それでは……どうぞ!
「神〜楽♪」
「Zzz……」
「神楽〜?」
ユサユサッ
「Zzz……」
「んもうっ!神楽ってばー!」
バシィッ!!
「うぅああぁぁ!?」
全く……誰だよ、人の癒しの一時を破壊した奴!
「全く!誰だぁ?朝っぱらから俺を叩き起す…奴……え?」
「オハヨー神楽♪早く起きないと学校遅刻しちゃうぞ♪」
「え……リサ……?」
「そーだよぉ〜♪神楽の愛しのリサだよ〜♪」
(え?……なんでそんなリサが俺の部屋に?なにこれ?どゆこと?)
まず、昨日の晩辺りから記憶を遡らせよう。
まず、夕方……練習帰りで荷物を下ろし、夕飯の買い出しへスーパーへ→帰宅→夕飯の支度(ちなみに昨日の夕飯は蕎麦にキュウリの浅漬け)→風呂沸かす→暇つぶし(主にゲームしたりアニメみたりだ)→風呂に入る→歯を磨く→明日の準備→寝る
振り返ってもリサが家に上がって来るような出来事は思い当たらなかった。……となると
「……なぁリサ。何時俺ん家に来た?」
「神楽ん家の電気が全部消えた後だよ〜♪ん〜大体深夜0時過ぎかな?」
「どうやって?」
「玄関の鍵空いてたよ〜♪無防備すぎるな〜神楽ったら♪」
「……迂闊だった」
……やはり…か
「んで、何しに家に来たのかな?」
「神楽と一緒に寝たかった!」
「今更だが……両親は?」
「昨日から旅行にいったよ!1週間は帰ってこないんだ〜♪」
こうして聞いてると頭を抱えたくなる程の身勝手さだ。両親が居ないからといってもやっていい事に限度がある。
(それに両親がそんな娘の姿みたら泣くでしょうに……)
「なあリサ……別に家に上がるなとはいって無いけどさ……連絡くらい寄越してくれれば良かったんじゃないか?」
「だって!神楽に会いたくていても立っても居られなかったんだもん!」
「だもんってなぁ……俺だから良かったけど…1歩間違えたら犯罪だぞ?」
そこは彼氏である俺がどうにかすべき……と思った瞬間……
「犯罪じゃないもん!!」
ガシィッ!!
「リ…サ…ッ!?グッ……ぐるじぃ……ッ!?」
リサの目には光が灯ってなかった……それどころかドス黒い怒りのオーラがリサの身体を纏わせていた。
「アタシの愛は神楽の為にあるの♡こんなに愛情ある行動してるのに…ドウシテワカラナイノ?」
ググググ…ッ!
「あっ…が……リ…サ……!」
リサは更に俺の首を絞める力を強めた。引き剥がそうにも力が強過ぎて剥がせない。
(てか…ヤバい!?このままだと!)
「アタシの愛を理解出来ない神楽には……」
ググググググッ!!
(ヤバい!?ほ、ホントに!!)
「リ……サ……」
「お仕置きが必要だね♡」
「……ッ!!」
……そして俺は奈落のように深い闇へと意識を
…………………………
「……っん?」
「神楽!!」
「わっ!?り、リサ?」
(嘘……だろ?生きてる……?)
何が何だか分からなかった……。俺は確かにリサに首を締められ窒息死した……筈だ。
「ごめんなさい!アタシ……ついカッとなっちゃって……神楽が何も喋らなくなった時に我に返って……ほんとにごめんなさい!!」
「そう…だったのか……ッ!?」
「だ、大丈夫!?」
「大丈夫……っ!」
首に物凄い激痛が走る……どうやら首を締められたのは本当らしい。
……だとすると……偶然死を免れた?
