一般兵士は学園で何を見る   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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どうも、ノアです。
おそらく今年最後になるであろう投稿になります。
クリスマス前に書き始めてクリスマスが終わる頃に書き終わるという……
それではごゆっくり、見ていってください!


第13話

 

「「メリークリスマス!」」

 

そうサンタ衣装で道行く人々に声をかけ、募金を募るセリナとハナエを暖かく見守りながら、僕はシャーレオフィス前で、座りながらHK45の分解整備を行っていた。

わざわざ寒い外でしなくても本当はいいのだが、自分の持つ生徒が外で頑張っているのに自分だけ暖かいところで見守るのは気が引けた……と言うのと、純粋に、昔を懐かしむ意味もあった。

 

寒空の下、その辺に座って自分の銃を整備する。

そして時には戦車、時には航空機。

たまに小規模にだが艦艇の整備もした。

エンジンや機体本体などの重要な部分は整備員に任せていたりはしたが、流石にお金がかかるため、基本小規模な不調などは自分で直していた。

無料で修理もしてくれるにはしてくれるが、それはその機体を購入してからの基本10回、プレミアムが付く機体で30回。

それが終われば自腹だ。

 

流石にミレニアムのエンジニア部には負けるが、僕自身も、そんな経歴があって機械には物理的にも強い。

 

そんな事を思い出しながら、僕は最後の注油を終え、スライドを戻し、引っ掛かりがないかを確かめていた。

 

「先生!寒いですし、そろそろシャーレに戻られますか?」

 

「いやいいよ、風がない分暖かいしね」

 

「そう油断していると、すぐに風邪をひいちゃいますよ!油断は禁物、です!」

 

そうハナエに怒られ、僕は苦笑いしながら、銃のスライドを布で拭く。

そしてトリガーを引いてハンマーを落とすと、マガジンを入れてホルスターにしまった。

 

「……じゃあ、2人も一緒にシャーレで暖まらない?ココアならあるよ」

 

「いえ、私たちはまだボランティアがありますので、お気持ちだけで……」

 

「じゃあ僕も外で。ココアだけ持ってくるね」

 

「ええっ!?先生はキヴォトスの人と違って頑丈じゃないんですから、風邪ひいちゃいますって!」

 

「君たちの頑丈は僕の知ってる頑丈とは違う気がするけど……大丈夫、心配は要らないよ」

 

そう言って僕は1度シャーレ居住区に戻り、人数分のココアの元と水、そしてキャンプ用コンロにスチールのコップを人数分持ち、2人の元へと戻った。

 

「あ、先生、お帰りなさい」

 

「ただいま、じゃ、今から作るから待ってて、寒い外で飲む暖かい飲み物は美味しいよ」

 

そう言い、僕はコンロに火をつけ、水を沸騰させる。

そしてコップにココアの元を入れ、お湯を注いで軽く混ぜ、2人へと手渡した。

 

「ありがとうございます………実の所、ちょっと寒かったので助かります、えへへ♪」

 

「確かに寒かったですもんね……ありがとうございます、先生!」

 

「どういたしまして」

 

そう返しながら、僕は自分の分も作り、熱がりながらも、美味しそうに飲んでる2人を見ながら、ふととある事を思い出し、フライトレーダーのアプリを開いた。

 

そして、検索欄にあるコールサインを打ち込む。

"コールサイン:SANTA1"。

この時期の2日だけ、休むことなく飛び続ける、無垢な子供たちの夢を壊さぬように、毎年現れる存在である。

 

今年もこの飛んでいる事を確認し、僕はスマホを閉じてココアを啜る。

そうしていると、不意にハナエに話しかけられた。

 

「先生、先生はもう大人ですし、やっぱりサンタさんって来ないんですか?」

 

「……まあ、そうだね、うん」

 

そう、『今まで来たことがない』と言いそうになったのをグッと堪え、そう返す。

前職の時から僕にクリスマス休戦なんてものは無いから、まあ、仕方ないだろう、うん。

 

「そうなんですね……じゃあ私も今のうちにサンタさんに欲しいものをしっかりと貰わないと、ですね!」

 

「そうだね、でも無茶なものは頼まないであげてね?核弾頭とかさ」

 

「さ、流石にそんなものは頼みませんよ!?」

 

そんな会話をしていると、不意に僕のスマホにモモトークが届いた。

 

『先生、この後、ちょっとお時間頂けますか?』

 

『いいよ、目の前にいるんだから直接言ってくれればいいのに』

 

『それは……その、ちょっと複雑な事情がありまして……では後ほど、よろしくお願いしますね』

 

そうやり取りを終え、ふと送り主であるセリナを見る。

セリナは少し苦笑いを浮かべた後、軽くおじぎをしてくると、ハナエと共にボランティア活動を再開した。

 

