やはり俺がS級隊員なのは間違っている   作:静寂な堕天使クロノス

2 / 5
それではついに本編スタートとなります。
物語は八幡たちが高校に入ってすぐの頃から始まります!



比企谷八幡①

今から3年前のことだ。

今では誰でも知ってる大災害が起きた。

嘘みたいで誰もが空想で一度は思い描きながらも実際に起こるなんて想定をしていなかった、異次元からの侵略が起きたのだ。

現在では大規模侵攻と呼ばれるその事件は現在でも多くの人の記憶に刻まれている。

人口28万人のここ三門市に異世界の(ゲート)が開いた。

近界民(ネイバー)後にそう呼ばれる異世界からの侵略者が門付近の地域を蹂躙、街は恐怖に包まれた。

さらに近界民たちにはこちらの攻撃が効果がほとんどなく、誰しもが壊滅を覚悟した.....

しかしその時ある一団が現れ近界民を撃退しこう言った

 

『こいつらのことは任せてほしい、我々はこの日のためにずっと備えてきた』

 

これが後に界境防衛機関(ボーダー)と呼ばれることになる組織の誕生の経緯である。

 

「なんて言っても実際はブラックなところだよなぁ......」

 

思わずそうぼやいてしまう。

そりゃあ高校生となったばかりで疲れている子供がこうして休日返上で真っ昼間から防衛任務についてるんだから文句の一つも言いたいところだ。

 

「おいおい、今更そんなこと言っても仕方ないだろ?いい加減文句を言うのはよしたらどうだ?」

 

「俺はあんたみたいに図太くないんですよ、迅さん」

 

「そりゃまぁ俺は実力派エリートだからな」

 

「社畜の間違いじゃないですかね....」

 

「お前の捻くれ根性も筋金入りだなぁ」

 

笑いながらも本心では何考えてんのかわからない、それが恐ろしいところだよな....

 

「て言ったってネイバーほぼこないですし....」

 

「確かに俺たち2人を同じ時間に配置ってのは過剰戦力って言っても間違いじゃないかもな」

 

「その調子だと多分このまま何もないのも見えてるんでしょう?」

 

「どうだろうな?」

 

「まったく本当に捻くれてるのはだってなんですかね....」

 

「俺は捻くれてるわけじゃないぞ?ただ最善の未来に辿り着くようにしてるだけさ」

 

「そのやり方がほぼ暗躍だから迅さん変に疑われるんじゃないですか?」

 

「それでも頼りにはなってるだろ?」

 

一般的にかなりムカつく発言なのは確実なのだがこの人に関しては事実なので何も言い返すことはできない。

 

「はぁ、やっぱ相変わらずですね」

 

「そりゃそう簡単に人は変わらないからな。じゃあ八幡には一つだけ教えてやろう」

 

全力で嫌な予感がするんだがそれは俺が考えすぎだろうか?

 

「もうすぐお前に分岐点が訪れる、意外と重要なのがな」

 

「はぁ、その内容までは教えてくれないんですかね」

 

「教えたら意味がなくなるからな」

 

「で、俺が正解できるのはどれくらいなんです?」

 

「そうどな....今は8:2ってところだな」

 

「どっちが8なんです?」

 

「さぁな」

 

本当に食えない人だ。

おそらく俺もすでにこの人の手のひらの上なんだろうな。

覆そうとするだけ無駄なのはほぼ確実だしな....

 

「まぁ心の片隅くらいに留めておきます」

 

「そうしとけ」

 

この後も取り止めもなく雑談をして予想通りそのまま特に何もないまま防衛任務は終わりボーダー本部へと向かう。

 

「じゃあ俺は少しランク戦やってくるので」

 

「お、久々じゃないかお前が顔を出すのは」

 

「そうですね、でも久しぶりにやってこようかと」

 

「今回はどれくらいの人が集まるんだろうな?」

 

「変なこと言わないでくださいっていうか多分あんた見えてる上で言ってますよね?」

 

「さぁな、じゃあ実力派エリートは忙しいからなこの辺で」

 

「お疲れ様です」

 

そうして俺は迅さんと別れる。

そのままランク戦に向かおうと思ったのだが.....

 

「お!比企谷、お前まさかランク戦に行くのか?なら俺と久々に戦ろうぜ?」

 

1番見つかりたくない人に見つかってしまった.....

 

「....とりあえず10本1回でいいですか?」

 

「おう!いやーなんとなく来たら随分ラッキーな相手に会えたな」

 

よりによって太刀川さんに見つかってしまうとはな.....

