とある女子高校生の幻想生活   作:角村隼斗

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本作は二次創作です。(原作とは関係が)ないです。それではどうぞー


一章 3 なぜここに?

「あなた———ここの住人じゃないわね?」

 

博麗の巫女はこちらに鋭い目を突き付けながら、そう静かに放った。

2人の間には先ほどまでの空気はなく、冷たく、そして静かな風だけが吹いてきていた。

 

しかしこの沈黙を破ったのは他でもない

 

「え、なんで分かったんですか!もしかしてそうゆう能力の類とか」

 

ミイの方だった。

疑いをかけられてるにも関わらずその目にはキラキラと、そして驚きの眼差しを目の前の巫女に向けていた。そう、当の本人は気づいてないだけなのである。

 

巫女は少し驚きながら予想していた返答と違い少しばかり驚きながら

 

「いや私じゃなくてもあんたのその姿を見れば誰でもそう思うわよ」

 

とミイの服装を見ながら上から下へと視線を移動させている。

 

「え、あ…」

 

「あんたも里を見渡した時に里の人間の服装を見たでしょ?私も人の事は言えないけど、貴方自身もそう理解してるんじゃない?」

 

「た、たしかに、周りの人たちの服装はやけに古そうだなとは思ってたんですけど、やっぱり違うってわかりますよね」

 

薄々思ってはいたが、あまりそこらへんは意識を向けてはいなかったな、私にとってこれが当たり前の服装だったから周りが少しおかしいと思った。けどその『逆』も然り、目の前の巫女にさんにとっては私は不思議な存在だったと言うわけだ。

 

勉強になったなぁ。と心の中で今回のことを学びながら頷き始める。

 

博麗の巫女はその様子を見ながら一旦ため息をつく、そして左腕を横腹に当てながら

 

「……貴方、何のためにここにきたの?」

 

「何のためにと言われても、私ここに迷い込んだだけなんです。目的とか何もないんです」

 

ミイにはなんの目的もないただの一般人であるということを巫女に打ち明ける。

そう私はいわゆる迷いびと、どこから来たのかは分かるがここが何処は分からない。

 

 

「…ふーん、なるほどね」

 

「な、何か知りませんか!?私元の世界に帰りたいんです!」

 

そうなんでも良いのだ、私は別にここにきたくてきたわけではないし、元の世界が嫌というわけでもないのだ。だから帰る方法さえあれば。

 

と少し声を荒げながら巫女に方法を聞くミイ。

その声は少し震えながらも、それをかき消すかのように大きく音量を上げていた。

 

巫女は急な態度に少し動揺し

 

「元の世界といってもねぇ、貴方どこから迷い込んできたのよ」

 

と困惑しながらもミイが元いた場所を聞く。

 

「えっと、日本っていう場所で、」

 

「日本?あーなるほど」

 

「…なるほどって?もしかして知ってるんですか!?」

 

巫女はそのミイの答えに「なるほど」と答えた。どうやら何かを知っている様子である。

巫女はそんな必死なミイを見ながら先程の答えを返す。

 

「まぁたまにその日本とやらからくる人間もいるからね。」

 

「ほ、本当ですか!

 

なんとこの場所にはミイがいる日本から来ている人がいることは判明した。

この場所には幾度も迷い込んでくる人がいるのであろう。

もしかしたら帰れるかもしれない!と矢先そう思ったミイの期待は

 

すぐに終わることになる。

 

「まぁ、それはそれとして。私は返す方法も知らないし出来もしない」

 

とミイにとって絶望の一言が出てきていた。

ミイの表情は瞬時に暗転し、冷や汗を描いている。その様子はまるで親に夜遅くゲームをやっているところを見つかった子供のようである。

 

「それじゃあ私は元の世界には、もう」

 

といよいよメンタルが崩壊しそうな様子のミイはそう放つ。

 しかし巫女はそのミイの顔をじっと見つめ、「バカね」と一言放つ。

 

「私にはその力がない、だから今そこにいる『奴』にしてもらうのよ」

 

「え?」

 

「いつまで見てんのよ、『紫』」

 

とミイが巫女の発言に驚くのも束の間、巫女の隣から瞬時に人影がぬるりと出てきていた。

容姿は20代に見える見た目、髪は黄色、そして自身の手と全くサイズ側は合わないぶかぶかの袖とドレスのような服が合わさり。首から下まで何かの紋様が入った彩色が施されている。

