ーーーーーーーー2年後。長野県のとある病院
〜神楽side〜
「706号室の今井リサさんですね?了解しました。どうぞ、お通り下さい」
「ありがとうございます」
受付のナースにそう言われ、紗夜さんは礼を言って、706号室にいる、リサの元へ向かい出した。
ーーーーーーーーそう、
「……大江さん?何時までそうしてるのですが?今井さんが待っていますよ?」
迷った訳ではない。足に何十kgかの錘が付けられてるかのように、俺、大江神楽の足が全く持って……動かないのだ。
「いや……分かってるんだけどさ……?この2年間面会しかしてあげれなかったから……ちゃんと、接して上げれるかな……って」
「はぁ……、全く、そんな事でさっきから彫刻像のように固まっていたんですか?今井さんの彼氏が聞いて呆れるわ……ほら、
彼女と書いて今井と呼ぶ紗夜さん……何か悪意ある様に聞こえるのは俺だけですか?もしかして……ヤキモチとか妬いてたり??いやそんな訳ないか。
「色々とありましたが、この2年間で私は貴方の親友になったんです。悪意としてではなく励ましとして捉えてくれてもいいんじゃないのかしら?それに、誰だってヤキモチくらい湧くものです」
「いや普通に俺の心の中を読み取らないでくれません?凄い通り越してこわいんだが……」
「ふふっ、ごめんなさい。不可抗力だったわ……さ、早く行きましょ」
(不可抗力って……やっぱ紗夜さん凄いわ……)
冗談交じりそう思いながら、ようやく歩き出す決心がついた俺だった。
そんなことよりもだ。どうして俺と紗夜さんが、此処……長野県内の病院にいるのか説明しないといけない。
2年前……あの日の一件の時、俺は友希那の遺言を実行するべく当時対峙していたリサと紗夜の間に割って入り友希那と
俺の想いを2人に伝え、最後の不死の加護を発動させた。
その際、どうしてだかは知らないがリサの心を支配していた死神の加護が……元い死神が跡形もなく消えて無くなっていた。どうしてそれがわかったか?それはーーーーーーーー
『神楽……紗夜……ごめんなさい…!!ごめんなさい……!!アタシ皆を……Roseliaを……ウゥッ!うわあああああああああああんンンンーーーー……!!!!
ボンドに……ごめんなざい……ほん……どに……ウゥッ!エグッ!……!!』
俺を愛する為なら、どんな犠牲もい問わない。自分の大切にしてしたもの全てを捨てる気でいた当時のリサが、泣きじゃくて、泣きじゃくって……これでもかというくらい涙を流して俺と紗夜に謝ったのだ。
その時俺は、漸く確信した。
リサはあの時……友希那を殺したあの日から、ずっとずっと……心の中で様々な感情、衝動を持ったリサと戦っていたんだと。どんなに絶望的な局面に立たされても屈しず、堕ちる事を拒み最後まで死神の思惑に抗っていたんだと。
そう思った俺は、今まで起きた騒動を振り返り、ある事を提案した。
『リサ病院へ行こ?今のお前なら、壊れてしまったその心を……治せるはずだ。漸く元のリサに戻ってくれたのに、警察に引き渡してもう二度と……会えなくなる。なんて事……俺は嫌だから』
『神楽……でも、そんなこと出来るの?』
『原田さんに事情を話せば……それに、もうお前は1人じゃない。俺と紗夜さんが、必ずお前を守ってやる……そうですよね?紗夜さん?』
『はい。今井さん……1度失ったものは、時間は、もう戻って来ません。取り戻すことはもう……出来ないわ。でも……心だけなら、長い時間を掛けて元通りに出来ると私は思ってます。それはここに居る誰にでも言えること。だからーーーー』
そう言って紗夜さんは、俺の方を見た。恐らく……「貴方も同じ意見ですよね?」と確かめる為に見たのだろう。そう思って俺は静かに頷いた。
そして再び、リサの方に向き直りーーーー
『ーーーー2年。2日や2ヶ月では恐らく私達の心の中に出来た溝、傷は癒えません。ですが2年ならきっと、元通りになるはず。なので今井さん、約束です。2年後、私達が必ず貴女を迎えに来ますので、どうかその時まで自分の心と身体を癒して頂戴?』
『…………うん。わかった、約束するよ。2年……2人にちゃんと顔向け出来るように、元のアタシにちゃんと戻れるように……がんばるね?』
ーーーーー暫くして、原田さんが来たので、俺と紗夜さんで原田さんを説得させようと試みた。不思議な事に、原田さんも同じ考えだったらしく、知り合いが長野県の病院で、精神科の医師を務めてるとの事で、そのまま原田さんはリサを保護して長野県の病院へ送り届けてくれた。
そして……2年後、今に至る。
「今思い返すと、この2年間結局リサの事が心配で面会って形で週1ペースで様子見に行ったな…」
「そうですね。まぁ私も今井さんの事が心配だったので、お互い様って感じですね」
エレベーターを経由して、7階に着き、リサのいる706号室へ向かいながら、俺と紗夜さんはそんな会話をしていた。
因みに、この2年間、俺と紗夜さんら無事学校を卒業し偶然にも同じ大学に進んだ。大学生生活を送ってる際も毎週欠かさずリサに会いに行った。
