昨日は、涼を連れ帰って1件は落着し、母さんは平然としながら父さんはグロッキーになりながら、仕事をしに朝家を出た。
「次は、帰ってくるのだいぶ遅くなるかも、いつもごめんね」
と柄にもなく母親らしいことを言う母に
「大丈夫、俺には涼という最強の家政婦がいるから」
「えっ!?いつの間に家政婦?」
と返事をしてみると、
「ふふふ、それなら安心ね」
と言い残し家を出た。
ほんとは、少し寂しい。でも、寂しいなんてのは、お互いだ。
だからいつも両方言わないようにしている。
それでいいのだ。
そして涼と学校へ向かう。
学校に到着し、クラスに入ろうとすると人だかりが凄かった。
他クラス、他学年、1部の先生ですら、集まるほどだった。
そうさせ得る人物をこのクラスで俺は1人しか心当たりがない。
そう、桐崎千華だ。
「涼、教室入れる?」
「なんとかかな〜」
と人混みをかき分けながら俺が入ると、
俺のかき分けたところを上手く通りながら、涼が入ってきた
そうこうして教室に入ると、
「おはよっ!」
と桐崎さんが元気よく挨拶してくれた。
「お、おはよう」
と若干緊張しながら返すと
「緊張するの禁止!」
「次したら瞬くんにいたずらしちゃうぞ」
と軽く舌を出しながら言っている彼女にドキッとした。
そんなふう考えていると
「おはよっ、瞬くん!」
と大きな声で元気よく挨拶してくれたのは春ちゃんだ。
「元気があっていいね!おはよっ!」
と全く緊張せずに話せた。
「むぅーー、なんであたしには緊張しないのさ」
「いや、なんか春ちゃん地元の友達感すごいんだよねー」
「私の友達だから、その流れでかもね?」
なんて、3人で談笑していると、このクラスの見世物である桐崎千華さんも羨ましそうにこっちを見ていた。
だから俺は、話しかけようとした。
今の日本語でわかるように正確には話しかけれなかった。
"馬鹿"のせいで
「おう、瞬ー!」
「入学式サボってたから、高校辞めたのかと思ってたぜ!」
こいつは中学の時、同じ部活で小中と仲のいい俺の友達の大垣
連だ。
良い奴だけど、めっちゃ馬鹿だ。
「瞬、おはよう!」
こっちの大人しそうに俺に挨拶したのも中学の時の同じ部活仲間の齋藤 太一だ。
超優しくて、まじクソ美男子、でも背が低いから女子にいじられがちかも。
なんて男たちに話しかけられたので、2人には、「おはよう!」とだけ返して、桐崎さんのところに向かった。
「桐崎さん、おはよっ!」
「同じクラスの山川 瞬です!」
「趣味は映画鑑賞です!」
「これからよろしくねっ!」
とちゃんとした自己紹介をした。
学校のスーパースターに簡単に話しかける俺に視線は集まり、誰、あいつとかいう声まで聞こえてきた。
「山川くん、おはよっ!」
「同じクラスの桐崎 千華です!」
「趣味は映画鑑賞です!」
「これからいっぱい映画の話しよーね!」
と返してくれたためそんな声もなくなった。それどころかマジであいつ何もん!とかもしかしてあの子も芸能人かな!とかよく見たら顔かっこいいよねっ!とか嬉しいことを散々と言ってくれていた。
既にグループ化しそうになっている俺の友達4人のところまで桐崎さんの手を引いて、連れていった。すると、
「桐崎 千華です!」
「モデルとか女優とかの仕事をやってるから変な感じするかもだし、ハーフだから日本語変かもしれないけど、みんなと仲良くなりたいからよろしくねっ!」
とあの時の笑顔とはまた違った、無邪気な笑顔で笑った。
そういう笑顔もまたいいなと思う俺だった。
こうして俺の高校生活は始まっていく。