太刀川さん基本的に戦闘狂だから何回でも勝負が続くんだよなぁ...'

しかもめちゃくちゃ強いし最初から相手するのは普通にしんどかったりする。

 

「今回は何本やるのかなぁ.....」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いえ、なんでも....」

 

半ばあきらめるような気持ちで俺は模擬戦を始めることとなるのだった......

 

 

*****

 

 

それから太刀川さんを始めとして大量に集まってきた隊員のほとんどと相手をしたところで俺は半ば無理やり切り上げてようやく家へと帰ってくることができたというわけだ。

 

「もーお兄ちゃん遅くなるなら連絡くらいしてよね」

 

「悪い、まさかあんな人が集まってくるとはな....」

 

ちなみにだが実際なぜか俺の模擬戦はボーダー内では遭遇できたらラッキーの一種の不定期開催のイベントみたいな扱いを受けてしまう。

俺は迅さんほど有名じゃないはずなんだがな....

 

「お兄ちゃん帰ってくるの遅かったから先に夕飯食べちゃったよ」

 

そう言いながら小町は取っておいてくれた夕飯を温めて俺の前に出してくれる。

 

「悪かった、次から連絡する」

 

うん、今日の夕飯もうまいな。

さすが俺の妹。

 

「前もそう言ってたよ」

 

「悪かったよ」

 

すると小町は俺の胸のあたりをじっと見つめる。

 

「まぁ嘘ではないみたいだけどそう毎回忘れらるとなぁ」

 

「勝手に人の感情を見るな」

 

「見えちゃうんだから仕方ないでしょ?」

 

「今は意図的に見ただろうが」

 

まったく感情が見えるなんてサイドエフェクトをなぜ俺の妹は身につけてしまったのだろうか.....

おかげで朝が本当に通用しなくて困る。

 

「で、お兄ちゃんまた後で話があるんだけど」

 

「ダメだ」

 

「早くないかな?」

 

「話の内容がわかってるからダメだ」

 

どうせまたボーダーに入隊したいと言ってくるんだろう。

小町は俺がこうしてなにか小町に申し訳ないことをするとその話を通そうとしてくる。

確かにそういう時に俺はほとんどのお願いを聞いてやるがそれだけは認めるわけにはいかない。

 

「小町は諦めないからね、小町もお兄ちゃんのこと守れるようになりたいんだもん」

 

「.....」

 

そう言われると本当に妙に断りにくいんだよなぁ....

実際もし市街地がネイバーに襲われた場合なんならベイルアウトできる隊員の方が安全なまであるからな.....

ただもし仮に戦ってる中で小町の身に何かあったらと思うと......

 

「じゃ、それがダメなら別のお願いにしとこうかな」

 

どうも俺の感情を見て話を逸らすことにしたらしい、小町はこうして周りの空気を取り持つことが多い。

嫌な感情だって散々見ただろうにな......

 

「とりあえず言ってみてくれ」

 

叶えられるなら叶えてやりたい、それは俺の唯一の家族に対する強い思いだ。

きっとそれは小町も似たようなことを思ってるんだろうけどな。

 

「それじゃ、明日1日はお兄ちゃん暇なんだよね?」

 

「確かそうだったはずだな」

 

「それならお兄ちゃん明日は小町とお出かけしよう、小町欲しい服とかいっぱいあるんだよね〜」

 

「....ほどほどにしてくれるならいいぞ」

 

その程度のお願いなら叶えてやろう。

俺は友達とかいないからボーダーからの給料はほとんど生活費以外は使わないしな。

 

「やった!」

 

「でも流石に疲れたから午後からにしてくれ....」

 

「最近お兄ちゃん任務いっぱいだったもんね〜」

 

「まぁ仕方ない、なんでがかわからないけど俺は.....S級隊員だからな」

 

「うっわーなんかムカつく」

 

「ひどいな、これでもそれなりに討伐してるんだぞ?」

 

「小町は誰かさんのせいで見れないからね〜」

 

「いや別にボーダー隊員でも見たことない奴は多いけどな?」

 

「それでも見れる可能性は高いでしょ?」

 

「さぁな」

 

そうして無理やりそこで会話を切る。

しかし小町のボーダー入隊について考えずにはいられない。

もうそろそろ俺のエゴに小町を巻き込むのは良くないのかもしれないな。

いつまでも小町が守られる存在な訳はないんだもんな.....

それに、もし隊員になったら俺があらゆる手を使って小町を鍛え上げるしか......

