突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R 画鋲

 画鋲。壁などに掲示物を固定する道具である。

 プラスチックや金属などで出来た頭に金属製の針がついた小さな道具であり、その頭は様々な形状が存在する。

 一般的な形状で言うならば平型の金属であったり、丸い頭であったり、なにかの駒のような形状だろう。

 これは針を固定して押し込んだり引っこ抜いたりできればなんでもいいのでデザイン性を優先したものも存在する。

 

 今回はその画鋲が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アトリエには常にサメ機人(シャークボーグ)が数体いる。

 その殆どは常に釜をかき回し続けているか、本を読み続けて情報を集積し続けているのだ。

 サメ機人(シャークボーグ)は機械であり、仕事を確実にこなすだけの能力がある。

 また喋ることこそしないが、実は頭脳労働もかなり得意だ。

 

 特にひたすら機械的な変換を行うことが出来る翻訳作業はサメ機人(シャークボーグ)は得意としている。

 文学や日記のような表現を中心とする文章は流石に苦手だが、レシピのような書かれているものを書かれているように扱う文章ならば問題なく翻訳出来る。

 

 そんなサメ機人(シャークボーグ)の作業だが……、実はかなり遅延している。

 原因はなんというか、書かれているレシピがあまりに達筆すぎるのだ。

 文字がうねりまくっていて、それも癖なのか字が繋がりまくっている。

 

 たとえ日本語で書かれていても絶対読めねえ……と言いたくなる。

 すでに文字の解読を済ませて書き出された文字の形状に対して、形が崩壊しすぎているのだ。

 これを読むのはまあまともでは無理だな。

 サメ機人(シャークボーグ)は機械だから時間をかければ読解できるだろうけども。

 

 そっちは兄に管理を任せて私はガチャを回す。

 今回はー、と。

 

 R・画鋲

 

 出現したのは画鋲だった。

 それも、カプセルの中に4つだ。

 4つしか無い画鋲で何をしろというのだ。

 

 白い球状の頭があしらわれた普通のサイズの画鋲。

 見た目に変わったような部分がないが、それが逆におかしく感じる。

 これの使い方を考えれば、もっと大きいのが正しい、そんな予感がするのだ。

 

 とりあえず適当に木材に突き刺してみてもなにか変わったことが起こったりはしない。

 いつもならこれをした時点で木材が発火したり、勢いよく画鋲が抜けたりするのだが。

 

 画鋲だからなにか紙を留めないといけないのか? と思い、A4用紙を木材に止めてみたがそれも不発。

 引っ張ってみるもあっさり裂けてしまった。

 

 んんー?

 画鋲なんだから画鋲としての使い方で逸脱するんじゃないかと思ってたが、勘違いか。

 最初に感じた直感もあって、答えが見えない。

 

 わけわかんねえ。

 そう思って私は画鋲を机に投げ出した。

 ぽん、と放り投げたはずだった。

 

 画鋲は、スカカカンと気持ちいい音を立てて、机に突き刺さったのだ。

 ええー……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。案の定というべきか、そうなると思っていたというべきか。

 兄が画鋲を手裏剣代わりにおもちゃにしていた。

 投擲に絶対的な適性を持つという不可解な性質をもった画鋲は、適当に投げるだけでもターゲットに正確に針が突き刺さるのだ。

 これは相手が金属であっても問答無用で突き刺さるため、結構危険なのではないかという気がしなくもない。

 

 とはいえ、所詮画鋲。

 針が刺さるといってもそんなに深くはないため、人に向かって投げてもちょっと怪我をするだけだ。

 

 なに? 毒?

 今までサメ機人(シャークボーグ)で粉砕できなかったモンスターとかいないんだからやめなさい。

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