未定の世界   作:春夏冬 悪姫

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4話目 sideリョウコ

ウララカフォレスト。

比較的大人しいデジモンたちが多く、薬草も多くてクエストでよく来る場所となる。

「で、なんで私が呼ばれたの?」

私がそう聞くと姫はタネモンを撫でながら少し困ったように言う。

「それがねー。森に悪い子が住み着いちゃってー。私の代わりにちょっと注意してくれないかな?」

「なんで??」

自分でもすごい声で聞いてしまった。

「このウララカフォレストの管理者のあなたのお仕事でしょ……。」

そうこのウララカフォレストはこの姫が1人で管理している。住んでいるデジモン達にも好かれており姫を通せばほとんどのデジモン達に指示できる。

そんな姫の言うことを聞かないデジモンということは外から来た個体なのだろう。

ただ、管理者が対処するべきだろうに……とは思う。

「なんでって、最近タネモンちゃん達が体調が崩しがちでね。なんでかな?」

「知らないよ。」

目線を足元にずらす。何匹かのタネモンは確かに体調が悪そうに見える。

そういえば、爺やも姿が見えないが何してるのだろう。

まぁ、いいか。

「仕方ないな。貸しだからね。いくよ。アグッチ。」

私は姫にそう言い残して森の奥に入っていった。

 

「そういえばどの辺にいるか言い忘れたけど……。まっ、大丈夫よね?タネモン。」

タネモンを撫でながら姫は呟いた。

 

 

 

 

 

 

迷った……。

ウララカフォレストは敵対してるデジモンがほぼ居ないのでただただ広い森なのだが方向感覚が狂いやすいのがいただけない。

ちなみに、アクジ曰くほとんど一本道だから。迷う方が難しいとの事だが一本道を迷うわけないのだから。確実に嘘だ。

「全く。看板でも立てておきなさいよね。ねー?アグッチ。」

そうアグモンに問いかけるがアグモンは別な方向を見ている。

何見てるの?と目線を追いかけると

←ウララカフォレスト奥地

と書いてあるものが見えた。

いろいろと感情が湧く。

もっと早く見つけられなかったのか。

なんで、このタイミングで見つかるんだ。

エトセトラエトセトラ。

とりあえず奥地に向かって歩いていく。

周りをよく見ると看板は結構たっているがどれも同じことが書いているのでこれいる?ってなるレベル。

誰が使うのかしらね。

そう思うがそういえば私が使ってるかと悲しくなった。

 

 

ウララカフォレスト奥地。

そこには森の中とは思えない大きな貝殻があった。

色は緑だけど保護色だろうか?

「グルルル!」

貝殻からうめき声が聞こえてきた。

すると貝殻の中から軟体の体がぬっと飛び出してきた。

「シェルモン?」

シェルモンは海などに生息する成熟期。つまり、アグモン達のひとつ上の進化体だ。

知性は低く好戦的で敵対してると言うより友好的になれないと言うべきか手懐けられない野生生物という感じだ。

「森の中だから。モリシェルモンと言うべきか。」

私はある知識からシェルモンの亜種であることを推測する。シェルモンと同じなら水流を打ち出すハイドロブレスだったかが必殺技なのであんまり遠距離にいるのは得策では無いかもしれない。

そう考えているとモリシェルモンは体をまた殻に戻して殻ごと回転しだした。

「何してるの?」

私はその様子を観察していたが突然弾けたようにこちらに突進してくる。

私は、横に避けながらアグッチに必殺技で攻撃するように指示を出す。

アグッチもそれに反応して口から火球を放つがモリシェルモンの殻に弾かれた。

これはまずいかな……。

シェルモンの一族はその成長によって殻を変えると言うが私が見た事あるシェルモン達より大きな殻から察するにこの子はかなりの年長者。アグッチの火力ではダメージにならないようだ。

年長者になっても知性がつかないのはある意味シェルモンらしいとも言えるが。

「あぁ、もう!やりたくないけどアグッチやるよ!」

私は小さなチップを取り出した。

このチップは色々なデジモンのデータが詰まったもので……要するにドーピングアプリである。

丁寧にデジモンを育てた方が強く、かつ長生きするのだが特にスタジアムに参加するテイマーの中にははやく上に進化させたい人がいる。その手のテイマーはこのチップを多用して速攻進化させるのだ。

私も知り合いに分けてもらっていたがアグッチは低レベルの成熟期なら渡り合えたので使う機会がなかったしあまり使いたくなかった。

とは言っても、このモリシェルモンは並の成熟期より確かに強そうで……。

アグッチを怪我させるよりはマシだしね。

アグッチにチップを投げる。

アグッチがそれを飲み込むとアグッチの体が光りだした。

進化ってそういえばアグモンにしてから初だったなとふと思う。

そんな感傷に浸りながら大きく成長したパートナーを見上げた。

深紅の体に古代の肉食生物を彷彿させる姿。その名はティラノモン。

「お願いね。ティラッチ。」

私の声にティラッチは咆哮で答える。

進化したことに驚いたのか、停止していたモリシェルモンは再度殻にこもって回転を始める。

「そういえばこの巨体であれ回避出来る?」

その疑問はすぐに解決された。

回転アタックを繰り出したモリシェルモンをティラノモンは受け止めて見せたのだ。

そのまま空へと放り投げる。

空中ではさすがに為す術がないモリシェルモン。

そのままティラッチの必殺技強力な火炎攻撃ファイヤーブレスが直撃した。

 

 

 

「ぐるる……。」

相変わらず唸り声をあげているモリシェルモンだが先程と比べると大人しいきがする。

野生種……特に本能に近い行動を取るものは力の差を見せられると大人しくなる場合が多い。

その中でも長生きしてきたプライドなのか、このモリシェルモンはまだやる気みたいだ。

とはいえ、死ななかったとはいえかなりダメージを受けているはずだし私の仕事は説得なのでこれ以上ダメージを与える訳にも行かない……。

「もう。やるならきちんと回復してからね。また勝負には来てあげるから。その代わりここのデジモンをいじめるのはやめなさい?」

リョウコがそう言うとモリシェルモンはまた殻に籠った。

わかったのか、どうなのかはっきりしないがとりあえず依頼達成でいいのだろうか?

「とりあえず戻りましょうか……。歩くのめんどくさいな……。」

そうつぶやくとティラッチが大きな手をリョウコに向ける。

「乗れってこと?」

そう聞くとティラノモンはこくりとうなづいた。

「ありがとう。」

リョウコはそう笑った。

 

 

 

 

 

 

 

後日、ティラノモンは同じ成熟期の中でも群を抜いて食べることが判明。

リョウコのbitがみるみる無くなりクエストに奔走することになるのだが……。これはそのうち。




本文書いたと思ったら全て前書きに書いてました。
投稿出来ずに焦りました。
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