憑依少女ほむら☆マギカ 作:最終ing 究極 6/5|7/3|9/1
────???周目────
数えるのが億劫になる程の繰り返しの中で俺の魔法について分かった事は色々とある。
まず、時間遡行をして世界が巻き戻ったとしても、俺の情報はある程度保持される。最たる例が盾の中の空間に収納している武器を次の戦場にも持ち込めるというものだろう。盾の中というのは変な表現だが、早い話が四次元ポケット。体積などを無視して、色々なものを収納できる便利魔法みたいな物だ。
時間操作の魔法でそんな事できるのかと思ったが、同じような人物が他にもいた。満月の夜の前日が名前になっているナイフを投げまくるメイドである。時間と空間は密接な関係にあるから、空間の操作も出来る……みたいな感じだった気がする。それと同じ理屈なのかもしれない。本当の所は、俺にも分からないので、考えた所で無駄である。
【ワルプルギスの夜】との戦いで武器の殆どを使い果たしてしまうのだが、時間遡行を行う前に世界中の軍事施設とか回って、銃火器や戦車などを頂戴して、それを次の地獄に持ち込んでいるのだ。あとは狩りまくった魔女が落としていった大量のグリフシードも持ちこしている。繰り返しの中で貯金のように徐々に増えていって、今は多分200個近くある。
次に、魔法少女としての力だ。原作では、「暁美ほむら」が繰り返す度にまどかは強力な魔法少女になっていったのだが、それと同じ現象が俺にも起きている。いや、俺とまどかだけではなくて、微かであるが、巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子の3名にも同じ現象がみられる。
だが、それも俺の願い事と本物の「暁美ほむら」の願い事の差異を考えれば、納得出来るかもしれない。本物は、まどかを生かす為に時間を巻き戻し続けた。全てまどかの為だ。だが、俺は全員の生存によるハッピーエンドだ。だから、まどかだけではなく、他の魔法少女も対象に含まれる。
その違いによって、全魔法少女の強化が起きていると予測される。ただし、俺の願い事も中心軸にあるのは、まどかなのでまどか並の強化は起きていない。精々、元の100%からの110~120%程の強化だ。全魔法少女があのチート級魔法少女並になったら、世界中の魔女が駆逐された後に最凶最悪の魔女が何体も出現するという地獄になるだろう。冗談抜きに一日で世界が滅ぶ。
魔法少女が強化されれば、魔女に殺される可能性も減るのではないかと思うかもしれないが、そんな事はない。歴史の修正力みたいなよく分からない力が働いているのか、魔法少女が強化されたように魔女も強化されている。世界は、何が何でも見滝原市の魔法少女を殺したいらしい。
世界に言いなりの奴隷になんてなってやるもんか。
……世界の奴隷。この言い方、ちょっとカッコよくない?
はぁ、やり直すか。
────???+1周目────
何百回と見慣れた天井が目に入る。
さっさと病床から起き上がり、行動を開始する。これからやらなくてはいけない事は盛り沢山だ。まどかを魔法少女にする白畜生の排除と見滝原市周辺の強力な魔女の掃討。見滝原市周辺の魔女を全て殺してしまうと、巴マミの分のグリフシードが無くなってしまう為、何体かの魔女は弱らせて放置させておけば、後は勝手に倒してくれる。
問題なのは、白畜生なのだ。あいつら、1匹いたら100匹いるGの如く、1匹いたら∞匹いると思っておいた方が良い。いや、∞でなくて1匹か。あいつらに個としての自我は無く、全てが意識は共有されて、1つとなっているから。そもそもの話、地球にいる白畜生は地球外生命体が作り出した端末に過ぎない。本体は母星にいて、その本体が地球にいる白畜生を操作している。
端末の数は尋常でなく、過去に300体程殺した事があるのだが、大した意味が無かった。白畜生が地球上から数百体消えた事は地球の浄化に繋がるだろうが。
見滝原市から白畜生の端末を駆逐できれば良いんだが、それは無理だ。だから、ここだというタイミングで端末を排除する必要がある。そのタイミングとは、魔法少女の契約を交わそうとしている時だ。そこを狙えば、とりあえずの魔法少女化は阻止できる。だが、今の所はまどかだけを警戒しておけば問題無い筈だ。
