千年帝国の幻想   作:ベルリン=モスクワ枢軸

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筆が進まないんじゃ
題名で分かる、なんて言うなよ、ぜーったいに言うなよ


秋の日のヴィオロンのためいきの 身に染みてひたぶるに うら悲し

──我々、NSDAPの戦争は勝ったとしても、負けても一度きりだ。だが、市民は違う、どれ程愚かな大衆であっても、いや、だからこそ彼らの戦争は続くだろう。だが、それを振り返る大衆も少ない──ザイフェルト

 

───────

 

昨日の同胞が憎しみ合い、殺し合う。

 

政治に狂わされたロシアの大地をドイツ軍は踏破していった。

 

完全な終戦に向け、ザイフェルトによって歪められた東方生存圏を建築するために。

 

仮講和条約から数ヶ月が過ぎ、今や誰もが連合国を忘れていた。

 

そして連合国も、瓦解し始めたロシアを叩き潰しにドイツ軍が殺到していることだけ、理解していた。

 

だから彼らは太平洋でも連戦連敗でありながら、すべての物資を欧州につぎ込んだ。

 

 

               オーバーロード作戦

 

 

史実でもその意義は大きいとされている。

 

ドイツ主力がロシアを食い荒らしているうちに、ベルリンを

 

すぐに反転してドイツ軍が殺到してくるのを理解していて、こんな分の悪すぎる賭けに打って出た。

 

人とは追いつめられると藁でも縋る、無謀極まりない、勝率の低すぎる賭けでも。

 

───────

 

オーバーロードの作戦の第一段階のノルマンディー上陸は主力がいないドイツが防御しきれるはずがなく、あっさり成功した。

 

だがもうその時点でロシアの大地にいた軍は帰ってきていた。

上陸直前の水際防御をする予定だったが軍閥の抵抗が激しく、上陸後に到着した。

 

一応、ドイツ軍もどこに上陸するかは予想していた。

当たり前だ、北部フランス領をヴィシー政府に既に返還していたのにわざわざそのヴィシーに宣戦を布告すればすぐに気づかれる。

 

連合国も主力到着の速さにこそ驚いたが、追加の部隊やブルターニュやヴィシー植民地のアフリカ、果てはイタリア南部に上陸するなどしてドイツ軍の攪乱を狙ったが、

 

数多の戦場を生き残ってきた練度、

 

最新戦車を抱え、

 

優秀な将校、

 

そして圧倒的に管理された補給に支えられた機甲師団20個は各地の戦線に現れ、あっさりと敵軍を突破。

 

重戦車部隊などを導入した優秀な歩兵師団が包囲し、殲滅したことによって、

 

ノルマンディー、イタリア南部、アフリカで膨大な数の将兵を失う結果を生んだ。

 

この時点で取り返しのつかない損失をした連合国は自国民に対し、この情報を封殺。

 

以降から

 

・大量の艦船を用いた制海権確保による防衛

 

・新型爆弾の早期開発、実戦投入と戦略爆撃による枢軸諸国の世論の動揺による反撃

 

に戦略を変更した。

 

連合軍はこの戦略を『鋼鉄の盾と剣』と呼んでいた。

もっとも日本軍からは『矛盾戦略大綱』と皮肉げに呼ばれていた。

 

このオーバーロード作戦で失った師団は連合国軍にとって根こそぎ徴兵による民兵の動員を促し、工場の生産速度を悪化させる結果をもたらした。

 

連合国は既にマレー半島、セイロン島を奪われ、天然ゴムが枯渇しだしていた為、合成ゴム生産に拍車がかかるようになっているが、それでも需要には間に合っておらず、

 

さらに工場生産効率の低下が重なったために航空機、戦車、装甲車など生産状況が悪化。

 

現代に生きる我々なら「もはや勝敗は決した、かくなるうえは講和を結び、再戦の機を待つべし」等と堅苦しく政府首脳に訴えるかもしれない、それとも、自分と親しい人は安全な中立国に逃げるかもしれない。

 

だが、悲しいかな。これは総力戦である。

人類が二度しか経験しなかった破滅的戦争だ。

 

連合国、いや米英はずるずると戦禍を広げていく。

 

ある米上院議員の言葉が残されている。

 

──例え本土すべてが失陥しようと、国民が全滅しようと、我々は決して降伏『できない』

 

────────

 

──ザイフェルト議員は伝統を重んじるのですね

──いえ、私は伝統を重んじるのではないのです、伝統に生きているのです。不思議そうな顔ですね、博士?

私は伝統に裏切られるとは思ってないのです、伝統が味方でい続けてくれると確信を持っているのです。

だから私は、革命に対する革命勢力です。

    ザイフェルトと大手新聞記者の会話より一部抜粋

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