タマミツネが好きでたまらない20代男性がタマミツネになった模様   作:syuya

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完結したと思った?

残念、続きます。


20代男性は理解できない模様

 己の肉体にさよならバイバイしてからというもの。なんかすごく身体が軽くなった気がする。いやまぁ、死んだはずなのに身体の感覚があるのがそもそもおかしいわけだが。なんならこうして頭の中で1人駄弁ることもおかしいわけだが。

 

 んぬぅ? 段々と身体の感覚が確かなものになっていく。もしかして、俺死んでない? 生きとるやん!

 あ、これ動かせる気がする。いや、とりあえず目だけ開けよう。

 

 そうすると、目の前には原始的な造りの石材と木材を用いた天井。そこから垂れ下がるランプ。自分はどうやら仰向けに寝てたらしい。よし、ちょっと身体を動かしてみよう。のっそりと起き上がってみる。意識がはっきりしてくると、右手、右足の甲、尾てい骨辺りが痛むのがわかる。でもあの時に比べたらなんて事ない。

 

 辺りを見渡すと、自分は大きなベッドにいた。右手側には机や椅子。窓?みたいなのもある。そこからは暖かそうな日差しが。

 

 近くにはいくつかの小刀、いや、双剣だなありゃ。かなり古そうな双剣が飾られている。左へ追うように見ていくと、大きな箱や、大きな暖炉。大小様々な大きさの瓶や壺が置かれた棚など。

 とにかく狭い割にビッグスケールなものがたくさんある。というか、これは。モンハンの主人公の自宅みたいだ。

 

「あ、目が覚めたのね」

 

 はっと声がした方を見ると、そこには白と青を貴重にしたアルプスの少女ハ〇ジみたいな格好をした女性が1人。てかこいつは、俺の尻尾を切ろうとしたあの双剣女! 通りで壁に双剣が飾られてるわけだ。許さん。この距離なら外さない。喰らえ! 怒りのブレスを!

 

「はあぁ」

「ん? あはは、威嚇しないで、もうあなたを傷つける気はないから」

 

 あれ、おかしい。ブレスが出ない。代わりにただのでかいため息が出る。というか威嚇じゃないですぅー。にしても何でブレスが出ない。いや、まてまて。それよりも、いくらベッドが大きいとはいえ、俺の身体が収まるわけがない。

 

 ゆっくりと視線を落とす。力んでキュッとシーツを握った手が映る。右手には包帯が巻かれて、左手は透明感のあるつやつやした綺麗な手。

 

 あ、あれ?

 

 顔を触ってみる。ぷにぷにしてる。めちゃめちゃもち肌や。その時、手に髪が触れた。頭の頂点から辿ってみると、トゥルトゥルした髪が顎の辺りまである。いや、後ろ髪はもっとだ。ずっと寝てたから伸びたのか。にしては髪質がいい。うぅ、後ろ髪届かん。

 

「あなた自身もびっくりよね。人間になるなんて」

 

 人間、だと。あれでも、え? 頭が追いつかない。頭の上にハテナマークを浮かべた俺を見兼ねてか、彼女はベッド脇にあった椅子に腰掛ける。そしてゆっくりと口を開いた。

 

「説明した方が良さそうね。あなたはあの洞窟で人間の状態で発見されたの。何でかはわからないけどね。最初は私達もそんな訳ないって思ってたんだけど、私達が負わせた傷の位置、倒れたあなたをクッションのように守っていた泡。それをみて、あなたがあの新種モンスター『タマミツネ』だって思わざるを得なかったの」

 

 はぁ、俺は何故か人間になってたと。なんなんだ。モンスターにされたかと思ったら人間になったり。

 

「ほっとくわけにもいかないから、ここに連れてきたのはいいけど、4日寝たきりだったのよ? あなた」

 

 えぇ、そんなに。

 

「だから、お腹空いてると思って、じゃじゃーん! 私が焼いたお肉! 食べる? 」

 

 じゅる、意図せずよだれ出た。そりゃお腹は空いてるに決まってる。4日寝てたなら正確には5日何も食べてない。俺は首を縦に何度も振った。差し出された木製の皿を受け取る。早速いただきます!

