魔法少女花騎士☆マギカ   作:繭浮

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 お待たせしました。リアルで色々あって、執筆意欲自体が湧いてこない状態でした……みなさんも、お身体にお気をつけ下さい。


宿命に抗う少女達1-5

「あんまりバカにしないでよ。私は、貴女が思う程子供じゃないわ!」

「……(ぺこ)」

 

 私の怒りの平手を受けたデンドロビウムは、何も言い訳せずにひとつお辞儀をして謝罪の意を示した。

 

「今のでトウコさんが起きたようです。代わりますね」

「ん」

 

 私の方もカトレアが起きたみたいだから、デンドロビウムに平手打ちした事を伝えてから交代する。

 

 

 △ ▼ △ ▼

 

 

「……」

 

 ……女王様に思いっきり右頬を引っ叩かれたようで、右頬にモミジがある燈湖。私と女王様が交代したのを確認してから、顔を少し右に向けて左頬を私に差し出す姿勢になる。

 

 右の頬を叩かれたら左の頬を……とかなんとか聞いた事あるけど。私への罪悪感からか、それとも自罰の気持ちからかしら。何にしても、私の怒りを無抵抗で受け止める気ね。

 

 でもそれなら。

 

 パチンッ!

 

「「ちょ」」

 

 私は、少し赤くなっていた右頬を平手打ちした。右頬の赤みが更に増して、少し腫れたような状態になる。

 

 女王様の突然の平手打ちに驚いていたいろはちゃんとやちよさんが、更に困惑して声を上げる。けどまぁ、すぐ済むから説明は後。

 

「……そうだな。痛くなけりゃ意味ねぇからな」

「そうね。それと、文句も言うわよ。私はもう、ただの守られるだけの存在じゃない。共に肩を並べて戦う戦友よ」

《だから、私達も作戦の一部として使いなさい。わざと作戦枠から外してるんじゃないわよ》

「大方、汚い事は自分が全部被ろうとか考えたんだろうけど。いくら幼馴染みで親友でも、過保護過ぎるとイラつくんだからね!」

《改めないなら、今後は「さん付け」で呼ぶわよ。デンドロビウムさん?》

「女王様に同じくよ、燈湖さん?」

「《やめてください、それは私に効きます》」

「《……。ぷふっ》」

 

 2人同時に同じ言葉を発するものだから、苛立ちや怒りより笑いが込み上げてきて、こっちも同時に吹き出してしまった。

 

 ……ま、引っ叩いて不満をぶち撒けた時点で、負の感情はだいたい引っ込んでいたのだけれど。多分女王様も同じく。

 

 と言うわけで。

 

「こんな辛気臭いだけの廃墟前にいつまでもいても意味ないわよね。んー……ここからならみかづき壮の方が近いか。やちよさん、作戦会議の場として貸して下さい」

「だな。色々と情報整理と共有もしときたいしな」

「え? ……あぁ。えぇ、別にいいけれど……」

 

 私が怒りを爆発させていたのに、直後に燈湖と何もなかったかのようにいつも通りの会話を始めたからでしょうね。唖然としたまま、流れで了承してくれた。

 

 対して、やちよさんより私達の事をよく見て来たいろはちゃんは、

 

「……いいなぁ。私もカトレアさんと、あんな風に何でも言い合える仲に……」

 

若干の嫉妬混じりな小声で、そう呟く……な、なんか恥ずい。ギリだけど聞こえてるの気付いて、いろはちゃん!

 

 ま、まぁともかく。野次馬が集まる前に、さっさと移動しちゃいましょ。

 

 

 

 杖で全員乗せて飛べたら楽だったのだけど。流石に6人は無理だから、私と5人、それといろはの肩に座るモチョ(というか、今までどこに隠れてたのかしら)にも一応認識阻害をかけて、歩きでみかづき壮へと向かった。

 

 肉体的には、大して疲れてはいないでしょうけど。みんな、精神にかなりの負荷がかかっているでしょうし、時折休みながらの徒歩は正解だったかも。

 

 というか。精神攻撃に晒されて疲弊してるのは6人(女王様とデンドロビウム含む)であって、引き篭もってた私と燈湖はそんなでもない……のだけど。ドッペル化して負の感情の塊になったせいか、思ったより疲れている。

 

 端的に言って、もう寝てしまいたい気分。

 

(……なんだけど。燈湖にとっても、予想外の事があったものね)

 

 巴さんがマギウスの翼に所属しているかも、というのは、杏子と燈湖も予想していた事だけれど。狂信者みたいになってたりウワサと合体していたりは、流石に予想外だったらしい。

 

 見滝原のみんなには、どう説明すれば良いのかしらね……とりあえず、魔女化させないためにも神浜に来てもらってから説明すべきよね。

 

「……カトレアさん、着いたよ」

 

 ……と、考え事をしながら歩いていたら、いつの間にかみかづき壮の前だった。

 危ない危ない、デュラ……りつちゃんが声かけしてくれなかったら通り過ぎてたわ。

 

「七海さん、電話貸して。ウワサの精神攻撃から世界花が守ってくれたから、スマホが電池切れしてた」

「……そうね。今から話し合ったら、帰りが遅くなってしまうものね」

「ん。ありがと……」

 

