魔法少女花騎士☆マギカ   作:繭浮

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 寝坊したうえ予約投稿忘れてました、申し訳ありません。
 ということで17時27分で許して下さいなんでもはしませんけど。

※冒頭ちょっとフェリシア視点入ります。


増える花騎士系魔法少女3-3

 電柱にしがみ付くのでやっとのオレに、魔女の机椅子攻撃が発射される。

 

(やべえっ動けねえのに……!)

 

 吹っ飛ばされるのを覚悟して思わずギュッと目をつむる……電柱が震えるような振動は来るけど、オレ自身には痛みも衝撃も来ない?

 

(ど、どうなって――なっ!?)

 

 恐る恐る目を開けると、机椅子攻撃をぶん殴り続ける影。オレの対戦相手のデンなんとかだった。

 

「なっ、なんでオレを助けてんだよ……」

 

 思わず聞くと、オレを助けるのなんてなんでもないことみたいに言って。

 

《助けられるのに見捨てたら、後味が悪いですから》

 

 ……背中を向けたまま念話でそう言う姿は、最高にカッコイイと思った。ついバカみたいに、ボケっとその姿を見つめちまった。

 

 その後の、魔女の使い魔発射から魔女に止めを刺すまでの動きに、オレは目を離せなかった……オレがしがみ付いてた電柱がすげえ衝撃と同時にひしゃげて宙吊りになった瞬間は目をつむっちまったけど。

 

 アイツは、オレが勝負を挑んだヤツは、メチャクチャ強くてメチャクチャ格好良かった。

 

 

 ☆

 

 

 結界が消えて現実世界に戻ると、燈湖はグリーフシードを拾い上げ、フェリシアちゃんに歩み寄る。

 

「おいっあんた! デン……なんとか!」

「デンドロビウムです。どうかしましたか?」

 

 そう返しつつ、燈湖は大ダメージもあってだいぶ濁ってきていたフェリシアちゃんのソウルジェムにグリーフシードを当てて、浄化し始めた。負けず嫌いで変にプライドも高そうなフェリシアちゃんに勝手にそんな事したら、またかみつきにかかる、と思ったら……

 

「……やっぱ、カッケェ……! デカゴンボールの師匠みてぇだ……!」

 

……なんか、羨望の眼差し向けられてない? かこちゃんに顔を向けてうかがっても、戸惑うばかりで理由はわからなさそうだし……

 

 とにかく。なんでか意味不明だけど、燈湖とデンドロビウムの行動の何かが、フェリシアちゃんの琴線に触れた、みたいね。

 

「教えてくれデンドロビウム! オレはどうすればもっと強くなれる!? 今のオレじゃあ、全部の魔女を倒すなんて出来そうにねえんだ!」

「ふむ……」

 

 フェリシアに尊敬の眼差し的なのを向けられながらそう懇願される燈湖。しばらく考え込むような顔をしつつ、フェリシアちゃんのソウルジェムの浄化が完了するまで押し当て続け、浄化完了して怪我まで治してあげてから話を始める。

 

「とりあえず、フェリシアさんを強く、そして傭兵として多少まともにするために……」

 

 ぐう〜〜!

 

「…………」

「……ぷっ。燈湖にしては締まらないわねぇ」

 

 話を遮るかのように鳴った盛大なお腹の音。出所は……燈湖だ。若干顔を赤くしてる、珍しいもの見れたわ。

 

《早朝に来ていた緊急依頼でしたからね。朝は手早く軽めに済ませていましたし、仕方ありません》

《あー、なるほどね》

 

 さりげなくデンドロビウムがフォローしてきた。

 

 まあ確かにそれなら仕方ないし、それに時間もいつの間にやら11時を少し過ぎている。普通に小腹が空き始める時間だし、

 

 くう〜〜……

 

「まっ確かに、ハラが減ってくる時間だよな!」

 

釣られるように、今度はフェリシアちゃんのお腹が可愛らしく空腹を訴えた。

 

