もしもオネストが綺麗だったのなら   作:クローサー

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気付いたら約1ヶ月経過していた…
今回か次でnext storyは締めて、その後はどうするか。

モチベも明確に停滞してるし、気分がまた乗ったらジョジョのIFストーリーでも書き始めようかな?


灰は灰に(ashes to ashes)塵は塵に(dust to dust)

突如崩壊した天井。その合間から飛び出る爆炎。そして強烈な衝撃波。

 

「うわっ…!?」

「ぐっ!?」

 

僅か20m先という距離と室内であるが故の閉鎖空間。爆風と衝撃波はラバックとナジェンダが怯むには十分。

 

(もう、此処まで…!!)

 

爆炎によって生まれた煙の中。すぐに晴れていく其処から、視線が合った。

 

「っをア!!」

 

ラバックのその行動は、半ば本能的に行われた。

クローステールを展開。ナジェンダの身体に巻き付けて窓の方向へ強引に投げ出し、脱出させる。同時に、自身も窓に向けて全力で走り。

 

 

 

瞬間、5.56mmと散弾の銃弾幕がラバックに襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し、巻き戻る。

ナイトレイドアジトの更に上、ねずみ返しのように切り立った崖から見下ろす4人の影。

 

「…此処までは完璧に情報通りか。一周回って気味が悪い」

「無線封鎖は未だ継続。奴等には気付かれていないようです」

「…タイムスケジュールフェーズ2、間もなく」

「降下準備」

 

その言葉を合図とし、彼等は崖から降りる準備を始める。しかし彼等には、崖を降りる為の特別な装備など無い。

だが、彼等にはそれすらも必要無い。何故なら特別な装備など必要とせず、身体一つで降りられる手段を持っているからだ。

 

ざわざわと、彼等が被っているヘルメットの隙間から髪の毛が伸びてくる。それは数ミリ、数センチなどという話ではない。数メートルをゆうに超える長さに伸びていき、腰部にしっかりと巻き付く。そこから更に伸びていき、それぞれの最寄りの木の幹に巻き付いた。

その状態を各人が確認。崖端に立ち、着地地点を確認。気配を消し、完全隠密の態勢に。

 

「──降下開始」

 

まるでそこに地面があるかのように一歩を踏み出し、空中へその身を移す。物理法則に従って一瞬の間落ちていくが、異常な程に伸びて身体と木の幹に巻き付けた髪の毛によって、その落下が止まる。

その後は、当然の事のように髪の毛が更に伸びて行く。その姿は正に、登山家が使用する懸垂下降そのもの。

 

 

──トン。

 

 

4人は全く同時、着地音が一つになる程に同時に、アジトの天井に着地。同時に異常に伸びていた髪の毛が、これまた異常な速度で短くなっていき、ものの数秒で正常な長さへと戻っていた。

周囲を警戒。確実な安全を確認し、ゆっくりと歩き出す。頭の中に叩き込んだアジトの図面を頼りに、アジト内に侵入する地点へ向かう。

 

 

──ガンガンガン!!

 

ラッシュ(突撃)ラッシュ(突撃)ラッシュ(突撃)!!』

 

その時、下から3発の銃声。少し遅れて音量を小さく絞って設定していた無線機から、声が響く。

 

(プランBへ移行)

 

ハンドサインによる合図。アジト内に響き渡る銃撃音によって足音は容易に掻き消される。しかしある程度の速度に留め、変更された目標地点に辿り着く。

其処は、アジト最上階の廊下中央部の真上。

 

円形に囲むと、1人がそこの中央部に移動してしゃがみ、背中のポーチにしまっていた指向性爆薬を取り出して床に設置。信管を爆薬の横にある穴に差し込む。

 

(…)

 

軽く引っ張り、確実に爆薬に差し込まれたのを確認。

信管の安全ピンを引き抜くと、其処から退避。爆薬から少し離れた場所で囲うように立ち、その時を待つ。

 

時間にしておよそ10秒。信管は正常に起動し。

 

 

 

──ッドン!!!!

 

 

 

制御された爆発が、アジトの天井を破壊。それとほぼ同時に4人の足は前に踏み出し、穴へと飛び込む。

脳のリミッターを解除した事により、思考速度が上昇。その副作用で極限に時が引き伸ばされて行く。

 

爆発によって舞う粉塵と欠片の中を突っ切り、最上階に着地。銃を構え、素早く周囲を見渡す。

 

 

発見。約20m、目標の2名。片方は重要目標(ナジェンダ)

 

 

配置の関係上、完全に背中を向けていた1人を除いた3人が、多少の差異こそあれど照準。その最中にも、目標の1人(ラバック)が素早く反応して窓からの逃走を図ろうとしている。重要目標(ナジェンダ)の射殺は間に合わない。ならば手の届く方が先だ。

 

アサルトライフル2丁とセミオートショットガンから、次々と弾丸が吐き出される。だが、彼等をしてほんの一瞬遅かった。

 

右腕に直撃、背中を掠めこそすれ。しかし射殺には届かない。走る勢いそのままに、窓を突き破って外へと脱出された。

 

 

(────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓を突き破り、奇襲の一撃を間一髪躱したラバックと、クローステールによって強引に投げ出されたナジェンダ。

だがそれを喜んでいる暇はない。アジト最上階から飛び降りたということは、それ相応の高所から落下中であるという事でもある。

兎にも角にもまずは着地の態勢を取らなければならない。姿勢は盛大に崩れつつも、何とか整えようとする。

 

ナジェンダは義手を起点として衝撃を受け止めようと、ラバックは着地後に飛んでくる攻撃に備えつつクローステールの展開を始め。

 

 

──ガシャアァン!!