 

「お兄ちゃん、小町もう寝るからお皿とか洗っといてね」

 

「ああ、わざわざありがとな」

 

「もう慣れたからいいよ、それじゃおやすみ」

 

「ああ、おやすみ」

 

結局、結論は出ないまま俺はその日眠りにつくことになったのだった.....

 

 

*****

 

「....ちゃん....きて....にいちゃん.....きて!」

 

なんか声が聞こえるな.....

ただまだこのまどろみの中にいたい.....

 

「お兄ちゃん起きてってば!」

 

「うおっ!?」

 

唐突に腹部の上に重量を感じて目が覚める。

 

「実力行使とは....」

 

「小町だって好きでやってるんじゃないよ」

 

「ならやるなよ....てか重いからどいてくれ」

 

「女の子に重いなんて....小町ショック....」

 

わかりやすく嘘泣き(?)らしきことをし始める小町。

 

「ていうか人間が重くないわけないだろ.....ほら早くどけ」

 

「それを言ったらもうすぐ12時なのに起きないお兄ちゃんにも問題があると思うんだけど」

 

「え?もうそんな時間か?」

 

「うん、あんまり起きてこないから流石に起こしに来たんだよ」

 

マジか、疲れてるとはいえ一度も目が覚めずに眠り続けてるとは.....

本当に今日任務が入ってなくてよかったな.....

 

「お兄ちゃん、今任務なくてよかったって思ったでしょ」

 

「そ、そんなことないぞ....?」

 

「嘘だね、安心したもん」

 

うちの妹が最近俺の心を見透かしてきて怖いんだけどどうしたらいいと思う?

 

「わ、悪かった」

 

「まったく小町と任務どっちが大切なの?」

 

「またベタなことを....」

 

「ふふっ冗談だよきっとお兄ちゃんはどっちも大切なんだよね」

 

「....ああ」

 

「認めるんだ」

 

意外に思われるのが新型ではあるのだが.....

 

「どうせそれもわかっちまうんだろうからな」

 

「人を魔女みたいに言わないでよ〜」

 

ならもう少し人間らしく人の心を読まないでほしいもんだが.....

 

「さ、それじゃお兄ちゃん早く支度しちゃってよ。面倒だからお昼と夕飯は外で食べよ」

 

「わかった、着替えたりしたらいくから下で待っててくれ」

 

「はーい」

 

そう言って部屋から出ていく小町を見送った直後に俺は着替えや出かける準備を始めるのだった....

 

*****

 

 

その後家を出て昼食を済ませる。

小町の食べたいものを食べさせてやろうと思ったのだが結局サイゼになるという、小町曰く夜に楽しみを取っておくとのこと。

 

「さーてじゃあこの後はショッピングモールに行って〜その後は〜」

 

どうやら昼飯は多少遠慮しても本当に他のところは遠慮する気はないらしい。

 

「後で無駄になるようなもんは買うなよ?」

 

「全部必要だから買うに決まってるじゃん!」

 

「ならいいんだけどな」

 

たまに小町は俺には理解できないものを買ったりしている。

一応その金の出所は俺でもあるため気にならないということは流石にない。

 

「最近お兄ちゃんがお父さんに似てきた気がするよ」

 

「それは嬉しくはないな」

 

俺の父は旧ボーダーに関わっており仕事ぶりなどは尊敬できるものだったけど家ではただの小町を溺愛し小町のことをただただ心配し続けるような人だった。

今は俺のトリガーとなった父だがふとした瞬間に本当に喋り出して小町の心配をし始めるのではないかという疑いは晴れない。

 

「お父さん、私にすっごい甘かったからな〜。もっと似てくれていいんだよ?」

 

「これ以上なく甘やかしてるから安心しとけ」

 

「えーもっと甘くなってよー」

 

そんな感じでその後も休日を満喫していく俺たち。

それから何時間かして日が傾きかけて来た時のことだ。

 

「サブレ待っててば〜!」

 

前からなにやら犬と俺と歳は同じくらいであろう少女が走ってくる。

犬はあっという間に俺たちの横を走り抜けてしまいそれを追っていた少女は体力が限界を迎えたのか俺たちの横で膝に手をついて止まってしまう。

 

「はぁはぁ」

 

「あのー大丈夫ですか?」

 

小町が迷うことなく声をかける、俺個人としては面倒ごとは好むところではないのだが.....

