転生者はお人形さんを作るようです 作:屋根裏の名無し
聖剣ウマ男のモーション把握するのアホみたいに時間かかったねんな……。
マリアネキの方がルドより戦いやすかったです。人型にパリィするのが慣れてきたのやもしれません。
今は頭カリフラワーになって漁村の井戸で魚人二体にタコ殴りにされてます。
お前ら全然パリィ取れないんだよB級映画二足歩行ジョーズがよ!
「我が名は
超然とした態度で目下の矮小なる存在に神霊は音を届ける。
カメラレンズが如き極彩色の瞳が視界に映る一挙一動をつぶさに眺める。しかし五条悟を視ているとは言い難い視線だった。
例えるなら、彼が映っている世界のパノラマ写真を眺める、そんな視線。
あらゆる受難を一蹴する力を持った人間だとしても、神の御前ではみな等価、そして見極めるべき存在なのだろう。
この存在は人の願望により出づる神格であるが故に。
「……最終決戦前に一つ質問いいかな」
アメノサギリは視線を逸らさず沈黙を貫く。悟はそれを肯定とみなした。
飄々とした態度は崩さず、ほんの少しトーンを落とす。
行使できるあらゆる手を尽くして一矢報いるのが限界だった少年とマガツイザナギ。だが巨大な眼球に彼らの面影は一片たりとも存在しない。
六眼は正常に機能している。視界には痛いくらいに呪力が溢れている。
それでも霧に包まれたように、彼らを透き通る碧が捉えることはなかった。
「まだそこにいるのかい。君は」
悟が勧誘した理由は一つだけだった。
彼が将来有望で前途ある若者だと思ったから、ただそれだけ。
しかし少年が操る呪骸の名が『マガツイザナギ』だったことが図らずも悟を強硬策に動かす原因となる。
負の歴史を刻んだモノや場所、あるいは名前。
そういったものには大抵『呪』が宿る。
例えばそれは、円卓における十三番目の席。
例えばそれは、ピラミッドに微睡むファラオの亡骸。
例えばそれは、とある帝の
イザナギも例にもれず、その名は大いなる言霊を伴っている。
様子を見る限りまだ平気かもしれないが、いつ禍津の呪詛に蝕まれるかなどわかったものではなかった。
類まれなる才能をみすみす失うのは惜しい。だから保護と改善のために名目上自分の管理下に置こうとしたのだが──追い詰められた彼は諸刃の剣を抜いてしまったのだ。
「当然残っている。私は人世の望みによって産み落とされし存在。依代の望みもまた、我が願いなれば」
「ならよかった」
両眼を覆う黒い目隠しに指をかけ、クイと引き下ろす。
伏せられた瞼をおもむろにもたげれば、透き通った碧眼が目玉の怪物を射抜いた。
「神々しいとは思ったけど人の願いの形ってことなら妥当だね。呪霊とはまるで正反対の存在だし」
「だけど」と、特級術師は付け足した。
彼の人差し指に束ねられた呪力が赫き虚空へと姿を変える。
反転した無限が阻む総てを穿たんと牙を剥く。
無事は判明した。ならやるべき事は一つだけ。
ま、なんとかなるか。そう心の中で独り言ちた。
「たかだか76億、その程度の数で『無限』に勝てると思わないことだね────術式反転 『赫』」
戒められた太虚が枷を解かれ、規格外の力を呼び起こす。
逆回りの『収束』、無窮の発散が引き起こすショックウェーブ。
神をも恐れぬ暴威の奔流がアメノサギリへと放射された。
⚫
降神術式『
「ここは……」
霞んだ瞳に映った景色は『神秘的』の一言に尽きる。
神に供物を捧げる祭壇のような、古王が眠る墳墓のような、そんな場所。
ふわりと浮かぶ無数の巨石から伸びた注連縄が光り輝く勾玉へと群がるように集まっている。勾玉の正面には大きな棺が据えられていた。
そんな尊厳ある空間とは裏腹に空虚で鬱蒼とした雰囲気が辺りを満たしていた。
「あ、起きたんだ。キミも、そしてキミも」
存在感たっぷりに座す霊柩の後ろからひょっこりと、白無垢とパーカーを掛け合わせた装束を纏った少女が顔を出す。
少年は彼女の風貌に見覚えがあった。同時に目の前の少女がここにいるはずがない存在であるとも。
「ク──いや、違う。対象に指定したのはアメノサギリだけだ。でもその姿は……」
「キミからデータをサルベ……ん゛ん゛っ、拝借してみたんだ。大目玉の姿よりかは話しやすいでしょ?」
「アバターってことでいいのか」
「それで結構」
飲み込みが早いねうんうんとどこか満足げに少女は頷く。
しかしその表情はすぐに引っ込み、尊厳ある神としての彼女が顔を出した。
「私は人の願いを叶えるために産まれた存在。たとえ再現されたものだとしても、それは変わらない」
「だから聞くよ、今この状況は──本当にキミが心から望んだこと?」
棺の真上に現れた幻影に領域の現状が投影された。
凄まじい回転速度で領域を縦横無尽に疾走するアメノサギリに向かって赫の反発が殺到する。
しかしアメノサギリの全身に備え付けられた砲門のような機関から姿が見えなくなるほどの灰霧が噴出した。
暴威は混迷の霧によって攻撃目標を見失い、役目を果たさぬままに消滅していく。
舌打ちをした悟は直上から振り下ろされる二振りの光槌を受け止め、直後に迫った火球の群れに蒼をぶつけて相殺した。
「防御貫通……いや、体力を削るとかふざけた術式使ってくるね。反転術式なしだとちょっとマズかったかな?」
その後も一進一退の攻防が幻影の中で繰り広げられる。
この膠着状態はまだまだ続きそうだと少年は思う。
「呪術師になりたくない。自分を殺そうとする組織に身を置きたくないから」
少年は自分の異常性は十二分に分かっているつもりだった。
呪骸に己の魂の欠片を封入することで意識を持たせる術式、通常の呪骸とは違い生得術式故に再現性がない。
五条悟程の圧倒的力はないと自負する少年はバレたら殺されるやもしれんと身の危険をひしひしと感じていた。
「だから五条悟が来た時、あー終わったわさよなら第二の人生って思った」
誰だってそう思うだろう。
圧倒的上の立場、もしくは実力のあるものから投げかけられた言葉には強制力があると。
故に少年は自棄になり、重要な事実を見落とした。
白無垢の少女はそこまで聞いて、一つ問う。
「その時五条悟はなんて言った?」
「呪術師に興味はあるかって──あ゛?」
顔が歪む。
何かを察してしまった少年のそれは奇しくもとある御三家の遺産相続について聞かされた次期当主候補の表情によく似ていた。
馬鹿野郎俺は勝つぞお前!(悪あがき)
次回、『おじぎをするのだ』
転生者くん
→アイデアロール成功。
バカ目隠しは呪術師になることを自分に強制するつもりはない……ってコト!?
その事実に気がついてしまった貴方はSANチェックです。
白無垢パーカーの少女
→転生者くんの頭から発掘した親和性の高いデータでアバターを作ったアメノサギリ。
人の願いを叶えるという想いが心の根底にあるので「キミの願いは本当にこうなの?」と揺さぶりをかける。
5J
→終始一貫して『ま、なんとかなるか』の精神。
神降ろしは予想外だったけど中身は無事だと言質が取れたので久々に楽しい勝負をしている。
時に貴公、どんな人形が好みかね?
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妖艶な人形
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小柄な人形
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有用性のある人形
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血の遺志を力に変えてくれる人形