ANNIHILATOR   作:オンドゥル大使

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あとがき+

 あとがき

 

 拙作『ANNIHILATOR』(綴りに自信がない)を読んでいただき、ありがとうございました。

 あとがき、と言っても書くこと自体は少なく、完結するかどうかさえも分からないこの物語がどうやって始まり、どうやって終わりを迎えたのかを紐解きたいと思います。

 そもそも出発点。エスプリという登場人物と探偵というキーワードがどのように絡むのかは原作XYにおけるハンサムイベントをこなしていればある程度は分かるでしょうが、その先を描いた話なのでほとんど自分のオリジナルでやるしかない部分もありました。

 特に大きかったのはEスーツ関連とシトロン、ユリーカ兄妹でしょうか。

 シトロンを天才と巨悪に仕立て上げたのは恐らく数多くのポケモン二次創作でこの作品くらいだと思います。天才シトロンの妹、ユリーカのキャラ付けも他の作品とは全く違っていた事でしょう。

 無論、マチエールとユリーカが組み、探偵業をやるなど他の作品では見られないと思います。

 自分でもこの組み合わせは書いていて「これでいいのだろうか……読者さん方はこの組み合わせが嫌ではないのだろうか」だとか「こんなキャラ設定では誰もついてこないのではないか」と何度も熟考に駆られました。

 主人公はマチエールのようで、彼女の助手として配置したヨハネであったのですが、ヨハネというキャラクターはHEXA第三部NOAHにてラスボスとして立ちはだかったキャラとほぼ同じです。

 ラスボス時から少し若返った形になるのですが、作品中で何度も取り上げてきた彼の人格が今回の根底に流れるテーマだったのではないかと思います。

「悪の側面を持つ主人公が正義を信じ、正義の味方の補佐につく」。この発想から今作が生まれたと言っても過言ではありません。

 ヨハネはネタバレを避けずに言いますと、NOAHの時点と考え方、ベクトルは一切変わっていません。彼は信じるべき相手に自分を投影し、その人物の思想を疑う事なく遂行する、という面ではラスボス時とさして変わりはないのです。

 ただ傍にいたのがキシベであったか、マチエールであったかの些細な違いだけ。

 何度も彼はフレア団側から悪の道への誘惑に苛まれます。元々の属性が悪の人間がでは最後の最後まで誘惑と己の本性に負けずに正義を貫けるのか、というのがヨハネ・シュラウドというキャラクターのテーマでありました。

 ではマチエールのテーマは、というと、彼女は「迷わない」ヒロインです。

 難しい事は全てヨハネとユリーカに任せて、自分は戦うだけ、というのを地で行くタイプにしました。

 実際、彼女は街の代弁者であるところのおやっさん(ハンサム)からの思想の影響はありつつも、ほとんど迷うことなく敵と戦い、強大な敵に立ち向かうキャラになりました。

 その分、ヨハネの迷いに振った部分はあります。

 あるいはユリーカのような血の因縁に囚われることも最後の最後に出しただけであって、彼女自身はエスプリであることを決して曲げないキャラクターであったと思います。

 そうそう、忘れてはならないのはエスプリの象徴、Eスーツの設定とユニゾンでしょう。

 この設定にはかなり迷いました。

 失礼な話かもしれませんがリバーストにならないようにする(ポケモンが置物にならないようにする)のは非常に大変でありまして、エスプリが活躍すればするほどにポケモンが薄くなっていくのは書いていて困った部分です。

 その改善策として「Eスーツのユニゾンはポケモンの本来の能力より下である」「単一属性以外のユニゾンは不可(途中からデルタユニゾンやらコルニが出てきますが……)」という縛りにしたのはある程度正解だったように感じます。

 エスプリの属性と発現する能力に関してはもうどう考えても「仮面ライダー」からのオマージュは避けられませんでした。というよりも、やりたいように仮面ライダーの要素とポケモンを混ざらせた形ですね……サブタイトルも「クウガ」のオマージュですし……赤のエスプリやらの呼称も完全にクウガですし。

 地味に困ったのは変身の時のかけ声です。「変身は使えない。では別のかけ声を作らなくては」とこれだけで結構悩みました。

 Eフレームコネクト、Eフレームイグニッションあたりに落ち着いたのは自分でもよかった事だと後からですが思います。少しばかりのオリジナリティが出たのではないかと。

 あと今作、XYを下敷きにしていながら全く話の展開やら人物配置やらがXYではなかったのに関してですが、あまりXYの地盤にこだわる必要もないかな、と感じたのが結論です。