その人物は出て来るやいなやその手に持っておる大きい傘を開き日光避けに使っている。

恐らく、いやこの人物が先程の巫女から出た言葉に入っていた『紫』という人物なのであろう

そして紫空いている方のを手を口に当て笑顔を出しながら

 

「……ふふ、あらら。いつから分かってたの?」

 

とそう巫女に問いかける。

巫女は紫の方に指を刺しながら

 

「あんたの気配は私が店から出てるときからしていたわよ、その子をずっと見てたでしょ、全く気が気じゃなかったわ」

 

「あら、だとしたら最初から分かってたってことね」

 

巫女はそう答える。そう最初から博麗の巫女は分かっていたのだ、店の前でキョロキョロしていたあの動き。そう最初から巫女は感じていたのだ、そこに姿はなくとも自分たちを監視していた紫の存在を。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

とそこに口を挟んだのが。

 

「ん?何かしら」

 

「え、今どこから現れたんですか、」

 

ミイだった。

 

私の目の前でありえないことが起きていた。いやそもそもこの世界に来てからはそのようなことの連続だったが、目の前で、身長もかなり高い女の人がいきなり、しかも何もないところでまるでサーカスかのように人が出てきた。

こんなこと、説明をしないでくださいという方が難しいだろう。

 

と困惑しながらもそう聞くミイに巫女は紫の方に親指を向けながら

 

「こいつは境界を操る程度の能力を持ってるのよ、何処からか見てるか知らないけど、こいつが知らないことなんてなかったわ、要は隠し事なんて一切できない、ったく気味が悪いったらありゃしないわ」

 

と隣にいる紫の代わりに説明を始めた。

 

「隙間、ですか」

 

巫女の言うことがようやくわかったミイ。つまるところそうゆうことである。

この紫という人物は境界を操ることができる、つまり外の世界と繋げることができるということができるってわけだ。

巫女さんの物言いから察するにおそらく、何度もそういう事をしてきたのであろう。

 

ミイはチラリと紫の方に視線を向ける。

 

見た感じ紫さんは不思議そうな、どこか掴めなさそうなそんな雰囲気を醸し出している。

 

「あら、わざわざ説明ご苦労様。でもあと一つ付け加えるとしたら、結界と式を操れる妖怪ってとこね」

 

「やっぱり妖怪なんですね、てっきり人間かと思ってたんですけど」

 

ミイは少し苦笑いしながらそう放つ。

 

正直ここまでくればあまり驚きはしない、なんせここの住人は人間の方が少ないと思う。いや、何か特殊な能力を持っているのが妖怪の方が多いだけかもしれないが。

言及はしないが、紫さんが先ほど言った『式』というのは恐らく式神、妖力の一種である事だろう。

 

「そうよ、なんせこいつはこう見えて千歳以上も生きてるんだから」

 

「せ、千歳以上!?にしても随分と若く見えるんですけど」

 

ミイはその驚きの年齢に少しばかり声を大きくしそう言った。

本やその他で見た妖怪は少なくとも神の類でなければ千歳以上はいっててなかったと思う。

その点に関しても紫は相当な力を持つ妖怪であることがわかるだろう。

 

「あら、お上手なのね、ありがとう」

 

「いえいえとんでもない!本当のことを言っただけですので」

 

紫はミイの発言を聴くと手に持っている扇を手でバサッと開き笑顔を見せている。

ミイは頭に手を当てて謙遜している。

まるで近所のお姉さんと会話しているかのようなそんな雰囲気がこの場に漂っていた。

1人を除いて。

 

「……」

 

「あら?何か不満でもあるのかしら?楽園の素敵な巫女さん」

 

「ったく、あんたがこの子を呼んだんでしょ?ならさっさと元の世界に帰しなさいよ」

 

——どうゆうこと?——

 

少し顔が強張った表情になってしまったミイはそう内心囁いた。

いまいち状況理解できなかったミイだったが、一つだけは理解できた。

つまり

 

「私をここに呼んだのは、紫さんって事ですか?」

 

「あら、それは違うわね」

 

「あてっ」

 

瞬間 紫は手に持っている扇をたたんで私の頭を軽く

コツン

と音が鳴る程度の威力で軽く叩いた。

 

(びっくりした)

 

急にされたから身構えることもできなかった。

ミイはそのまま扇で叩かれた場所を特段痛くもなかったが反射的に手で触りながら紫をそのまま見続けた。

 