 

 

「ラバック上だァ!!!!」

 

窓ガラスが割れる音、ナジェンダの叫び。

ラバックはそれらに瞬時に反応して、後ろを振り返った(上を向いた)

 

(嘘、だろ)

 

其処には。最上階から窓を突き破り、空中に身を投げ出しながら銃口を向けてくる、1人の軍人。

 

(こんな状況で、こっちに攻撃を?)

 

 

結論から言えば、ラバックは…いやナイトレイドは、いや革命軍は、帝国特務隊を舐めていた。

しかしそれは実力ではなく、熱意。

 

彼等は実力者であり、精鋭であり、そして何よりも愛国者である。

どんな兵士よりも帝国の未来を想い、どんな兵士よりも帝国を愛し、どんな兵士よりも帝国の為に戦う。

 

そんな彼等が。帝国を裏切り、革命軍に寝返った元将軍を前にして、果たしてどうするのか?

 

 

 

「逃がさないッ!!!!」

 

 

 

それは、当然の結論。

その目に憎悪を宿し、その身に怒りを宿し。僅か数秒の空中戦を圧倒せんと、アルファ1-4は銃口を合わせて行く。

 

ラバックも、ナジェンダも、全くの無防備。対応は全く間に合わず、そして。

 

 

──ズガァン!!

 

 

セミオートショットガンから放たれた、8発の散弾。

それは容赦無くラバックの全身に襲い掛かり、そして撃ち抜いた。

 

「ガッ…!!」

「ラバック!!」

 

次の瞬間、ナジェンダは背中から地面に墜落。遅れてラバック、最後にアルファ1-4。

 

「ッオオオオオ!!」

「…!!」

 

2人は同時に起き上がり、ナジェンダは義手のアームショットを発射。アルファ1-4は咄嗟にセミオートショットガンの銃身で受け流すが、その衝撃によって銃身がへし曲がり、使用不可となる。

 

ナジェンダに出来た抵抗は、此処までだった。

 

 

アジト最上階から撃ち下ろされる、アサルトライフルの弾幕。

悲鳴をあげる間も無く、全身を次々と弾丸が突き抜け、仰向けにドシャリと倒れ込んだ。

 

『無茶をし過ぎだ、1-4。だが、よくやった』

「此方こそ、援護感謝します。1-1」

 

ハンドガンを引き抜き、セーフティを解除。油断する事なく、まずはラバックに接近。

大の字に倒れ込んでおり、見開いた目には光が宿っていなければ、呼吸によって生まれる胸の揺らぎも全く無い。

 

だが、アルファ1-4はハンドガンの引き金を引いてラバックの心臓を撃ち抜いた。

 

(…次)

 

続けてナジェンダに向けて銃口を向け、ゆっくりと近付く。

 

「……フー……フー……」

(…生きている)

 

十数発の弾丸に撃ち抜かれ、多量の血が流れ出ている中、ナジェンダはその意識を手放さずにいた。

 

(…ラバック…)

 

霞む視界でラバックを探していたナジェンダだったが、結局ラバックを見つけることは叶わず。

軍靴の底を最後に、ナジェンダの意識は強制的にブラックアウトする事となった。

 

 

「…アルファ1-4より全部隊へ。パペッティア(ラバック)の殺害、及びトレイター(ナジェンダ)の捕縛に成功した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトレイドのアジトから数百メートル先の崖先端に腰掛ける、2人の少女。

 

「…存外、奴等もやるんだな」

「言ったでしょ?皆も強いって」

「ま、彼奴らのお陰でクロメと一緒に菓子を食べれてる訳だし、感謝はしておくか…」

「むぅ…作戦中は本名で私を呼んじゃダメなんだよ?」

「今は平気さ、周りに()()()()()()()()()()()()()()()んだから」

 

2人の間に置かれた菓子袋から、交互に菓子を摘み出してサクサクと食べている。

 

(…帝具使いを2人、奇襲込みとはいえ倒した。それは確固たる事実。クロメを今まで守って来ていたとはいえ、確かに舐めていたな)

(しかし…ああ全く、こんな感情は久し振りだ)

 

帝国特務隊 特別隊員となったカキツバタ(アカメ)は、自分では気付かない程に微かな笑みを浮かべていた。




アルファ1
帝国特務隊最強の部隊。
皇拳寺の身体操作能力に加え、クロメから暗殺技術、チェルシーから戦闘技術(脳のリミッター解除)の概念を継承し、戦術に組み込んでいる。故にその訓練は極めて過酷であり、特務隊隊員でさえも「地獄」と言わしめる。
それ故に実力は凄まじく、セリュー&コロを真正面でも戦闘をする事が可能。(しかし実戦で帝具使いに真正面から戦う事は、対帝具戦に於ける最悪のケースとして想定されている)

アカメ
帝国特務隊 特別隊員(クロメを絶対護るウーマン)となり、「カキツバタ」のコードネームが与えられた。
単体戦力は間違いなく帝国特務隊最強。それに加え、クロメに危害が加わる危険が出てくるとバーサーカー化する。
クロメを傷つけようとするクズはみんな死ねば良い。
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