話もまとまったので、標的の魔女が遠くに移動してしまわない内にすぐに出発した。
「そういえば、依頼の魔女は昨日の夕方見つけたのよね。半日は経ってるから移動してるかもだし、居場所は把握出来てるの?」
「それは問題ありません。倒せる気はしませんでしたが多少の手傷は負わせられましたので、しばらくは警戒と傷を癒すため、不用意に動かないはずです。さすがにそろそろ動き出すとは思いますが、その点も手を打ってあります」
そう述べてから、ななかさんがスマホを手早くタップして誰かに電話をかける。
2コールくらいで出た相手は、
『はいはーいななかさん、遊佐葉月だよ。対象はゆっくりひとけのない方に移動しているよ』
スピーカーモードにしたスマホからは、葉月の朗らかな声。どうやら彼女に、動き出しそうな時間になったら現場に行って監視してくれるように頼んでいたらしい。
「おはよ、葉月。ゆっくりしたいだろう土曜の朝に手伝ってくれて、ありがとね」
『その声はカトレアさん! おはよう! そっちこそ、傭兵業お疲れ様だねぇ!』
私の挨拶に嬉しそうな声色で返してくれる葉月。いい笑顔で言っているのが想像出来る。声だけで可愛い。
『今回はななかさんからのお願いだったけど。カトレアさんの仕事の役に立てるんなら喜んで引き受けるからさ! いつでも呼んでよね!』
「ん、ありがとね。まあその機会は少ないだろうけど」
『あははっだろうね、カトレアさんは世界に愛されてるしねぇ。とりあえず見張って待ってるからね、カトレアさん、とななかさん』
そう告げてから通話を切る葉月。感じた気配は葉月のものだけに感じたけど、あやめちゃんとこのはさんは一緒してないのかしら。3人セットの印象だし、珍しいわね。
「ふふふ。カトレアさん、ずいぶんと葉月さんに信頼されていますね。彼女は人当たりが良いように見えて、簡単には心を開かないタイプと見ていたのですが」
「そうなの? 最初に出会った時から、私達にはかなり友好的だったような……」
《理由は察せるけどね。私達は3回もあの娘のピンチに華麗に駆けつけたのよ。ハヅキに関して言えば、1回目は命を救われたのだし。惚れ込まれるのも当然ね》
いつも通り自信満々でそう予想する女王様に、確かにそうかも、と思う……けど、うー……なんとなく、嬉し恥ずかし。
「――ふむ……ふむ、なるほどな。ああ、わかってるさ。だが有益な情報だぜ。ありがとな」
揃って葉月の監視場所まで早歩き気味で向かう中、燈湖は私達の3歩くらい後ろを歩きながら、スマホで誰かと会話していた。燈湖の声もスマホからわずかに漏れ聞こえる声も砕けた口調だし、多分相手は杏子でしょうね。
《油断しないっていうか。ほんと、抜け目ないわねぇ》
「あはは……まあ、燈湖のモットー的に、必要な行為だしね」
討伐対象は、神浜外から流れてきたであろう魔女。一応勝負の公平を期するため、ななかさんが得ていた情報は今向かっているメンバー全員に共有してはいるけれど。それでも、神浜外の魔法少女ならななかさん以上の情報を持っている可能性は高い。だから杏子に聞いているのでしょうけど……燈湖の反応的に、有益な情報を得られたようね。
ちなみに、神浜外から来たというとエノテラもそうなのだけど。「お幾ら万円払ってくれます?」とぼったくり料金を要求されそうだったので、聞くのを辞めた。
「……燈湖さん、杏子さんから情報を得ているようですけど……その情報、フェリシアちゃんにも教えてあげた方がいいんじゃ……」
かこちゃんも、燈湖が杏子から今回の魔女の情報を聞き出してるって気付いたみたいだけど。
