TS転生美少女俺「もっと平和に暮らしたかった」   作:(ノ≧▽≦)ノ

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結(前編)

 

 

 

 

『クケケケケケケケケェッッッ!』

 

 

 醜く嗤う怪物が──

 

 槍の如く触手を突き立てる。

 

 

『………………ぇ?』

 

 

 呆けた声が耳に入る。

 

 声がした方に顔を向ける。

 

 

『…………カー、ナ?』

 

 

 目を見開く妹の口から──

 

 

 

『……お……ねぇ…………ちゃ………………』

 

 

 

 

 ────鮮血が吹きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァァァァァァッ!?」

 

 

 悪夢のようなその光景をかき消すように、私の口から悲鳴があがる。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……! う、ぐぅ……。こ、ここは、私の、部屋?」

 

 ひどい頭痛と吐き気にみまわれ、視界が滲み、頭がぼやける。それでも、現状把握のために思考を巡らせた。

 

 

 ──さっき、見たのは……

 

 

「あ、あれは…………夢?」

 

 私の口から、か細く震えた声がでる。

 

 願わくは夢であってほしいと、希望にすがる。

 

 でも、それがあり得ないことだと理解していた。

 

 

 だって、今でもはっきりと思いだせるから。

 

 

 

 ──妹を殺した怪物を。

 

 ──怪物に刺された妹を。

 

 ──妹の絶望した表情を。

 

 ──妹の見開いた目を。

 

 ──鮮血をこぼす妹の口を。

 

 ──倒れ行く妹の姿を。

 

 

 

 ────死んだ、妹を。

 

 

 

 

「あぁ………………」

 

 もう、妹と話すことも、笑い合うことも、遊ぶことも……謝ることも、できない。

 

 その事実が、私に重くのしかかる。

 

 

 ──だったら…………いっそのこと、私も。

 

 

 バカな考えが頭をよぎる。

 

 でも、一度認識した思いは、なかなか心から離れてくれなくて………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────お姉ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────頭の中が、真っ白になる。

 

 

 

 

 私の中の、不安も、虚無も、衝動も。

 

 

 

 その全てが吹き飛んだ。

 

 

 

 

「………………カーナ?」

 

 そこには、全身無傷の妹が何事もなかったかのように佇んでいた。

 

 

「カーナ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 妹を抱きしめる。

 

 強く、強く、抱きしめる。

 

 無事を確かめるように。

 

 虚しさを埋めるように。

 

 悪夢を払拭するように。

 

 

『カーナ』が消えてしまわないように。

 

 

「…………」

 

「お、お姉ちゃん、苦しいよ…………」

 

「………………あれ? なんか…………

 

「……お姉ちゃん?」

 

「────あっ! ご、ごめん! 大丈夫? どこも痛くない?」

 

 妹の声で我に返った私は、あわてて抱擁を解いた。

 

 

「大丈夫! どこも痛くないよ」

 

「ほんと?」

 

「うん、抱きつかれる前はね」

 

「…………あ、後は?」

 

「少し、痛かったです……」

 

 どうやら、相当強い力で抱きしめていたらしい。

 

「イテテ……」と体をさする妹に対し、羞恥心や罪悪感を覚えた私は、それらをごまかすように口を開いた。

 

 

「ほ、本当にごめんね? でも、あなたがここにいるのが信じられなくて。えっと、その……あなたが、魔物に………………」

 

 私が言いよどんでいると、妹は私の言いたい内容を察してくれたようで。

 

「あー、そうだよね。そりゃあ驚くよね。当人である私だって驚いたんだし」

 

 ウンウン、とうなずいた妹は、真剣な表情で私に向き直った。

 

 

「──私ね、魔物に殺されかけたんだ」

 

「……殺され()()()?」

 

「うん。その後すぐに自警団が駆けつけてくれたらしくて、そのまま魔物を追い払っちゃったみたい」

 