時が経てば、美樹さやかも気に掛ける必要が出てくるのだが、今はそちらは問題無い。
それじゃ、行くか。魔女を殺しに。
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いつも通りの場所にいつも通りの魔女がそこにはいた。【影の魔女】。何百回と倒してきた相手だが、経験則に基づいて、こいつはここで殺しておいた方が良いというのが分かっている。というのも、繰り返しの中で美樹さやかがこいつに殺された事が何回かあった。
美樹さやかがこの魔女と戦う時、私生活で色々とあった後に痛覚を遮断して捨て身の特攻を始めるのだ。痛覚とは、言ってしまえば、自分の限界を知らせる警報でもある。それに気が付かず、無理をしていたら魔力が切れて【影の魔女】に殺されたなんて事が多々あった。そんな事があった時から、こいつは殺すべき対象になっている。
魔女本体は、魔女にしては珍しく普通の人型だ。祈りを捧げ続ける黒髪長髪の少女の姿をしており、魔女になる前は敬遠な信徒だったのだろうか。人を呪い続ける魔女が祈るとは変な話だが。
この魔女は、蛇のような手下を使って攻撃するか、本体から木のような触手を伸ばして攻撃してくる。
手下はどれだけ倒しても湧いてくるし、本体の触手もどれだけ壊そうとも次々と出てくる。近付く事さえ難しい魔女だ。
まぁ、俺には関係ない。
魔女の結界に侵入した俺に向けて【影の魔女】が手下を使って、攻撃を開始し始めた。それと同時に時間を停止させる。全てが停止した世界の中で唯一動ける俺は、止まっている触手の間を軽い足取りで歩きながら、魔女本体へと近付いていく。
魔女の目の前に立って、盾の中から巨大な機関銃M134を取り出す。常人ならば、取り扱う事は不可能であるが、身体能力諸々が強化されている魔法少女の俺ならば、楽勝である。目の前で止まっている【影の魔女】に狙いを定めて、人が扱えない兵器の引き金を引いた。
毎分2000~4000発という銃弾の嵐が【影の魔女】に殺到する。時が止まっている状態では、直撃する直前に弾が止まるので【影の魔女】の目の前が銃弾で埋め尽くされていく。
スピード特化の魔女などを相手にすると、当たる直前に避けるなんていう化け物回避をしてくるのだが、【影の魔女】ならば問題無い。
3000発ほどの銃弾を撃ったら、M134を盾の中にしまって、次に盾の中から自作した爆弾を取り出す。そして、【影の魔女】の足元に自家製時限爆弾を複数個設置しておく。
後は、爆風が届かない場所まで離れたら、時間停止を解除する。
時が動き始め、放たれた何千発という弾丸は全て【影の魔女】を貫いていく。もはや原型を留めていない【影の魔女】は、不定形の姿へと変化して、無数の触手を私に向けて走らせる。だが、その触手の軍が俺に到達するよりも、俺が設置した爆弾が先に爆発するだろう。
「さよなら。呪いたければ呪えばいい。私に殺されるあなたにならその資格があるから」
俺が別れの言葉を告げたのと同時に【影の魔女】の足元に設置された爆弾がその時を迎えた。複数の爆弾が同時に爆発し、【影の魔女】を文字通り木端微塵に吹き飛ばす。爆風が俺の方まで届いて、髪を揺らす。
魔女が死んだ事で魔女の結界は解除され、俺の足元には元々ソウルジェムであっただろうグリフシードが落ちていた。
魔女を、魔法少女を、人を殺した後の気分はやっぱり最悪以外の何物でもない……はずなのだが、今の俺にあるのは少々の嫌悪感ぐらいだ。最初は魔女を倒す度に吐き気を催していたのだが、今となっては嫌悪感を少し感じる程度のものだけ。しかも、その嫌悪感とは魔女を殺しても何も感じなくなってしまった俺への自己嫌悪だけ。
魂を抜かれた事で体は死んでるし、人を殺しても何も感じない心は既に人のものと言えるのか。体も心も既に人を外れてしまっているような気がする。
魔女を殺す事は、最初の内は確かに気分は最悪だった。殺した数が100を超えた辺りでは何も感じなくなって、300を超えた辺りになると魔女を殺すのが楽しくなってきて、500を超えた辺りで自己嫌悪しか感じないようになっていた。
こんな化け物になってしまった俺が、果たして魔法少女達を救えるのだろうかと甚だ疑問だが、それでも救わなければいけないんだ。
