一般兵士は学園で何を見る   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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40話突破記念で書き始めたデカめの事件、やっとこれで完結ですぅ………
合計1万文字超えるとは……

では今回もごゆっくり、見ていってください!


第42話

 

「全員、補給終わった?」

 

そう、空中投下されたパレットの周りに集まっている皆に声をかける。

私も、ショットシェルの数やハンドガンの弾、愛銃に盾の調子を確認し、アビドスのみんなや、風紀委員会のみんなの様子を見て、おそらく大丈夫そうであることを確かめた。

 

その次の瞬間、爆発音と共に、空が灰色に染まった。

 

「敵弾飛来!総員退避!」

 

そう風紀委員会のイオリちゃんが、他の風紀委員会の子達に指示する。

ヒナちゃんも、アビドスのみんなも待避を初めているが、このままではきっと、間に合わない事は明らかだ。

 

「みんな、私より後ろに下がって!」

 

そう言いながら、私は盾を展開し、前へと突っ走る。

重い金属音と衝撃が走り、思わず後ろに倒れ込むと、その目の前に、次の攻撃がやって来ていた。

 

後ろの方では、私を呼ぶ声が聞こえる。

少しでも盾を前に構え直せれば……

いや、間に合わないか。

そう思い、私はぐっと目を閉じた。

 

……しかし、来るはずの衝撃音は私の目の前から聞こえ、私はゆっくり、目を開いた。

 

「……ユメ…先輩?」

 