 そう言ってりつちゃんは、みかづき壮の家伝話の方へ小走りで向かう。家族、それとステラちゃんに無事を報告するためね、きっと。

 

 私達は、先にリビングへと向かう。

 

「んじゃあ今の内に、最優先事項を話し合うか。鶴乃についてだ」

「……鶴乃ちゃんにも、精神魔法耐性付けてましたけど……あの、みふゆさんの記憶の追体験は……」

「……ええ。鶴乃にとっては劇薬だったでしょうね。耐性強化されていても、身構えていても、深い洗脳を受けたと見て動いた方が良いわ」

「女王様の意見はどうだ?」

《やちよの意見に同意、てとこね。何度も言うけど、耐性強化は気休め程度だし……ツルノは、簡単に解けないレベルで洗脳されてるでしょうね》

 

 ……鶴乃ちゃん……いつでも明るくて、時々大袈裟なくらい明るいから、3人の中では精神的に1番強いと思ってた……けど。

 

「……いつもの明るい鶴乃ちゃんは、空元気だったのかな……私、気付けなかった……!」

「鶴乃が明るい性格なのは昔からよ。けど……私は、気付けたはずなのに……ううん、自分に「鶴乃は大丈夫」って言い聞かせていたのよ……」

《はいはい、暗いのはナシ! 次!》

「えぇ……」

「ま、暗く落ち込めば解決する問題じゃあないのは確かだな」

《空元気も「元気」には違いないんですよ。むしろ、「空」とはいえ周りを心配させまいと明るく振る舞っていたツルノさんを、決して精神的に弱い人間とは言わせません》

「と言うわけで次。フェリさな2人は多分すぐ洗脳解けて、さなちゃんの固有魔法で抜け出せるでしょうから問題ナシ!」

「だな」

《ですね》

《次!》

「流石に2人の扱い雑過ぎないか? ま、アタシも問題ないとは思うけどさ……それより1番の問題は、マミのヤツだ」

 

 杏子がどこか、悔しそうな顔で俯きながらそう切り出す。

 

「とりあえず、見滝原組には「神浜に来て貰って説明する」のは確定ね。それより、巴さんを元に戻す方法っていうか、合体してたウワサを引き剥がす方法っていうか。そこが問題よね……」

「女王様の魔法で、なんとか……出来るなら、発言してますよね……」

《まあね。あえて言うなら、マミのソウルジェムに直接触れられれば、調整の応用で何とかなるとは思うわ》

「……問題は、近付くのすら困難な手数の多さ、かしら」

『うーん……』

 

 ……流石に、すぐには良い案は出てこない……燈湖が何やら思案顔だから、何かしらの解決策は思い付いたっぽいけど……

 

「……洗脳を解くんじゃなくて、自力で解かせるのが、1番負担がないと思う。巴さんも、多分同じ方法で行ける気がする」

 

 いつから聞いていたのか、電話を終えてリビングに来ていたりつちゃんが発言した。ほんといつ入って来たか分からなかったからちょっとビクッとした。

 

「りつ。お前の意見を聞こう」

「ん。洗脳も、ウワサによる魔法。なら、魔法には魔法。巴さんも、多分洗脳から抜け出せれば、自力でウワサを引き剥がすと思う。あの人、結構強いから」

「……具体的には、どんな魔法が理想だ?」

「んー…………」

 

 燈湖に問われ、しばし思案するりつちゃ……いや、違うわねこれ。

 

「……燈湖さん、何でボクに言わせたがってるの?」

 

 2人共、答えは出ている時の顔だわコレ。

 

「ちょっと、燈湖もりつちゃんも。答えが出てるなら早く言いなさいよね」

「えっ!? 2人とも、何か名案があるんですか?」

「んー。そういや、いろははまだ知り合いじゃねぇか。チームフラワーナイトの常連客に、良い感じの魔法が使えるヤツがいるんだよな」

「ん……あの娘の魔法なら、洗脳も解けると思う」

 

 常連客、そして交友範囲があまり広くないりつちゃんが知っている魔法少女……あっ!

 

「みとちゃんの「心を繋げる魔法」ねっ!」

《あーなるほど……アレならいけそうね》

 

 女王様のお墨付きも来た! これでいける!

 

《ですが、みとさん達は3人で一人前な、まだまだ新人な魔法少女です。それに、相手に触れなければならない以上、ある程度ツルノさんやマミさんを弱らせ、その場に留められるだけの実力も必要です》

「それに、みとは1人……つまり、1人の洗脳を解いている間、もう1人はなんとか拘束しないと……かなり大変だと思う」

「そりゃあ、それはアレだ。鶴乃に対応する組と巴マミに対応する組で、2チームに別れれはま良いだろ。それに……」

 

 燈湖はニヤッと笑い、多分速攻で組み上げた秘策を告げる。

 

「「心を繋げる魔法」を使えるヤツなら、もう1人いるだろ?」

「え?」




 マギレコ、サ終発表されましたが、何やら魔法少女や魔女との設定をオフラインで見られるアプリを出してくれるようですね。

 なんにしても、今までお疲れ様でした。

 一応、完結まで書くつもりですが、7月中は無理ですね……ここから割とオリジナル展開多めなので、多分大丈夫です。

 次回投稿は、7月7日(金)の予定です。
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