ので、せめて7時27分に投稿したいと思い、夜更かししてキリの良い所まで描きました。眠い。
色々と話し合った結果、隠密性を考慮して作戦開始は日が落ちてからになった。これで、華恋の参加は難しくなったけど……まあ、現在参加メンバーですでに戦力過剰気味だから、問題ないのよね。
あっと。作戦開始前に、アイにまだ聞いてない事があったわね。
「んっと……『あなたは、何故消されたがっているんですか?』」
と、いろはちゃんが丁度私が聞きたいと思っていた事を尋ねてくれた。このウワサにも役割があるのだから、自分から消されたがる理由は気になる。
まぁ、いろはちゃんは優しい娘だからそれだけじゃなくて、友好的そうなウワサだから消すのに抵抗を感じちゃったんでしょうね。
ピロン♪
『さなは、大切な友達だからです』
「ウワサと魔法少女が、友達……」
『さなは今、私と一緒にいて幸せそうですが。結局私はウワサで、さなは人間です。ここにいては、さなは結局ひとりぼっちのままなのです。このままではいけない、さなのためにならない。人間は人間と共に有るべきです』
……その文章には、人工知能とはとても思えない程の「愛情」を感じられた。
『さなは私に「親愛の情」と、「アイ」という名前をくれました。それだけで、私は満たされたのです。ならば、友達のために恩を返さなければ。それが「友達」というものだと、理解しました』
って、すでにさなちゃんに「アイ」って名付けられてたのね。何となく、自分とセンスが同じみたいに思えて親近感が湧いてきた。
それにしても……
「……本当に、人工知能とは思えない程人間臭いウワサね」
「はい……これもさなちゃんとアイさんが出会えたから、なんですよね」
そう思うと、彼女を消すのに若干の躊躇いが生まれる。けど、双葉さなを色んな意味で解放するにはそれしかないんでしょうね。
『それに。マギウスのアリナ・グレイが動いたのは、本来の役割を果たさない私を廃棄処分するためでしょう。さなを救出しに侵入する貴女達諸共消すために、暴走させて共倒れを狙うのだと思います。どちらにしろ私は消える事になりますが、出来るならさなとは、納得の行く形でお別れをしたいのです』
《なるほどね》
「ん、わかったわ。私達が、貴女の最後を綺麗に終わらせてあげる。ね、いろはちゃん」
「……はい」
どこか納得のいっていない顔ながら、そう返すいろはちゃん。もう、ほんと優しいんだから。好き。
最後にいろはちゃんが『今から向かう』とメールで送ってから、私達は動き出した。
「は、早く消さないと……!」
「この液体をかければ文字が消えるのでございますね?」
「うんっそのはず!」
……なんか電波塔下まで来たら、天音姉妹が何らかの薬剤で例のホームページアドレスの文字を消そうとしていた。もう燈湖が確認済みだから、完全に手遅れなのだけど……見なかった事にして、電波塔登っちゃいましょ。まぁ、予め認識阻害結界を張ってから行動していたから、大声で名前でも呼ばない限り気付けないでしょうけど。
そうして微妙に厄介な天音姉妹をスルーして、前回魔女退治をした電波塔の屋根へと向かった。
「フゥン……これが認識阻害結界。なかなかイナレスティンだケド、結界のエキスパートなアリナ的には少し地味だヨネ」
屋上に出た途端、いきなり結界を見破られた……そしてこの特徴的な喋り方は。
「やはりおったか、アリナ」
「グッイブニン! アリナのアートショーにようこそ、エルダーガール♪」
実に嬉しそうにおタエさんに語りかけるアリナさん。前もっておタエさんとまなかちゃんから「アリナの固有魔法は結界の生成」と聞いてはいたけど、簡単に見抜かれるとは思わなかった。流石に自身でエキスパートって言うだけあるって事ね。
「1週間ぶりじゃな、アリナ。大好物の天使のパンを諦めざるを得ない程忙しかったとは、どんな用事だったか教えてくれぬかの?」
「かなりボアリングだったんだケド。エルダーガールが来てくれたから、アリナ的には結果的にベターなリクエストにはなったカナ」