 

「はぁはぁ、はい....あたしはなんとか....」

 

「一旦息を整えてください、お兄ちゃん、水かなんか買ってきて」

 

「わかった」

 

「あ、大丈夫...ですから」

 

「無理しないでください、その様子だと結構長く走ったみたいですし....」

 

そんな感じで小町が少女の相手をしている間に俺は近くの自販機でペットボトルを買う。

 

「買ってきたぞ」

 

そうしてそれを小町経由で渡すと

 

「ありがとうございます....」

 

そういうと一気に半分くらいを飲んでしまう。

口では大丈夫と言っていたがやはり体はかなり疲労してるようだ。

 

「なにがあむたんですか?」

 

「その、散歩をしていたら急に犬が走り出してしまって追いかけたんですけど追いつかなくて....」

 

「なるほど....」

 

「今までもなんどかそういうことがあったんですけど今回ほど強引に逃げ出したことはなくって....」

 

確かに何かあの犬はまるで本能に訴えかけられていたかのように走っていた。

 

「...一つ、質問いいですか?」

 

「はい、なんですか?」

 

「....あの犬はどのあたりからどんな経路でここまで走ってきましたか?」

 

あれは普通の犬の反応ではないように思えるんだよな....

もしかしたら何かあるかもしれない....

 

「えーと確かこの辺りから.....」

 

そうして少女は地図を携帯で開きながら説明してくれる。

そしてそれをもとに考えると.....

 

「....まさかな」

 

ある場所に向かっているのではないかと思い当たるが本当にそんなことあるのか?

確かに動物には第六感的なのがあるっていうけども.....

 

「小町、乗りかかった船だ。俺たちも探すのを手伝おう」

 

「うん、そうだね。流石に放って置けないしね」

 

「そんな!悪いですよ....」

 

「いや、行き先にある程度目星がついた」

 

「本当ですか?それならそこまであたし1人で....」

 

「残念ながらそうはいきません立ち入り禁止地域の近くですから」

 

「え?」

 

「その犬が通ってきた道は立ち入り禁止地域へ続いている、というかこの先に進んだら確実に辿り着く」

 

「そんな....どうして?」

 

「わかりません、ただだから俺たちも一緒に行きますよ」

 

「でも....そこって危ない場所だから近づかないようにって....」

 

「....少しくらいなら大丈夫でしょう」

 

「兄もこう言っていますしよければ一緒に行きましょう?」

 

「....それじゃあお願いします」

 

そうして俺たちは一緒に歩き出す。

そこで話を聞いていて判明した事実は何個かあるがその中でも驚くべきことだったのは.....

 

「え!?それじゃああたしと同じ学校で同じ学年?」

 

「まぁそうなるな」

 

少女の名前は由比ヶ浜結衣、俺と同じ学校に通っていてさらに同じ学年、クラスは流石に違ったが世界とはなんとも狭いものだなぁ.....

 

「.....」

 

そんな話をしている中で立ち入り禁止地域にだいぶ近づいて来たくらいで1人また新たな少女が立ち止まっているのが見える。

 

「そんなところでなにをしているんですか?」

 

本当は無視したいが一応俺とてボーダー隊員、この辺りで民間人を放っておくわけにはいかない。

 

「....あなたには関係ないことです」

 

「いや一応俺は....」

 

身分を明かしてなんとかこの場所から離れさせようとしたのだが.....

 

「あれ?もしかして雪ノ下さん?」

 

「....なんで私の名前を知っているのかしら?」

 

「いや〜だって雪ノ下さんうちの学年だと有名だし....」

 

えっ?てことはこのちょっと生意気そうなやつも俺と同い年?

てか有名なの?俺一切知らないんだけど?

 

「ということはあなたも総武高校の生徒なのね」

 

「うん、こっちの人もあたしと同じ学校学年の....」

 

「比企谷だ」

 

「そしてその妹の小町です!」

 

小町のコミュ力は高すぎて初対面の挨拶でこのテンションなのは素直にすごいと思うわ.....

 

「で、改めて聞くけどなんでこんなところに?」

 

「もう一度言っておくけどあなたには関係ないわ」

 

「そうか、この辺りは危険だからあんま長居すんなよ」

 

「今この場であなたに言われても説得力がないわね」

 

なにこいつ、全自動言い返しマシーンかなにかか?

ここまで生意気なやつなかなかボーダーにもいないぞ.....

