昔からある話。
ネットワーク上には未知の世界が広がっており、とある国はその世界の生物をつかまえ解析、研究しているという。
その世界はデジタルワールドと言われているがそれはいくつかのホストコンピュータがそれぞれ管理しておりホストコンピュータの数だけ世界が存在する。これはそのひとつの話。
テッペンマウンテン。
そう呼ばれる山は現時点で観測されている山の中で1番標高が高い山である。
その山を一人の女性が歩いていた。隣には黄色い二足歩行の生物が歩いている。
「えーと、この山の薬草を取りに行くのが目的なんだけど……。」
そう言って女性は辺りを見回す。
が、薬草どころか雑草すらなく見えるのは石と枯れた木が数本である。
女性は首を傾げた。
実は目的の薬草が生えているのは女性のいる山の中腹辺りではなく山の入口辺りなのだが彼女は気づいていない。
「おかしいわね。どこかしら?どこだと思う?アグッチ?」
彼女に問いかけられたアグッチことアグモンは首を傾げる。
その姿を見て女性は少し笑った。
「そうよねー。言われても困るよねー。」
そう言いながら目線を少し下にずらすと崖下になにか見えた。
「あれ?なんだろう?」
落ちないようにしながら崖下を覗き込む。
「人?人じゃん!やっば、助けを呼ばないと!戻るよ!アグッチ!」
そう言って女性は慌ててその場を去った。
テッペンマウンテンから少し離れた場所。
そこにはデジタルシティと呼ばれる街がある。
その街の唯一の医療施設、デジホスピタル。
その待合所に先程の女性とバンダナを頭に巻いた男性がいた。
「いやー、助かったよ。アクジ!」
女性は男性にお礼を言うと
「お礼として餌肉5万キロな?リョウコ。」
アクジと言われた男性がからかうように言うと
「うーん。ローンでいいかな?」
と少し困ったようにリョウコと言われた女性は言う。
その様子にアクジは呆れてしまった。
「冗談に決まってるだろ……。」
そんな会話を二人がしているとナース服の女性が近くを通った。
「あっ。ナースさん。あの子の状態はどうですか?」
「さっき運ばれた子?」
ナースさんと呼ばれた女性は足を止めてリョウコに体を向け直して聞き返す。
「ええ。そうです。あの男の子。」
リョウコが肯定するとナースさんは思い出したように
「あぁ、そういえば男の子も運ばれたんだっけ?」
そう呟いた。
「も?ってことは他にも運ばれた奴がいたのか?」
アクジがそう問うと
「ええ、ウララカフォレストで姫が見つけてね、爺やが運んできた女の子がいるの。一日で漂流者が二人も見つかるのは珍しいわね。」
そこでふと話が逸れたことに気づいたのか、リョウコの方に向き直して
「男の子の方は大丈夫よ。怪我とかしてなかったし。」
それを告げるとまだ仕事があるからと去っていった。
二人は顔を見合わせてとりあえず病室に行くかと歩き出した。
「名前はなんて言うの?」
「……。」
「いや、あの?」
「……。」
「話聞いてる?」
「……。」
「ダメだ。状況が掴めないのに情報源が役立たずと来た。」
「どうしようかな……。」
初投稿です。
よろしくお願いいたします。
プロローグにしては長すぎる。