「そうなんだ……」

 

 あのとき、私は気絶していて無防備だったはずだ。そんな私がなぜ生きているのかと疑問であったが、魔物がその場から離れていたというのなら納得だ。

 

 

「その後は?」と、私は話の続きを促す。

 

「えっとー……どうも私は生死をさ迷っていたみたいなんだけど、そこにマスターがきてくれたみたいでね。回復魔法で、私の命をつなぎとめてくれたんだ」

 

「……回復魔法? 自警団の人たちが使う、あの魔法のこと?」

 

 

 ──あれは確か、この街にきてすぐ、マスターとはぐれてしまったときのことだったか…………。

 

 

 私は、転んで怪我をした妹を癒してくれた、親切な自警団の人を思いだす。その人のことを頭に思い浮かべながら妹に確認するも、肝心の彼女はきょとんとし、

 

「なんのこと?」

 

 と、言い放った。

 

「なんのことって……自警団がよく使っているじゃない。カーナ、あなただって一回、彼らのお世話になったでしょう?」

 

「…………そうだっけ?」

 

 

 ……………………。

 

 

「……え?」

 

「え?」

 

 そんなこと忘れました、とでも言うような妹の態度に、私は衝撃を受けた。

 

「な、なんてことを……! 自分を治療してくれた人を忘れるなんてっ!」

 

「う?」

 

「『う?』じゃ、ありません! カーナ! あなた、マスターにはちゃんとお礼をしたの!?」

 

「も、もちろんしたって。というか、覚えていないのには理由があるんだよ」

 

「ゼェ、ハァ………………理由?」

 

 乱れてしまった呼吸を整えて、理由とやらを伺う。

 

 

 

「実は私──()()がないんだ」

 

「………………ぇ」

 

 記憶が、ない?

 

「……………………」

 

 は? ………………え、はぁ!?

 

 

 

「? あれ、聞こえなかった? ……コホン、実は私──」

 

「いや、聞こえたわよ! あんまりな理由に声がでなかっただけ…………って、ちょっと待ちなさい!」

 

 重要な食い違いに気がついた私は、声を荒らげた。

 

 

「記憶がないなら、どうして私やマスターのことを覚えているのよ!?」

 

「あぁ、記憶が全部なくなったわけではないんだ。記憶の一部がなくなった……いや、一部だけ残ったというべきかなぁ」

 

 妹は、困ったような笑顔でそう告げる。

 

「なっ……。で、でも、どうしてそんなことに……」

 

「『短時間とはいえ死にかけていたことが原因かもしれない』って、マスターが言っていたよ」

 

「そう、なの……」

 

「うん、そうなの。でも、こうして生きているわけだし、記憶が欠けちゃったことは気にしてないよ!」

 

「………………そう」

 

 私は「はぁ」と息をつき、改めてカーナの顔を覗く。

 

 

 ニコニコと、笑顔を浮かべるカーナ。

 

 

 

 ──最近は、あまり見せていなかった表情だ。

 

 

 

「……今さら気づいてもね」

 

「ん? なにか言った?」

 

「…………ううん。なんでもない」

 

 

 

『私たちのことは、どれだけ覚えているの?』

 

 

 

 そう聞こうとして、閉口した。

 

 

 知りたくない──そう思ったから。

 

 

 

 

「ふぅ……。説明してくれてありがとう、カーナ。でも、そういうことなら、後でマスターや自警団にお礼をしなくちゃいけないわね」

 

 私のその発言に、妹は苦々しい顔になった。

 

 

「え、なによその反応? どうしたの?」

 

「……実は、自警団の人たちも、マスターも……もうこの街にいないんだ。たぶん、しばらく会えないと思う」

 

「えぇっ!? なんで、どうして!?」

 

 驚きのあまり、畳みかけるように追及してしまう。それに対し妹は、少々面食らいながらも理由を説明してくれた。

 

「な、なんか、自警団の人たちで結界を再生するための材料を集めてくるみたいで……。マスターもそれについていくことになったってさ」

 

「マスターも……」

 

 私は、マスターにお別れの挨拶もできなかったことを残念に思った。

 

 

 マスターたちは、結界の材料を集めることができるのだろうか?

