やはり俺がS級隊員なのは間違っている   作:静寂な堕天使クロノス

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更新まで少し日が空きましたが第2話です。
今回は前回から数日経った後のお話です。


雪ノ下雪乃①

時に聞こう、君たちは高校生になったばかりのころどのような気持ちであっただろうか?

ワクワクしていた?それとま不安を抱えていたか?

しかしそんな気分も1ヶ月もすれば無くなってくる。

クラス内ではグループが生じ始めまたクラス内カーストの原型が完成する。

その瞬間にグループに入らなかった人間はどうなるか、その問いの答えは簡単......

 

「はぁ....」

 

あーもうやだ、クラス内ぼっち歴無事更新っと。

そう、ぼっちである。

この時期に人間関係が形成できなかった場合大抵そのまま一年を1人で過ごす羽目になる。

だが考えても欲しい、俺はこの時期の人間関係を形成する行事に参加する余裕がない、放課後カラオケに誘われようと任務があるから断ることになる。

もちろん休日もほとんど断る羽目になる。

 

「まぁどのみち誘われてさえないんだけどな.....」

 

「ねぇ八幡」

 

そしてぼっち界最強の防御技である机に突っ伏して寝たフリを発動していた俺にやすやすと話しかけてくる人間は1人しかこの学校にはいない。

 

「どうしたんだ、戸塚」

 

「ううん、特に用はないんだけどね。八幡と話したくなったから....」

 

「よし、話そう、もう軽く3時間くらい話し込もう」

 

「あはは....流石に授業中も話し続けるのはダメじゃないかな」

 

この少女....にしか見えないが自称男の戸塚は去年ボーダーに入り今ではボーダー史上初の男性オペレーターになった普通にすごいやつだ。

 

「俺とお前の間に授業なんて些細な問題だろ?」

 

「うーん僕は授業もしっかり受けたいんだけど.....」

 

あれ?俺もしかして今遠回しに振られちゃった?

 

「まぁそれはまた今度の楽しみにしておくか......」

 

「うん、また休暇の日にでもね」

 

あれ?俺と戸塚が同時に休暇な日ってなかなか希少じゃないだろうか?

 

「それで八幡、昨日この学校の人といる時にネイバーに襲われたっていうのは本当なの?」

 

「ああ、本当だな」

 

「大丈夫だった?」

 

「まぁ見ての通りピンピンしてるぞ、一緒にいた奴らも大丈夫だ」

 

「うん、八幡のことだからそうだとは思ったんだけど.....」

 

「まぁ、トリガー起動してから瞬きくらいでネイバーは倒したからな」

 

多分今の俺、佐鳥ばりにドヤ顔してるんだろうな。

うん、でもあいつよりは多分ムカつかない....はずだよな?

 

「あはは....それでもう上層部に報告はしたんだよね?」

 

「ん、ああ流石に民間人が巻き込まれるからな。じゃなきゃ戸塚もその話を基地で聞くことなんてなかっただろ?」

 

「あれ?僕どこで話を聞いたのかなんて言ったっけ?」

 

「そこ以外で聞くのはほぼ無理だろ」

 

巻き込まれた3人の誰かに聞いたのなら話は別だが。

 

「確かにそうだね、そういえば八幡今度僕ランク戦の実況をやるんだけど八幡も解説しない?」

 

ランク戦の解説か.....

 

「悪いけどあんまそういうのは向いてないからパスするわ」

 

「結構八幡の解説評判いいんだよ?」

 

「いや、東さんあたりに任せておいた方がいいだろ」

 

ああいうのやると一部から後で囃し立てられるからいやなんだよ.....

 

「そっか....でもいつか必ず一緒にやろうね!」

 

「そうだな」

 

ちなみに俺が解説を務めることはほぼない。

数回やったのもたまに陰謀を張り巡らされて逃げ場をなくされてなかなかやる羽目になったからであって俺の意思では断じてない。

 

「じゃあそろそろ席つかなきゃだから」

 

え?もう行っちゃうのか戸塚.....

 

「おう、またあとでな」

 

戸塚とはどうせ基地まで一緒に行くのでまた会うことは確実だ。

 

そして学校での時間は過ぎて行ってあっという間に放課後になった。

 

「さて.....じゃあそろそろ向かうかぁ」

 

「そうだね、僕もやらなきゃいけないことあるから早く行かないと」

 

「オペレーターも大変だよな」

 

「でも僕はまだどこかのチームの専属でもないし他の人たちに比べればマシだと思うよ」

 

「戸塚がオペレーターになったチームは幸せだな」

 

「そ、そんなことないってば」

 

と、言いつつ戸塚は顔を赤くしていながらも嬉しそうではある。

でも現状のボーダーの各チームの専属オペレーターはみんな美人揃いって評判だからなぁ.....

