突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R うろつき戦車

 戦車。武器を搭載し戦闘を行う車両のことである。

 詳しい定義は他に譲るが、とにかく大砲を積んだ車だと思ってもらえればいい。

 基本的に装甲で固められ無限軌道で移動する乗り物である。

 現代の戦車は陸戦の王者であり、地上に於いて勝てるものは存在しない。

 

 今回はその戦車が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兄がめんどくさくなったのか、ダンジョンを爆破した。

 23層で発見した宝の地図に書かれた座標にあったダンジョンは複雑な迷宮のような作りだったのだ。

 最初は乗り込んで探索していたのだが、あまりに複雑……というか折返しばかりの構造に怒りを覚えたのか、壁を爆破しだしたのだ。

 

 すでに爆破に最適な魔法陣は開発済み。

 それをひたすらプリンターで印刷して投げ続けることでダンジョンの壁を爆発の衝撃で削り取っていく。

 

 発掘ダンジョンの壁ならいざ知らず、ただの遺跡のようなものでしかない宝の地図ダンジョンはそれでどんどん原型を無くしていった。

 瓦礫を搬出するサメ機人(シャークボーグ)の姿も相まって、完全に爆破解体の作業現場である。

 

 いやあ別にどうでもいい場所だから私は何も言わないけどさぁ。

 仮にも遺跡のように見える建物を爆破するのどうかと思うよ?

 

 さて。ガチャでも回しておくか。

 余計なものを片付けてしまおう。

 

 R・うろつき戦車

 

 出現したのは、生足だった。

 いや正確に言えば生体部品の太い足だ。

 その証拠に、足が灰色に塗装されており、人の足というよりかは触手のようなものに似ている。

 内部に骨のようなものが入っているのか、触手のように自由に動くわけではないようだが。

 

 そして、その生足2本の上に、砲塔がついている。

 戦車の大砲を装備する部分のパーツのことだ。

 それが砲塔だと言わんばかりに、なにやら長い砲がついている。

 

 ようは戦車のキャタピラの代わりに足が生えているものが出現したのだ。

 何だこれは。

 高さは2mもない感じで、砲塔全体の大きさもかなり縮小されているように見える。

 

 なんだ……なんだこれ……?

 

 意識があるのか、そうプログラミングされているのかはわからないが、その2本の足をうねらせるように回転させて自身の調子を確認している。

 ……動作が画一的だから多分プログラムだな。

 

 で、あれはそもそもなんなんだ。

 うろつき戦車とか書かれているが、戦車……戦車? 車の概念が壊れる。

 と言うか乗れるのか?

 

 そう考えていると、うろつき戦車が身体を低くして、まるで乗れと言わんばかりに待機する体勢になっていた。

 いや乗らないからね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄が乗って振り落とされていた。

 どうにも、セキュリティとして所有者以外が乗ると振り落とすような作りになっているようで、兄は所有者ではないと判断されたようなのだ。

 へっぽこな見た目と動きをしていても兵器らしく、使用権限は厳密に取られているようだ。

 

 その後?

 兄に言われて私が乗ったら振り落とされただけですけど。

 じゃあだれが所有者なんだよこれ。

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