しかしミイは急にされて苛立ちがして見続けたわけではなかった、どことなく不思議と紫のその雰囲気が『母親』の様だった。

 

まるで悪戯をしてしまった子供を少しばかり叱る母親の様に、そう捉えてしまった。初対面なのに弱くだがいきなり叩いてきたというのに嫌な気持ちにもならなかった、こちらを見る紫の目も、

 

紫はじっとこちらを見続けるミイの様子をみるやいなや少しクスッと笑いながら博麗の巫女の方を向き

 

「確かに私は隙間を使ってたびたび外の世界から人間を連れてきたりはするけど、今回はイレギュラー中のイレギュラーよ」

 

「は?それってどうゆう事?」

 

「この子がここにきたことに関して、私は一切関与してないわ」

 

関わってない?

 

紫は巫女さんにそう言い放った、私は一切関与していないと。

巫女さんの顔は目を開き驚きの表情を見せる。

対して紫はそんな巫女さんとは違い先ほどとはうって違い真顔で、しかしなんとも言えない表情を出している。

 

しかしこれではっきりわかった事がある。

この紫さんが私に関係していない、となると答えは一つ

 

「それじゃあ私は本当に迷い込んできてしまったってことになるんですか」

 

そう『迷い込んでしまった』

しかし私とてそんな不思議には思わなかった、そう私は最初からそう断定していたからである。

いやそもそもそうゆうラノベ系を見過ぎだかもしれないが、だが焦ってはいなかった。

 

そう言ったミイの言葉を紫はしかと聞いていた。

こちらを見てきた紫に「なんですか?」と言わんばかりの表情を出すミイに紫は静かに口を動かし、ただ一言

 

「いや、それはありえないわ」

 

「え?」

 

「ここは無数の結界が張り巡らされていて、通常ではここに入る事はできないのよ。内側から関与するか、元いた世界の住人に忘れ去られるか。そして開いてる結界の隙間から通るかしか方法はない。でも今回の貴方は全くもって別よ、いきなり里に出現した。いや、してきてしまったの方が正しいかしら?」

 

どうゆう事なんだ、ならどうして私はここに

 

ミイの中に戦慄が走る、それは目の前の女性に自分が思っていたことを否定された事。ではなく、

先ほど提示された条件の中に私に対して当てはまるもの、通常では入れない、普通は入ることすら叶わない、『3つのうちの条件の一つが揃えられている者以外は』

 

最初の1つ目は『元いた世界にいた人達に忘れ去られる』

 

次の2つ目は『開いている結界の隙間から通る』

 

最後の3つ目は『内側から関与する』

 

1つ目はもってのほか、つまり残り2つにミイは関与していることになる。

しかし私は薄々分かってしまった、もう選択肢はほぼ9割と言っても良いほど固まっていることに

 

「紫、それってつまり」

 

「えぇ、外側の世界で貴方が意図的にした、もしくは誰かが貴方をここに入れたってことになるわ。でも貴方の表情を見る限り、前者はなさそうね」

 

やはりそうだった、最後の3つ目。

 

『内側から関与する』

 

「それじゃあ元いた世界の何者かが私に何かしらの力を使ってここに入れさせたって事ですか」

 

やっと理解できた。

 

なぜ巫女さんの表情があんなに驚いていたのか、なぜ紫さんがなんとも言えない表情をしていたのか。

それは本来あってはならない方法だからだと思う。だからこそ2人はあの顔をしていたのだと。

 

「状況判断が早くて助かるわ、貴方、外の世界でそうゆう類の人とかと知り合ったりは?」

 

そうミイに質問する紫、その表情は少し強張った様子が見て取れる。先ほどまでの雰囲気とは打って違い、少し緊迫している。

しかしそんな問いに対して私は

 

「いえしらないです」

 

『知らない』そう力強く言った。

 

当たり前だ、不思議な力を持つ者、わかりやすく言うといわゆる『超能力者』である。

SFや漫画。そしてよくテレビに出てくる人の事である。しかし私は信じてなんかいない、

そんな子なんて私たちの世界じゃ居るはずがないと思ってるし、もし友達や親戚にいたとしたら既に頼んでるしこんなに焦ってはいない。

入り口ができるということは即ち出口もその瞬間誕生するのだ。

しかし私は入り口に突然押し込まれ、出口も封鎖されている様な状態

 