(意識を手放す感覚すらあったのに……今も首に激痛が残ってる……)
俗にいう『死に戻り』……と言うやつだろうか?しかし死に戻りなら時間すら戻ってる筈…そして何より死んだ事は記憶にあっても死んでなかった事にされるんだから……死に戻りとは違う現象…という訳だ。
「……ッ!?まさか……」
死に戻りでない……となると俺はある仮説にたどり着いた。
「どうしたの?神楽?まだ痛む……?」
「ん?あ、あぁ!大丈夫大丈夫!……それよりリサ」
「何?」
俺はリサを刺激させないように話しかける。
「リサ……さっきはスマン…お前の気持ち…分かってやれなかった」
「っ!?い、いいのいいの!アタシ達まだ付き合って1日しか経ってないのよ!?」
……逆に言えば付き合って2日目の朝に俺は彼女に殺された(かけた?)のだ。
「そうか……でもリサ。やっぱり互いの意思とかは尊重し合おう。会いに来る分にはいいけど……連絡してくれると助かる事とかあるからさ」
「うん……わかった……」
時計を見ると7時30分を刺していた。そろそろ友希那も家を出るはずだ。
「やば!急がないとな!行くぞリサ!」
「うん!」
俺は急いで制服に着替えてリサと家を出た。(ちなみにリサは俺が起きる前に一旦家に返って着替えていたらしい。…通りで制服姿のわけだ)
…………………………
………………
…………
俺が家を出ると、既にリサは友希那と合流していた。
「あら、おはよう神楽。遅かったわね……」
「ああ、おはよう友希那。……朝は弱くてな…眠い」
「も〜!そうやって寝ないの神楽!ほらっ!」
ムニュッ!
「んな!?り、リリリサ!?」
「……リサ…凄い大胆ね……」
何が起きたのか……歩きながら寝ようとしていた俺の腕に抱きついて来たのだ。リサが抱きついて来るなんて……幼稚園以来だ。しかし、園児の時と今とじゃ明らかに身体付きが違う……よって今俺の右腕にリサの成長中の
「り、リサ!あ、当たってる……」
「目……さめた?」
「さ、さめた!さめたから!誰かに見られると色々不味い!」
「む〜!もうちょっと悪ノリしてもいいのにな~」
「限度があるでしょうが!」
「ふふっ……嬉しそうね、神楽」
「友希那……フォローしてくれたっていいのに……」
「だ〜め!神楽はアタシのなんだから!友希那にはあげないんだからね!」
「分かってるわよ……」
リサはそう言ってるが……何処まで本気なのだろうか?さっきの事もあるし……
(まあこれがリサが見せる愛の形なら……止めなくてもいいよな)
……この考えが、後に自分を絶望のどん底へ落とす事になるとは……今の俺には予期すらしていなかった……。
…………………………
〜友希那side〜
……リサの様子がおかしい……私がそう思ったのは昨日バンド練習の時からだ。多分だけれど、あの時のリサは神楽にもっと自分を見て欲しい
……そう思うがあまりの過剰的な反応……に見えた。そしてそれは『BLACK SHOUT!』を演奏する前にはいつも通り(?)のリサに戻っていた。
……そう、思っていた。
『アッハハハハハハハハハハ!!♡』
練習が終わって自分の部屋に戻った私の耳に聞こえたのはリサの笑い声……ただの笑い声ではない。あれは……狂気に満ちたそれだった。私は気味が悪くなってリサに電話をした。
最初はなんの変わりのない世間話が続いた。しかし……話題が神楽の事になると……
『神楽って…その、以外と女子力あるよね!』
『神楽のギターテクと歌声…聞いてみたいなぁ〜♪』
最初はそんな感じだった。しかし……
『神楽に抱き締められた時にいい香りがしたんだよ~♡あれは林檎の香りだったな〜♡』
『神楽をもっと感じたいから……当分服とか洗わないでもいいよね……♡』
次第に一線を超えた発言が増え……仕舞いには
『神楽はアタシのモノだからね♡』
『他の女なんかに渡さないんだから♡』
『神楽に手出したら…友希那でも許さないから♡』
……身も毛もよだつってこう言うことだろう。電話を切った後……しばらく震えが止まらなかった。
「もう……手遅れかもしれない……」
このままだと神楽だけじゃない。……他の皆が傷ついてしまう。
「……リサを……救いたい」
そう私は誓うのだった……
リサ:ヤンデレLv Lv3→Lv4
〜END〜
友希那が動き出します……果たして救えるのか……お楽しみに!
高評価、感想等よろしくお願いします!
ルートストーリー(ルートEND)を作りたいけど……
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全然OK!
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ダメデス
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お任せします!