戸塚が入ったりしたら戦力が高過ぎる気がしなくもない。

 

「ちょっといいかしら」

 

しかしそんな俺と戸塚の会話を遮ってくるやつが現れる。

 

「どうしたんだ?雪ノ下?」

 

「どうしたもこうしたもこの間人を放っておきながらよく言えたわね」

 

「そりゃ悪かったけど俺にもいろいろあるから仕方ないだろ。それにしっかり助けただろ?」

 

「助けてもらったことには素直にお礼を言うわ、でもあなた私に隠し事をしていたってことよね?」

 

まぁ、それはその通りだ。

あの時まで確かに俺がボーダーの隊員だとは一言も言わなかった。

 

「いやだってそんなこと言ったらめんどくさそうだったし.....」

 

「えーと八幡、もしかしてだけど巻き込まれた民間人の1人って.....」

 

「お前が思ってる通りだな」

 

「えー!同じ学校の人だっていうから誰かと思ってたら雪ノ下さんだったの?」

 

え?戸塚もこいつのこと知ってんの?

そんなにこいつ有名なの?

そしてなんで俺の耳にはそんな噂が流れてきさえしないの?

 

「話してる途中に申し訳ないのだけれど私の話を聞いてもらってもいいかしら?」

 

「ん、ああ悪い。ちなみに言っておくとここにいる戸塚もボーダーのオペレーターだからそのまま気にしないで話してくれていい」

 

「ならそうさせてもらうわ」

 

「ただ俺たちもあんま暇じゃないから手短に頼む」

 

「ええ、なら2つ聞いてもいいかしら?」

 

「俺たちに答えられる内容ならな」

 

「じゃあまず一つ目よ、ボーダーの隊員はみんなあんな風に一瞬でネイバーを倒してしまうの?」

 

「....全員ができるわけではない。ただA級以上の隊員ならあの程度で倒せるやつはいくらでもいる」

 

「そう....なら2つ目の質問よ。あのレベルに行くまでにはどれほどの時間が必要なの?」

 

「さぁな人によるとしか言いようがない。才能やら努力しだいだ。そればっかりは今の段階では何にも言えん」

 

「そう.....」

 

少し考え込んでいるような雪ノ下、その顔には何故か少しの焦りを感じる気がする。

 

「.....なんでそんなことを聞くんだ」

 

「私は....強くなりたい、ただそれだけよ」

 

その顔に浮かぶ顔は真剣そのもので、それは戦える奴の顔だった。

 

「どうしてそう思うんだ?」

 

個人的な意見なのは分かってるし否定する気もないが俺には1つの考えがある。

それは憎しみでネイバーと戦うことに価値はあるのか?というものだ。

 

「.....私は大規模侵攻の時にあなたたちが頑張ってる中で何もしなかった.....いえ何もできなかった」

 

それは当たり前だ、生までネイバーに勝てる人間などいない。

そのためのトリガーだ。

 

「だから、私は守れる人間になりたいの」

 

何様だと思う人間も多いだろう、しかし俺はこう思ったんだ。

こいつは合格だって。

 

「....さっきの質問の答えを訂正しておく、お前は強くなるよ」

 

「.....その言葉は信じてもいいの?私もあなたみたいになれる?」

 

「俺みたいになるのは(制度上)多分無理だな」

 

俺がそう言った瞬間雪ノ下がなぜか一瞬目を見開くと.....

 

「それは私があなたより強くなれないと言ってるってことでいいのよね?」

 

え?そんなこと俺はちっとも.....いや、確かに今の答え方じゃそう言っているようにも聞こえるな?

 

「いや....それはちが....」

 

「そう、わかったわ。決めたわ、私は次の入隊試験を受けてボーダーに入る。そしてあなたより強くなって見返してみせるわ」

 

あーだめだこりゃプライドが高いかつ俺の話がもう聞こえてないわ。

 

「....まぁせいぜいがんばれ」

 

「見てなさい、私は必ず強くなるから」

 

「あーまぁ期待しておく」

 

もう今更訂正するのは不可能だと悟った俺はやけになってそう答える。

これで優秀な隊員に育ったらよしくらいに思おう、うん。

 

「八幡よかったの?」

 

「もうああなったら弁明は無理だと判断した」

 

「でもこれでまた1人隊員が増えたね!」

 

「まぁこれで強くなってくれたら俺たちからしたら儲け話にしかならないからな」

 

強いやつなら何人いたって困ることはあるまい、俺の任務も減るかもだし。

 

「でも八幡が.....」

 

「まぁいいだろそれくらい」

 

元より俺ぼっちだし。

 

「昔から八幡は誤解されやすいんだから気をつけてよ?」

 

「いやおかんか」

 