「少し早いですが、まずはお食事にしましょうか」

「だなー! メッシメッシメッシー!」

 

 というわけで、話の続きは近くの料理屋さんで食べながら、と言う事になった。

 

 ちなみに、葉月は昼頃にはこのはさんとあやめちゃんも戻ってるだろうからと帰宅し、ななかさんとかこちゃんは調整屋さんに今回の対決の詳細を報告しに行きたいとのことで解散した。

 

 

 

 

 でまあ。魔女がいた廃ビルは参京区で、ここから1番近くで知っている店、となると。

 

「中華飯店万々歳へようこそ〜!ってトーコししょーにカトレアちゃんっ! なんか久しぶり〜!」

 

 ここね。同じ学校の先輩の、由比鶴乃ちゃんの実家でもある、名前の通りの中華料理屋さんだ。

 

「おう、久しぶりだな鶴乃。アタシは最近は色々と忙しかったからなぁ」

「こんにちは。まあ、学校でたまにすれ違った時には挨拶してるから、そこまで久しぶりって感じじゃないけど」

「お店に来てくれたのは久しぶりだし、学校でもここ数ヶ月鉢合わせてなかったし! やっぱ久しぶりだよ〜!」

 

 それにしても。私は燈湖に付き合ってたまに寄ったことがある程度だけど、大食い御用達な量が売りのここに燈湖が久しぶりなのはちょっと意外ね。

 

 それに、鶴乃ちゃんは「最強を目指してるんだー!」とか言ってあきらちゃんや燈湖とかの格闘家をししょー呼びしてて、たまに組手相手もしてあげてたはずだけど……魔法少女になってから、鶴乃ちゃんにかまう時間がない程忙しく動き続けてくれてたのだろう。ほんと、燈湖には感謝しかない。

 

《私、中華料理は脂っこいのが多くてあんまり好きじゃないのだけど……あら?》

《まあ、私も同じく……どうしたの、女王様?》

《この娘……ツルノ、だったかしら。魔力を感じるわね》

《えっ?》

 

 私もかなり腕を上げたと自負しているけれど、女王様の魔力感知は私より数倍上だ。その女王様が感じたのなら間違いはない。

 

「そういや鶴乃、出会った時にはもうその指輪してたよな」

 

 燈湖も話題に上げ出したってことは、やっぱりそう言う事なのだろう。燈湖は見せつけるように鶴乃ちゃんの前に指を掲げる。

 

「ふえ? あー、まあそうだねってトーコししょー、それ……! ソウルジェムの指輪!?」

「そういうことだ。数ヶ月前にカトレアと一緒にやり始めたぜ」

 

 燈湖と鶴乃ちゃんが初めて出会ったのは、確か1年半くらい前だったかしら。要するに鶴乃ちゃん、魔法少女としては大先輩だったらしい。

 

「う……うおおおおっ!! タダでさえ強かったトーコししょーがさらに強く……! はっ! 最強魔法少女の座が脅かされる!?」

「うるさいですね……スイセイランさんを思い出します」

「中華料理……脂っこい料理が多くて高カロリーなのはいいけど、大食いには若干不向き……」

 

 オーバーリアクション気味にくるくる動きと表情を変える鶴乃ちゃんは、見ていて飽きない。ステラとりつは、また別な印象を抱いたようだけど。

 

 というかステラのセリフがある意味危ないし、そもそもりつは鶴乃ちゃんじゃなく料理の事を考えてた。まあそれよりも。

 

「なー、早く注文取ってくれよー。こっちは腹空かせて来てんだからよ」

 

 雑談も楽しくて良いけど、フェリシアの言う通り先に注文を取って欲しかった。

 

「おおっとぅ! お客さんを待たせちゃうなんて、最強の中華屋看板娘としてあるまじき失態! ていうかあなた、傭兵の深月フェリシアじゃん! もしかしてトーコししょー傭兵やるの? 似合ってるから応援するよー!! ふんふん!!」

