「コスチューム着たかったなあ〜!着用不可なのが残念だよ!」
「しょうがないよ、公平を期す為だもの」
と緊張を紛らわす為か、単なる自分の思いを聞いてほしいが為なのか、尾白に大層残念そうな様子で話しかける芦戸の声やら、他にもリラックスする為に会話を交わすクラスメート達の声を耳にしながら、A組の生徒達は控え室にて、それぞれが入場の準備をしていた。
深呼吸やら、柔軟体操やら、控え室の椅子に腰掛けて気持ちを落ち着かせるやら、彼らの行動は十人十色である。
出久は心操とイメージトレーニングをしていた時に轟が話しかけてきた
「緑谷…客観的に見て、お前の方が実力は上だと思う。けど……オールマイトに目ェかけられてるよね。そこは詮索しねないけど……お前にはには勝つぞ」
「…」
「〔ふ〜ん〕」
しかし出久とキュウべぇは見抜いていた。轟が別の誰かを見ている事を
「おお〜、クラスの強者がクラス最強に戦線布告か?」
「おいおい、急に喧嘩腰でどうした!?直前にやめろって」
轟の行動に上鳴が興味を示し、一触即発とでも言わんかの雰囲気の中で切島が割って入ろうとするものの……「仲良しごっこじゃない」と押しのける
そう言って去ろうとする轟を出久は引き止める
「お前が戦線布告をするなら受けて立つ…やるからには全力で来い」
『刮目しろ、オーディエンス!群がれマスメディア!雄英体育祭1年ステージ、生徒の入場だ!』
生徒達が入場を終えると、薄手のタイツやら、SMマスクやら、手錠やら……露出が多く、まさしく18禁なヒーローコスチュームが特徴であるミッドナイトが登壇し、開会式が始まった。
「〔出久…あの人って露出狂?〕」
「〔そう見えるのも無理はないけどあれでもヒーローだよ〕」
「ミッドナイト …なんちゅー格好をしてるんだ」
「あんな人が雄英の教師でいいの?」
「いい‼︎」
「〔喜んでいる変態がいるね〕」
「〔何故こいつはヒーロー志望なのか知りたいぜ〕」
峰田は喜んでいるが出久、姿を消しているキュウべぇはそんな峰田にドン引きしていた
「静かにしなさい!選手宣言緑谷出久‼︎」
「はい」
壇上にあるマイクの前に出久は立ち
「宣誓!我々、選手一同は!ヒーローシップに則り!日頃の鍛練の成果を存分に発揮し!正々堂々と戦い抜くことを誓います‼︎」
ごく普通の選手宣誓を行った。
「宣言ありがとうね出久君!第一種目、所謂いわゆる予選!毎年ここで、多くの者が涙を飲むわ!運命の第一種目は……障害物競走よ‼︎」
会場の興奮が冷めぬ中、生徒達はモニターに表示された障害物競走の文字に目を向けた。
「さあさあ位置につきまくりなさい!」
「位置について!」
ミッドナイトの声が聞こえ、その時が迫る。
……また一つ、ランプに光が灯る。
「よーい……!」
そして、残り一つのランプにも光が灯り……
「スタート!」
ミッドナイトが鞭を振り下ろすと同時に障害物競走が幕を開けた。