転生者はお人形さんを作るようです 作:屋根裏の名無し
注目ッ!前回のあらすじッ!
5J「ねぇ、君。呪術師って興味ある?」
転生者君(うわ5Jやんワイ終わったわー呪術師強制ルート確定やー。……結局おしまいなら最期まで足掻いてもいいのでは?)
転生者君「だが断る。どうしても呪術師にしたいなら俺とマガツイザナギを倒してからにすることだな!」
前回の感想返信は今回とまとめて後でやります。
春先は忙しいのよね、うん。
窓ガラスが砕かれる音と同時、少年の身体はコンクリートへ向けて自由落下を開始する。
彼が持つ五条悟の情報はおばあさんから聞きかじったものしかないが、遮蔽物のない場所で奴と戦うのは馬鹿のやることだと知っていた。
なら何故わざわざ外に脱したかと言えば──それが彼の策であるが故に。
「僕相手にそれは愚策じゃないかな?」
落ちる少年に続き悟もその後を追う。
多少圧はかけたものの、悟は少年がNoと言うなら呪術師になることを強要するつもりはなかった。ちなみになって欲しいかと聞かれればもちろんYes。
しかし早合点してしまった少年は悟が己の身柄を確保しに来たのではと誤解。なら最期まで抗ってやろうじゃねぇかと気炎を上げたのである。
バカ目隠しからすれば棚からぼたもちだった。
自分に向かって啖呵を切るその心意気は感心する。中学生にしては心が成熟しきっている気がしないでもない。
だが彼は無謀と勇気を履き違えている。自ら不利なステージをセレクトした少年に、悟はそう思った。
「俺が愚かかどうかはすぐにわかるさ」
拡張術式『
どんな術式が使えて、どんな身体能力で、どんな技能があるのか、目に見える形でそれを確認することが可能だ。
元々は『ヒートライザ』+『チャージ』+『空間殺法』で威力偵察をしようかと思っていた少年だったが……マガツイザナギのある項目を確認してそれを取り止めた。
どうせ散るならド派手にいこう、少年はそう思った。
少年が腕を動かすと、横に併走するマガツイザナギの腕もまた動く。
左手を胸元に、拳を握った手の中から人差し指だけを立てる。
そうして立った指を右手が包むように握りしめた。
右方は如来を、左方は一切衆生を。
その
世に言う大日如来が結ぶ印──智拳印を結んだ。
「領域──展開」
少年とマガツイザナギの背後に朱と漆黒の幾何学模様の陣、そして梵天文字が展開される。
禍々しい呪力を放ちながら拡張を続ける陣に悟の六眼は嫌な既視感を捕捉した。
この呪骸の名もそうだが、伏黒甚爾が己に致命傷を与えた特級呪具『天逆鉾』と近似の呪力がこの作りかけの領域に渦巻いているのだ。
いかに呪術界最強と言えど、過去に敗北を喫したものと同等、あるいはそれよりも強力な術式を前にした時やることと言えば一つである。
「残念だけどそれには付き合ってられないな」
空を蹴り、腕に呪力を纏わせる。
少年を追い越す勢いで加速した悟は少年の背後をとった。加減をした当身で意識を刈りとろうと頸動脈目掛けて手刀を振り下ろそうとした悟だったが──
「……二体いるとは聞いてないなぁ」
少年が纏う
それと同時、領域は完成され悟と少年はその中へと堕ちていった。
⚫
「その子の名前の割には随分と現代チックな領域だね」
「抜かせ」
一言で表すなら、気味が悪い。
倒壊した家屋の瓦礫、崩れかけのビルから覗く剥き出しの鉄骨、ひん曲がった『車両進入禁止』の道路標識、何らかの記号が記された黒い札の塊。
禍々しい呪力は天に蓋をし、四方を覆う。空は赤と黒のツートンカラーが埋めつくし、『DANGER』、『CAUTION』、『KEEP OUT』と印字された黄色が眩しい現場封鎖のテープが四方八方に走っていた。
この閉じられた世界はマガツイザナギの心の内、彼のホームグラウンド。
世界は切り取られ、テレビの中と呼称される異空間へとその組成を書き換えられた。
領域展開──『
「この領域はマガツイザナギが展開するテレビの中の世界、その深層部とでも言えばいいのかな。領域の効果としては……」
張り巡らされた黄色いテープ、その周囲の空間が歪み────異形がぬるりと顔を出す。
ピンクと黒のストライプの球体にだらしなく舌を垂らす口がついた、なんとも形容しがたい存在が溢れるように領域内に生み出されていく。
呪力で構成されている。しかし呪霊とは決定的に何かが違う。悟の眼はそう読み取った。
「『シャドウ』の使役ができること、くらいかな」
少年の背後にも空間の歪みが発生し、先のものとはまた違う──しかも特級呪霊級の呪力が漲った──存在が三体、産み落とされた。
血を被った黒いロングコートをはためかせ、外套に巻きつく銀の鎖がジャラリジャラリと音を立てる。
両の手に剣のような長さのリボルバーを携え、布に包まれた頭部から覗く殺意のこもった目で相対する悟を捉えた。
対する五条悟は──ニイと口を三日月のように歪ませた。
「いいね、楽しくなってきた」
「ここまでして言われるセリフがそれかよ。ああわかったよ、やってやるよッ!」
少年が指揮者のように指を振ると異形の存在──アブルリーの大群が、刈り取る者が、呪術界最強に向けて殺到した。
※豆知識追加しました。
(刈り取る者)三人に勝てるわけないだろ!(アニメ版P4)
領域展開『
→マガツイザナギの領域展開。
己のフィールドたるテレビの世界、その深層を展開する。
効果は『シャドウ』なる存在の召喚・使役と■■■■を依代とした■■■■の顕現。
アブルリー
→シャドウの一種。ザコ敵だけど数がバカみたいに多いよ。詳しくはP4Gアニメ一話をチェックだ!
刈り取る者
→ペルソナ4で本編クリア後に戦える激強敵。裏ボス的なやつだと私は思ってる。
負けイベです(二回目)
リアル疲れがヤバいのでクオリティと文量に影響してしまった。赦して。
これがやりたかったからマガツイザナギをチョイスした節があるよ。