そんな感じで戸塚と話しながら本部へと辿り着く。

本部について戸塚と分かれた俺は用事を済ませたが思いの外早く用事が終わってしまった。

なんとなくまだ帰る気分にならずに基地の中で時間を過ごしていた時たった。

 

「久しぶりだな、八幡」

 

「東さん、お久ぶりです」

 

東さん、この人は何を考えてるかわからな過ぎてちょっと怖い時もあるけど基本的には聖人のような人だ。

 

「戸塚から聞いたぞ?解説の役目を断った挙句俺に押し付けようとしたらしいな?」

 

「いやまさかそんなわけないじゃないですか」

 

「そうか、しらをきるつもりか。なら仕方ない次からしばらく八幡が解説になり続けるように手を回すか....」

 

「まじでやめてくださいお願いします」

 

即土下座案件で困ることを真顔で言うからこの人怖すぎるんだけど!?

 

「冗談だ」

 

東さんはそう笑うが俺の反応次第では本当に実行してたんじゃないか?

 

「そんなことになったら俺は諦めて辞めますからね?」

 

「相変わらず大袈裟なこと言うなぁ、上層部が聞いたら全員すっ飛んで引き止めに来るぞ」

 

その光景はシュールすぎる.....

 

「でもそろそろ周期的にお前に解説をさせないといけないのは事実だからな.....」

 

「え?そんな周期決まってるんですか?」

 

「ところで、話は変わるが.....」

 

「いやちょっと詳細を教えてくださいよ」

 

流石に聞き逃さないぞ今のは。

 

「今度の入隊試験の話は聞いたか?」

 

「え?無視ですか?」

 

「上層部が新たな試みを試してみるつもりだそうだ」

 

もうこれは聞いてても無駄だな......

 

「へーどんなです?」

 

そう思った俺は諦めて話を素直に聞くことにする。

 

「入隊試験でネイバーとの模擬戦をやるだろ?」

 

「やりますね」

 

俺はやったことないが。

 

「そこで本隊員数人に模擬戦のデモンストレーションをやらせるそうだ」

 

「なんの目的があってまたそんな急に」

 

「そこで新規入隊者が憧れを持てばモチベーションが上がるんじゃないかって話らしい」

 

なるほど、実際に凄技を見せて自分もああなりたいって思わさせるわけか。

 

「それ人選によっては後々挫折するやつ増えまくりますよ.....」

 

出水あたりなんて選んだらそれを見てシューターになろうとしたやつ全員辞めるまであるぞ。

 

「もちろん本部もそこは気をつけるらしいが、人選候補の1人にお前がいるらしい」

 

「またなんで俺が」

 

そもそも俺が使うのは黒トリガー、普通な隊員はどうしようと俺と同じ戦いができるわけはない。

 

「理由としてはボーダー最高戦力のS級隊員の力を見せるのも将来自分もあんなふうになれるかもと思わせられる範疇にあると言う判断だ」

 

つまりボーダーで頑張ってればいつか俺の黒トリガーみたいなトリガーを使えるチャンスがあるかもと思わせたいわけか。

でも.....

 

「それ断っていいやつですかね?」

 

シンプルにダルいし俺は基本的に目立ちたくはない。

目立つのは嵐山隊みたいな奴らに任せるに限る。

 

「そう言えば次からのランク戦解説が全然決まってなかったな」

 

「やります、しっかり模擬戦やりますからそれだけは許してください」

 

くそっ最初の話題はこのために振ってきたのか.....

やはり東さん、恐るべし.....

 

「そうか、なら頼んだぞ」

 

きっと本当は俺は候補じゃなくて決定されていたのだろう。

そんなことを思っても仕方ないとはいえ......

 

「はぁ.....」

 

こうして俺は次の入隊試験に不本意ながら参加することになってしまった.......

 

「ただいま〜」

 

その後本部から帰宅する、東さんと話してたら思ってたよりも帰りが遅くなってしまった。

 

「おかえり〜。今日も遅かったね?」

 

「まぁなんだ、面倒ごとに巻き込まれてな」

 

「へーどんなこと?」

 

「次の入隊試験で新入隊員たちの前で模擬戦やることになった」

 

「へーそれじゃあ小町も楽しみにしてるね」

 

「おうせいぜい楽しみにしと....ってお前は見れないからな?」

 

「いや小町次の入隊試験受けるし」

 

「は?」

 

どうやら俺に関係する面倒ごとはまだ増えるようだ.......

迅さんみたいに確証はなくても、そんな未来が見えた気がした.....




今回はここまでになります。
書いていて思うように隊員と八幡を絡ませられないのが残念です......
またこれから先より多くのボーダー隊員と話す八幡をお届けできたらなと思っています。
次回はガハマさんの入隊関連がメインの会になると思われます()
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