「ならいよいよ謎のままね。この子をここに行き着かせて何かをしようとしたとしか思えない、けどなぜ無関係のこの子を選んだのか?」

 

自分の顎に手を当てて考えている紫。

 

(紫さん、凄い顔をしているな…)

 

彼女が何を考えているのかは私は考えられないが、恐らく私が思っているより深刻なのだろう。

 

そんな雰囲気を醸し出している紫に巫女さんは少し両手を開きそのまま『パン!』と大きく音を立てた。

 

「まぁ、何でもいいわ。どうせ来るなら来るで楽よ、私たちが追い払えばいいんだし、それよりも重要なのはその子を元いた世界に帰らせるかどうかよ」

 

巫女さんは手を叩き音を立てたあと紫に本来の目的を明確にさせる。

 

紫は少しばかり巫女の顔を見ていたが、

 

「あらそうだったわね」

 

と扇で口に当てて、笑いながらそう言った。

そんな様子に巫女は「あんたねぇ」と苦言を漏らしているだがどこか安心した顔を出している。

 

先程の紫の話を中断させたのはミイを帰らせる目的を教えるためでもあるが、ミイと紫自身に不安にさせないためでもあるだろう、彼女なりの思慮である。

 

「んでできるの?紫」

 

「えぇ、出来るわよ」

 

「本当ですか!?」

 

やった!

 

とすぐさまガッツポーズを決めた私。

私はガッツポーズを決めながら2人の顔を嬉しそうに確認した。

そんなミイの姿に紫も巫女も安心した顔を出している。多分だが私があまりその事に心配していないことに2人は安心したのだと思う。

紫はさんともかく、巫女さんは少しばかり口元を上げながら

 

「そう、ならさっさと帰らせてあげて」

 

「そうね。貴方、自分が元いた場所を教えてくれるかしら、そこに隙間を配備するわ」

 

「ありがとうございます!有鹿神社って言う場所の前で大丈夫です!」

 

私は手先を丸めながらグーを作ったままそんな紫に意気揚々と推定1時間前に居た神社の名前を言葉に出す。

紫はそれを聞き

 

「ふむふむ、有鹿神社ね、少し待っててちょうだい」

 

まるで友達の親が電話に出た時のような返答を出す。

どうやら隙間というのは相当便利で使い勝手が良いらしい。先ほどから隙間と呼んで入るが、それは本来渡れるはずのない結界を無理やり貫通しそこを移動場所とする、要は通りぬけフープである最も壁は必要とはしないが。

 

そんな紫の頼もしい一言に私はホッとため息をつきながら胸に手を当てる。

 

「良かった、やっと帰れるんだ。お母さんや友達は心配してるかな」

 

時間軸がズレていなければ向こうではおそらく10時すぎだろう。

だが1時間も、それに近くの神社に寄って行ったというのにすぐさま帰ってこなければ誰でも心配はする、だって私だってするんだから…、もしかしたら怒られるかも

 

そんな安堵する半ば親に怒られるのではないかと怖がるミイに近づいていく巫女。

そんな巫女はミイの隣につき

 

「良かったわね、紫の隙間は場所さえちゃんとしていれば100%帰れるから安心していいわよ」

 

と目の前で何かと作業中の紫を見ながらそう話す

 

先ほどまで紫に対して何かと言っていた巫女だったが、やはり案の定、彼女の働きにおいて妖怪でありながらも信頼している様子が垣間見える。

 

そんな紫の背中にミイも安心できるというもの

 

「あの、巫女さんもここまでありがとうございました!お団子代も妖怪の件も」

 

ミイは隣にきた巫女にここまでの道のりでしてもらった事に改めて感謝をする。

そんなミイを少し顔を横に向けて見ながら

 

「何度も言ってるけどあんまし気にしないでいいわよ、人を助けるのに理由なんていらないんだから、ね?」

 

 

……!!