 

 旅中で、魔物に襲われたりしないだろうか?

 

 ちゃんと、この街に戻ってきてくれるのだろうか?

 

 

 また、三人で一緒に暮らせるのだろうか?

 

 

 

 そんな不安が、次々と脳裏を駆け巡る。

 

 

 

 ──って、あれ? 結界がないということは…………

 

 

 

「そういえば、この街は大丈夫なのかしら? 結界は壊れているし、自警団もではらっているのでしょう?」

 

「うん。だから、私たちは私たちで旅にでないとね」

 

 

 

 ん?

 

 

 

「……………………」

 

「? あれ、聞こえ──」

 

「聞こえたわよ! 旅ってなによ! どこに行けっていうのー!?」

 

「……私もそこまでは知らないよ?」

 

「さも当然のように言わないでよ!」

 

 

 ──スーハー、スーハー。

 

 

「だって、マスターがそうしろってー」と、弁明する妹を無視しつつ、再び酷使した肺に酸素を補充した。

 

 スーハー、と深呼吸を繰り返し、心を落ちつかせる。冷静さを取り戻した頭の中で情報を整理して、新たに生じた疑問を妹に叩きつけた。

 

 

「そもそも! あのマスターがなんの対策もさせずに、私たちに旅をさせるとは思えないわ!」

 

「──あるよ、対策。それも二つ」

 

「え、あるの!?」

 

「うん。一つ目は、マスターが私にくれた()()ね。これがあれば、魔物に襲われても戦えるよ」

 

「ちょっと、魔力って──」

 

「二つ目は、マスターが書いてくれたこの手紙ね。私もまだ見てないけど、私たちの旅の行き先とか、魔物との戦い方とか、そういうのを書いておいたってさ。──はい、これ」

 

 そう言って、妹は手紙を取りだした。

 

 

「………………ここまでマイペースな子だったかしら?」

 

「お姉ちゃん?」

 

「…………ふうぅぅぅぅ………………。あー、いろいろ聞きたいことはあるけれど、とりあえず、それを読むことにするわ……」

 

 突っ込み疲れた私は、差しだされた手紙を素直に受け取る。妹も手紙の内容を見れるように姿勢を変えてから、手紙を開けた。

 

 

「えー、なになに……。っと、一通だけじゃないのね」

 

 手紙が複数あることに少しだけ驚くも、すぐに気を取り直し、手紙を一通ずつ確認していく。

 

 

「──行き先についての情報と……後は、世界の情勢や旅の注意事項、金策なんかも書かれているわね」

 

 私たちの身を案じてくれたのか、手紙には、お役立ち情報から旅で気をつけるべき点まで、びっしりと記入されていた。

 

「………………」

 

 手紙を読み進め、改めてマスターの偉大さと優しさを実感する。

 

 今までと違いマスター抜きで旅をすることに不安はあるが、この手紙があれば大丈夫だと、不思議とそう思えた。

 

 

「こっちの手紙は…………ん? 魔法?」

 

「魔法……」

 

『魔法』という単語に、妹が反応する。

 

「えぇ。これは、魔法や魔物に関する手紙のようね。………………ねぇ、カーナ」

 

 

 ──聞くべきか、否か。

 

 

 少しだけ迷ったものの、結局、聞くことにした。

 

 

「あなた────魔物と戦える?」

 

 

 そう妹に問う私の頭の中では、昼間の出来事が回想されていた。

 

 

 ──血の海に沈み行く、妹の姿。

 

 

 もう二度と、あんな光景は見たくない。

 

 

 