 

「そうか、じゃあ勝手にすればいい」

 

最悪俺が対処できるしな。

 

「ほら、俺たちは行くぞ」

 

「待って、あなた正気なの?ここより先は立ち入り禁止地域よ?」

 

「まぁ、ネイバーもそう頻繁に来たりしないしな」

 

「あら、知ったような口ぶりね」

 

まぁそりゃ日頃から防衛任務で暇してるからな。

 

「まぁな」

 

「知り合いにボーダーの関係者でもいるの?」

 

むしろ俺が隊員だ。

 

「そんなところだ」

 

「....なら危険さは理解してるのでしょう?」

 

「まぁなんだ、用事があるからな」

 

「....もしかして犬を探してたりするのかしら?」

 

「ああ、そうだがなんでわかった?」

 

まぁ多分サブレを見かけたんだろうが。

 

「さっきものすごい速度でこの奥へと進んでいくのを見たからよ、悪いことは言わないわ諦めたほうがいい」

 

「ここまで来て諦めるのは性に合わなくてな、というわけで俺たちは先に行く。何かあってもボーダー隊員様が助けてくれるだろうしな」

 

というか俺が助けることになるのだが。

正体明かすと変に噂になって目立つ可能性があるから嫌なんだよな.....

俺くらいの年頃のやつは皆ボーダーに興味津々なのだ。

 

「.....それなら私も行くわ」

 

「どういう風の吹き回しだ?」

 

「私は....ボーダーについて知りたかったの。あなたは私よりは詳しそうだしついていく意味があると思っただけ」

 

「そうか、まぁ好きにしろ」

 

なるほどこいつも結局ボーダーのファンなのか。

ここにくれば少しくらい隊員の活動が見れたりしないか....などと期待でもしてたのかもしれない。

実際そんな噂が流れてしまっているからな.....

 

「じゃあ小町行くぞ」

 

「う、うん」

 

俺たちのやりとりを黙って聞いていた小町と由比ヶ浜も頷いて歩き出した俺の後についてくる。

これは気まずい雰囲気になってしまったか.....

 

「え?じゃあゆきのんもボーダーに興味がある感じなんだ!」

 

「ええ、大規模侵攻の時の話を聞いて以来ずっと」

 

「私も大規模侵攻の時にボーダーの人に助けてもらってさ....ずっと憧れてるんだ」

 

「小町もボーダーに興味津々なんですけど兄が入隊試験受けるのを許してくれなくて.....」

 

「私も家族の説得に時間がかかったのだけれどもうすぐどうにかなりそうね」

 

「え、じゃゆきのんは次の入隊試験受けちゃう感じ?」

 

「その予定よ」

 

「すっごーい!頑張ってくださいね!」

 

なんて思ってのがアホらしくなるくらい後ろの女子たちの会話がはずんでるんだけど

え?なに?女子ってみんなこんな感じなの?

八幡、とてもじゃないけどこんなの無理!

 

「そっかぁ....あたしも勇気出して受けてみようかなぁ....」

 

「思い立ったのなら実行に移すのは早いほうがいいわよ」

 

「そうなんだけどさぁ....やっぱり不安で」

 

「....その気持ちもわかるわ、でもやらなきゃきっともっと後悔してしまうだろうから....」

 

強いな、素直にそう思う。

普通人は不安になると後ろ向きな感情を抱くがそれでなお挑戦できるのは覚悟があるやつだけだ。

 

「そう....だよね。いつまでもじっとしてても仕方ないもんね.....」

 

そんな話をしている瞬間だった。

 

「あれ、あの犬は....」

 

小町が何か発見したらしい。

 

「あ!サブレ!」

 

目的の犬は見つかったらしい。

ひとまずこれで安心か?

 

「見つかって良かったわね」

 

「うん!みんな手伝ってくれてありがとう!」

 

そう言いつつ由比ヶ浜はサブレの方へと手を伸ばす。

その瞬間だった。

 

「ワンワン!」

 

サブレが急に空へと吠え始める。

嫌な予感ほどよく当たると人は言うがまさしくその通りだと俺は思い知らされる。

 

『ゲート発生、ゲート発生』

 

ゲートの発生を知らせる警報とともに.....

 

俺たちの目の前にゲートが開くのだから.....

そのゲートから現れたトリオン兵の姿はよくみるタイプのもので倒すのに苦労はしないだろう.....

 

「え?」

 

「由比ヶ浜さん、早く逃げましょう!」

 

呆然と固まってしまう由比ヶ浜に咄嗟の判断で逃げようとする雪ノ下。

 

「比企谷君もはやく!」

 

雪ノ下は俺にも逃げるように促す。

 

「トリガー起動(オン)

 

だけど俺には逃げる必要も逃げていい理由も.....あるはずがなかった。

 

 

 

 




はい、1話はこんな感じです!
戦闘描写なしですいません.....
まだワールドトリガーについて詳しくもなくキャラ崩壊等も起こしていくと思いますが良ければこの続きも読んでくださると嬉しいです!
おかしな点や誤字などあったら感想などでご指摘ください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。