一般兵士は学園で何を見る   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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お久しぶりです(n回目)
ワイルドハントに脳を焼かれた人です……

では、今回もごゆっくり、見ていってください!


第37話

 

ワイルドハント芸術学園……

この学園は、個人的には侵入者より脱柵者の方が多いんじゃないかと思ってしまうほど、規則が厳しい学校だ。

 

わーこくの某組織かな。

でも知り合いの空のJK曰く、ここまでは酷くないらしいので、多分違うのだろう。

 

そんな事はいい。

僕はまさに今、その学園に仕事をしに来た後、最近連絡を取る仲になった生徒たちと会うことになっていた。

 

「こちらタダノストーカーズ、現場に到着した」

 

『わかりました……ではそのまま"プロット"通りに』

 

「タダノストーカーズ、了解」

 

そう言い、僕はエンジニア部に作ってもらったステルスホークのコレクティブを上げ、壁伝いに上昇する。

そして、そのままワイルドハントの城壁を越えて行く。

 

……なぜこうなったかは、昼頃まで遡る。

 

~~~

 

「ミヨ、なんかこんなタイプライターが売りに出てたんだけど知ってる?」

 

「ええと……?こ、これってまさか………!」

 

「………なんか凄いの?」

 

そう、興奮を抑えきれていないミヨに問いかける。

 

「ええ、極小数で生産されたとてもレアなタイプライターです………!欲しいけど……お金がなぁ………」

 

そう肩を落とすミヨ。

その瞬間バァンと開くドア。

ニッコニコのフユ。

その瞬間ジト目でフユを見るミヨ。

 

「そんなミヨにいい依頼が……」

 

「却下。」

 

「早いっ!?」

 

「はぁ……どうせ、また密輸でしょう?もう私は足を洗うと決めて……」

 

「…………今回の依頼の報酬が、そのタイプライターだとしても?」

 

「………詳しく、説明してください。私は今、冷静さを欠こうとしています」

 

そう真顔で詰め寄られるフユに苦笑いしつつ、僕とミヨは依頼を聞くことになった。

 

「エナジードリンクと……炭酸飲料の密輸?」

 

「そ、正確にはモンス○ーエナジーとドクターペ○パー1ケースの密輸依頼。キヴォトスの外から入手はできたけどここに持ってくる方法がないみたいで……」

 

「サラッと凄いことしてない?キヴォトスの外ってそんな簡単にアクセスできたっけ………?」

 

「さぁ……?私も詳しくは知りません」

 

そんな会話をしていると、部屋にリツが帰ってきた。

 

「なになに~?なんか面白そうな話?」

 

「次の仕事の依頼のプロットを桜井先生にお願いしてるとこ、今回の報酬が面白くって……」

 

「ま、まだ書くとは言ってないじゃない、全く……」

 

「そうなの?でも今欲しいタイプライターがこれっぽっちの輸送でタダで貰えるんだよ?ちゃんと報酬金も出るし……」

 

「……ああもう、わかったから、書けばいいんでしょ、書けば」

 

「さっすが桜井先生、今作も期待してますよっと♪」

 

そんな表には出せなさそうな会話を聞きながら、僕は思考をめぐらせていた。

別に教師として止める事でもないし……

どちらかと言えば楽しそ……いやなんでもない。

そう思いながら考える。

自分ならどう密輸するかを。

 

「はぁ……でもこれ、ケースそのままで密輸しなきゃなんでしょ?そんな簡単に1ケースなんて……」

 

「そこはほら、投石器をつかって……」

 

「却下。また先生にぶつける気?」

 

そう、またミヨとフユが夫婦喧嘩にも似たテンションで会話をしているのを聞きつつ、僕はふと手を挙げていた。

 

「桜井先生、この学園に周囲に人気がなくて多少の騒音が許される場所はありますでしょうか」

 

「せ、先生?どうされたんですか……?なんだか口調が……い、一応あるにはありますけど……」

 

「それは城壁の近くですか」

 

「は、はい……まあ………」

 

「………ここに近くにいてもヘリが来たと分からないレベルの騒音しか出さないヘリを操縦できる者がいます、参考程度に」

 

「えっ……と、先生も参加する気ですか………?」

 

「ええ勿論、こんな楽しそうなこと放置できっこあらへんわ姉ちゃん」

 

「あ、先生がおかしくなっちゃった」

 

「リッちゃん、流石にそれは失礼……だと思うよ?」

 

「あくまでも"だと思う"、なんですね……」

 

「あんたは黙ってて……はぁ、でも確かに、そんなヘリがあるならプロットも書きやすいですね」

 

そう言われ、僕はふと思い出す。

 

「そういえばさ、この前の夜、寮の近くうるさくなかった?音楽とかじゃない方で」

 

「え?えーと………確かに、何かが暴れるような音が近づいてきて遠ざかって行ったことが……」

 

「それ、僕。」

 

「えっ」

 

「それ、僕のステルスホーク。オカ研の子たちが門限過ぎたから送ったんだよね」

 

「えぇぇぇぇ…………」

 

「もしかして寮監隊って……警備ザル?」

 

「リッちゃん、触れてはならないものも世の中にはあって……」

 

「フユは黙ってて」

 

「はい」

 

そんな会話をしていると、ミユが大きなため息をつき、

 

「……わかりました、先生も戦力に入れてプロットを書きます………無茶だけはしないでくださいよ?」

 

「はーい」

 

「じゃ、桜井先生の作品ができたら共有いたしますので……また今度、という訳で」

 

「え?せんせーもう帰っちゃうの?ボクほとんど話してないんだけど……」

 

そう不機嫌そうにリツが言い、僕は微笑み返しながら、

 

「ごめんね、書類が山ほど溜まってて……作戦の日はヘリ乗せてあげるから、それで許して?」

 

「はーい、待ってるからね!」

 

~~~

 

そんな別れをしたのが昼。

夕方には、既にミユのプロットが届き、僕はこうしてドクペとモンエナを積んだヘリを飛ばしているというわけだ。

 

筆早すぎて半泣きになりながら書類を片付けたのは内緒だ。

数週間はかかると思ってた。

 

「リツ、ランデブーポイントまでどれくらい?」

 

「えっとね……ここから斜め左下!」

 

「了解」

 

そう聞き、ナイトビジョン越しに地表を見る。

ナイトビジョンがないとほぼ見えないであろう光が振られているのを確認し、僕はただでさえ静かなサイレントホークをさらに静かにされた機体を降下させた。

 

地上に近づくと、ミユとフユが着陸指示を発光信号で送り、僕は周囲の木にローターを当てないように調節する。

そしてストンと地上に降ろすと、リツに指示を出して積荷を降ろしてもらった。

 

『凄いですね先生、こんな狭いところに機体を……』

 

「でしょー?そういうのもっとちょうだい、褒められることには慣れてないから」

 

『……じゃあ、事故を起こされても嫌なので作戦後に。あとは私たちが運びますので』

 

「了解、RTB」

 

そう言い、僕はコレクティブを上げて機体を上昇させる。

そしてそのまま城壁を超え、シャーレに戻ると、書類仕事を再開した。

 

その次の日、当番だったミヨから褒め殺しされたのは秘密だ。




いかがでしたか?
ミヨもフユもリツも弊シャにはいません。
石が足りませんでした……

ではまた次回、お会いしましょう!

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