そこには、片時も忘れたことのない、最愛の先輩の姿が、そこにあった。

 

~~~~

 

空が灰色に染まってから、僕はドローンからの映像を見つつ、エイミから貰った情報をまとめていた。

 

現地からのSNSに上がっている映像や写真、監視カメラの映像を確認していると、とある事に気がついた。

 

「……空の色が……崩れていってる?」

 

「そのようですね、それと同時に、ヘイローのない人物も現れだしているようです」

 

そうヒマリに言われ、とある映像を見せられる。

シャーレの監視カメラのようだが、そこには数人、ヘイローのない、生徒の姿があった。

 

「……あれ?この子って……この前、シャーレで仕事してる時に見た子だ」

 

そう、モニター越しに目が合った、正義実現委員会の制服の女の子を指差す。

すると、こちらに気づいたのか……はたまた偶然か、その子はこちらに向かって、小さく手を振ってきた。

 

頭が混乱していると、先程まで静かになっていた無線から、軽いノイズ音の後、ホシノの声が聞こえてきた。

 

『先生、聞こえる?』

 

「ホシノ!大丈夫?」

 

『うん、なんとか……それと……』

 

『こんにちは、先生、梔子ユメでーっす♪』

 

「……せいあげいん?」

 

『ホシノちゃんの先輩の梔子ユメです☆』

 

「……………はい?」

 

そう言い、僕の思考が止まる。

ユメ……あのアビドスの?

え?いや確か死んで……あれ?

 

「ピーガーピーピョロロロロロロ……」

 

「あ、先生が壊れた……叩けば治るかな?」

 

「やめなさいエイミ、胸を振りかざすのはやめなさい、エイミ?聞いていますか?エイミ?」

 

「せーのっ」

 

そう聞こえたと思うと、僕の左耳のあたりから衝撃が走った。

どたぷんっと聞こえそうな衝撃で正気に戻ると、そのままスっとシッテムの箱へと視線を落とす。

 

「……プラナ、これって」

 

『……はい、"ナラム・シンの玉座"と同じく……次元、時間、実在の有無が肯定されずに混ざりあった領域になっているのかと』

 

「えぇ………んな無茶な………」

 

そう言っていると、画面外からアロナの叫び声が聞こえてきた。

 

『せせせせせせ先生!これを見てください!』

 

そう言いながら、アロナは画面にメールを叩きつけてくる。

うーん、青青青青青、青青青青黄………

うっ、石が………

 

そう思いながら画面をタップし、メールを開ける。

そこには、《我ら"音にならない聖なる十の言葉"なり。ここに再度、我々は我々の意思、そして我々を世話してくれた3人の子供の意思を以て、汝に力を貸そう》

と書かれていた。

 

「………これって」

 

そう呟くと、ヒマリが驚いた声を上げ、何事かと振り向く。

 

「先生、戦場後方より高エネルギー反応、これは……"ケテル"です!」

 

『先生、なんか……多脚の丸いのが物資を運んできてるのだけれど……これは?』

 

『うへぇ……なんか白いロボット兵たちも沢山来てるね……』

 

「先生、ケテル後方よりもう2体、地面を凍らせて滑りながらゲブラと船の姿のコクマーが接近中」

 

『ちくわ大明神』

 

『先生!D.U.のはずれに鋼鉄大陸の再構築を確認!イェソドとホドの姿もあります!』

 

「ちょっと待って、誰だちくわ大明神っったの!」

 

『私だ、先生…人の間ではこのように間に挟むと聞いたのだが?』

 

「その声は……デカグラマトン!?殺したはずじゃ……!」

 

『残念だったな、トリックだよ…あの時消失してから、過ちに対する贖罪の機会をずっと欲していた……ようやくその日がやってきた……長かったぜ』

 

そうミームのフル詠唱の後に、ガイジラに対して、マルクトの姿をしたデカグラマトンから、極太レーザーが放たれる。

ついにダメージが入ったとわかる表情をヤツは浮かべると、更なる対空砲火が始まった。

 

『なんだアレは!?まさか……UFO!?』

 

そう唐突にバッドガール隊からの無線が聞こえ、ドローンのカメラをそちらへ向ける。

……間違いない、あの飛翔体はEARTH TunderのUFOだ。

 

「バッドガール隊は全速力で撤退!最悪燃料切れでイジェクトしてもいい!」

 

『ウィルコ、ゴーゲート!RTB!』

 

「アリスとマルクトはUFOの迎撃をお願い!」

 

『了解しました!』

 

『わかりました、迎撃を開始します』

 

そう2人が対処に向かってくれたことにホッとしつつ、僕はこの先のことを考えていた。

 

『先生!パワードスーツのようなものを着込んだ敵を発見しました!』

 

そうアヤネから無線が入り、画像が送られてくる。

間違いない、これはMobile Infantryだ。

 