見抜かれている以上無意味だと結界を解いたと同時、おタエさんがアリナさんと、
「思ったより大所帯ですね……そして、やっぱりやっちゃんもいますか」
「……みふゆ。それはこっちのセリフよ」
やちよさんとみふゆさんが言葉を交わし始めた。私達はその間、念話で軽く状況確認と作戦の再確認をする。
《まず、アリナさんですが。黒白で身を隠していないので、かなり上の立場だと推察出来ます。ただ単に目立ちたがりで着ていない可能性もありますが……アイさんの情報に偽りは無かった、と言う事でしょう》
《おタエさんとまなかちゃんによれば、アリナはかなりの実力者らしいわね。みふゆと同等か、あるいはそれ以上か……》
《マギウスの1人、でしたよね……最高幹部なら、ういの事も知ってるかな》
アリナ・グレイと梓みふゆという神浜の魔法少女でも上位の実力者2人に加えて、十数人の黒羽根と数人の白羽根。
この相手に対してのチーム分けとしては、大まかに言って5組。
《アリナさんを抑える組。みふゆさんを抑える組。羽根達を抑える組。そしてウワサ結界に突入する組。みんな、覚悟の準備をして置いて下さい》
《 《了解!》 》
で。各組のメンバーの詳細だけど。
「まぁた何やらよからぬ事を企んでおるようじゃな……わっちの折檻がまた欲しいのかの?」
「アッハハァ……♪ 前は敢えてパニッシュメントされてあげたケド、今日は不愉快続きでかなりサディスティックな気分なワケ。全力でリジェクトさせて貰うカラ、アリナを最高にエキサイティングさせてヨネ♡」
「ふむ、よかろう。子供の様に泣き叫んでごめんなさいさせてやるのじゃ、せいぜい楽しみにしておれ!」
アリナさんは、おタエさんだけだ……組って言ったけど、アリナさんへの対応は自分1人だけでしたいと、おタエさん自身が申し出て来た。
実はアリナさんとおタエさんは数年来の付き合いらしく、以前にも悪巧みをしたアリナさんをオシオキした事あるらしい。ので、今回はおタエさん1人に任せても大丈夫と燈湖もデンドロビウムも判断したようだ。
それでも幹部を任されている程の相手に1人はどうかと思ったのだけど、おタエさん曰く、
「アリナ相手では、高い実力と高度な即応力のある娘でなければ足手纏いになりかねんからの。ならば、わっち1人だけの方がやりやすいのじゃ」
らしい。
というか、戦意をぶつけ合ってから2人してどこかに駆け出してしまったから、すでに手助けしようがない。もうアリナさんへの対応は今後もおタエさん1人でいいんじゃないかしら……
「もう、アリナったらまた勝手に……! マギウスとしてここの守りを任されたのですから、離れては意味がないじゃないですか! すいませんみなさん、数分で構わないのでこの場を――」
「待ちなさい、みふゆ。貴女はここに留まって貰うわよ」
アリナさんを引き戻しに行こうとするみふゆさんに、やちよさんが立ち塞がり阻害する。加えて、
「……今のやっちゃんに、ワタシを抑えられますか?」
「実力はともかく、覚悟が完全に決まっているみふゆを相手にするのは、精神的に厳しいわね。でも――」
「トラウマの克服も兼ねて、やちよさんには基本1人で貴女に立ち向かって貰いますが……サポートは、私が全力でさせていただきます。やちよさんは1人ではないのです。だから、何も問題はありません」
「私とデンドロビウムさん、2人が相手よ」
「っ……よりによって、アナタですか……高く評価された、と喜べれば良かったんですけどね……ハァ、貧乏くじを引かされた気分です……」
やちよさんの斜め後ろに燈湖(とデンドロビウム)が立つ。かつての親友相手にやり辛くとも、彼女達のサポートがあれば封殺するのも不可能じゃない。
で。結界突入組は私(と女王様)、いろはちゃん、まどかちゃんの3人?だ。
私といろはちゃんはまぁ、アイに直々に指名されたからだけれど、何故そこに見滝原のまどかちゃんを入れたかと言えば。
《単純な話よ。まどかもいろはレベルにお人好しだからって言うのと、武器の相性が良さそうだからシナジー効果が期待出来そうだからよ》
