転生者はお人形さんを作るようです 作:屋根裏の名無し
許さねぇ、許さねぇぞあの軟体動物みたいなやつ……。
これからどんな人形だすかな〜と考えてた時に縁壱零式が頭をよぎったんですが、「あれ自動迎撃機能とかなかったよなぁ」と思ってやめました。
よかった……縁壱の技量を完全再現する接近戦最強の絡繰人形はいなかったんだね……。
ちなみに、当作品の時系列は
中学生の修学旅行なので5〜6月を想定してます。
♪月○日
修学旅行まであと大体三週間。
楽しみといえばそうなんだが、正直不安が付きまとってヤバいヤバい。
現段階で存在が露見すると高確率で秘匿死刑の対象になるなら、先手打って強い呪骸作っておこうぜというのが今の方針だ。
そのため京都周辺でカリオストロのボディ素材集めと呪物採集をするわけなんだが……京都には呪術高専がある。厳重な警備をしているところも多くあるだろう。
その辺りについては何もできないので美少女錬金術師におまかせするしかない。
大事にならないといいが……。
♪月✕日
・ミミッキュ
・マガツイザナギ
・キングプロテア
・カリオストロ
……箇条書きにしてみると戦力としては申し分ないのだが、純粋な近接戦闘技術持ちが少ないような気がする。
ミミッキュは特性以外は基本回避盾構成なので俺を守りながらは難しいし、マガツイザナギはサイズが小さいおかげで多方面から攻撃された時に厳しい。
キングプロテアは周りへの損害を考えるとおいそれとは出せず、カリオストロの近接戦闘は現状ウロボロスが完成していないため立ち回りは困難を極めるだろう。
京都に行く前に一体、ボディガード的な呪骸を作っておくべきだろうか。
♪月△日
カリオストロと相談した結果、作ることにした。
俺を完璧に守ることができる呪骸がいるのであれば、呪物や素材探索を効率的に進められるとのこと。呪骸たちからすればアキレス腱だからな俺。
ゴメンネ……弱クッテ……。
♪月☆日
スキル構成を考えていたら深夜になってしまった。
ミミッキュの時もそうだったけど、詳細にスキル構成とか耐性とかを考えることが縛りになるのかもしれないな。
とりあえず呪い耐性持ちのスキルをだね……。
♪月★日
うんうん、上出来上出来。完璧な布陣じゃないかい?
と、驕るのはこれくらいにして……スキル構成案が固まったからカリおっさんに頼んで細かいパーツを幾つか錬成してもらおう。
整形にかかる時間が短縮できて助かるぜ〜。
♪月◎日
……何故かカリオストロが近所にある電器屋さんで接客をしていた。妙に様になったエプロン姿でめっちゃ甲斐甲斐しく業務に勤しんでいた。
いやなんで?本当になんで?
♪月¥日
夜中に窓から帰ってきた本人に問い詰めたところ、電化製品の仕組みを直に触って確かめたかったという。お金がなくて申し訳ないぞ。
個人経営の店だったからか、カリオストロが最カワッ☆美少女ロールを遺憾無く発揮したところ快く受け入れてもらったらしい。
……変な薬とか盛ってないよね?
♪月@日
カリオストロが電気工学についての本を読んでいた。
少し貸してもらったが難解な内容に首を傾げることしかできなかった。そのINT俺にも分けてくれないか?
試しにマガツイザナギとミミッキュにそれを見せてみたが二人ともよく分からないようだった。
あ、マガツイザナギはTVの項目に惹かれていたな。
まあ君は出身がテレビの中みたいなもんだし……。
♪月♪日
カリオストロが錬成した何かヤバそうな粉をおばあさんに届けに行った。
えっいつの間に取引を……?
というかなぜ俺がパシリを……?別にいいけどさ。
おばあさんが修学旅行について知っていたのはうちの学校の教頭と友達だったからだそうな。
「お土産期待して待ってるよ!」と言われておつかいメモを渡された。
お菓子の他に呪物っぽいのが書いてあるんですが?
めっちゃ世話になってるから断るわけにもいかず、不承不承ながら了承した。
♪月Σ日
呪骸完成。予想より早く終わった。
今回もいつもの土粘土だったけど、カリおっさんに一部錬成を頼んだおかげで爆速で形が組み上げられた。
うんうん、マンパワーイズジャスティスやね。
設定を凝りすぎたせいなのか、あまりサイズが大きくないにも関わらず(カリオストロよりは大きいけど)すぐに動き出したりはしなかった。
幸い修学旅行はもう少し先だ。気長に待つとしよう。
♪月◇日
してェ……。
サソリごっこしてェ〜〜〜〜……。
「オレはこれで一国を落とした」っていいセリフだと思うんだ。
でもそんなセリフ言いながら矢面に立ったらいの一番に殺されそうなのでやめておきます。
♪月$日
5日……プロテアとだいたい同じくらいの時間で五番目の呪骸は目を覚ました。
目を覚ましたって言うよりかは起動したって表現の方がいいかもだが。
ちょっと模擬戦というか、スキルの確認をしたいところだがあんまりやりすぎるとマヨナカテレビが崩壊してしまう可能性があるんだよなぁ……。
プロテアが俺を高い高いしたときの急成長だけでもマガツイザナギキツそうだったし。
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♪月∀日
いよいよ2泊3日の修学旅行が明日始まる。
しまっていこう。ここで死ぬのはあまりにも悔いが残りすぎるからな。
「まあ俺がしまったところで何も変わんないかもしれないけどさ」
日記を書く手を止め、ゆっくりと振り返る。
音もなく宙に浮遊する鈍色の躯体が僅かに身体を揺らしてこちらを向く。
何の感情も宿らない赤いモノアイがじっと自分を見つめていた。
「俺のこと、頼むぜ」
この呪骸は何も語らない。
そして多分、この身体におよそ自意識というものは備わっていないのだろう。
己に刻まれたプログラムに従って自立稼働するだけの、兵器と呼ぶべき代物なのかもしれない。
けれど、それでも。
──了承。
確かなその意志を、呪骸は低い駆動音を辺りに唸らせて言外にそう示した。
「もし この先の宝が ほしいなら この私を たおしてゆくがいい」
アンケートは今日の投稿から一日経ったら締め切ります。
今回は準備編でした。
京都が燃える(かもしれない)のはもうちょっと先なので許して。
今の布陣だと接近戦に持ち込まれるとキングプロテア以外の手札がないのと、美少女ばっか作るわけじゃないんやでというアピールをですね……でも美少女作った方が華やかでいいじゃろ?
転生者くん
→準備してた。
これで接近戦はバッチリ……かな?
(……
カリオストロ
→知識に貪欲なので電器屋さんで職場体験していた。
色んなものをオーバーホールしていたらしい。
殺戮魔神我
→みんなのトラウマ。マジンガ様。
DQM仕様。メガボディ。
縁一零式は作れなかったが、彼なら近接も遠距離もそつなくこなしてマスターを護り抜けるだろう。
スキル構成は要望あったら載せます。
京都観光だ!ついでに呪物を採集していこう!どこ行こうかな〜♪
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