数時間後、夕方になり始めた頃に1度2人と別れ、その後にセリナから届いた場所へと向かう。

そこには、先ほどと変わらぬサンタ服の、セリナが1人で待っていた。

 

「お待たせ、ハナエは?」

 

「先に帰ってもらいました、その……今回先生を呼んだのは、他でもないハナエちゃんの事なので」

 

「……と言うと?」

 

「多分、先ほどの会話で察されてるとは思いますが……ハナエちゃんは、サンタを信じているんです。でも……」

 

そこまで言い、セリナの表情が曇り、言葉につまり始める。

 

「……なるほどね、大まかに事情はわかった。何かをこっそりプレゼントしたいんだね?」

 

そう言うと、ハナエの顔に笑顔が戻り、

 

「はい……夢を壊す訳にはいきませんから」

 

と、少し照れながら言ってきた。

 

「じゃ、どこかで買おうか。欲しいものって聞いてたり?」

 

「はい、こっそりと聞いてあります」

 

「流石。じゃ、それを買いに行こうか」

 

そう言い、歩き出そうとした時、セリナに呼び止められる。

 

「先生は……どうしてそこまでお優しいんですか?」

 

そう、セリナが聞いてくる。

まあ、内容が内容だし、これまでも嘲笑う人がいたのだろう。

 

「僕は優しくなんかないよ。そのうち種明かしされる夢だとしても……それを持つのはいい事だし、それを応援するのも最高にいいことだ。僕はその夢を応援する人にちょっと手助けするだけ、特別な事はしてないよ」

 

「……ありがとうございます、先生」

 

そう言い、セリナは嬉しそうに、天使のような笑顔を見せてきた。

やがて僕の所へと駆けてくると、僕たちはそのまま、夜になりつつある街へと入っていった。

 

そして、クリスマス当日。

今日も今日とて、2人はシャーレの前で、ボランティア活動を続けている。

そんな2人を、僕が建てたクリスマスツリーを手入れしながら見ていると、ふとセリナと目が合い、セリナが嬉しそうに微笑んでくる。

そしてすぐに、ハナエに気づかれないように持ち場へと戻っていくのを見て、上手く行ったのだと理解した。

 

そうしていると、シャーレの前を数人のスケバンがやって来た。

 

「お?募金?」

 

「はい!貧しい人たちにプレゼントを贈るサンタ募金です!」

 

そうハナエが言う。

 

「へぇ、サンタねぇ……」

 

「はい!今年も私の枕元にプレゼントがあったんですよ!」

 

「ギャハハッ!お前、そんな歳になってもサンタなんてものを信じて―――」

 

「やめてください」

 

そう、いつものセリナとは程遠い、冷たい声色の声が、スケバンの声を遮る。

 

「なんだ?お前もサンタなんてものを信じて―――」

 

そこまで言った時、2発の銃声がスケバンの言葉を遮り、スケバンは軽く吹き飛んだ。

 

「いってぇ!何すんだテメ……ひいっ!?」

 

「俺ァ一応慈悲深いんでね、2択から選ばせてやるよ。『今ここで死ぬ』か『今ここでヘイローをブチ壊される』か」

 

「ひいっ……せ、先生がやっていい事じゃない……!」

 

「黙れよ、今更キルスコアがいくつか増えた位じゃ誤差にしかなんねぇんだよ」

 

そう言い、僕はまだ尻もちをついているスケバンの顔を掠めるように銃弾を放つ。

 

「に、逃げるぞ!あの目はマジで人を殺してるヤツの目だ!」

 

そう言い、スケバンたちが撤退して行くのを照準越しに見送ると、僕はマガジンを抜き、チャンバーから弾を排出すると、それをマガジンに戻してからマガジンを銃に戻し、ホルスターへと戻した。

 

「ふぅ………なんかごめんね、2人とも」

 

「い、いえ……大丈夫です、ありがとうございます、先生」

 

そう若干の苦笑いで返されながら、僕はシャーレへと戻ることにし、歩き始めた。

 

「……あ、雪だ」

 

そう呟き、僕は空を見上げる。

少しづつだった雪が、空から徐々に多くなりながら降り始め、徐々に足元へとつもり始めた。

 

「「先生!」」

 

そう2人に呼ばれ、どうしたのかと振り向く。

 

「先生、メリークリスマス!ありがとうございました!かっこよかったですよ、先生!」

 

「メリークリスマスです!先生、ありがとうございました!」

 

そう笑顔で言ってきてくれた2人に手を振り返す。

 

「メリークリスマス!2人とも風邪ひかないようにね!」

 

そう言い、僕はシャーレへと戻って行った。




いかがでしたか?
クリスマス後にクリスマスの話を投稿するとかいう時期なんてねぇよな感じですがまあいつもの事という事で……
ではまた次回、お会いしましょう!
皆様良いお年を!

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