夢への長い坂道 作:シス
全く読まれていないねぇ……。
文章能力ないから仕方ないね。うん。
やめちまうか。でも投稿する。それの繰り返し。
それは講義と講義の間の移動中の事だった。茂木と俺は一緒に歩いていた時に、前方にすごい人だまりができていて、廊下が塞がっていた。
「なんだ……あの人だまり」
「あ?ひだまり?」
「スケッチか、ロードナイトのどっちかを続けたらぶん殴るからな、茂木」
「怖っ!?そんだけで殴るとか、上杉怖っ!!」
「比呂五月蠅い」
「アベダッ!?」
と、どこから現れたのか、伊本さんが背後から茂木の頭をぶん殴ったのだった。そして何事もなかったかのように、俺に挨拶してくる伊本さん。オ、オウ。コ、コンニチハ。と、俺がカタコトで返事をしたのは悪くないはずだ。
ってか、気配さっきまで無かったよな!?何時の間に背後をとったんだ!?
「比呂は置いといて……上杉君。ちょっと助けて」
「は?」
今も、頭を押さえてのたうち回る茂木を放置し、伊本さんが俺に助けを求めてきた。急に助けてと言われても……と、困惑の声を上げる俺に説明を始める伊本さん。
「移動中だったんだけど、急に囲まれちゃて……」
「で、誰をどう助けて欲しいってんだよ?」
説明してくる伊本さん。お、おう。それは災難だったな。としか言えない俺。でも、伊本さんが囲まれるような事は無いだろう?そう思っていたら、痛みから復帰した茂木が俺の心情を代弁するかのように質問してくれた。
眉間に皺を寄せて、右手を頬に当てながら伊本さんは集団に目を向けて口を開く。
「あの中心にいるの……菜々美ちゃんなの……」
「あー……」
「デスヨネー」
俺と茂木はそうとしか言えなかった。予想通りといえば予想通りだが、構内というか、廊下でそんな迷惑行為を働く連中がいるとは思いもしなかったよ。なあ、茂木?
「だよなぁ……もう少し常識を弁えて……」
「お前が言うなお前が」
「比呂に言われるようだと終わってるわね……」
「ひでぇっ!?お前ら人間じゃねぇだろ!?」
と、珍しく真面目なコメントをした茂木。それに対してお前が言うなとのコメントを発する俺と伊本さん。さて、そんな事をしている間にも、時間がどんどん過ぎて行って、次の講義に間に合わなくなってしまう。
「そこで、目つきの悪い上杉君の出番だって事なの!HURRY UP!!」
「今なら間に合うってか?」
ネイティブな英語を披露する伊本さんに、右手を額に当てて盛大に溜息を吐いてから、俺は渋々と集団の中へと入っていった。あ、こら、押すんじゃねぇ!ってか、てめぇら、廊下のど真ん中を封鎖して何やっていやがるんだ?あぁ?
「ひっ」
「な、なんだよこいつ?」
と、一睨みしたら、数人逃走を開始した。あ、ちょっと傷つくぞ?機嫌悪いのは自分でも分かっているけど、あからさまな反応されるのはちょっとな……。
「あ、上杉さん!」
と、集団の中央で身動きの取れなくなっていて困っていた歌姫こと相藤さんが、俺の顔を見て安堵の表情を浮かべていた。あー……そんな表情スンナ?俺に対する周りからの視線が辛いからな?はぁ……なんで関わる事になっちまったんだろうなぁ……。そんな事を思いつつ、相藤さんを囲んでいた男どもに
「おい、てめぇら……」
「な、なんだ、君。急に現れて?俺達が相藤さんを誘っていたんだぞ?」
睨みながら口を開いたら、俺の正面にいた顔だけは良い男が口を開いた。おお、体振るわせながら言っても迫力ねぇぞ?俺はそんな男の情けない姿を見て、盛大に溜息を吐いてから
「ここ、どこだかわかってる?ここ、大学の廊下。つまり、公共の場。そんな往来のある場所を無断で封鎖してまで誘うような常識知らずの
「なっ……」
「つかさぁ……次の講義間に合わなくなりそうだから……道開けてくんねぇ?他の連中も迷惑してんだわ。なんなら、学生部の人呼んで来てもらうか?それで、自分達の正当性説明できるって言うんなら、説明すりゃいいし、出来ないって言うなら、さっさと道開けろや。あぁ?」
我ながらガラの悪い言い方しているなと理解しているが、こういう連中には下手に出たところで理解しないから、こういう態度をとった方がいい。もちろん、後で被害が来るのは俺の所だから、相藤さんや茂木達には被害はないはずだ。
「わ、分かった。分かった!!だから、学生部には――」
「分かったんなら、もう行かせてもらうぜ。ほら、相藤さんも次の講義間に合わなくなるぜ?急いだ急いだ」
「あ、は、はい!」
睨みを利かせて、道を開けさせる。その間を、俺と相藤さん。そして茂木と伊本さんの四人が通る。その後に続くように、迷惑していた女子四人のグループが通ったけれど、あんまり気にしない事にした。
「さっすが、上杉君!私が見込んだことがあるね!」
「ただ、目つきが悪いだけで、俺を選んだ人間の発言とは思えないのだが……」
「まあまあ、上杉。お前の目つきが悪いのは、今に始まった事じゃないだろー?」
「も、茂木さん。それは上杉さんに失礼だと思うのですが……」
「あー……相藤さん。無理にフォローしなくていいから。自覚はしてるから。自覚は」
次の講義がある二号館に向かいながら話す俺達。しかし、さっきの男達はなんで急に相藤さんを囲うような真似したんだ?