「んー……新しい情報を渡しても、魔女を前にすると暴走状態になるらしいフェリシアには、あまり意味がない気がする……」
と、もう1人の審判役のデュランタが必要性の無さを述べる。
「更にいいますと。今回の表向きの勝負内容は「どちらが早く対象の魔女にトドメを刺すか」ではありますが。裏の内容として「どちらが傭兵魔法少女として優秀か」を見定めるものでもあります。私が魔女の情報を渡し終えた時点でスタートライン、それを切ってしまった今、お2人は商売敵、競争相手。燈湖さんが新たな有益情報を得たとしても、フェリシアさんに渡す義務も文句を言われる筋合いもないと言えます。情報収集能力の高さも傭兵にとっては重要ですし、ルールに抵触するわけでもありません」
さらにはななかさんからも燈湖への援護が入る。
「更に付け加えるなら。仮に今回、運良くフェリシアさんが勝利を収められたとしても、傭兵としての評価が上がるのは一時的、一過性のものになるでしょう。魔法少女の傭兵業は依頼者の魔法少女も共に行動する場合が多い、つまりは一時的にとはいえ傭兵もチームメンバーです。今後チームメンバーへの迷惑行為が改められないなら、またすぐに彼女への依頼は減少することでしょう」
それにしても、うーん。ななかさんの評価が辛口なのは知ってるけど。フェリシアちゃん、かなり低評価ね……というかこれもうななかさんの中では既に勝敗決しちゃってるわね、仮にとか言っちゃってるし。
「あっ来た来た。こっちだよー!」
そんな会話をしつつ進んでいたら、いつの間にか葉月さんとの待ち合わせ場所に着いていた。
「魔女はどこだー!?」
フェリシアちゃんが、早くも暴走気味に興奮して、魔法少女に変身までしている。かこちゃんがなだめてるからすぐに突撃はしないでしょうし、少し放置する。葉月とおしゃべりしたいしね。
「葉月さん、お待たせ致しました」
「葉月、改めておはよ、それにご苦労様」
「いいっていいって! 相手に気付かれない位置から結界を眺めてただけだしねー」
軽く手を振り、何も問題ないとアピールする葉月。それはそれとして……やっぱり葉月1人か。
「このはさんとあやめちゃんは?」
「このはは前から予定を入れちゃってたらしくてね。なんでも、神浜で個人経営してる洋食屋さんが開いてる料理教室に行くとか……あやめはまあ、このはが粗相をしないように付き添った、ていうか」
《あやめの方が付き添い? ……逆じゃない?》
「普通はそう思うよね。だけどこのはの料理は……まあその、うん、察して」
「……なるほどね、察したわ」
「……誰しも得手不得手はあるものですわ」
……出来る女な雰囲気のこのはさんだけど、どうやら料理の腕だけは壊滅的みたいね。多分、あやめちゃんが適当に作った方がマシなくらい。要するに、あやめちゃんは同じ料理教室に参加した人へ被害を拡散させないためのキーパー役、かしら。
「んなことより、魔女どこだよ! 話してねえで早く教えてくれよー!」
「も、もうフェリシアちゃん〜……」
っと、そろそろ限界か。
「我慢の利かない騒がしい娘がいるし、近所迷惑になる前に始めましょ。魔女は、んー……あっちの廃ビル?」
「おっさすがカトレアさん、正解! アタシの感知からはギリ外れてるのに、相変わらず感知能力半端ないね!」
ということで、討伐対象の結界がある建物にみんなで侵入した。
さて、依頼の魔女結界前に着いたわけだけど。突入前恒例になりつつある、私と女王様による魔女の力量判定だ。
「うーん……まあ確かに、ちょっと強そうね」
《雑魚ではないけど、極限級とまでは言えないわね》