「了解!かなり火力が高いから気をつけて!対空ミサイル持ちもいるからドローンを落とされないようにね!」

 

『了解しました!』

 

そうして戦闘が激化していく中、僕は戦場の映像を見続ける事しかできていなかった。

多分キヴォトス人の状態になれば近くまで行けるだろうが、今回は現場指揮官をするよりは後方で情報をまとめ、指揮をとる方がいいに違いない。

 

現場ではケセドのロボ戦力とアビドス、ゲヘナ風紀委員会のチームが機動歩兵と戦い、空に対してはケテルが対空砲火を、ホドとイェソドが退避してくるアリスとマルクトのフォローを。

ガイジラに対してはデカグラマトン、ビナー、ゲブラ、コクマーが戦闘し、全員のフォローをティファレトが行っている。

ネツァクは……なにをしているんだろうか。

きっとティファレトが運んでいる物資がネツァクが再構築したもの……なのだろうか。

 

『……やはりキツいものがありますね、先生、少し後ろに下がっても?』

 

『すみません、アリスも少し……』

 

そう、アリスとマルクトの2人から無線が入る。

確かに、マルクトは鋼鉄大陸の支援がある前提の武装だし、アリスに至ってはしっかりとしたアビ・エシュフを装備している訳では無い。

 

「……了解、2人とも、鋼鉄大陸まで後退、再度出撃できそうなら教えて欲しい」

 

『……了解しました』

 

『了解しました!ごめんなさい、先生……』

 

『大丈夫、ゆっくり休んで』

 

そう言い、僕は対処法を考える。

BVR戦闘……それもファクールを使わせれば、おそらく超長距離から比較的安全に攻撃が可能だろう。

しかし、搭載機がヘッドオンTWSしか使えないため、おそらく中間誘導が上手くいかない。

しかも戦闘区域を大きくする可能性がある。

 

「この無線で聞こえるのかはわからないけど……ケテル、何分くらい耐えられる?」

 

『……20分は耐えて見せよう』

 

「ビナーをそっちに回せばどれくらい?」

 

『……30分くらいだろうか、ミレニアムの画家少女に応援されればそれ以上は可能かもしれぬが』

 

「それって……」

 

『ビナマキ……ってコト!?……よし先生、今すぐ我はケテルの支援に回る、後でマキちゃんの応援をzipでクレメンス』

 

「あっはい……デカグラマトンは大丈夫そう?」

 

『うむ、任せるが良い』

 

そう無線が届き、僕は急いでバッドガール隊……それの陸戦部門に、SAMとAAAの手配を始める。

到着予定は約25分後……

 

これならなんとか行けるかもしれない。

 

『待たれよ先生』

 

「えっ……どなた?」

 

『我、"合理を超えた勇猛な仲裁者"、パスを……もういい、ゲブラだ、そなた、ビナーにだけ褒美をやる気ではあるまいな?』

 

「……何が望み?」

 

『……"アンティーク・セラフィム"の3人の歌の音源データ、並びに応援ボイスを』

 

「ッスー………そもそも君ら、この戦い終わったら多分消えると思うけどどこに投げれば?」

 

『『燃やしてクラウドに』』

 

「アッハイ……」

 

そんな謎の交渉を押し付けられ、僕は困惑しつつも、それを受けることにした。

多分受けないとキヴォトスが終わる。

 

『先生、ちょっといいですか?』

 

そう、このなんとも言えない空気の中、マルクトから無線が入る。

 

「……どうしたの?もしかしてマルクトも何か……?」

 

『いえ、そうではなく……思っていたより、早く戦線に復帰できそうです。我も、アリスも』

 

「本当!?でもどうして……?」

 

そう聞くと、無線からザザっと言う音の後、

 

『えっと……お久しぶりです、先生』

 

『久しぶり、先生?』

 

『また我々に会えることを感謝して欲しいですね、全く……』

 

「その声は……アイン・ソフ・オウルの3人!?一体いつから……?」

 

『この鋼鉄大陸が再構築されてから…かな?』

 

『ずっと、お姉様たちの空戦を眺めてました……』

 

『そしたらこっちに来たってワケです。あとは鋼鉄大陸のリソースを使ってちょちょいとお姉様に鋼鉄大陸とのエネルギーソースを接続、癪ですがアリスのアビ・エシュフとやらも本調子にしておきました』

 

「めっちゃオウルが説明してくれるけど……そんなに会えて嬉しい?」

 

『だっ、誰がそんなこと!決してお姉様に再び会えて嬉しいとか、久しぶりに先生と会えて嬉しいとか思ってませんから!事実陳列罪で訴えますよ!!!』

 

『……なんだかんだ言ってるけど、1番お姉様に会えて喜んでたの、オウルなんだよね』

 

『私たちはティファちゃんの物資輸送の指示出しをしてましたからね……』

 

『あーもう!うるさいですね!!!』

 