「大丈夫だよ! 以前と違って、魔法を扱えるようになったわけだし。前は形にするのも難しかった魔力だけど────ほらっ!」

 

 

「ぇ…………キャワワアァァァァッ!?」

 

 

 突如、目の前に出現した魔力塊の大きさに驚いて、変な悲鳴が喉を通った。

 

「うわあ!? ごめん、お姉ちゃん! まさか、こんなにいっぱいでるなんて……」

 

「…………カーナ! この手紙にも書いてあるけど、あなたはまず、魔力の制御を練習しなさい!」

 

「うぅ……はぁい」

 

 妹を叱り、愚痴をこぼす。

 

「それにしても、どうしてカーナにだけ魔力を渡したのかしら? どうせなら、私ももらいたかったわ」

 

 まともに魔法を使えない私では、魔物を相手取ることなど不可能だ。これでは実質、『カーナ一人で魔物と戦う』ということに等しい。

 

 姉として妹を守れないのが悔しいし、なにより、妹のことが心配だった。

 

 

「私もわからないなぁ。マスター、私に魔力と手紙を渡したら、さっさとでていっちゃったから」

 

「うーん……。まぁ、考えても仕方ないわね。そもそも、魔力の譲渡なんてはじめて聞いたし、なにかしらの制約があったとしてもおかしくないわ」

 

 そう自分を納得させ、最後の手紙に目を通していく。

 

 

 

『魔物と戦闘になるかもしれないのに、どうして、そんな平気そうにしているの?』

 

 

 

 ──胸にわいたその疑問から、目を背けるようにして。

 

 

 

「…………。えっと、これで最後かしら? 内容は────え?」

 

「ちょっと、お姉ちゃん? 見せてよー、見えないよー」

 

 妹の抗議を無視して、手紙の内容に目を通す。

 

「これは…………」

 

「あれ? なんか顔色悪いけど、大丈夫?」

 

「え、えぇ。…………えぇ、大丈夫よ。なんか、謝罪ばかりがツラツラと書かれてあったから、その、『別にマスターのせいじゃないのにー』って、悲しくなって、ね?」

 

 

 

 咄嗟に嘘をついてしまった私は、自責の念にかられる自身の感情を抑え込み、強引に話を変えた。

 

 

 

 

「あー、っとぉ……。その、もう夜なのね。カーナは今日、いろいろとあって疲れたでしょう? 今日はもう寝て、明日から旅の準備をしていきましょうか」

 

「ん? …………今日?」

 

 怪訝な反応をされたため、嘘をついた負い目からドキッっとする。

 しかし、続いて妹が口にした単語から、彼女がなにを言おうとしているのか予想できてしまった。

 

 

「も、もしかして…………あの、私たちが魔物に襲われたのって?」

 

「昨日だよ」

 

 

 やっぱり!

 

 

「え? 私、こんな状況で丸一日以上寝ていたの?」

 

「まぁ、お姉ちゃんって、ちょっと神経が図太いところがあるから……」

 

 ぐっ……認めざるを得ないけど、認めたくない!

 

「ず、図太くなんかないわ! というか、さっさと起こしにきなさいよー!」

 

「むりやり起こすのもかわいそうだったし……。それに、マスターから資材を確認しておくように言われていたからね。『使えそうなものは持っていけー』だってさ」

 

 

 ぐぬぬ…………って、ん?

 

 

 妹の発言に違和感を覚える。

 

 

 昨日の妹の作業といえば──

 

 

「……あら? 資材なら昨日の作業で確認していたじゃない?」

 

「え、そうだったっけ? うーん……やっぱり、記憶が曖昧だなぁ」

 

 うーん、と首をかしげる妹を見ていると、なぜか焦りが募っていくのを感じる。

 

 気がつくと、私は聞くまいとした問いを妹に投げかけていた。

 

 

 

「ねぇ、カーナ」

 

「どうしたの、お姉ちゃん?」

 

 