「……ん?」
目的を再確認していると腹の辺りに違和感を感じた。腹部を見てみると、金属片が刺さっていた。恐らく、爆発で飛んだ破片だろう。自作製の爆弾の中には、大量の金属片が仕込まれている。その金属片の1つが俺の方まで届いてしまったのだろう。
大丈夫な所まで退避したはずなのだが、おかしいな。爆薬の量をミスって、予想よりも爆風範囲が広かったのかな。
このまま元の姿に戻ると、噴き出す血で服が汚れるし、とっとと抜いてしまおう。腹部に突き刺さった金属片を手掴みで引き抜く。穴の開いた場所から大量の血が噴き出すが、ループで増えて行った膨大な魔力のごり押しで傷を塞いでいく。肉が蠢いて、傷を塞いでいくその光景は見ていて気分が悪くなってくるが、何度も見た光景だし、これは慣れた。他の魔法少女に見られた時には、ドン引きされるか、人の姿をした魔女と疑われたが。
数秒で完全に傷が塞ぎ切ってから、変身を解く。魔力さえあれば、大抵の事は何とか出来るから、本当に魔力って便利だな。
さて、次はまどかとの契約を阻止する為に白畜生を殺して回るか。
──────────
「我ながらストーカーみたいね……」
建設途中の高層ビルの屋上でそんな事を呟く。それで何をしているのかと聞かれれば、地面に伏せて
まどかは、魔法少女としての素質は凄まじいの一言に尽きる。強力な魔法少女を凶悪な魔女にしたい白畜生にとって、まどかは何としてでも魔女化させたい人物だ。だからこそ、早期に接触しようとしている事は、ほぼ確定している事だ。
だからこそ……
「来た」
まどかを見ていれば、白畜生は何れ現れるという訳だ。まどかを餌にしているようなもので申し訳なさしかないが、白畜生を撃ち殺す為なら仕方ないと思う事にする。
白畜生を視認したのと同時に時を止める。盾が音を立てるのと同時に世界は色を失い、空中を泳いでいた鳥達は空中で静止した。
時を止めた状態だと、風が吹かない為、幾らか狙いやすくなるのだ。風は無くなるが、空気抵抗は存在している為、そういうのは頭に入れて狙う必要があるのだが。それでも幾らか狙いやすいのは確かだ。
空気抵抗などを考えた上でSRの狙いを定めて、引き金を引いた。銃口に付いたサプレッサーからプスッという小さな音がした。それと同時に銃口から悪魔を殺す銃弾が放たれた。そして、時が動き出すのと同時に銃弾は白畜生の眉間を撃ち抜き、白畜生はその場に横たわった。
地に伏した白畜生の傍から、また新しい白畜生が現れて、穴が開いた白畜生を食べ始めた。白畜生の共食いを見てるだけで、変な気分になってくる。共食いとか言っているが、すべて同一個体なので共食いというよりも自分で自分を食っているようなものなのだろう。だとしても気持ち悪い以外の感想は無いのだが。
撃たれた方向から、俺がいる方角を予測でもしたのか、白畜生の目がこちらを向く。視線がこちらの方を向いているが、俺の事を視認出来ている訳ではないということは、今までの繰り返しの中で分かっている。
あいつが見る事が出来るのは、精々数百メートル。数キロも離れていれば、流石に見える訳ではない。ただ、これである程度の警告は出来たはずだ。
まどかに近付けば、その頭を撃ち抜くという警告を。恐らく、これからは巴マミと使っての接触となるだろう。
さて、やる事は終わったし、そろそろここから離れよう。ずっとこの場に留まっていると、白畜生がここにやって来そうだ。とりあえず、今日はこれからは軍事施設やマフィア関係の施設にでも入って、銃火器などの補給をしておこう。
弾丸は幾つあっても困る事は無い。【ワルプルギスの夜】との戦闘中に弾が切れては、目も当てられない。今までの多くの繰り返しの中でそんな事があったから、それ以来猛反省して、弾丸は過剰なぐらい入手するようにしている。
急に大量の軍事品が消えたとあれば、大騒ぎになるのは間違いないのだが、時間停止の間に起きている事だから、監視カメラにも捉えられる事は無い。監視カメラの映像では、急に消えたようにしか映らないだろう。
とりあえずは、日本の自衛隊の施設から行こいうか。
テスト終わった(色々な意味で)
ほむらちゃんになって、時間を巻き戻したいです。