それでも、感じる魔力反応だけで判断するなら、ななか組総員なら苦戦まではしない、てレベルだけど……ななか組は近接戦が得意なタイプばかりだし、遠距離攻撃主体らしい今回の魔女じゃあちょっと苦戦するでしょうね。
「魔女は倒す! 魔女はオレが全部倒す!!」
今にも結界に飛び込みたくてうずうずしているフェリシアちゃん。このまま突っ込ませて大丈夫なのか不安になるくらいだけど、ななかさん曰く「ソロでならそれなりに強い方」らしいし、まあなんとかなる、かしらね。
「それじゃ、始めるわよ。よーい……スタート!!」
「よっしゃああ!!」
「さあ、お仕置きの時間です」
私が振り上げた手を振り下ろすと同時、燈湖とフェリシアちゃんがほぼ同時に結界内に突入した。
「そ、それじゃあ私達も……」
「ん……行ってきます」
少し遅れて、審判役のかことデュランタも結界に入る。
「さあて……それじゃアタシ達は、勝負の邪魔が入らないように見張ってますか」
そう言って葉月は魔法少女に変身して、結界前に立つ。予定としては、ななかさんとステラが結界前の見張りをする予定だったのだけど。
「私が頼んだのは、私達が着くまでの魔女の監視までです。葉月さんはもう帰られても構いませんよ?」
「今家に帰っても1人だし、今日は特に予定もないしさ。それに、カトレアさんの役に立ちたいから、出来れば居させて欲しいかな」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。多くて困ることはないですし! ……ていうか、ななかさんと2人きりだと間がもたなそうなので、いてくれると嬉しいです……」
まあそんな訳で。結界のキーパー役はこの3人になった。
で。私の役目だけど。
「それじゃ、私も行ってくるわね」
「はい! カトレアさん、どうぞお気を付けてー!」
念には念を。かことデュランタなら心配ないとは思うけど。フェリシアちゃんは周りへの迷惑や被害を考えずに暴れるらしいので、審判役が審査に集中出来るように、私が守護らねばならない。
★
結界内に入ると、そこは抜けるような青空の広がる空間だった。そして、一定間隔で電柱のようなものが立って……空間に固定されているかのように浮いていて、それらが電線のようなもので繋がっている。その電線には、何故か無数のセーラー服が洗濯物のようにかけられていた。
入るといきなり空中だったので、咄嗟に杖で飛んで先に入って行ったみんなを探す、と、目に飛び込んできたのは、巨大な黒セーラー服姿。
《ふむ、情報通りね。確かに神浜では見かけたことのない魔女だわ》
「燈湖の、というか杏子からの情報では、通称「委員長の魔女」、だったかしら……確かに、学級委員長を彷彿とさせる見た目ね」
足……じゃないわね。人の腕がセーラー服から6本飛び出ていて、電線を伝って移動していた。その見た目と動きは蜘蛛を思わせた。
「うおりゃああ! どっかーん!!」
魔女のスカートからは、大量の学校机やら椅子やらがそれなりの勢いで射出されていて、すべてフェリシアちゃんに向かっていた。フェリシアちゃんは巨大なハンマーをブォンブォン振り回して迎え打ち、ひしゃげた机や椅子があちこちに飛んで、おっとこっちにも来た。
まあ、難なく避けられたけど……なるほど確かに、周りの被害は一切頭にないようね。
さて、魔女とフェリシアちゃんはすぐ見つけたけど。残りの3人は、と……
「あっカトレアさん! こっち、右斜め後ろです……!」
キョロキョロしていると、背後からかこの声。魔女、というかフェリシアちゃんからの火の粉を警戒しつつ杖に乗ったまま半身分動いて確認すると、電柱の上に立って得物の槍のようなのを抱えるように持ってこちらを見ていた。