 

びっくりした。何も言葉が出なかった。

 

 私が言いたい言葉&言ってもらいたかった言葉No. 1を今さらっと言葉に出した事に驚いた。

 確かに漫画やアニメなどでよく出てくるが、残念ながら日本ではそんなことはあらず、てかそんな機会なんて滅多にないのだ。あるとしたらゲーム内での会話?はは…

 

まぁつまり何が言いたいかというと、この人は本物であること。

何もできなかった私を、何も接点がないのに助けてくれた、それが本物である証。

 

それをうっすらと笑いながらさらっと言った巫女さんに私は何か言わないといけないと考えたが、

 

なにを?なんだろう、こんな時は。あっそうだ!こーゆうときは一つだけだよね!えっと、

 

「…えへへ、ありがとうございます」

 

巫女の方に満面の笑顔を出しながら頭の中から絞りに絞った言葉をミイは出した。

そんなミイの顔を少し驚きながら見た巫女はそれに対して腕を組みながら「良い顔を出すじゃない」と顔を少し下に下げながらそう返した。

 

「はいそこのお二人さん、随分と仲が良くなってるわね?」

 

そんな様子を少し外から見ていた紫は巫女に向かって「んー?」とその顔を見ながら喋る。

 

「ふん、別にそうでもないわよ」

 

巫女はそんな紫にプイッとそっぽを剥きながら否定している、紫は「あらそう?」と巫女の顔を見ながらまだ少しばかりニヤッとしている、まるで自分の娘が異性と仲良くしていた現場を見て、それを揶揄い、娘が否定する。そんな仲のいい親子の現場のようである。

 

「まぁともかく、出来たわよ」

 

とミイの方を向きながらある方向に指を指す、その場所は先ほどまで紫の居た場所であり、そこには謎の空間が、聳え立っている、いや浮かんでいるのである。

その方向を見たミイは唾を飲む。

 

「こ、これがそうなんですか」

 

それを見てミイは内心一言

 

これが隙間…すごく恐ろしい見た目だな…

 

と呟いた。

見た目といっても確かに空間に少し柔らかく曲げたトランプにあるダイヤマークの形とその中が黒いというだけなのだが、幾分ミイは少し腰が引けた。何やら見られているような、そんな気分が体全体に回っていたのだ。

そんなミイを見た紫はミイの方に軽く手を乗せ「大丈夫よ」と少しばかり怖がっているミイに声をかける。

それを聞いたミイは「…はい!」と一言頷き、それを見た紫も頷いた

 

「その隙間から真っ直ぐ進んでいけばその有鹿神社という場所に辿り着けるはずよ」

 

「……ありがとうございます。初対面なのに私のためにここまでしてくれて」

 

少しづつ隙間に歩いていき、振り返りながらそう言う。

 

私を返すためにここまでしてくれたこと、そして私が『不安』になった時まるで全てが分かっているかのように、不安の種を消してくれたこと優してくれた事、その意味も込めてそう私は言った。

 

そんなミイに優しく微笑みながら

 

「大丈夫よ。ここは全てを受け入れてくれる場所、でも時折迷い人が来たりしたら帰すのが私の一種の役目」

 

と閉めた扇を開きながらそう返す。

 

恐らくだけど、紫さんは私が意味を込めた言葉も全て理解していると思う。

だがそれは紫だけではなく、その隣にいる巫女も同じだった。

 

「…本当そうゆうところは尊敬するわ」

 

と、隣にいる者に聞かれたくないがためにぼそっと呟く。

それを紫は顔を斜め下に向け、「ん?何か言ったかしら?」と聞いているにもかかわらず、まるで聞いていないかのように振る舞う。恐らく本人の口から聞きたいのであろう。

 

しかし巫女はこちらに近づいた妖怪を手でピッと払いながら「なんでもないわ」とそう答える。

 

この様子を見ていたミイに巫女は

 

「ほら、さっさと行かなくて良いの?両親や友達が待ってるんでしょ?」

 

と声をかける。

 

そうだ、私は帰んなくちゃ行けない。いつまでもここにいてはダメなんだ。

 

「はい…」

 

と自身がここに残りたいという思いをしかと噛み締めながら、そう返事をした。

 

そしていよいよ隙間に入る。

が突然にミイはピタッと止まりその場で一回転しながら

 

「あの、お二人方、ここまで本当にありがとうございました!私には今のお礼は出来ませんが、いつかまたあったらお礼ができるようにしておきます!」

 

と両手を太ももに当て、勢いよく体を曲げる。そして今度はそれとは逆に落ち着きながら上半身を上げる。先ほどの勢いでフードもはね頭に被され、髪も少しばかり崩れている様子だ。

 

そんなミイを見た2人は

 

「ええ、それは期待しておくわね」

 

「ふふふ、私はいつでも待ってるわよ、今度は貴方がちゃんとした正規ルートで迷い込んできて頂戴ね」

 

