Dies irae ~Von der großen sehnsucht~   作:tatuno

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第三章です。
この章ではついにヒロインが登場します。

よろしくお願いします。


第三章

その日の夜。

ルサルカと約束をしていたため、学校に向かっていた。

 

教えろとは言ったものの何をするのか検討がつかない。

可愛い顔してるし、そんな酷いことはしないとは思うが………。

でも、直感で怖いと思ったこともあるし………。

 

分からない。

そもそもまだ力ってものが何なのかも分かっていない。

ルサルカの影のような感じか……。あるいは別の…。

 

「あれ?祐君?」

 

「お?」

 

後ろから声を掛けられ振り向くと制服を着た一人の少女が立っていた。

 

「こんばんは。」

 

「羽矢か。」

 

彼女の名前は大隅羽矢。羽矢は小学校から中学校まで同じ学校で家も近く、唯一異性で仲がいい。

高校は別々になってしまったが仲は変わらなかった。

 

「学校の帰りか?」

 

「うん。部活が長引いちゃって…。」

 

羽矢は剣道を高校の部活でしている。小学校からの経験者で、全国大会出場に食い込むほど強い。

中学校で俺も初心者として剣道部に入っていてよくボコボコにされた。

その劣等感のせいで俺は高校で剣を置いた。

 

「こんな夜遅くまで大変だな。」

 

「まあね…。祐君は何やってるの?夜に出歩くなんて珍しいね。」

 

「……ちょっと、な。」

 

説明自体が難しいので言わない。

というよりも言えない。

 

「ふーん……そういえば今日三人に告白されちゃったんだけど。どう思う?」

 

「どうって…」

 

言われてもな。質問の意図が分からない。

こいつはいつも凄いモテモテだった。剣道が強い割には大人しく、そして優しい。

だからこそ剣道してるところを見たときは毎回驚くが…。

そのギャップからか男子にも女子にもファンがいるぐらいだ。

 

「まあ良かったな。」

 

「違う。」

 

「…違うって?」

 

「……いや、何でもない。」

 

何答えれば良かったんだろうか。

凄い落ち込んでるように見えるし。

 

「えっと…どうせなら家まで送って行こうか?

一人で帰るのは危ないし。」

 

特に最近は止んでるとはいえ、連続殺人があったからこのまま帰すのも間違ってる気がするし。

 

「いいよ。そっちはそっちで用事があるんでしょ?

私これでも強いから、一人で帰れるよ。」

 

「でも…。」

 

確かに羽矢を送って行けば、ルサルカとの待ち合わせに完全に遅れることになりそうな時間だ。

あいつ遅れたら怒りそうだな……。

 

「大丈夫だって。心配しないで。」

 

なんかこいつが怒ってないか?

………まあ現に殺人事件は今は起こってないわけだし。

大丈夫だと信じよう。

怒り出したら暫くは元に戻らない性格だしな…。

今はそっとしておくことにする。

 

「……分かった。なんかあったら連絡しろよ。」

 

「うん。それじゃあ。」

 

羽矢を見えなくなるまで見送り、その後俺はまた学校に向かい始めた。

 

 

 

────そして到着。

校門の前ではルサルカが妙な格好をして待っていた。

 

「なんだその格好。」

 

「これは軍服よ。似合うでしょ。」

 

まあ似合わないことはないけど…。

何故軍服なんだろう。

 

「ちょっとこの後用事ができるかもしれないからそのためよ。」

 

用事ね。

暇だって言ってた気がするが。

そもそも軍服着ての用事って何だろう。

しかも、かもって……。

 

「まあいいや。ところで一体何するんだ?」

 

「そうねえ…。あなたにまずある程度の知識を教えてから、少し実戦。」

 

「実戦?」

 

「使いこなすためのよ。」

 

確かに力を使う上で知識も練習も大事だ。

案外まともな教え方っぽいようだ。

 

「広いところがいいし、校庭にでも行きますか。」

 

俺たちはそのまま校庭に向かった。

でもやっぱり何をするのだろう。

そもそもこの力は一体何をするための力なんだろうか。

それに何で俺が……。

 

そんなことを考えながらも校庭に到着し、そしてルサルカの講義さながらの教え方で力の正体を知ったのだった──。

 

 

 

聖遺物──。

それが力の正体だという。

身体の異変もこれからきているらしい。

聖遺物と言えば、いわゆる聖人が持っているアイテムが思いつくがそうではないらしい。

人の思念が集まり、絶大な力を得た物だとか。

その聖遺物の力を行使するにはある犠牲を払わなければならない。

 

人の魂。

 

これを取り込むことで聖遺物は維持され、力を増す。

 

なんともまあ最悪な話だ。

本当になんて物を持っちゃったんだろうか。

俺の中の聖遺物が求めたからこその殺人衝動だったとすると恐ろしい限りだ。

あれは魂を求めていたのかと。

 

他にもこの聖遺物は形とかもいろいろ種類や段階があるんだとか。

 

 

「まああなたが人を殺してないにしては全く聖遺物に呑まれてないし、そもそもあなたがどんな物を持っているかが分からないわ。

本当に心当たりはないの?」

 

確かにそんな物に触った覚え自体がまるでない。

……あるとしたらやっぱり博物館か?

俺は歴史好きであり、憧れているある武将の武器が飾られてると聞き二周間前に見に行ったが……

 

置いてあったギロチンを見て気分を害した記憶しか正直ない。

なんだったんだ……あのギロチン。

 

まあ、博物館のことは良く分からないから言わなくていいか。

 

「多分ない…。」

 

「うーん…。困ったわねえ。」

 

と本当に困った顔をしていたが

 

「じゃあもう形成で出しちゃおうか?

それが一番早いし。」

 

「さっき言ってた段階とかいうやつか。

でもいいのか?活動すっ飛ばして。」

 

「どうにかなるわよ。多分。」

 

適当だなあ…。まあ、形成すれば聖遺物そのものを出せるわけだし、それが一番だと言うのは納得できるが。

 

「まあ、分かった。じゃあよろしく頼む。」

 

「オッケー!それじゃ始めるわ。」

 

 

そうして俺はこれで自分の聖遺物とルサルカの本性を知ることになるのだった───。

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