タマミツネが好きでたまらない20代男性がタマミツネになった模様 作:syuya
タイトル詐欺?
あはは、ナンノコトデセウカ。
あれから3日が経った。相変わらず俺はリリア宅に居候している。というか1歩も外に出てない。リリア曰く、外は危険らしい。それ通じるんは小さい子供だけだぞ。
その代わり家では筋力を戻すために歩き回ったり、リリアの双剣を振り回したりして遊ぶ許可を得ている。
ただやはり問題はお風呂だ。中身20代男性見た目10代女性が、ほんとの10代女性とお風呂は世間的にまずい。あ、リリアは19歳らしい。ただ、見た目だけで言えば俺はリリアとタメに見えるそうだ。
見た目は問題ない。ただの仲のいい姉妹のようだが、中身がダメだ。もう俺25よ?
お風呂も背中合わせに入ることを条件にしたが。
「あはは、ミツネちゃんの背中擦ったら泡風呂みたいになっちゃった! 」
ミツネちゃんというのは俺に付けられた名前。タマミツネだからミツネって安直だな。
2日目のこの発見以降、俺は生きる石鹸のような扱いをされてる。お風呂掃除やら、洗濯やら、今だってほら。
「ありがとうお皿洗い手伝ってくれて。ミツネちゃんが洗うとぴかぴかになるから助かる〜」
手からじわじわと泡を分泌させながら木製の皿、お箸やらを洗う。この世界にスポンジはなく、使わない布なんかで洗う。
まぁ、3食しっかり食べさせてもらって、居候までしてるんだからこれくらいはしないと逆に申し訳なくなる。
洗い物を終えると、俺はベッドの上にバタっと倒れ込み、うつ伏せになる。毎日やってるとはいえ、まだまだ体力が貧弱だ。
「お疲れ様、いつもありがとう」
頭を撫でながら言うリリアにサムズアップする。
「ね、ミツネちゃん。今日、会って欲しい人達がいるんだけど、夜なら歩ける?」
むくっと起き上がり、リリアに向き直る。彼女は不安気に綺麗な赤い瞳でこちらを見つめていた。今からと言わないのはリリアなりの優しさだろう。
会わせたい、リリアがそんな風に言うのは自分の仲間のことだろう。今でこそリリアは信用できるが、彼らはわからない。正直怖いが、仮にもリリアの仲間。殺されはしないだろう。ましてや今は人間だしな。
俺はこくりと頷く。それをみたリリアはふっと微笑んで抱きしめてくる。相変わらず、無いな。
「ありがとうミツネちゃん」
身長があまり変わらないから、耳うちされる。俺はリリアの背中を軽く叩いた。
日が落ち、辺りからランプや松明などの淡い明かりが点々と輝く。俺はおぼつかない足取りでリリアに支えてもらいながら歩いた。人気のない丘に、ランプの明かりが目立つ。そこへ向かってるようだ。
息切れしながらその場所へ行くと、やはり、あの時の3人がいた。彼らは立ち上がって、俺を見つめていた。
「その子、だいぶ元気になったんだね」
背の高い黒髪の男が微笑んだ。こいつはあの時弓を持ってたやつ。
「へぇ〜、よくみたらかわいいじゃん」
頭の後ろに手を組んだ茶髪のツンツン頭がにっと笑う。
「うん、流石リリアだね。怪我もすっかり良くなったみたいだ」
金髪を丁寧にセットした彼は、あの大剣使い。
3人とも、あの時とはまるで別人のように柔らかな印象。こんなに人って変わるんだ。逆にこわい。
すると金髪大剣が1歩前に出て口を開いた。
「まずは謝らせてくれ、君を殺めようとした事。本当にすまなかった」
そう言って頭を下げた。俺はその子に近づきそして。
ペちっ
「え? 」
彼の頭を上げさせ、全く力の入ってない手で平手を打つ。
「ふふ、仕返しされたんじゃない?」
リリアのポニーテールが揺れる。そう、許してやるが1発叩きたかったのだ。こちとら死まで覚悟したんだぞ。
俺は次にツンツン頭にペちっ。黒髪短髪に、短髪に、高いねんしゃがめ。ペちっ。
よし気が済んだ。俺はリリアの隣に戻る。ついでにペちっ。俺はその後リリアと金髪大剣を指名してから自分の頬を指して、目をつぶった。っしゃこい。自己防衛とはいえ、俺も2人を吹き飛ばしたんだ。さぁこい!
しかし俺は2人に頭を撫でられる。え、なんで。
「さっきのでチャラだよ。君はもう僕達の仲間なんだから」
「そういうこと。さ、自己紹介しましょ! 」
リリアが手を叩くと、俺は2人に背中を押されながら輪の中へ入っていく。夜はまだまだ続きそうだ。
それにしても、なんでここまで大切にされてんの。嬉しいけど、なんでだろう。
背の高い黒髪短髪 ザール
生意気なツンツン頭 バンジ
丁寧な金髪大剣 セラ
黒髪ポニーテール リリア
ミツネの覚え方である。
※
感想でも指摘して頂いた事に関して、少し物語をねじ曲げる必要が出てきました。そのため次話はしばしお待ちください。