「肉野菜定食に肉ソバ、チャーハンとシューマイと中華スープ、あとは味玉……いやピータン、いや両方だ。全部大盛り。以上」

「トーコすげー食うな……んじゃオレは……チャーシューメンに味付けたまごに餃子、あとオレンジジュース!」

「ふんふん……ご注文、承りましたー!!」

 

 燈湖とフェリシアちゃんのリアクションスルーにもめげずにキッチリ注文をメモする鶴乃ちゃん、相変わらず元気可愛いわね。

 

 ……そういえば、「ちゃん付けで呼んでー!」って言われてるからつい忘れがちだけど。鶴乃ちゃん、このみさんと同級生の高二なのよね。まあクラス違うらしくてこのみさんとはほぼ接点ないらしいけど。

 

「んでー、カトレアちゃんとちみっこ2人はー?」

 

 雑談ついでに注文を済ませた燈湖とフェリシアちゃんは2人ならんでカウンター席に、寸劇をしている間に私達はテーブル席へ座ったところで、こっちに来た。

 

「むぅ、ちみっこはやめてくださいっ……確かにクラスでも小さい方ですけど」

「ていうかこっちの3人もソウルジェムの指輪してるじゃん! 魔法少女のバーゲンセールじゃん!」

「名前は針麿りつ……冷やし中華に肉まん、それと烏龍茶」

 

 燈湖に倣ってか、りつもリアクション無視して注文を済ませる。

 

「ていうかなに驚いてるのよ、さっき燈湖が「カトレアと一緒に始めた」って言ってたじゃない。あ、私はつけめんにシューマイハーフ、それと烏龍茶ね」

「ほいほい、承りましたー! でー、青い方のちみっこちゃんは?」

「ちみっこじゃありません、千野(ステラ)です! ち、注文は、えっと……」

 

 慌てて壁の札メニューに視線を走らせたりメニュー本を読み込み悩み始めるステラ。私は数回来てて注文慣れしてるけど、初めてのお店で即座に注文が決まらないのは普通よね。万々歳は結構品数多いし。

 

 でもまあ……

 

「この店、シューマイとか餃子とかの単品物以外はだいたいが同じ味付けだから、名前の響きとかで適当に決めればいいわよ」

「がーん! あんまりな評価だぁー! 事実だけど!」

「えーと……それじゃあ、カトレアさんと同じもので」

 

 ふむ、私と同じにしたか、いい判断ね。私は万々歳のメニューの中でも比較的カロリー控えめなのを選んだから、カロリー摂取を気にしているステラ的には当たりね。

 

「ふんふん、冷やし中華に肉まん、つけめんシューマイハーフが2の烏龍茶が3! 承りましたー!」

 

 サラサラとメモを取りながら淀みなく注文を読み上げる。元気っ娘っておバカ……アホの娘って印象を持たれやすいけど、鶴乃ちゃんは頭の回転も結構良いのよね。人は見た目によらない。

 

 

 さて。注文も終わり鶴乃ちゃんが厨房に引っ込んだと同時。

 

「お邪魔しまーす! おぉう、今日はいつもより盛況ですね!」

「お邪魔しまーす……って、二組で盛況なんだ……?」

 

 新たなお客さんが入って来た、のはいい事なんだけど。この特徴的な声色としゃべり方、どこかで……

 

「おっユキちゃんいらっしゃーい! うんうん、確かにいつものこの時間にしては、大盛況だね!」

「大、なんだ……ま、まあいいけど」

 

 新しいお客の顔を確認する前に鶴乃ちゃんが割り込んじゃったから今はわからないけど。

 

《なーんか、ウィンターローズで雪女扱いされてた面白娘に声が似てたわね。とりあえず魔力は感じないから、魔法少女ではないわ》

《あ、女王様知り合いだったりした?》

《一応ね、同じウィンターローズだし。まぁ顔見知り程度だけどね》

 

 花騎士本人からの情報なら、まあ高確率でそうだろう。後は顔を確認できれば……

 