ちなみにデュランタもすぐ側に、かこの電柱に繋がっている電線っぽいものの上に立ち、無表情でこちらに手を振っていた。バランス感覚良いわね。
「お待たせ。燈湖は?」
燈湖の姿がすぐに見つからなかったので、2人に近付いて尋ねる。
「あっち……フェリシアと反対方向の電柱。今は様子見してるっぽい……」
デュランタが指差す方向を見ると、燈湖は電柱の上に立って、腕を組んでフェリシアちゃんと魔女との攻防を眺めて、もとい観察と分析をしていた。
見ることもまた鍛錬、燈湖がただ単に眺めている訳がない。フェリシアちゃんの戦い方からはフェリシアちゃんの長所と欠点を探しつつ、自分に取り込める部分がないかを考察、魔女の動きからはどう動けば有効打を与えられるかを構築しているのだろう。
「!」
フェリシアちゃんにばかり攻撃が集中していたかと思ったら、今度は燈湖の方にもスカートから別の何かが射出された。
あれは……スケート靴を履いた女生徒、の下半身のみのような何か。ななかさんの情報通りなら、魔女の使い魔ね。
☆
かこ達と合流したカトレアは、杖に横乗りで浮かびフェリシアが打ち漏らしたり下手に打ち飛ばして飛んで来た流れ弾……流れ机や椅子を、火炎弾で撃ち落としている。フェリシアの戦い方自体に問題は大有りだが、まあカトレアが守護ってれば審判役は安全だな。
っと、いよいよこっちにも魔女が射出――机とかじゃねえな、黒いスカート履いた少女の下半身のようなものだ。つまりは情報にあった使い魔砲弾か。
「ふっ!」
だが直線的な攻撃だ、ジャンプして難なく避けられる――が、情報通りならその次が本命だ。
(ふむ、ななかの情報通り)
避けた使い魔達の足はスケート靴のようになっており、電線の上を滑りながら高速でこちらに接近してくる。
アタシはあえて電柱や電線に乗らずに空中に身を投げ出した状態だ。一見無防備に思える状態は、使い魔からすれば絶好の攻撃タイミング、に見えるだろう。
使い魔が一斉にアタシに向かって飛びかかりスケート靴のブレードで蹴り切りつけてくる、まともに受ければ大怪我は免れないが。
(無防備を晒すと一斉攻撃で仕留めようとする。杏子の情報通り)
当然、予測済み。前後左右上下全方位から迫り来る使い魔の一体を空中で回転しての下方回し蹴り、その使い魔を踏み台にして次に迫り来る使い魔に飛びかかり殴り飛ばし――を繰り返し、射出された使い魔群を殲滅する。
最後の使い魔を蹴り飛ばした反動で着地するのは、元立っていた電柱の上。ダメージも疲労もなく最低限の動きで殲滅出来たな、気持ち良い。
さて、フェリシアの方は……おっ、机と椅子の波を捌きつつ着実に魔女に接近している。荒削りだが、ななかが強い方と評価するだけはある。
だが、そいつはななか達が撤退を選択した魔女だ。当然一筋縄ではいかないだろうな。
「ふーっしゃあ! どっっかーーん!!」
射程距離に入ったのだろう、巨大ハンマーに魔力を込めた必殺の一撃を魔女に叩き込もうと飛び上がる。が、
「おぉ!?」
今までジリジリと後退しながら遠距離攻撃をしていた魔女だが、急に今までにない行動を取る。電線にしがみ付き手足を縮こまらせるように体を緊張させた。
(あれは、攻撃のための力みだな)
予想通り、魔女は反動をつけて飛び上がり、
「うおわああっ!?」
フェリシアに向かって飛び付き、小柄なフェリシアをすっぽり包めそうな巨大な前足……前手?で掴みかかる。
「こんにゃろっ!」
ドゴシャ!!
咄嗟に魔力を込めていたハンマーで片手を殴り潰したが、もう片方の手は健在。
バギッ!!