「あ、上杉君知らないの?」
俺の問いに、呆れたと言わんばかりの表情を浮かべる伊本さん。いや、何がだよ?
「え、まさか知らなかったのかよ……。お前と対峙したヤツ。この大学の中で女子に人気の奴なんだぞ?」
と、補足説明をしてくる茂木。悪い、興味ないね。と、伝えると、茂木は笑いながら俺の肩に腕を回して
「ハハハっ!!上杉はそうでなくっちゃな!!」
「茂木、うっせぇわ!で、そんな奴と取り巻きが突撃してきたって訳か?」
茂木の手を振り払いながら、俺は相藤さんに問うと、困惑した表情を浮かべて小さく頷いた。俺としてはいつかこうなるだろうなと危惧はしていた。まあ、今回の件で少しは学んだから、次は大丈夫だろう。……多分。
「でも、菜々美ちゃんも気を付けないとね。また、あいつら来るよ。間違いなく」
「困りましたね……私としては、佳代や茂木さん、上杉さん達と講義に出る為に来ている訳ですし……あの人達のように無理やり誘うような方々に構っている時間は無いのですが……」
と、困惑した表情を浮かべる相藤さん。まあ、大学に来ているのは何かを学びたいからであって、決して遊びに来ている訳じゃないのは確かだ。まあ、ここに目的もなく大学に来た奴もいる訳だが、それはそれって事にしておこう。
しかし、何かいい手が無いかと、異動しながら考える俺は、一つの案が思い浮かび提案する事にした。
「おい、茂木。お前と伊本さんが護衛につけば解決する」
「は?俺!?」
「……あー確かにそれなら解決するわね。比呂って、無駄にガタイ良いし」
そう。俺より身長の高い茂木なら、相藤さんの護衛にピッタリだ。それと、講義が重なっている数が多いのは俺じゃなく茂木と伊本さんの方だからな。そう説明すると少し不満げな茂木が
「来年から、四人で一緒の講義取らね?」
「比呂……アンタが楽したいだけでしょ?」
と、提案してきた茂木の頭を叩きながら言う伊本さん。おお、怖い怖い。来年の事はともかく、相藤さんはそれでいいか?俺はバイトとかあったりするから、周囲に目を配ってる余裕ないし。そう説明すると、右手を顎に当てて思案する素振りを見せる相藤さんだったが、納得したようで何度も頷いて
「そう……ですね。ご迷惑でなければ、佳代、茂木さん。お願いできますか?」
「いいよー。奈々美ちゃんも気にしなくていいからね。あ、それと上杉君。バイト始めたんだ?」
笑みを浮かべながら答えてから、俺に聞いてきた伊本さん。ああ。つい先日、喫茶店のバイトを始めたんだよ。今は注文取って、商品出す程度しかやってないけど、慣れたらコーヒー淹れたり、料理する事になるって言ってたな。
「上杉がコーヒー淹れてる姿が想像できねぇ……毒のまちがぐへっ!?」
「ひーろー?それ以上言ったら殴るわよ?」
「か、佳代?もう殴ってるよ?」
と、俺に茶々を入れようとした茂木が伊本さんに殴られるという事態が起きたが、俺達は無事に講義に間に合ったのだった。ただ、一つだけ気になった事がある。
どうして相藤さんは、