と女王様に評価されたからだ。女王様がそう判断したとなると、やっぱりピンク髪の娘はお人好し属性の傾向が高いのかしらね。
そして、残りのメンバーで羽根達を抑えてもらう訳だけど……アイ曰く、
『私のウワサ結界の出口は、神浜セントラルタワーのヘリポートに設定されています。そこでマギウスか、マギウスの翼内でも戦闘に長けた魔法少女が待ち伏せしている恐れがあります。なので、全員入口に向かわず何人か出口に向かって偵察した方が良い、と提案します』
らしいので、今回のメンバーの中で時間停止で隠密行動出来る暁美さんと、固有魔法がサポート向きなまなかちゃんに偵察してもらう事になった。
つまり、さやかちゃんとポーチュラカの2人だけで、20人近くいる羽根達を抑えて貰う事になったのだけど……
「私には、視覚に死角を作らない資格がある! この一勝に一生をかける意気込みでいくよ!」
「……お前は何を言っているんだ? というか、何故だか寒気が……何だこれは、気が抜ける……?」
「あははっ陽友花はこんな時でも相変わらずだね! おかげで無駄な力が抜けてやる気出てきたわ!」
……うん、人数差的にちょっと心配だったけど、杞憂そうね。
魂が陽友花ちゃんだったら厳しかったかもだけど、何だかんだフラスベルグ決戦に参戦しただけあって、ポーチュラカの実力は有象無象の魔法少女じゃあ相手にならない程高いでしょうね。フラワーナイトガール的に言えば、レベル100フルアンプルゥは最低でもあると見てるし。
さて。他の組は問題なさそうだし、私達も行くとしますか。
「うわぁ……改めて立ってみると、凄い高いね。しかも夜でかなり暗いからか、吸い込まれそうな怖さがあるっていうか……」
「だね……底の見えない深い穴を覗いてるみたい……ここから飛び降りるには、かなり勇気がいるね……」
「やっぱりやめとく? 私1人でも、倒されに待っているウワサなら問題ないわよ?」
「……いえ、覚悟は出来てます。それに、アイさんを倒しただけじゃ意味がありませんから」
「モッキュモッキュ!」
「うん。私はさなちゃんを自分の手で助けてあげたい。だから、怖気付いてなんていられない!」
「うんっそうだよね! 私もいろはちゃんの意見に賛成だから、手伝わせて!」
「ありがとう、まどかちゃん!」
ふむ。やっぱりピンク髪の娘はお人好し属性値が高い理論……持論だけど。あるかもだわ。
「そうだ! 怖いなら、3人一緒に手を繋いで飛び降りよっか!」
「そうですね! カトレアさん、どうですか?」
「どうって言うかね? 私、空飛べるから怖くないんだけど」
「「あっ」」
……2人とも、高さと闇で恐怖心が増しててつい忘れちゃってたのかしらね。ちょっと抜けてるとこ可愛い。
《そもそも、私の杖に乗って降下すれば、わざわざ飛び降りる必要ないのよねぇ。2人共小柄な方だし、ギリギリ3人乗り行けるわよ?》
「あっ」
……女王様からブーメランを投げつけられた。ちょっと恥ずい。
まぁそんな訳で。3人で私の杖に、私が先頭で跨り後ろにピッタリしがみつく感じでいろはちゃん、同じ感じでいろはちゃんにまどかちゃんがガッシリしがみついてギリギリ乗れたのを確認してから、私は超スピードで降下していた。
「ちょちょっ! ちょおっと速過ぎないですか!? 流石にこの速度は怖いよぉ!」
「だっ大丈夫っ大丈夫だよまどかちゃんっ! だってカッカトレアさんはカトレアさんなんだよ? 世界からカトレアさんだから!」
《恐怖心で意味不明な事言ってるわよ、いろは。と言うか舌噛むから念話にしときなさい》
《女王様が魔力感知で調べた結果ね、最低でも人間が飛び降りた時の速度でないとこのウワサ結界に入れない仕様になってるみたいなのよね。だからまぁ――覚悟はいいかしら? 私は出来てた》
《 《 先に言って下さいっっ!! 》 》
ふふっ、2人ともイジり甲斐があって可愛い。
次回投稿予定は、7月27日デス。せっかくのナズナの日なので、何としてでも投稿したいところです。7月中お仕事が忙しい予定なので、結構厳しかったりしますが……死なない程度に頑張ります。