 前作『MEMORIA』で相当好き勝手にやったので、今回も好き勝手にやらせてもらいました。

 今回挑んだのは「王道のヒーローもの」です。ポケモンの世界観を出来るだけ壊さずにヒーローは可能なのか。しかも変身ヒーローなんてある程度踏み固められている道を行くのはある種自殺行為なのではないか……。暗中模索の中、様々な先行作の案を借りて作り上げたのがHEXA第七部です。

 エスプリがあのまま戦うとすれば、それは多分、簡単な道ではないだろう、と考え、彼女の信念とその行きつく先を描けたのは自分でも大きな収穫になりました。

 リバーストになってしまったのだとすればそれは自分の力不足です(これも失礼な話ですが)。すいませんでした。

 最後の最後、愛する事のみが他者から何も奪わず誰もが持っている権利、というのは実は事前に色々考えたわけではなく、ミュウツーとエスプリの最後のぶつかり合いが生み出した化学反応でした。

 ですがここまで血で血を洗う戦いを繰り広げた最後がどちらかの否定になってしまうのは悲しいと思い、エスプリの最後の戦いはあのようなものになりました。

 ポケモンも人間も愛されるためにこの世に生を受けた。

 最終的にはポジティブな結論になったかと思います。

 最後にいつもならば黙祷を捧げるところなのですが、案外今回は死者が少なかったですね。ですが、この物語で死した者達に黙祷と魂の安息を。

 次はHEXA第八部『FERMATA』が準備されております。

 時間軸上では被らない上に、次の主人公はまさかのNです。

 今回普通のポケモンバトルが少なかったのでお楽しみいただけるよう、原点回帰を考えて書きました。

 破壊者の物語は愛という当たり前の結論を得て、祝福され――物語は終わりました。

 

2017年5月31日 オンドゥル大使より

 

あとがき+

 

どうも、あとがきにて失礼します、オンドゥル大使です。

 

 HEXA第七部が完結してもう四年になろうというのですね。早いものです。

 このころの自分は半年で一本を仕上げ、そして余った半年でもう一本仕上げるという、化け物のようなことをしていました。

 なので頭の中がほとんど次の作品の構想だったりしたのですが、この作品は割かし参った覚えがあります。

 なにせ、ポケモンがメインじゃないのです。

 返信ヒーローであるエスプリがメインなので、どんどん薄くなるポケモンの描写に、XYのキャラクターから改変に改変を重ねた設定。

 どれもこれも一般的ではなかったかと思います。

 これを構想するのに、今までおおっぴらには言っていませんでしたが、ピクシブ百科事典でのエスプリの描写やXYイベのその後の展開に関係する二次創作があったような気がします。

 ただマチエールもエスプリモ、それにコルニやヨハネ、ユリーカ、シトロンに関してあまりに違うといってもいいお話なので受け入れられる受け入れられない以前に「これはストーリーとして破綻なく完結させられるのだろうか……?」という悩みがあったのを打ち明けておきます。

 色々あって何とか終われましたが、ヒーローものの憧れだけでは厳しかった描写もいくつかありました。

 とはいえ、ここで掘り下げるべきはヨハネでしょう。

 偶然にも第三部、NOAHと同時期に公開したため、同じ名前のキャラなのに何でこんなに違うのだろう、と思った方も少なくないはずです。これは上記にもある通り、ヨハネの存在価値とそして人間としての格は「悪」そのものです。

 ですが悪の因子を持っていても誰に影響されるかでそれはまるで異なる、というのを描きたかったのもあります。

 ヨハネとシトロン、それにエスプリとミュウツー、相反する存在同士がぶつかり合い、そして決着を迎える――この決着には満足しているのですが、完全にお話がクウガとWのオマージュであったことはひとによっては退屈だったかもしれません。それは私の力不足です。

 ひとまず、第七部が完結しましたので、次は第八部『FERMATA』を時期を見て公開していきたいと思います。

 今回ポケモンのバトルが薄かったので少しだけ原点回帰した作風となっております。お楽しみに。

 ではあとがきはここまで。少しでも面白ければ感想、批評、アドバイス、何でも待っていますので是非どうぞ。

 

2021年3月23日 オンドゥル大使より

 

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