「──昨日の昼間、魔物の襲撃前に、私たち喧嘩しちゃったんだけど……覚えてる?」

 

 

「…………ごめん、覚えてない」

 

「そっ、か」

 

 

 その返答に、心の中で虚しさが広がっていく。

 

 

 わかっていた。

 

 妹はきっと、忘れてしまっているって。

 

 

 この様子だと、自分がなにに悩んでいたのかも……いや、悩んでいたことさえ覚えていないのだろう。

 

 

「えっと……お姉ちゃんは、私にそのことを覚えていてほしかったの?」

 

「うん」

 

「でも、喧嘩だよね?」

 

「それでも! 私は、謝りたかったのに……」

 

 妹に対しひどいことを言っている自覚はあるが、私の口はとまってくれなかった。

 

 

 

「──今のあなたに謝っても、意味がないわ」

 

 

 

「……………………」

 

 

 妹は、なにも言わない。

 

 

 怒ったのだろうか?

 

 そう思い、恐る恐る妹の顔色を伺って──

 

 

 

 

「お姉ちゃん! ごめんなさい!」

 

「ふぁっ!?」

 

 

 なぜか、全力で謝られた。

 

 

「え、え?」

 

「はい! 次は、お姉ちゃんの番! 私に謝って!」

 

「え、え、え?」

 

「ほら、はやくー!」

 

 

 妹の勢いに押された私は、彼女の意図をよく理解しないないまま、謝罪を口にしてしまった。

 

「えっと…………ごめんなさい?」

 

「うん!」

 

 私にとびっきりの笑顔を見せた妹は、一連の謎行動について釈明する。

 

 

「その喧嘩でどっちが悪かったのか、どっちも悪かったのか、私にはわからないけど……。今ので二人とも謝ったわけだし、これで仲直りってことでいいんじゃない?」

 

「うぇ? で、でもっ──」

 

「──昨日の私も、ここにいる私も、同じ『カーナ』だよ?」

 

 

 そう呟く妹は、悲しそうで──

 

 

 

 今は──

 

「……そうね」

 

 今は、この感情に蓋をしよう。

 

「改めて──ごめんなさい、カーナ。……えっと、じゃあこれで、私たちはいつもの仲良し姉妹に戻った、ということで!」

 

 

 笑顔でそう告げて──

 

 

 こうして私は、問題の先送りをする。

 

 

 

「っ…………お姉ちゃん!」

 

「きゃっ! ちょっと、カーナ? どうしたの、いきなり抱きついて?」

 

「えへへー。なんか、嬉しくなっちゃって」

 

「ふふっ、なにそれー」

 

 えへへ、ふふっ、とじゃれつき、笑いあう。

 

 しばしの間、姉妹仲良く和やかな空気を楽しんでいると──

 

 

 

 

『グゥ~』

 

 

 ──部屋に、気の抜ける音が響いた。

 

 音の発信源は、妹の腹部だ。

 

「……なんか、安心したらお腹がすいてきちゃったよ」

 

 その妹の発言──いや、彼女のお腹の音は、私の中にある爆弾を爆発させるのに充分な威力を持っていた。

 

 

「ちょ、ちょっ、ちょっと、空腹なんて意識させないでよっ! ────あっ、ダメッ! わ、私も………………でっ」

 

 

 

 

『グゥゥゥ~』

 

 

 

 先ほどよりも強烈な音が鳴り響く。

 

 ……音の発信源は、恥ずかしながら私の腹部だ。

 

 

「そっかー。お姉ちゃんってば、昨日からなにも食べていなかったから、体が栄誉をほっしているんだね」

 

「うぅ………………」

 

「だ、大丈夫?」

 

「うぅぅー…………私、料理してくるっ!」

 

「あ、うん。お願いー」

 

 

 

 

 ──料理はおいしく作れたけど……

 

 

 

 

 二人だけで食べる夕食は、少し寂しく思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
完結まで、後二話。
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