「末端の末路はよく知らないけど……、スペクリに関わってた天地律って人なら、シャンフロを運営する『UES』にスカウトされたらしいけどねぇ……」
「は? スペクリ関わってた人がこの神ゲーに関わってんの? ほんとに神ゲーかこれ?」
「少なくとも私は、君と出逢わせてくれたから神ゲーかなぁ……?」
「俺にとってはもうこの段階でクソゲー臭満載なんだよなぁ」
「うーん、流石の私でもスカ「それ以上喋れば俺はこのゲームを二度とやらん」ブラックジョーク、ブラックジョーク。笑って流そ――ぅンっ!」
クソだけにってか。とりあえず頭引っ叩いとこ。
「バイオレンスなサンラク君も素敵だねぇ……、うふふふ……♡」
「ゲームプレイする前にログアウトして病院で精密検査でも受けてこいよ……」
「私って病院からプレイしてるんだよねぇ」
「あっ、…………なんか、スマン」
「……なぁんちゃって。冗談だよぉ?」
「オイコラ」
「うふふふふふ……」
駄目だ。こいつの相手は疲れる。
かといって言質を取られた手前、無碍にするのもなんか癪に障るし。
なによりこいつから逃げた、という結果に至るのが気に食わん。
いや逃げれるなら逃げたいんですけど。矛盾してるなぁ……。
まあそれを抱えて悩み苦しむのも人間って生き物か。
「とりあえず賞金狩人ってのがちょっと気になるから野次馬しにいくか」
「その前にサンラクくぅん、……私とヤる事、あるよねぇ?」
「は?」
「ヤ・る・こ・と・♡」
「殺って欲しいのか?」
「それも魅力的だけどそうじゃなくてぇ……、ほら私と君の生体情報の交配がまだだよねぇ……?」
「まどろっこしい言い方すんな。フレ登録だろ? さっさと飛ばせよ」
「私の言葉を瞬時に翻訳して受け入れてくれるサンラク君素敵! 抱いて!」
「絶対に抱かねぇ」
『ディープスローターさんからフレンド申請が来ました。』
「サンラク君のハジメテは私 私のハジメテはサンラク君 ピンクなチェリーと真っ赤な純潔がドッキング!」
反射的に拒否してしまった。
「ポリゴンの赤で染めてやろうか?」
「どうせなら本物の血で染めてもいいよぉ……?」
「お前を手に掛けて前科者になるくらいならこのゲーム辞めるわ」
同じ様なやり取りをもう一度やって、不本意ながらディープスローターとフレンド登録。記念すべきフレンド第一号がかつての怨敵とか、俺が一体何をしたっていうんですかね……。
◇
「……クソッ! 遠距離からチマチマ狙撃してきやがって!」
「グリッチは暗殺狙撃特化だ! ただし半径一メートル以内に入るまで矢は不可視だから気合で避けろテメェら!!」
「サバさん! 俺が囮になります!! 逃げてください!!」
「あ゛ぁん!? 何寝ぼけた事言ってやがんだ!! 誰も死なせはしねェよ! 生き延びるンだよ!! 腹ァ括れテメェら‼」
「「「うおおおおおグリッチがなんぼのもんじゃーい!!」」」
なぜかキャリアウーマンの格好をした男と、見るからに野蛮というか蛮族みのある男らが、荒々しさと凛々しさが両立した茶髪のポニーテルの女を中心として、熾烈な戦闘を繰り広げていた。
というか見た目女だけど声がモロ男だな、あのポニテ女。サバイバアル……?
……いや、ちょっと待て。あの声と戦闘スタイルどこかで……?