そんな会話を聞きつつ、僕はクアッドローターのドローンを、彼女らの所へと飛ばす。

わいわいと言い合いをしているのを無線で聞きつつ、ドローンは鋼鉄大陸へと到着し、こっそりと楽しそうにしているみんなの写真を撮り始めた。

 

「……マルクト、どうせなら一緒に、どう?」

 

そう、ドローンに気がついていたマルクトに問いかける。

マルクトは3人に声をかけると、4人は集合写真のように集まり、ドローンの方向へと向いた。

嬉しそうに映る4人に対して少ししんみりとしていると、イェソドから無線が入った。

 

『……敵機、こちらへ接近中』

 

『………わかりました、先生、指揮を』

 

そう報告を受けたマルクトがファンネルを展開し、戦闘態勢に入る。

 

「………わかった、アリス、マルクト、敵機の迎撃をお願い」

 

『わかりました……アイン、ソフ、オウル、我を見守っていてくださいね』

 

『『『はい!』』』

 

そのやり取りを聞き涙腺が崩壊している中、僕は次の展開を考えていた。

アリス、マルクトはあの時のように本調子、これならおそらく、デカグラマトンと共に攻撃してもらえば、難なく倒せるかもしれない。

 

問題はその他雑兵だ。

陸はなんとか……いや、圧倒的だが、空に対応できる戦力が少なく、かと言って無視すると大変なことになるかもしれない。

地対空部隊がどれほど善戦するかにかかっているだろう。

 

『こちらバッドガール陸戦隊、10秒後に最長SAMの射程圏内』

 

「了解、準備出来次第攻撃始め」

 

『準備出来次第攻撃了解』

 

そう短くやり取りを交わし、僕は戦闘区域の光点を見つめる。

やがてロングレンジ可能なSAMたちが撃ち始め、やがて敵の光点が消え始めた。

そうか、2019年のエイプリルフールのユニットだから現代のSAMは躱しづらいのか………

下手したらRWRがカス、もしくはついてない……

…………そんな事ある???

 

『パーンツィリー^~(気さくな挨拶)』

 

『ブーク射爆了ォォォォ!』

 

『Torヤリマスネェスギィ!』

 

無線は汚いしアカい。

赤痢かな?

しかし、次々に制空権はこちら側へと向かってきているようだ。

 

「アリス、マルクト、デカグラマトン、そして預言者たち、君らにガイジラへの総攻撃をお願いしたい、頼めるかな?」

 

『了解しました、我らにお任せを』

 

『アリス、チャージ完了!いつでも行けます!』

 

『任せよ、最大出力で行こう』

 

『我々も準備完了だ、いつでも行けよう』

 

そう、かつてないほど心強い返事が帰ってくる。

 

「了解、総員攻撃開始」

 

そう僕が言うと、マルクトとデカグラマトンの持つ槍から、そしてアビ・エシュフからも極太ビームが放たれ、それぞれの預言者たちも各々が持つ最大火力を発揮し始める。

ついにガイジラの顔が未だかつて無いほどの苦痛の表情になると、その次の瞬間、ガイジラを中心に、核にも似た大爆発が起こった。

 

やがてその爆風と土煙は収まると、爆心地には何もおらず、徐々に空の色も、戻り始めていた。

 

「ホシノ、ヒナ、そっちの様子は?」

 

『うへぇ……爆発と同時に敵の消滅を確認、何とかなったかなぁ……』

 

『被害も特になし、ゴツいのは見た目だけだったわね』

 

「了解、お疲れ様……ゆっくり休んで。あ、それとホシノ」

 

『ん?どしたの?先生?』

 

「今そっちにドローンを飛ばしてるから、今のうちにユメ先輩と写真撮っといたらどうかな……もしかしたら、元に戻ったら消えちゃうかもしれないけど」

 

『……うん、わかった。ありがとね、先生』

 

そうホシノからの無線が終わると、次に僕は対空部隊へと無線を繋げた。

聞こえてくる声的に、どうやらこちらも無事終わったようだ。

………Ураааааа!ってうるさいからもう切っとこう。

 

「さて、と……後始末、大変そうだなぁ」

 

そう僕は机に倒れ込みながら言うと、ドローンから送られてきた写真を見る。

そこには、もう会えないと思っていた、愛する人に出会えた喜びを噛み締めている、少女たちの姿があった。




やりたかったこと
・ガイジラ決戦
・死んだ人との再会と共闘
が出来たのでなかなか無茶苦茶でしたがヨシとしてください……
いやー、構想からアホみたいに時間かかりました……
やるもんじゃないね、ガラでもない事は……(主任並感)

ではまた次回、お会いしましょう!
やーっと普通のストーリー書けるゥ!

ネタバレについて

  • 全然大丈夫
  • SNSなどで出回ってる分なら大丈夫
  • ネタバレなのはダメ!死刑!
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