それとは別に、俺と紗夜さんはあの騒動の後色々とやるべきことをして……リサが退院したら行う
「なぁ紗夜さん。改めてリサの退院日を迎えたけど、あの計画……リサは受け入れてくれるかな?」
「そればかりは何とも言えないけど……今井さんを信じましょう。今井さんならきっと、受け入れてくれるはずだと」
「そうですね……っと、着いたか」
色々と会話をしている内に、リサのいる706号室の扉の前まで来た。
2年間……面会を除いてリサと接する、連絡する事をしてこなかった。彼女の身体が、心が無事癒えてくれている事を願いながらーーーー
俺は、扉をノックした。
「どうぞ〜」
リサの声ーーーーひとまず部屋には居る。問題は、その後だ。
紗夜さんの顔をみて、紗夜さんも俺をみて、互いに「何時でも出迎えられる状態である」ことを確認した。
『失礼します』
俺は扉を開けた。
そこに待っていたのはーーーー
「神楽ーーーーーーーーッ!!」
「うぉあッ!?」
分かっていたが、そこに居たのは誰でもない。俺の愛しの彼女、今井リサその人だった……のだが、それを確認する暇を与えないリサによる、ダイビングハグをモロにくらい、俺はうしろの壁に激突した。
「今井さん、元気そうで何よりで……と言いたい所ですが、退院したとはいえ仮にも病み上がりの身です。もう少し自分の行動を謹んで下さい!」
「アハハ……ごめんごめん♪でも、この2年間ずっとずっと……待ってたんだ。アタシの事を神楽と紗夜が迎えに来てくれるのを、ずっと……待ってたんだよ……ウゥッ、ほんとに……今か今かって、ずっと……ヒグッ、待ってたん……だから……ッ!」
俺達が来てくれたことに感極まったのか、俺の胸元でリサが泣き出した。
「そうだよな。2年間、よく頑張ったなリサ。面会の日以外は……大人しく療養してたって感じか?」
「うん。面会以外の日は精神科の先生とか、ナースの人とカウンセリングしたり、偶に原田さんが当時の近況を聞きに来てくれて……お陰様で、この通り♪
「そうか……ほんとに、よく頑張ったなリサ。えっと……とりあえず、此処廊下だから……部屋に戻ろ?」
「……ハッ!?ご、ごめん神楽!!そ、そうだよね!」
改めて見て、心身共に何ともない事を確認出来て安心した俺だったが、リサのダイビングハグで廊下に出てしまったので、俺達3人は部屋に戻ることにした。
━━━━━━━━━━━━━━━
「失礼するよ。リサさん、おめでとう。改めてこの2年間、ほんとによく頑張ったね」
俺と紗夜さんでリサの退室の身支度を手伝っていると、リサの担当に着いてくれた精神科の先生であろう人が入室して来た。
「あ、先生!その説はホントに、お世話になりました!先生達のお陰でアタシ、
「そうですか。えっと、そこにいらっしゃるのはリサさんの面会に来てくれたお2人さんですね?ご覧の通り、リサさんの精神状態は我々が見る限り正常に戻ることが出来ました。お2人の御協力のあってこそだと我々は思ってます。ありがとうございます」
「そんな、顔を上げてください。此方こそ先生方にはお手数お掛けしました。入院中の2年間、彼女に寄り添って頂きありがとうございます」
「ありがとうございます。これでリサさんは退院となりますが、また何か精神状態で異常がございましたら、是非御相談下さい。何時でもお相手致します」
「ありがとうございます。それでは、私たちはこれで。改めて……2年間今井さんに寄り添って下さり、ありがとうございました」
『ありがとう御座いました』
「はい。お大事に」
一通り先生と会話をして、俺達3人は先生にお礼を言って、病室を後にした。
「ーーーーそう言えば、今井さんに渡すものがありましたね」
「そう言えば、すっかり忘れてたや。リサ?ちょっと俺達の前に移動してくれないか?」
「?……神楽、紗夜?どうしたの??」
病院の受け付けで退院の手続きを終え、外に出た俺達はリサにとあるものを渡すのを忘れていた事に気づき、リサを俺と紗夜さんの前に立たせた。
そして紗夜さんが、さっきまで背中に隠していた13本の黄色の薔薇をリサの前に出し、俺と紗夜さん……声を揃えて、リサにこう言った。
『おかえりなさい』
「!!??……ーーーーただいま」
俺達に言われた言葉と、差し出された13本の黄色の薔薇にリサはとても驚いていたが、それに応えるかのように陽だまりのような綺麗な笑顔で、リサもそう返事したのだった……。
〜to be continuous〜
如何でしたか?因みに、黄色の薔薇には「友情」の花言葉があり、薔薇が13本あると「永遠の友情」になります。
感想、高評価等お待ちしております!
TRUEEND完結後のアンケートもよろしくお願いします。
BADルート完結後のNルートに着いて※特殊設定は無しです尚、メンバーはRoseliaを指します。
-
ヤンデレ具合を抑えた日常編
-
メンバーによる非日常編
-
+メンヘラ化
-
メンバー+メンヘラ化
-
全部やれ