人間の方は少し笑いながら答え、妖怪の方は扇を依然開きながら微笑んでいる。どちらもミイの目をしっかりと見ている。

 

ミイは一旦深呼吸しながら、この世界の空気を堪能し、

 

「それじゃあさよなら!」

 

その笑顔を見せながら隙間の中に入っていった。

 

そんな笑顔を見た紫は少し寂しい目をしながら

 

「素直な子だったわね、全くどこかの人とは大違い」

 

と隣にいる人間に問いかけるかのように話した。

当然巫女はその言葉に

 

「はぁ?なんか言った?」

 

と妖怪の方をガン見しながらまるで『黙ってろ』と言わんばかりの表情を見せ、それを見た紫は

 

「何でもないわ」

 

と一言微笑みながら返した。

 

 

———————————————————————

 

 

すごい不気味だな、まるで何もないみたい。通りぬけフープもこんな感じなのかな?

 

ここは隙間の中。風も中に通らず、音もなっていない、あるのはミイという中を歩いている女性だけである。

ミイは今日の出来事をまた鮮明に思い出し。

 

「帰ってみんなにこの話をしたら驚くだろうな。いやどうだろ、逆に信じないのかな?」

 

と静かに笑いながら自身に話す。

みんな、というのはクラスメイトではない。今回の件で学校に行く勇気ができた!というのでない。その意思だけはこの世界に来ても同じだった。

みんなというのは、両親と自身の友達のことである。

 

しかし楽観的なのも束の間、ミイに頭に1つの思考がよぎる。

 

「それよりも、大丈夫なのかな…」

 

今回のことで1番重要な事、紫さんや、巫女さんが心配していた事、そう

私を飛ばした『何者か』の事だ。

現状分かったことはひとつだけしか判明しておらず、しかもその分かったこともなぜそうしたのかが謎のままである。

 

私が何かできるわけでもないけど、こっちでも何か探したほうがいいかな。

 

「ん?」

 

とそう考えながらまっすぐ歩いていると、視線の先に何やら少し光が見えてきていた。恐らくだが

 

「あれがその出口かな?」

 

と少しばかりダッシュしながらそこに近づいていく。

 

「合ってるかな、多分」

 

その光は強いとは言えなかったが、ミイを照らすだけの明かりはあった。

外の世界はこれで『昼』か紫が分かりやすいようにラノベ御用達の「こ、これは」の光なのかに狭まれた。

しかしここを通ればすぐに帰れる、昼だろうが関係ない。もしそうだとしたら理由を話すだけだ。

 

ミイはその隙間に向かってゆっくりと歩いていく。

そして直前で止まり、ここにきてからの思い出を目を瞑りながら振り返る。

 

紫さんたちはいつでもここにきていいと言っていた、もちろんあっちでは最初混乱したり襲われそうになったりしたけど良い人たちだったし、私もとても満足した。

 

よし!帰ったらこれを本にして売ろう!そうしよう!

 

ある種の雑念を抱きながら再び覚悟を決め再び光を視認する。その光はまるでミイを出迎えるかの様に依然変わらず照らしていた。

 

「いつかまた、ここに来れますように」

 

ミイはそのままゆっくりと隙間の中は入った。

 

入った後、少しばかり目では視認できないほどの光がミイを襲う。

——これって本当にあるんだ———

本来普通の人だったら焦る場面だが、ラノベや漫画などをよく見てる人たちからしたら驚くことでもない、それよりも貴重な体験ができたと思うに違いないだろう。

 

そして3秒ほど時間が経った後、ふとミイはある音が聞こえる、『ジャリ』

 

?この音は

なるほど、ということは。よし、言うか

ミイは今の音を聞き直前光が消える。

 

そしてラノベお得意のセリフを

 

 

「やっと帰ってこれた…って」

 

 

 

言った直後だった。

 

目の前に見える風景、神社、昼。それは間違いない。だが、ミイがおかしいと感じた箇所は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に紫と博麗の巫女がいた事だった。

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

「あら?」

 

「は?」

 

 

 

ミイは戻ってきてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

元の世界ではなく、迷い込んだ世界に。

 

 




誰ですか、1週間後に投稿するとか言った奴。
少しばかり遅れてしまい申し訳ないです。
今回も少しばかり長いのでモーしかしたら誤字などがあるかもしれないです。

ドッカンバトルのゴリーザ(孫悟空&フリーザ(最終形態)(天使))の極限Zバトル難しすぎない?
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