突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
トレーディングカードゲームでは、初心者に導入用のデッキとして、すでに構築されたデッキが販売されていることがある。
よりプレイヤーの間口をひろげることによって競技人口を増やしたいために、多くは使いやすく、それでいて少しだけ強いデッキになっている。
最新のカードのパックを買ってデッキからいくらかカードを入れ替えて楽しめるように強いカードが多くなりすぎないようになっているのだ。
今回はその構築済みデッキが出た話だ。
兄が自身のダンジョンを再構築している。
より侵食に適した形に組み替えているのだ。
そのせいで毎回見るたびに見た目が違っている。
朝見たときは大木のような形だったのだが、今見た姿は巨大なゴーレムのような形になっていた。
なんか昔の漫画で見たことある見た目だな。
ラスボスの居城だったような気がする。
変形するだけならともかく、形を変えるごとに地面をえぐって自分の領土に作り変えていく関係上、定期的に周囲でサメもどきが湧き出てきており、それの対処が疎かになっている。
散らかしたらちゃんと片付けなさいよ。
そのせいで周囲から出られないサメもどきが共食いを起こして大変なことになってるんだよ!
そう怒ったらちゃんと片付けるようになりました。
具体的にはダンジョンの周囲が整備された堀になった。
湧いたサメもどきが全部堀の中に落ちて潰れていっている……。
……。
ガチャを終わらせてしまおう。
R・構築済みデッキ
出現したのはプラスチックのシュリンクに納められたトレーディングカードゲームのデッキだった。
パッケージには絶妙に読めない文字が書かれており、日本語のように見えるが読解不能だ。
中のカードも裏面は青い印刷が施されており、枠があること以外は特に目立ったデザインではない。
デザインに上下すら無いんだが。
それに、このカードを見ているとどうやって遊ぶのかさっぱりわからない。
カードの
厳密にはコストと思しき数値が左上に書いてあるのだが、それもよくわからない。
カードの効果で出るコストだと思うのだが、1枚から1点、多くても3点しか出ないのにカードのコスト自体は5点やら6点だ。
それが全てのカードに付いているのだ。
それに……カードの効果もいまいちわからない。
アクションを+する効果が結構見つかるのだが、そのアクションが何をさしているのかさっぱりわからない。
どこにも書いていないのだ。
それに……デッキの3割を占める、この土地のカード。
コストが高い割に、効果欄に何も書かれていない。
そして下になにやらよくわからないアイコンと共に数字が書かれているだけなのだ。
あとこの鍛冶屋のカードすごくない?
使うだけでドロー+3だってよ。
後日。兄がカードを一枚一枚並べているから何をしているのかと思ったら、置いたカードからイラストが3Dとして浮かび上がっていた。
うわあ。
そんな単純な効果を見落とすとか、普通にしくじりである。
やらかした……。
このよくわからないカードの正体だが、兄はわかったようだった。
どうもデッキを構築するボードゲームのカードらしい。
カードデザインがそれのものと一緒なんだそうだ。
……え?
デッキを構築するボードゲーム?
それって……ゲームの中でデッキを作るゲームだよな?
それの構築済みデッキ……?