「ぐあああっ!!」
張り手で思い切り飛ばされ、ちょうどアタシが立っている隣の電線に激突し、強かに全身を打ち付ける。
「大丈夫ですか? ……ふむ。満身創痍ですが、意識は辛うじてあるようですね」
「がはっ……ま、まだやれる、ぜっ……」
大ダメージを受けながらもいきがってそう言い、電柱をゆっくりよじ登ろうとしている、が、ハッキリ言ってもう戦力外に近いな……ふむ。
「ハンマーの使い方が力任せに過ぎる、魔力の込め方や使用タイミングが雑過ぎる、仲間の被害が全く頭にない。傭兵として失格です」
「なっ……んだとー!?」
よし。こんだけ発破かけとけば、使い魔の攻撃くらいはなんとか捌けるだろ。意地であろうと戦おうとする気力が上がれば、生存率も上がる。
《怒るのはわかるが、事実を伝えただけなんだがなあ》
《ですが、私の見立てでは、彼女は宝石の原石です。今は荒削りに過ぎますが……ふふ、鍛え甲斐がありそうです》
念話でデンドロビウムと会話しつつ、魔女の出方を警戒する、と、腕一本潰されて怒り狂っているのか、先ほどより激しい勢いで机と椅子が射出される。狙いは――当然フェリシアか。
「ふっ!」
アタシは隣の電柱――フェリシアがしがみついているヤツの上に移動し、机椅子砲弾を粉砕する。
「なっ、なんでオレを助けてんだよ……お前は敵――」
《勝負事をしているだけで敵ではないです。今のあなたでは、この攻撃は捌き切れないでしょう》
「それはっ……でもオレはっ……」
《何より。助けられるのに見捨てたら、後味が悪いですから》
「……!」
アタシが迎撃に集中している内に、念話でデンドロビウムがフェリシアを宥めるように語りかける。攻撃の波が一旦途切れたのでフェリシアの様子をうかがうと、
「……」
怒りでも苛立ちでもない、ぽかーんとでも擬音の付きそうな呆然とした顔をしていた。
んー。これはどんな感情だ?
――ガラガラガラガラ――!!
っと、感情を読み取るよりも前に魔女の机椅子砲弾が再開された。それを先程と同じ要領で捌き続けつつ、機会をうかがう。
(フェリシアのおかげで観察は捗ったし、ななかと杏子からの情報にも齟齬はない。そろそろ狩りたいんだが……)
タイミングを見計らっていると、机椅子砲弾が一瞬途切れ、今度は使い魔砲弾!
(そいつを待ってたぜっ!)
アタシは足に一気に気を溜め、
「ふんっ!」
ゴシャ!!
「ぅおわおあぁあ!?」
足場にしていた電柱に震脚を打ち込み、爆発的な勢いで自ら使い魔砲弾の方に突っ込む。音と悲鳴的に、多分電柱は大きくひしゃげただろうな、どうでもいいが。
もちろんアタシは捨て身の攻勢に出たわけじゃあない。飛び上がった角度は、使い魔砲弾の流れの僅かに上。要するに――
「ふんっ!はあっ!とああっ!!」
ドッゴッゴシャッ!!
――使い魔達を蹴り飛ばして足場にしての、魔女本体への強襲!
気を纏わせた足で思い切り蹴り飛ばしているので、蹴り飛ばした使い魔はもとより近くのヤツも巻き込み、フェリシアに無傷でたどり着けるヤツを極力減らしつつの急接近。さしもの魔女もこの奇襲は予想外だったのだろう、残った前手を慌てた様にブンブン振り回す。
「ふうんっ!!」
ゴシャアッ!!
その前手に震脚を打ち込み潰し、反動で魔女の真上に飛び上がる。モロに震脚を受けたダメージの影響か、見下ろした魔女はビクビクと痙攣したままその場から動かない。
「その目に焼き付けなさい!」
アタシの右拳には、溜めに溜めた気を纏っている。これがデンドロビウム直伝、「真・華砕拳」だ!
「これでっ止めです!」
ドゴンッッ!!
全力で打ち下ろした一撃に、確かな手応えを感じる。
一瞬ビクンッと身体を震わせると、残り4本の腕が力なく垂れ下がっていき、魔女のセーラー服がホロホロと崩れてゆき青空に溶け込み――景色が歪み元の廃ビルの一室へと変わっていった。
《文句なし、完全勝利だぜ》
《はい、お見事です。お疲れ様でした、トウコさん》
思うところありまして、執筆状況次第ですが、次回投稿予定日を後書きに書くことに致しました。
次回の投稿予定は、2021年11月17日(水)を予定しております。