 小分けにされた肉をひょいぱくひょいぱく。その間にも、女の人は優しい笑顔で俺を見つめていた。

 何見とんじゃ。ぱく。見せもんちゃうぞコラ。ぱく。美味いやんけこのぱく。肉汁がなんともぱく。

 あっという間に完食し、感謝を伝えようとした。

 

「っ、? っ! 」

 

 声が出なかった。

 

「ん? どうしたの?」

 

 そう言われても、答えることができない。俺は身振り手振りでなんとか伝える。

 

「まさか声が出ないの?」

 

 肯定の意を示すべく何度も頷く。というか今のジェスチャーでわかったのか、すげぇな。

 

「んー、私の言葉は理解できるんだよね? うん、よかった。でもどうしよう……ま、後でセラ君達に相談するとして。まだ自己紹介してなかったよね。私はリリア。よろしくね! 」

 

 そう言った彼女は右手を差し出した。と思ったらすぐに左手に変えた。俺の怪我を考慮してくれたのだろうか。あの時殺気をむき出しにしていた人物とは思えない優しい笑顔。

 

 整った顔立ちに見つめられ少し顔が熱くなる。し、仕方ないだろ。女性経験ほとんど無かったんだから。

 ともあれ、悪い人じゃないだろう。傷つける気が無いって言葉も、きっとほんとうだ。俺は少し怯えながらも、その左手を握った。双剣を振り回してるとは思えない柔らかな手。

 すると突然リリアはベッドに上がり、俺のことをそっと抱き寄せた。えっ、健全な男子にはちょっと刺激が。あ、でも柔らかいのはあまり当たらな……。

 

「ごめんね、怖かったよね。でも大丈夫、もうあなたを傷つけないから」

 

 泣いていた。予想外な展開に追いつけない。でもきっと負い目を感じたのだろうか。

 さっきまで、俺はリリアをブレスで殺そうとしてた。でもそれはリリアも同じで、あの時俺を殺そうとした。それはお互い命を守るため。分かっていてもそれが彼女の中で罪悪感となったのだろうか。

 俺は少しドギマギしながらも、キュッと抱き返した。しばらく経つとリリアは抱擁を解いて、俺の頭を撫でた。なんか、女の子にこうされると、恥ずかしい。けど悪い気はしない。続けたまへ。

 

「ふふっ、恥ずかしいとこ見られちゃったなぁ〜。私、滅多に泣かないんだよ? そうだ! せっかく人間になったんだから、お風呂入ろ? 」

 

 えっ。

 

「そんなに首振って拒否しても、もう遅いよ〜。実はあなたが目覚めたらいつでも入れるように準備してたの! ちょっと待っててね」

 

 そう言うと、ベッドの左側の床にある扉を開けた。リリアは俺を軽々とお姫様抱っこする。

 うぅ、よ、よせ! 恥ずかしい! バタバタ暴れても、彼女は笑っている。この華奢な身体のどこにそんな力があるんだ。

 

 地下には風呂場があった。こんなんゲームには無かった。リリアは俺を丁寧におろして座らせた。足に力が入らん。立てん。そりゃずっと寝てたなら筋力も落ちるか。するとリリアは着ていた衣服を脱ぎ出した。えっ、なんしてん自分! 男の前で脱ぐとかなんしてん!

 

「どうしたの? そんなに見られると恥ずかしいな……。先にあなたを脱がせちゃおっか」

 

 頭大丈夫かこのアマ。とんでもない事口走って、あちょ、やめ! 変態タマミツネに続いて、今度は痴女って。この世界には変態しかおらんのか!

 

「にしても、かわいい服だよね。あなたの綺麗な黒髪とすごく合ってる」

 

 そう言われて視線を落とした。えっ、なんでこんな足出してんの。でもあれ、すね毛とか全然無い。薄い方ではあったけど、まっさらに生まれ変わってる。こりゃ人生1から始めなければ。ってそうじゃない。

 自分の足じゃない、こんな綺麗で細くない。

 

 服も最後に着てた部屋着じゃない。巫女服みたいな和を思わせる服。タマミツネ装備みたいな。確かにかわいい服だけど! 初対面の女の子とお風呂って、心の準備がぁ!

 

 全力でリリアに対抗するが、力の差がありすぎる。

 

「何でそんなに抵抗するの? 女の子同士なんだし! 私、裸の付き合いとかしてみたかったんだ〜」

 

 へ? 女の子? そう言えばあの変態タマミツネも野太い声で惚れたって。本当に女の子ならタマミツネ時代にそう言われたのも説得力あるけど。

 リリアに一旦待ってとジェスチャーする。不思議な顔しながらも待ってくれた。試しに胸へと手を這わせると膨らみがある。ってことは下も無いんだろ分かってるよ。察した。俺はTSとやらに見舞われたらしい。

 

 もう、どうなってんだよこの世界。

 

 

 

 

 

 

 






当初は前回までで終わる予定だったんですよねぇ。

さっき何となくランキング乗ってないかな〜なんて思いながら見てたら、39位にタマミツネって。20代男性はタマミツネになった模様って。ランキングに。乗ってたんすよ。タマミツネが。39位って。

嬉しくて2枚写真撮りました。これは続けなきゃと思って、急いで書きました。誤字脱字あったらすみません。

本当に皆様に感謝です。これからもぼちぼち行きます。567マシになったら頻度は下がりますが。

あ、後タイトルに模様って付け忘れてました。設定ガバガバやないか。


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