 そう考えている内に、鶴乃ちゃんで隠れてて見えないけど隣のテーブル席に座る二人組。絶妙な位置で顔は見えない、けど、髪色は白いみたいね……可能性がさらに高まる。

 

 ていうか、白髪の娘の顔は見えないけど二人組のもう1人の顔は見えている……実はこっちの娘の声も聞き覚えあったのだけど。

 

《あー……やっぱりか》

《ん? なにがよ》

《白髪の娘はともかく、もう1人の方も某花騎士に瓜二つなのよ。瓜だけに》

《……何か上手い事を言ったんでしょうけど。元ネタがわからないから、笑いどころがわからないわよ》

《ウリ科の花の花騎士ってことよ》

《ああ、そういう意味ね》

 

 そんなハツユ……白髪娘の友人だと思われる娘は、腰くらいまである茶髪の長髪を緩く三つ編みにして、低い位でツインテールにしている。

 

 どう見ても、というか声からしても花騎士カラスウリだった。制服も緑だし、見間違いようがない。というか、あの制服は……確か、超セレブ校の聖リリアンナ学園ね。

 

「そういやボク、こういう昔ながらの中華屋さんて感じのお店、何気に初めてかも」

 

 一人称ボク、いただきました。これもう99%地球でカラスウリに当たる人物で確定よね……ボクっ娘の遭遇率高くない? 気のせいかしら?

 

 そのカラスウリ(仮)は、ちらと一度こちらに視線を向けたけどそれきりで、特に大きな反応は無し。これは……彼女はゲームのフラワーナイトガールはプレイしてなさそうね。

 

 さてそれよりも。

 

「ミニラーメンにミニチャーハン、中華スープハーフ・きのこマシマシで」

 

 いかにも常連っぽくスラスラ注文を告げるその声は、やっぱり大いに聞き覚えがある。

 

 彼女が予想通りの花騎士と容姿まで同じなら、☆6キャラクターと同一存在。キュゥべえにたぶらかされる前になんとか話を、せめて花騎士をプレイしてるかどうかだけでも知りたい。

 

 特徴的な声だし、花騎士プレイ歴も長い燈湖ならカウンター席で背を向けてても、多分気付いてるわよね……けど、フェリシアちゃんとの会話に集中したいからか私に判断を任せたのか、アクション起こす気配はない。

 

 向かいに座ってるりつとステラは、メニューを見ながら雑談に花を咲かせてて気付いてすらいないし……はぁ。私がやるしかないか。

 

「あっ、シュシュさん、万々歳は普通サイズが大盛りサイズなので、気を付けてくださいね〜」

「あ、そうなんだ。じゃあ……ホイコーローにライス小、烏龍茶で」

「ふんふん……承りましたー! ゆっくりしていってね!」

 

 と、決意、という程のものでもないけどやる気と仕込みを決めたのと同時、鶴乃ちゃんが注文表を書き終えて再び厨房に引っ込む。

 

 タイミングは今。私はスマホの花騎士アプリアイコンをタップし、数秒待つと、

 

  ” フラワーナイトガール ”

 

とタイトルコールが店内に響く。

 

「「えっ?」」

 

 それに対して声を出して反応したのは2人。目の前のステラと、

 

「あっえ? あっれぇ……? なんか某花騎士にそっくりなような……」

 

隣の席の、カラスウリ(仮)と同じ緑の制服を着た白髪の娘――花騎士ハツユキソウに瓜二つの娘だった。

 

《小声だったけど、確かに花騎士って言ったわよね?》

《そうね》

 

 ちなみに、カラスウリ(仮)の方も再びちらりとこちらを見たけど、ゲーム音声に反応しただけって感じね。こっちはやっぱり未プレイみたいね。

 

 さて。キッカケは作れたのはいいけど……どう説明したものかしら……




 カラスウリ(仮)を登場させたのは、半分くらいボクっ娘好きの自分の趣味です。本来登場予定なかったのですが……我慢出来なかった。

 次回の投稿予定は、2021年11月22日(月)を予定しております。
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