!

 

中は危ないのに!

 

「私たちも行かないと!藍!行くわよ!」

 

「はい!」

 

紫・藍も大神を探しに森の中に入り、ここには私一人になる...

 

 

「...」ポツーン...

 

「待って!椛!!」

 

私は彼女を追い森の中へ入る...

 

大神家との戦いですか...非常にまずいですね...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方...はたての隠れ家にて...

 

屋敷から遠く離れた森の中には一件の民家があり、その中には多数の掛け軸と大神家の似顔絵に囲まれ必死に念写を行っている姫海棠はたての姿があった...

 

「ふん!ふん!!あれ?能力が使えなくなってきちゃった...」

 

彼女の前にある掛け軸はまだ未完成であり、ちゃんとした絵を描いていなかった...

 

歪んだ誰かの絵...墨が滲んでおり判別が難しいだろう...

 

はたてはその掛け軸をジッと見る...

 

「見づらいな...顔が歪んでいて判断つかないけど...誰かに見せればわかるかな?」

 

ドンドン...

 

急に響く扉の音に彼女はびくりと体を震わせるが恐る恐る扉を開く...

 

 

 

 

 

「...」

 

「...って...アンタか...どうしたの?ここに来るなんて...」

 

はたてはそれを招き入れ再び念写を始める...

 

「...」

 

「...ふん!ふん!...駄目ね...念写ができないわ...まぁいいわ...さっきの念写を見せれば任務達成よ!で?アンタは何で来たの?」

 

ゴ!

 

「げふ!?」

 

はたては謎の来客者に頭を殴られそのまま昏倒する...

 

客ははたての念写した掛け軸をまじまじと見た後溜息をつく...

 

「...不細工に写っているわね~!危ない危ない!もう少しでばれるところだったわ...」

 

客は掛け軸をびりびりに破いてその場を後にする...

 

 

 

「大神家...土行式神師...大神境奈...廻るわ~!」

 

境奈はケタケタ笑いながら森の中に入り消える...

 

 

 

 

 

 




次回軍団土狐+境奈の攻防戦!

ではこれにて
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